デート・ア・ペドー   作:ホワイト・ラム

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さて、少し間が空いてしまいましたが、投稿です。
女子とプールとか、かなりうらやましいですねー


プールの決戦!!

暑さを感じさせる夏の日差し。

町なかを琴理はプールバックを背負い歩いていた。

 

私は今日、ペドーとデートする。

 

そう考えた瞬間、胸が高鳴った。

 

「落ち着きましょう……これはただの訓練よ」

自身に言い聞かせるように、琴理が自身の胸に手を置く。

そうだ、もう自分の封印は終わっている。これはただの遊び。

そう、()()()()()()()

 

「っ……」

今更だが、やはり頬が緩む。

約束の場所まではもうすぐだ。

にやけた顔を見せる訳にはいかない。そう思い琴理は自分の頬を軽くたたき表情を戻した。

 

「さ、行くわよ」

待ち合わせ時間まで30分ほどあるが、デートなら男が早く来ているのは当然。

来てなかったら文句を言ってやろう。と自身を鼓舞して再び歩き出した。

 

 

駅口、東のパチ公前。

パチモンっぽい、いぬの銅像がある場所で待ち合わせの場所としては非常にポピュラーだ。

だが、今その場所が少し騒がしい。

 

「おー、琴理ー」

 

「っ!ペドー……え?」

人込みの中からペドーの琴理を呼ぶ声がする。

反射的に手を振り返そうとしたら、琴理の体が固まった。

 

「おーい、琴理ー」

銅像のパチ公の背中の上、一体何を考えたのか、その背中に乗ったペドーが手を振ってくる。

当然目立つ、というか人込みの正体は、ペドーを見に来たやじうまの集まりだった。

 

楽しそうに手を振るペドー!!

そして集まる周囲の視線!!

琴理はいたたまれない気分になって、思わず視線をそらした。

 

「ずいぶん早いなー、そんなにデートに行きたかったのかー?

といっても、俺の方が早かったな!!なんせ早朝の5時からパチ公の上でスタンバってたんだぜ?途中眠くて、この体制のまま寝落ちしたけどな!!」

誇らしげな顔をして、無駄な情報まで教えてくれる。

 

もうやめて!!琴理は思わずそう叫びそうになった。

しかし、今回の目的は果たしていない。

関係者と思われるのはいやだが――

 

「ペドー!早く降りてきなさいよ!!」

 

「はーい」

一喝して、ペドーをパチ公から退かす。

手を取って、無理やり人込みから引きずり出すが……

 

「みんないるか?」

琴理によって手を繋がれたペドー、反対側の手には幼女を連れていた。

くるみ、四糸乃が続き、最後に十香が付いてきた。

何処となくだがその姿はカルガモの親子を思い浮かべさせた。

 

「え、まさか……今日のデートに……」

 

「もちろんみんな連れてくぞ?

精霊たちが、お前『だけ』とデートして精神が不安定になったら困るもんな?」

わざとらしいペドーの言葉、琴理としてはそんなことを言われたら大人しく「一緒に連れていく」としか言えない。

そう、琴理はひとりの女の子だが、やはりフラクシナスの司令官なのだ。

精霊たちの、ひいてはフラクシナスの不利になる事は出来ない。

 

「そ、そうよね。みんなで行った方が楽しいわよね」

ぎこちない、不安定な顔で琴理がそう話す。

 

「…………」

そんな琴理の様子をペドーはじっと見ていた。

 

 

 

 

 

「おお!ペドー!水だ!!水がいっぱいだ!!」

プールをみて、水着をきた十香が驚きの声を上げる。

そうだ、彼女はこんなものを見るのも初めてなのだ。

 

「ここで、泳ぐんだぞ?あ、ちゃんとほかの人の迷惑も考えてな?」

 

「ふふん、そんなことわかってますわ」

 

「は、い……気を付けますね」

ペドーの言葉に、ワンピースタイプの水着を着た(琴理の謁見によって、例の水着は取り上げられた)くるみと、スク水姿の四糸乃。

 

そしてその後に――

 

「な、なにか言いなさいよ……」

恥ずかしそうに胸を隠す琴理の水着は白のセパレートタイプだった。

上部のブラの部分で隠された胸に思わずドキリとしてしまう。

いや、ここでドキリとしない奴はロリコンじゃねぇ!!

 

「くっ……発育の化け物め……!」

忌々し気に、十香の胸を見る琴理。

ぎりっと音を立て、チュッパチョップスにひびが入る。

 

「琴理、気にすることは無いぞ?今のお前の姿はとても魅力的だよ?」

キメ顔をして、自然を装って琴理の素肌の肩に手を置く。

その何気ない動作は熟練した、痴漢を思わせる何気ない動作だった。

 

「はっ、どーせ。インカムから、褒める様に指示でも来たんでしょ?

訓練の一環として、持ってきてるんでしょ?」

冷めた瞳で琴理が話す。

実は琴理の言うように、ペドーがインカムを耳につけていた。

 

「んなわけないだろ!!これは本心だ!!

すっごいかわいいと思ってるぞ!!

具合的には、成長途中のふくらみかけおっぱいとかな!!

っていうか、後ろに回って水着の中に手突っ込んで揉んでいい?」

手をワキワキさせながら、ペドーが近づく!!

 

「いい訳無いじゃない!!監視員呼ぶわよ!!

助けてって大声で叫ぶわよ!?」

胸を必死でガードしながら琴理が後退しする。

しかし、そんな姿はロリコンを興奮させる材料でしかない!!

 

「うわぁー足が滑ったー(棒読み)」

そういった瞬間、ペドーの姿が琴理の目の前から消えた!!

 

「どこに!?――――後ろか!!」

一瞬の気配を察知して、後ろに対して思いっきり手刀を振るうが数センチ先に立っていたペドーには当たらない。

直立不動で両手を組んで悠然と立ってる。

 

「はぁあああ!!」

一歩、また一歩と踏込手刀を振るう琴理。

しかしペドーが一体どうした仕組みなのか、その体勢のまま瞬間で消えたり後ろに出現する。

 

「無駄だ。何者も私に触れることはできない。13番目のロリコンである私にはな……」

 

「それはどうかしら!?」

 

「ぐふ!?」

攻撃を繰り出すと見せかけ、後ろを殴る。

ペドーの瞬間移動の癖を読んだのだろう。

 

「見事だ……だが」

次の瞬間再びペドーが消えた!

 

さわッ!

 

瞬時に琴理の背中は撫でられる!!

それだけではない、腕やお腹なども高速で出現するペドーになでられる!!

熟練ロリコンにのみ許された高速タッチに琴理が翻弄される!!

 

「くぅ!ああ!!」

余りの気持ち悪さに、琴理が悲鳴を上げる!!

 

「止めだ。エターナルカオス」

再度琴理の目の前に現れた、ペドーが自身の必殺技を発動する!!

琴理の目には、一瞬金色のフェニックスがペドーの背中に舞い降りた気がしたがきっと目の錯覚だろう。

 

 

 

 

そんな二人の様子を見る、十香たち。

 

「ぬぅ……ペドーたちは何をしてるのだ?」

 

「れべるのたかい、じゃれあいですわ。

わたしたちにはふかのうなじげんですわね。

はいりたいともおもいませんけど……」

十香の疑問に、くるみが冷や汗を垂らしながら話す。

 

「二人とも~、よしのんの四糸乃見なかった?」

そこに歩み寄ってくるのは、四糸乃の体を動かすよしのん。

しかし今は、四糸乃の意識が入ったハズのパペットが左手に付いていなかった。

 

「まぁ、無くなったら無くなったで良いんだけどさ?」

さらっと自分の本来の人格を乗っ取ったよしのんが笑う。

 

 

 

 

 

「ふぅ、準備運動はこれ位でいいかな?」

非常に疲れた様子の琴理を見ながら、ペドーが立ち上がる。

 

「――」

一瞬何か言いたそうだったが、琴理は口を閉じ、同じように立ち上がる。

 

「おーい、お前らー。ウォータースライダーで遊ぶぞ!!」

次は精霊たちの番だとでも言いたげに、ペドーがみんなの方へと走っていく。

それを琴理はつまらなそうに見る。

 

「なによ……もう、私は終わりって訳……?」

しかしすぐに頭を振って考え直す。

そうだ、自分は司令官だ。つまらない顔などできない。

そう思いなおして、ペドーの後を追った。

 

「(令音さん……琴理は――そうですか)」

インカムの令音に必要な情報を聞き、小さく顔を歪めるペドー。

 

 

 

 

 

その後のスライダーをすべり、一行は昼を取ることにした。

フードコートに、巨大なサンドイッチの皿が並ぶ。

 

「おお、これはうまいぞ!!」

十香が目を輝かせ、サンドイッチを食べる。

くるみ、四糸乃も同じように喜んでるが琴理だけは、少し表情がすぐれない。

なんというか空気が此処だけ重い。

 

「あー、すまん。ちょっと席を外す」

3人のそう告げペドーがトイレに立つようにして、インカムに話す。

 

「どうですか?琴理の数値は?」

 

『絶賛下がってるよ……やはり、他の精霊を連れてきたのが原因の様だ』

令音が答えるが、ここまでは実はペドーの計画通りだった。

以前から、精霊は不機嫌になるとペドーとのパスが狭まり精霊の力が戻ってくるらしい。

琴理は無理やりもどしたせいか、封印が不完全だという事が分かった。

そのため、今ペドーは必死になって琴理を不安定にしているのだ。

中途半端にしか封印できないのなら、あえて大きくパスを狭め精霊として完全に覚醒してから()()()()することにしたのだ。

 

『これだけ、開けば大丈夫だ。あとはもう一度封印すれば大丈夫だろう』

 

「令音さん、ありがとうございます」

ペドーはお礼の言葉を告げた。

そう、今回の事件で一番、琴理の事を考えていたのはペドーだった。

自分の危機を救うため、再び精霊となった妹。

不安定な琴理を心配して、すぐさま封印したがそれでも不安で、再度確認をしていたのだ。

 

「琴理……不甲斐ない兄ちゃんでごめんな……」

誰に聞かせるでもなく、ペドーがそこで深呼吸する。

心配事は多い、実はペドーは『5年前』というキーワードを聞いて少し気になることが有ったのだ。

今日、本当は5時に起きたのは昨日の夜、神無月に見せられたビデオの映像が気になり眠れなかったからだった。

 

「大丈夫だ、俺が、全部ちゃんと――」

 

ドぉおおおおん!!

 

突如として、爆音と振動が伝わる!!

そして一拍遅れて、悲鳴が広がる!!

 

「まさか――!!」

嫌な予感がしてペドーが走り出した。

 

 

 

 

 

AST詰所にて――

 

「なに!?一体どうして、アレが稼働してるの!?」

 

「隊長大変です!!緊急デバイスに反応があります!!」

隊員の言葉に、日下部が目を丸くする。

不安なのは、折紙の事。あの子は誰よりも復讐に燃えていた。

いや、憑りつかれていた。と表現すべきだろう。

 

「折紙――早まるんじゃ――」

 

「ッ!この反応!!折紙さんは、この基地内に居ます」

 

「はぁ!?じゃ、誰がアレを動かして――」

叫ぶような隊長の言葉が広がると、備品の影から折紙が姿を見せに来た。

頭にはたんこぶが出来ており、誰かに殴られた様だった。

 

「折紙!!一体何が――」

 

「復讐を考えるのは……私だけじゃなかった……スズモトが――」

そう言って、折紙が再び意識を失った。

 

 

 

 

 

「ひゃは!復讐だけを糧に今日まで生きてきたぜ!!だけど、その日々ももう終わる!!ひゃは!!ヒャッハー!!

もう、要らないんだ。俺の命は、奴らを壊す為に使う!!」

復讐に憑りつかれたのは折紙だけではなかった。

この男も、また復讐に捕らわれた囚人だった。

狂気を纏った武器が、今、琴理たちに振るわれる!!




ヒャッハーさん暴走開始!!
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