遂に出たあの精霊!!ペドーさんに勝ち目はあるのか!?
何時も誤字報告してくれる人たちありがとうございます!!
本当に助かってます!!
禁じられた言葉
来禅高校の屋上にて一人の少年が、フェンスに体を預けるようにしてもたれ掛かっている。
両の手を頭の後ろへ回し、2つの手のひらを重ね枕の様にして目を細める。
だるそうな顔をしているのは、この学校の生徒五河 士道。通称ペドー。
その通り名の通り、様々な意味での子供好きな困った人物である意味では有名人である。
「……へぇ」
「――どうしたんだ?もう少し驚いたらどうだ?」
ペドーの視線の先、そこにももう1人同じ様な人物がいた。
ペドーと同じ髪型。
ペドーと同じ制服。
そしてペドーと
「……一応聞いておいてやる。形式美って奴だ。
「あっはっは、見て分かんない?毎日鏡で見ているだろ?
俺は俺、五河 士道さ」
目の前に居たのはもう1人の士道!!
ニタリと笑みを浮かべ、ペドーに話しかける。
「いや、本人の前で本人に化けても無意味でしょ?
バカなの?死ぬの?更年期障害なの?
「こんのぉ……!!」
士道の顔が怒りに歪んだと同時に声が変わる。
少年の声から、妖艶な女性の声へと。
「事ある事に……!!
ぜぇええええったい!!許さないんだから!!
アンタなんてぎったぎたのボッコボッコに――」
「さて、教室帰るか」
「話を聞きなさいよ!!」
七罪を無視して、ペドーは屋上の入り口へと帰っていった。
「ほんと、本当に何なのよぉおおお!!」
地団駄を踏んで一人、士道の顔をした七罪の声が響いた。
「だーりん……だぁりぃん……わたし、おいしいパスタのお店見つけたんですよぉ……
ねぇ、こんど一緒に行きませんかぁ?もちろん送迎から全部私のお金で……
琴理様たちの分もちゃんと私が――」
とろけるような猫なで声で、媚に媚びまくった声で一人の少女が、床に突っ伏して椅子に座るご主人の足元に傅く。
「美九」
「は、はい!!」
媚に媚びた美九の声が、小さな言葉によって一瞬に止まる。
怯えたような縋るような目で、椅子に座るペドーの顔を見上げる。
「うるさいぞ。今は琴理の質問に応えろ」
「……!!」ぶんぶんぶん!!
ペドーの言葉に無言で必死に首を縦に振る美九。
これが嘗て、人々を洗脳しつづけた存在の末路だと考えると、少し可哀そうに思う人もいるだろう。
ペドーはそうは思わないが……
「うわぁ……」
少なくとも、ペドーの正面に座る琴理はそうではなかったらしい。
ここはフラクシナス艦の内部。
机などが置かれた簡易の会議室の様な場所だった。
今日は美九の事情聴取の為、琴理が呼んだのだが美九は艦内の内装を見た瞬間、ペドーに閉じ込められた部屋の事がフラッシュバックしたのか。
突然大声を出して、自身の体を掻きむしり暴れだしたかと思うと、今度は急に部屋の隅に座り込んでひたすら「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」と濁った眼でうわごとの様に囁き始めたので、仕方なくペドーを精神安定剤替わりに呼んだのだった。
「え、えっと……質問に移るわよ?
先ずあなたの過去なんだけど――貴方は精霊になった元人間で間違いないわね?」
「……!」コクコクコク!!
琴理の質問に、必死に首を振って肯定の意を示す。
「はぁ……美九しゃべって良いぞ。琴理の質問に答える為なら」
「ぷはぁ!!あ、ありがとうございます、ありがとうございます、だぁーりん!!だぁりん大好き!!だぁりん愛しています!!」
「質問に答える為って言ったんだが?」
「は、はひぃ……ごめんなさい!!捨てないで!!お願いだから私を捨てないでぇ!!
なんでもします!!お金が欲しいなら、体も売ります!!だーりんの為なら何でもしますから!!どんな事をしても良いから私を捨てないで!!お願い!!お願いしますぅうううううう!!!」
涙と鼻水と、到底アイドルと思えない様な顔をして、ペドーの足に美九が縋りつく。
再び発作の始まった美九を見て、琴理は再びため息を付いた。
「ふぅーい……疲れたー。あーあ、アイドルなんて攻略するモンじゃないよなー
なんかさー、うっとうしいし、そのくせパパラッチとかは一応付いてくるんだよなー」
ベットに倒れ込み、布団に顔をうずめながらペドーがぼやく。
結局あの後、何とか話を聞き出し。過去の〈ファントム〉と思わしき存在と出会った事。
セフィラを入れられても、破壊衝動に飲まれなかった事など貴重な情報が分かった。
後はフラクシナス内の機械で細かい数値を取ったらしいがこちらはペドーにとってはちんぷんかんぷん(ポルトガル語)だった。
恐らく琴理が何とかしてくれるだろう。
というかしてくれなかったらあの指揮官は無能すぎる。某戦闘機に変形するロボではないがニューリーダー病を誰かが発病してもおかしくはない。
「あー、このまま寝ちゃいたい……」
ゆっくりと襲い来る眠気にペドーが意識を手放そうとした時――
「寝るなー!!」
顔面を蹴られる衝撃と共にベットから叩きだされる!!
「ひどい!!いきなり蹴るなんてヒドイよシェリちゃん!!
けどこれがお前の愛なら俺は受け入れるよ!!」
「ん、な訳ないだろ!?というか、どうして平然とボクの部屋で寝てるんだよ!!」
そう指摘するのはラテン系を思わせる褐色肌の元気っ娘、シェリ・ムジーカだった。
新しい綺麗な壁、新しい家具の数々……ここはペドーの家ではなくそのお隣としてラタトスクが作り出した精霊用マンション(ペドーは密に精霊ズマンションと呼んでいる)だった!!
「やぁ、シェリちゃん奇遇だね!」
「オマエが勝手に入って来たんだろ?プライバシー守れ!!
さぁ!!帰った帰った!!夕飯の時にはソッチ行くから待ってろ」
「けどシェリちゃんが一人寂しくて泣いてる気がしたから――」
「安心しろ、絶対そんな事無いから!!」
シッシ!と手を振り、ペドーを追い出すシェリ。
蹴飛ばして扉の外へと叩きだした。
「まったく!あのロリコンは本当に油断が――ハッ!?」
その時シェリの脳裏に、赤いコブラっぽい怪人の姿がよぎる。
『お前がペドーを追い出すのは勝手だ。
だが、追い出されたペドーは何処へ向かうと思う?
そう隣の四糸乃だ。四糸乃がお前の身代わりになって――』
「うわぁあああ!!ぺ、ペド野郎!!せっかく来たんだからお茶でも飲んでけよ!!」
己の過ちに気が付いたシェリは急いで扉を開け、お隣の四糸乃の部屋をノックしようとしていたペドーを部屋へと連れ戻した。
その後肝心のお茶を用意していなかったことで、シェリは別のピンチに襲われるが別の話。
10月15日――街中はすっかりハロウィンの活気に賑わっていた。
あちらこちらにカボチャの置物があって、可笑しくも不気味な笑みが浮かんでいる。
「…………?」
『ねぇ、ペドー君!あの人の顔にくりぬかれたカボチャって何?』
四糸乃の疑問を代用するかのように、よしのんでペドーに聞いてくる。
今ペドーたち一行は買い物の途中だった。
四糸乃、くるみ、シェリの3人を連れて仲良く買いものをしていく。
「あれは、じゃっくおらんたんですわ。がいこくのおまつりで、かざるんですわよね?」
「へぇー、んで、何時食べるんだ?」
くるみの言葉にシェリが尋ねる。
「うーん、あのカボチャは食べないな。まぁ、飾りだよ飾り。
そんな事よりハロウィンはみんな仮装していろんな人のお家を回るんだよ?
おばけの恰好をして『お菓子くれなきゃイタズラするぞー』って言って」
指を立てて、飾ってあるお菓子の袋を指さす。
あまりなじみがないシェリや四糸乃は興味深そうに聞いている。
「なんか、オマエが『お菓子くれなきゃイタズラするぞ』ってアブナイ意味に聞こえるんだが……」
『あ、わかるー!寧ろ家に来た子はもう返さない的な?』
「どうしましょう……あまりにしぜんすぎますわ……」
最早楽しいハズのハロウィンは3人の脳内ではペドーの欲望を満たす変態の祭典へと変わっていた!!
「やばい……考えたら興奮してき――いっだぁ!!?」
むらむらと湧き上がる妄想をするペドーに元へ、すさまじい勢いで車いすが突っ込んできた!!
「お、おお……少年よ、……す、すまない……」
ガクガクと震える老人が、車いすの上からペドーに話しかける。
ほりの深い外国の老人で、ナイスミドルや好々爺と呼べる容姿をした若い頃はたいそうモテたであろう老人だった。
「あたた……おじいさん?車いすでハッスルしすぎでは?」
「い、いや……坂の上から、転がってね……止まらなくて……隣車だし、死ぬかと思った……
うっ!?心臓が……!動悸が……!!」
まるで地獄でも見たようにひどく老人が衰弱して見えた。
「えっと、病院はアッチですよ?」
あくまで親切心を見せてペドーが病院の方を指さす。
「あ、ああ……済まない」
頬のこけた老人の車いすを引くために、坂の上からもう1人外国の美女が姿を見せた。
そして懐から煙草を取り出し、火をつける。
「どうも」スパッー……
「うえっふ!!えっふ、えっふ!!わ、私は、ボードウィン……こっちはカレンだ……うえっふ!!」
吐きかけられた煙に咽ながら、ボードウィンが話す。
「アッツゥイ!!!」
カレンと呼ばれた美女の吐く煙はすべてボードウィンに掛かり、たった今灰が彼の頭に落ちた。
「すみません。ドジっ子なので」
尚も煙草を吸いながらカレンがそう話す。
(うわぁ……これ絶対老人虐待だろ……)
さっきも坂の上から落ちたといったことを思い出し、ペドーが小さく身震いする。
その時――ううぅうううぅうううううぅうううううう☆!!
けたたましいサイレンの音が鳴り響く。
これは空間震のサイレンだった!!
「ボードウィンさん、此処は危険です!!!早くシェルターに避難を――」
「逃げましょう」すたすた
「カレン!?カレン!!なぜ私を置いていくのかね!?カレェエエエエエン!!」
ボードウィンを置いてダッシュするカレンに無常に手を伸ばす!!
「あ、すいません。ドジっ子なので」
「いつか君のドジに殺される気がするよ……」
二人を見送りペドーは目的地へと走り出した。
心の中でボードウィン老人が無事に寿命で死ねる事を祈りながら。
「なんだ、此処……」
フラクシナス艦に回収され、ロリ3人としばしの別れを告げたペドー。
精霊の反応があった場所は、寂れた遊園地だった。
朽ちたメリーゴーランドに、廃墟と化したミラーハウス、観覧車のゴンドラは空間震に飲まれ半分が綺麗に切り取られ前衛的なオブジェの様だった。
「うふっ、珍しいわね。こっちに引っ張られた時にAST以外のニンゲンに会うなんて」
「っ!?」
突如頭上から聞こえる声に、ペドーが弾かれたように顔を上げる。
アトラクションの教会の上、橙と緑で構成された霊装を纏う美女が足を組んでいた。
「そんなに怖がらなくても取って食べたりしないわよ?
どうしたのボク?こんな所へ来て?」
教会の上から、フワフワと空中をゆっくりと降りてくる。
魔女の様な帽子の下からのぞくエメラルドの瞳に、素晴らしスタイルを持つ20代半ばと思われる精霊だった。
「(琴理、お腹痛い。回収よろ)」
『ダメでしょ!!年上も攻略しなさいよ!!ほら!!選択し出たから!!!
あの精霊は、確か識別コード〈ウィッチ〉……確か……』
「え”ビッチ!?性欲強いBBAとか、ゴミじゃね?
寧ろ帰りたい!!お願い!!!帰して!!」
『止めなさいよ!!!そんな事絶対本人の前で言うんじゃないわよ!!!
ほら!笑顔で媚売りなさい!!社会人はみんなそうしてるわよ!!』
「ちょ、ちょっと君……?
大丈夫?」
突然叫びだしてペドーを見て、精霊が困惑する。
「は、はは……俺は、五河 士道……よろしくな……(B、BB……A)」ボソ……
酷く酷くぎこちない笑みでペドーが笑って見せた。
「ん?最後なんて言ったの?聞こえなかった……
えっと、し、し?ん?ぺ?ペドーくん!
私は七罪よ。とにかくよろしくね?」
苦い笑みを浮かべたペドーに七罪が、(普通の性癖を持つ)男なら一発でノックアウトしてしまいそうなウインクを投げる。
本編書いてるのに、小話書きたい……
アイディアプロットとしては――
①くるみSOS
お使いに行くくるみをペドーがビデオカメラ片手に追跡。
物陰に隠れてくるみの雄姿を余すことなく撮影しろ!!
気を付けろ!お巡りさんがこっちを睨んでる!!
②シェリショッピング
ひょんなことから、シェリのスパッツを破いてしまったペドーさん。
謝るのと一緒にスパッツを弁償する事に。
二人きりの買い物「俺の選んだ
③琴理ゲットバック
押入れの奥から発見された『パンドラボックス』。その中には、幼い琴理が兄に送った「何でも言う事聞くよ券」が!!
今兄妹のプライドをかけた絶対に負けられない戦いが始まる!!
④エレンイエーガー
育児につかれたエレンママ。殿町君と偶然町で出会いそのままデートへ!?
ちょっと大人なほろ苦いラブストリー?