作者の場所は、浸水などは起きませんでしたが、同じ県内ではすごい被害が出ています。
携帯の警報が夜中に鳴って、かなり焦りましたね。
少なくとも私は、今は元気です。
「う……」
よしのんの声に、四糸乃が驚きの表情を浮かべる。
その声はいつも聞いている、よしのんとは全く違う人物の声だ。
「うがぁーーーー!」
よしのんにヒビが入り、光と煙がそのヒビからあふれ出た。
「七罪!逃がしはしないぞ!!」
ペドーはその煙の中に自ら飛び込むと、目の前の七罪のハズの人物を見て目を見開いた。
「……お前……七罪か?」
ペドーの疑問を呈す言葉と共に、部屋の光と煙が収まるとそこに居たのは見知らぬ少女。
彼女は決して、七罪の様な年上の女ではなかった。
目は憂鬱に歪み、眉は不機嫌さを見せ、小さな体を隠すような猫背で、ぼさぼさの手入れのされていない髪の毛、卑屈そうな表情をペドーに向けている。
セクシーさの塊だった七罪とは似ても似つかぬ、幼女の姿――
「み、見たな……!
わ、私の秘密を二度までも見た――ひぐぅ!?」
「やぁ、お嬢ちゃんかわいいね?お家は何処かな?どこから来たのかな?」
半場瞬間移動染みた、高速移動(後に八舞が「我で無くては見逃していたな」というレベル)で謎の少女の背後に回る。
そして容赦なく、小さな胸の部位に服の上から手を這わす。
「ふぅ、堕肉を見た後は、平たい胸で癒されるなー……」
「なるほど、七罪の力は変化させる力。どうやらその力で自分の姿すらも変えていた様ね」
ようやく合点がいったようで、琴里が考え込むように七罪のからくりを推理する。
「な、なんだって!?けど、このリアルなぺったん具合!このぺったん具合は決して偽物なんかじゃないはず!!」
七罪に当てる手のスピードを上げながらペドーが、戦慄する。
もっとも、周囲は突然始まった通報待ったなしのペドーの行為に戦慄しっぱなしなんだが……
「いや、待てよ……これは所詮、服の上から……リアルに触ってみないと本物かは――」
神妙な顔をして、七罪の上着に手を突っ込んだ時、ついに七罪が正気に戻った!!
「触るな!!まったくお前らは!!私に、私に二度までもこんな仕打ちを!!
許さない、ぜぇ~~~~~ッ対に許さないからな!!!」
七罪が飛び上がり〈
そして、全員に向かって謎の光を放ち、窓から外へと飛び出した!!
「へへーん!ざまぁ見なさい!!あんたらはずっとみじめな、チビすけのままでいればいいのよ!!」
捨て台詞を残し、七罪は逃げていく。
「いてて……一体、なに――――が?」
ペドーは家の中の惨状をみて、目を丸くした。
10月29日、ペドーは自身を呼ぶ声を聴きながら、ゆっくりと、しかし若干速足でリビングに向かっていた。
「ユートピア!」
小さく今の気持ちを述べて、ペドーはリビングへと身をひるがえした。
「ペドー、黄な粉がほしいぞ、ペドー!」
「ペドートイレに行きたい、連れて行ってほしい」
「ぺどやろー!サッカーがしたい!!」
「ペドーさん……」
「ちょっと、みんな静かに!ここはちゃんと、道順を――って、それ私のチュッパチョップスじゃない!かえしなさいよ!!」
「カカカ、我が領土に落ちた物はかんたんには返せんな」
「宣誓。取れるなら取ってみろ、という事です」
「ダーリン!ダーリン!!」
現在五河家のリビングには、複数の小さな子供たちの声があふれていた。
その子たちは、皆ペドーの良く知る子の面影を残した子で――
「ターゲットは9……敵に不足は無いな」
にやりと笑うと、ペドーが走り回る女の子(耶倶矢、夕弦、琴里)3人組の前に躍り出た。
「こら!耶倶矢。人の物を取ったらいけないんだぞ?それはドロボーのすることだ。
人間悪い心に負けそうになるが、それを制御してこそが人間だぞ?
ほら、琴里にごめんなさいは?」
「「……ごめんなさい……」」
耶倶矢、夕弦が顔を向き合わせて、数秒の沈黙の後に琴里に謝った。
「……いいのよ、私も、分けてあげなかったのがいけないんだし……」
琴里も琴里でばつが悪そうに、謝罪を受け入れた。
「さてと……十香はきなこを食べ過ぎです!お夕飯まで待ちなさい!
きなこは一日、5キロまでの約束でしょ?」
「む……そうだが……わかった」
小さくなった十香が、諦める。
「シェリちゃーん?お部屋の中でサッカーはダメって言ったでしょ?
悪い子はお尻ぺんぺんですよ?」
「ひぃ!?」
ペドーの脅し文句に、シェリが自身の尻を押さえて青い顔をする。
先日されたお仕置きの記憶はまだ新しく、シェリには効果は覿面だった。
「ボールが誰かに当たったら困るでしょ?」
「う、うん……」
ペドーが言い聞かせるようにシェリに話していく。
「さ、シェリちゃんゴメンなさいは?
将来はペドーさんのお嫁さんになります、旦那様の赤ちゃんたくさん産みますは?」
「ご、ごめんさい……将来はペドーのお嫁さんに――――あれ?
な、なに言わせようとしてるんだ!?」
あと少しで大変なことになりそうだったことに気が付いたシェリが慌てて、ペドーから逃げる。
「ちっ!うまく言質が取れると思ったのに……」
ボイスレコーダーをしまいながらペドーが小さく舌打ちをする。
「だーりん、わたしならお嫁さんになっても――」
「ペドー、トイレ……もう我慢できな――」
美九と折紙がペドーを呼ぼうとした時、横から声がかかる。
「みなさん、まだまだおこさまですわね。わたしなんてひとりでおふろにもはいれますのよ?」
『美九ちゃーん、心配しなくてもペドー君はちゃんと今の君を虎視眈々と狙ってくれてるよ?』
子供たちの中で比較的大人びた、そのしゃべり方。
その二人がこっちに歩いてくる。
「ぺどーさん、ここはわたしにまかせてほしいですわ。
こんなちゃんす――ではなくて、こんなときこそわたしがちからになりますわ」
『おおー、くるみちゃんは、お姉さんぶりたい年頃なんだねー』
ひとりはくるみ。七罪のあの光線を受けても唯一くるみだけは年齢が変わっていなかった。
今現在のくるみ位の年頃が、今のみんなとおおよそ同じであるあるため、変化が無かったのか、それとも七罪がくるみを基準にそろえたのか分からないが、それでもこのパニック一歩手前の空間において、少し大人びたくるみの存在はありがたかった。
もう一人はよしのん。七罪から解放されて何時の間にか四糸乃の手に収まっていた。
よしのんには影響がなく、年齢の変化が無かった。今は四糸乃と体の主導権を交代して皆をまとめるリーダー各となってる。
「二人は、心強いな……んじゃ、俺は令音さんと対策を練ってくるから、なんかあったら携帯に連絡よろしく」
手短に挨拶をして、ペドーが去っていく。
一機のプライベートジェット機が、空港の滑走路に止まる。
そのジェットに乗っているのはDEM社の社長にして天下無用の赤ちゃんプレイ野郎、アイザック・ウェスコットだった。
「エレンママー、ミルクほちいでちゅ~」
おむつに、哺乳瓶というもはや彼の正装ともいえる姿で、隣の女性エレン・M・メイザースに甘える。
ジェット機の内装はまさに異様の一言で、子供部屋の様なピンクや黄色のパステルカラーの壁紙に、ベビーベットの上にある回る道具や、備え付けの哺乳瓶など明らかに幼児を対象にした道具が並んでいる。
エレンママの手には哺乳瓶が握られ、このジェットがプレイベートジェットであると同時に、プレイ用ジェットであることが分かる。
「アイク……あんなことが起きたというのに、また来日ですか?」
エレンは真剣な話をしようとあえて、アイクと呼ぶが――
「ばぶー、ママは心配性でちゅー。
本社の奴らは、しばらく自由で良いでちゅー。
それよりも、大事なのは『イツカ・ペドー』だよ……家族や周囲に大量の精霊と思われる存在をかこっているんだ。嫌でも目に付くからね」
エレンが自身の持つ資料に目を通す。
そこには、調査部から送られてきた件の少年のデータが乗っている。
「〈プリンセス〉〈ハーミット〉〈イフリート〉〈ベルセルク〉〈ディーヴァ〉……
そしておそらく精霊またはそれに近しい者が二人……良く集めたといえますね」
「ああ、そうさ。ふふふ、フラクシナスは相当有能な人物を引き入れた様だ。
だが――前回の〈プリンセス〉の反転は彼の死がカギになった……
つまり、彼という存在は、我々にとっても重要な意味があるんバブー!
ちゅぱちゅぱ……」
「な、なるほど……」
5分とシリアスが持たなかったと、エレンが思いながら哺乳瓶でミルクを与える。
現実逃避気味に窓の外を見て――
(そう言えば、この国には……殿町君がいるんだった……)
なぜかその事を意識すると、胸がはねた気がした。
しかし、頭を振り関係ない事だと、自身に言い聞かせ、まだ消失反応が出ていない精霊――〈ウィッチ〉を狩ることを意図的に考えることにした。
「ふぅー!いい目覚めだぜ!」
顔面に傷を作りまくったペドーが、ベットから勢いよく目を覚ます。
気分は
「うーん……ねむい……」
ペドーの隣で眠るシェリが目を覚まし、反対側の布団は空っぽだ。
寝乱れ、可愛いおへそが見えている。
「朝チュン……今思えば、朝チュンじゃないか!?
ふぅおおおおおおおお!!興奮する!!幼女と朝チュン!!!」
その場でひどく興奮したぺドーを置いてシェリが、下のリビングへと降りる。
「おはよー」
シェリが声をかけると、先客たちが挨拶を返してくれた。
「おはよう」
「……おはよう、ございます」
「あ!おはようございます」
そこに居たのは、琴里、四糸乃、美九の3人だった。
「ねぇ、結局昨日のあれ、どうなったの?」
琴里の言葉にシェリが、ため息をつく。
「いや、大変だったよ……ペド野郎が、ボクたちと寝たいって言いだすのは分かったけど、さすがに全員とは無理だったよね?」
昨日の晩、寝ることになったペドーは当然皆と添い寝したがる。
幼女との添い寝を見逃すほど、彼はおろかでもないし、欲望を押さえれる人物でも無かった。
その結果、くじを引いて添い寝するグループを制作したのだった。
折紙が仕方なく帰って、残るメンバーは十香、琴里、四糸乃、くるみ、シェリ、耶倶矢、夕弦、美九の8人。
その中で、ペドーと同室になったのは十香、四糸乃、シェリ、夕弦だった。
「まったく、大変だったよ!ボクたちの布団に入り込むわ、十香の寝相は悪いわで……
アイツの顔ぼこぼこに成ってたよ」
小さく笑いながら、シェリが話す。
「やぁみんな。朝ごはんを食べようか!」
顔はボロボロだが、妙につやつやした顔のペドーが未だに半分眠りの世界に居る夕弦を脇に抱えて姿を見せた。
「あ、ふーん……」
「あー……楽しそうですね……」
琴里が、嫌にいい顔をしたペドーを見て、昨日の興奮をわずかに悟った。
そしてそれとほぼ同じタイミングで、美九の目のハイライトが消えた。
「ダーリン……だーりん……私も、私も仲間に入れてくださいぃぃぃぃ……
昨日は、ちらちらと何度も私を見てくれたじゃないですかぁ?
獣の様に、生肉を目にした飢えた野獣の様に私をなんども、視線で撫でまわしたじゃないですかぁ……
もっと、もっと、昨日みたいに……昨日みたいに欲望をぶつけてください!!
私を、ダーリンの……ご主人の欲求を満たす道具にしてくださ――」
「やめなさい!!」
危険領域の突入しかけた美九を慌てて、琴里が押さえる。
幸いペドーは朝食を作るため、キッチンに立っているので聞こえはしていないだろうがもしも聞こえていたとしたら、
「まったく、早くこの状況を脱さないと……あのロリコンが自分の理性にお別れする前に……!」
琴里は自身に、大変な事態が刻一刻と迫っているのを感じながら冷や汗を流した。
「あー!幸せだなぁ!!こんな日々がずっと続けばいいなぁ!!
さぁ!!みんな、ペドーさんのお膝においで!!食べさせて……食べさせてあげようねぇ!!」
いつもよりハイテンションなロリコンをみて、琴里の背中に悪寒が走った。
いつもは、舌足らずで幼いイメージのくるみですが、こんな風に周囲の子と年がそろうと比較的大人びたイメージ。
逆に耶倶矢、夕弦は一気にバカになる気がします。
そんなおバカな小さな子に、卑猥なことを教え込んで――
なんて風にペドーさんは考えています。