「こいつ誰だ?」
一人の少年が地面に倒れている青年を見ながらそう呟く。
「さあな、見慣れない格好をしているし、もしかしたらあいつ等の仲間かもな」
隣に居たもう一人が答える。
「じゃあ」
「ああ、めんどくさいが連れて行くしかないだろうな。
溜息を付きながら青年の腕を肩にかけるともう一人も同じ様に反対側の腕を掴む。
「行くぞ、廃城へ」
第零節「浮世」
「やっと着いた」
少年達が青年を引きずって来たのはボロボロになった街の跡…というより先程彼等が口にした様に城の跡、まさに廃城である。
戦に破れた訳ではなく、盗賊団に襲われて滅びた街でさほど広くも無い為に盗賊団が討伐された後も縁起も悪いと再開発されずに放置されているのである。
「誰だ」
「「ひぃっ!」」
廃城を見上げていると後ろから声が聞こえて来た。
必要以上に驚いたのは行き成り話し掛けられただけでは無く、素人でも解る位の濃密な殺気を感じたからである。
後ろで束ねた長い髪を風に靡かせた男が弓に矢をつがわせながら話す。
「それ以上城に近づいたら殺す。振り向いても殺す。大声を出しても殺す」
キリリッと聞こえて来る弓を引く音にゴクリと唾を飲み込みながらゆっくりと答える。
「何の用だ?」
「む、向うの方にこの男が倒れて居たんだよぅ。見た事の無い格好だからあんたたちの仲間かと思って…」
「ふむ、其処に置いていけ」
二人は殺気が消えた事にほっと息を吐き、なるべく慌てない様にゆっくりと歩き去って行く。
弓を構えていた男は依然、倒れたままの男に近づくと訝しげに眺める。
「確かに見慣れぬ格好ではあるな」
「何事だ!」
男が青年を眺めていると廃城の中から野太い声が聞こえて来る。
「近くの村の者が見慣れぬ男を連れて来ました。顔を見た感じは日の本の者の様ではありますが…」
「ありますが…何じゃ?」
「身に纏っている衣は日の光を受けて光っている様にも見えまする。もしや噂に聞く御使いでは」
「くくくく。で、あるか。連れてまいれ」
「はっ」
そう言われた男は倒れたままの青年を肩に担ぎ上げ、廃城へと歩いて行く。
その廃城の中では……
「御使いか。民草共が苦し紛れに流した現実逃れの噂話にすぎぬと思うておったがな」
薄汚れた着物を着崩し、眼帯を付けた男が薄笑いを浮かべつつそう呟く。
「流れ流れて辿り着いたこのような場所で何をするでも無しのその日暮し。これは吉兆か?それとも……」
傍らにあった枯れ枝を炎の中へと放り込む。
「はてさて、これからどうなる事やらな」
長髪の男が運んで来た青年を見据えて眼帯の男はにやりと笑う。
「こ奴が噂に聞く御使いかどうかはともかく、動く切欠にはなるな」
パチリと薪が爆ぜ、揺らぐ炎が眼帯の男を照らす。
その後ろの壁には木瓜紋の旗が掛けられていた。
「まったく、面白き物よな」
「この浮世は」
(`・ω・)恋姫外史に一刀が降りて来て、通りかかった少年達に連れて行かれた先に「ドリフターズ」の信長と与一が居たという設定らしいです。
物語が進めば何処かの陣営に合流するのではなく、独自に陣営を立ち上げる事になるそうです。
( ・ω・ )ホントに何があったらこうなるんだ、責任取れるんだろうなモチベ?