デート・ア・ペドー   作:ホワイト・ラム

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今回はすこし、早めに投稿出来た様ですね。
この調子でもっと投稿時間を早めたいですね。


「旅の恥はかき捨ててって言うもんな!!」

何処とも知れない、屋上の上。

狂三とペドーが向き合う。

 

「『過去に行きたい』……ずいぶん、大それた事を言いますのね?」

狂三は探りを入れる。

自分はたった今、精霊と化した鳶一 折紙を5年前の8月3日に送り届けたばかりだ。

このタイミングで、彼が彼女と全く同じ『時間』に送り届けて欲しいというのはなんだか作為的な物がある気がした。

 

「いやさ、推理に推理を重ねた推測を域を出ない仮説なんだけどさ?

折紙なら過去に行って、やり直しをしようとするんじゃないかと思ってさ。

唯一出来る可能性があるなら、お前だろ?」

 

「なぜ、わたくしが折紙さんを過去に送ったと思うんですの?」

 

「おいおい。無駄なこと言うなよ。こっちにはくるみがいる。

そっちが大規模な力を使えば分かるさ。

んで、さっきも言ったように、その何らかの大規模な力の使い道を考えた結果、折紙にたどり着いたってワケだ」

探りを入れる狂三の言葉を簡単に、あしらいペドーが説明する。

ペドーは折紙の考える事を模倣して、狂三に行きついたのではなく、狂三が何か大きな力を使ったという事実から折紙にたどり着いた様だ。

 

「チぃ、『あの子』がアナタたちの陣営に居るのは思った以上に厄介ですわね……」

舌打ちをして、狂三が内心で爪を噛む。

だが、それも一瞬の事。すぐに考えを改め次善策を探す。

 

「良いですわ。ペドーさんが望むなら、折紙さんを送ったのと同じ過去に送ってあげますわ。

けれど、交通料はきちんと頂きますわよ?」

 

「……え!?まさか……俺の体が目当てか!?

そうだよな、そんな行き遅れのお前が唯一、何らかの伴侶を得る手段と言えば、無理やりにでも肉体関係を結んで、相手の同情を得てそのままズルズルと――」

ペドーが自身の胸の前で、両腕をクロスさせる。

体は嫌がっているが、その瞳には諦めがちらついている。

 

「違いますわ!!いや、体が目当てという意味では遠くないと言うか、ああもう!!なんでペドーさんと居るとこんなにも話が進まないんですの!?

通行料と言うのは、ペドーさんの中にある霊力ですわ」

 

「ああ、その程度か。良いぞ。もともと俺のじゃないし。

使い道がなんにも無いからな」

それなら構わないと、ペドーが今度は無防備に手を広げる。

 

「わたくしが欲しくて仕方ない物を、そんな風に言えますのね」

 

「ま、今この瞬間、必要だったのは嘘じゃないか」

ペドーがくるみの天使、『刻々帝(ザフキエル)』の短銃を呼び出す。

そしてそれを狂三に渡した。

 

「不思議な気分ですわね。わたくし以外の『刻々帝』を見るのは――

さぁて、おしゃべりはこれ位にして、始めましょうか」

狂三の影がうごめき、ペドーの足元を包み込む。

彼女の能力の一つ、相手の時間を奪う『時喰みの城』だ。

 

「くっ……」

ペドーの体から、力が抜ける。

なるほど、これが霊力を吸われるという事なのだろう。

顔を上げると、狂三の瞳の時計の針が右回転――本来と逆方向へと回っていた。

そして数瞬の時が過ぎた後――

 

「お疲れ様、ペドーさん。準備が出来ましたわ」

そう言って、狂三がペドーから渡された短銃を帰す。

 

「これが……世界()を超える力……!」

ペドーの手に、短銃が握られている。

それはさっきまでとは明らかに違う『力』を秘めていた。

明確なまでに『違った』物だと思えた。

 

「ふぅん、流石ですわね。複数の精霊を封印しただけありますわね。

すごい霊力ですわ。けど、やはり『刻々帝(ザフキエル)』の使い方は下手ですわね。

このまま撃っては、()()()的外れな時代に飛ばされますわよ?

滞在時間も、1分も無い。この力を目的の『時間』に合わせて、なおかつその『時間』で――」

狂三が長々と説明を始めるが――

 

「あ!手が滑った!!」

 

「ちょ!?何やってますの!!」

ペドーの手から短銃が、こぼれ落ちる。

その短銃にペドー、狂三の両名が手を伸ばす。

そして二人の手が、それぞれ銃口とトリガーを掴んだ。

 

「あ、そこは――」

狂三が銃口を掴み、ペドーがトリガーを握った。

その結果、『刻々帝(ザフキエル)』は暴発した。

 

 

 

 

 

「う、う……ここは……?」

目を覚ますと狂三は知らない場所にいた。

ここが過去なのか、未来なのかはわからないだが――

 

「ひどい世界ですわね……あたり一面、土と砂……ばかり……」

大地は枯れ果て、草木も無い。

見る限り、何かの建物の廃墟と、砕けた岩ばかり。

そして無数の――

 

「戦いの跡……?」

銃痕や、切り傷が廃墟に残されている。

ここ数年過去に、こんな戦いがあった記録は無い。

つまりここは――

 

「未来の世界……こんな、荒廃し尽くした死の世界が……」

狂三はショックを受けた。

自身の大切な者たちは何処へ行ったのだろう?

もしや自身が折紙を過去に送ったことが原因なのだろうか?

そして、これが未来であるならばどうすれば、この未来を回避できるのか?

ぐるぐると狂三の頭で考える。

 

その時――

 

「誰かの、声?生存者がいますの!?」

小さく声が聞こえた気がして、狂三が走り出す。

走り、廃墟を抜けた先に――

 

「うぉおおお!!ガチペドオーを倒せ!!」

 

「ロリコン以外も優遇される世界を!!」

 

「15歳以上の女の子は、賞味期限切れなんかじゃない!!」

ボロボロの服を着た、男女が武器を持って走っている。

そして、その向かう先には――

 

『幼女こそ至高――幼女こそ全て!!

全ての幼女は、我、『ガチペドオー』の元に集え!!』

黄金と黒の鎧を着た男が、他の男たちと戦っていた。

武装した相手に対し、ガチペドオーは一歩も引かない。

 

「え、いや、まさかあの声……違いますわよね?

けど、え?あのロリコンヴォイスは……え?」

 

『さて、今日は気分が良い。特別に、この子たちの力を見せてやろう』

指を鳴らすと、3人の幼女が背後に降り立つ。

 

「流石、ガチペドオー殿!私が仕えるべきお人!」

 

「ウン、素晴らしい。疑問を持つ部分もない」

 

「素晴らしい力です。私の計算では現時点で勝率は98%を超えます」

忍者のような幼女、モノクルを付けた知的な幼女、そして何処か機械的な印象を与える幼女が並ぶ。

 

『さぁ、非幼女を駆逐し、ロリコンを導く英雄奇譚の始まりだ!!

はっはっはっは!!はぁっはっはっはっは!!』

 

「うわぁああああああ!!」

 

「あぁあああああああ!!」

 

「ぐぅおおおおおおお!!」

ガチペドオーの放つ技で、人々は簡単に倒されてしまった。

一瞬にして、消えていくレジスタンス。最後に立っていたのはロリコンと幼女だけだった。

それを見届けた狂三の体が、ゆっくりと過去へ戻される。

 

 

 

「時子?どしたん?」

 

「はっ!?」

気が付くと目の前には、ペドーの姿があった。

周囲には荒廃した大地も、レジスタンスも、ガチペドオーも居なかった。

ただ、コイツ大丈夫か?と言いたげなペドーの姿があった。

 

「あ、わたくしは……?」

手を見ると、霊力を装填された銃を握っている。

未だ十分力を蓄えたそれは、使われた形跡がなかった。

 

「夢……ですの?それとも、戻って……?」

一瞬の混乱が脳裏を占める。

あの頬で感じた風の感覚は嘘ではない。

だが、『刻々帝』は使われた形跡がない。

 

「おーい?もしもーし?…………もしかして、ボケが始まったか?」

 

「違いますわ!

……とにかくアナタを過去に送って差し上げます」

狂三は頭を振るい、考えをぬぐった。

あの世界が未来だろうと、そうでなかろうと、『今』から出来る事をするしかないと狂三は考え直した。

 

(……できれば、あの世界は回避してほしいですわね……)

 

「じゃー、行きますわよ?」

 

「あれ?なんか、適当じゃ――」

 

パァン!!

 

狼狽えるペドーを他所に、狂三の影の銃弾がペドーを撃ちぬいた。

 

「さぁ、未来をその力で、変えてくださいまし!

――出来るなら、ディストピアじゃない方に……」

切なる願いを込めて、狂三はペドーを過去へと送り込んだ。

 

 

 

 

 

みーん、ミンミン じーく。じーく、じーく

 

セミだ。セミの鳴き声が聞こえる。

汗ばむ熱気に、熱されたアスファルトの香り……

その後ペドーの意識が明確に、覚醒する。

 

「来たのか……過去へ?」

見慣れた町の中、ペドーが目を開く。

破壊されたハズの町並みは元に戻っており、頬を撫でる風は熱を帯びている。

この気温は8月と言われても十分納得がいく。

 

「えーと、日付はちゃんと合ってるかな?

携帯とかで、確認……あ、けど未来から来た携帯だし意味は――」

意外なタイミングで『今』が分からずに、ペドーが少し困る。

 

『ご安心なさってください。ちゃーんと、時間は合っていますわよ?』

 

「……どうしよ……頭がおかしくなったかもしれん……時子の声がする……」

突如聞こえた狂三の声にペドーが、困惑する。

 

「あれか?脳内で女児を制作しようとして、間違って時子が出来た……いや、どんな合体事故だよ」

 

『人の善意をトコトン馬鹿にしますわね!!』

 

「え、コレ現実?」

再度響く狂三の声に、ペドーが『コレ』が現実だと理解した。

 

『『刻々帝(ザフキエル)』、【九の弾(テッド)】ですわ。

ペドーさんを過去に飛ばしたのが【一二の弾(ユッド・ベート)】が過去に送る能力なら、こっちは時間の異なる相手に意識を繋げる力ですわ』

 

「プライバシーも何も有ったモンじゃないな……」

自身の行動が筒抜けなのは、気分の良い物ではない。

 

『そうですわね。ですからあまりここでは、他人にお見せできない事は――』

 

「そこの君!俺は実は未来から来た、君の彼氏なんだ!!

訳あって過去の時代に来たんだ!!

頼む、未来の彼氏のお願いだ!!今すぐ君のパンツを確認する必要が――」

ペドーが話しかけるのは、近場の幼女!!

未来の彼氏と名乗るペドーの言葉に、幼女は困惑し始める。

 

「ふえ!?ご、ごめんなさーい、未来の旦那様にしか、見せれなんですぅ!!

お、お使いの途中なので、失礼します」

そう言ってその幼女は急いで走っていってしまった。

 

『私の言葉聞いてました?ねぇ、聞いてました!?』

狂三の言葉が脳内でペドーを責め立てる。

 

「ふっふっふ、我が生き方に恥などはないわ!!」

 

『少しは持ってくださいまし!!いいですか?

ペドーさんは恥ずかしい生き方をしていますわよ?

道行く幼女に、誰から構わずセクハラをして――』

 

「よぉうし!今度は公園で、キャッキャウフフしてる幼女を観察に行くか!!

旅の恥はかき捨ててって言うもんな!!」

狂三の説教など関係ない!とばかりにペドーが自身の記憶をたどり走り始める!!

 

『もう嫌ですわ!!このロリコンを誰か何とかしてくださいまし!!』

 

「うっひっひっひ!!お兄ちゃんが今行くよ!!」

暴走を始めるペドーが走り出す!!

 

『ぺどーさん!なにをしていますの!』

 

「はっ!?この声は――」

 

『わたくし!?』

突如聞こえてきた、くるみの声にペドーだけではなく、狂三までもが驚く。

 

「そうか、意識を繋げる力を持つのは、『今』の時子だけじゃないっていう事か……」

すぐに納得をしたペドーが落ち着き払う。

 

『ぺどーさん!わたくしたちにないしょで、かこにいくなんてなにをかんがえてますの!?』

どうやら小さなくるみは大層お怒りの様だった。

 

「あ、え……だって、折紙なら多分過去に行くだろうと思って……

それには時子に会う必要があって……けど、危ないから絶対に、止められると思って……」

 

『あたりまえですわ!!』

さっきまでの勢いは何処へやら。

ペドーは脳内のくるみに叱られ、すっかい萎縮してしまっている。

 

『わたくしに、折紙さんを過去に連れて行ったと言ったのは嘘なんですわね?』

 

「うぐ……ブラフでした……」

 

『けど、おおきなちからのいどうがあって、『なにかおおがかりなのうりょく』をつかったのはわかりましたわ』

ペドーの脳内で、3人が会話をしていく。

それは、過去という()()()()()()()()()()を歩むペドーを安心させた。

 

 

 

『まったく、仕方な――わたくし!見えていますか!?』

 

『え?いったい――あれは!?』

脳内の狂三が声を荒げる。

 

「おい、どうした?おい?」

ペドーが起きた異常に対して声を上げる。

 

 

 

現代――

 

()()は突如現れた。

雲を、空を、空間を壊して。

漆黒の波動を纏った怪物はゆっくりと降り立った。

荒廃した大地を、まるでリセットする様に、真っ黒な悪魔は降り立った。

狂三の分身の一人が、ソレの顔を見る。

その顔は――

 

「折紙さん?」

精気もなく、希望もなく、ただただ闇を称えた黒い瞳が僅かに動いた瞬間、彼女の力が爆発する。

大地は抉れ、空は軋み、まるで世界に致命傷を与えんばかりに力を振るう。

 

「精霊じゃない――あれは『魔王』」

狂三の脳裏に、垣間見た未来の荒れ果てた姿がフラッシュバックした。




タイムパラドックスが怖いくて、時間モノはなかなか手を出せませんね。
逆に上手く書けるならそれは、作者としてかなりの腕前なのでは?

え?私?幼女幼女言ってる、変質者ばかり書いてるので……
最早一流、二流も関係ないんですねぇ!!
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