デート・ア・ペドー   作:ホワイト・ラム

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まさかまさかの、3ヵ月遅れ。
皆さま大変お待たせしました。
待っていてくれた方々には、深くお詫びと感謝を述べさせていただきます。


進撃の業人

「さぁ選べ!選ぶんだ少年!」

 

「ふ、ふぐぐぐ……!」

とある店の中、二亜が派手派手なパッケージの並ぶコーナーでで、ペドーにとあるものを選ばせる。

ペドーもペドーで、真剣に棚の商品に目を凝らす。

唸っては手を伸ばし、パッケージの裏に目を通し棚に戻す。

その作業をなんども、なんども繰り返す。

彼の姿は何かの熟練の職人の様にさえ思える真剣な眼差し。

そして、その瞳はとあるパッケージを見つけ強く見開いた!

 

 

 

 

 

コスプレショップを堪能した二人が次に向かったのは本屋だった。

監禁されていた二亜はその時間を取り戻す様に、新刊の発売の本を買いあさった。

 

「先生!コレ、半年くらい前からスゴイ人気なんですよ!

もうね、イキりキッズがうるさいのなんのって!」

 

「あー、コレ、聞いたー鬼殺すヤツでしょ?炭太郎!」

ワイワイガヤガヤと書店を巡りマンガをとりあえず片っ端から買い込み……

 

「ふぅぁおおおおおお!!!クオリティたけーぇえええ!!」

 

「キャストオフ機能もありますよ、先生ぇええええええ!!」

かと思えば、フィギアの新作を舐める様に見つめ、買っていく。

二亜の空っぽのキャリーバッグはすぐさま、いっぱいになった。

 

 

 

「ふぅ……買った、買った……ああ、魂が潤う……」

心なしか顔がテカテカしている二亜が、満足気に通りを歩く。

 

「いやー、たくさん買いましたね。

目新しい作品はこれ位ですかね?」

ペドーがスマフォでここ一年の人気タイトルを見ながら、横をついていく。

 

「うんうん、久しぶりに楽しい買い物だったよ少年。

よぉし!んじゃ、お礼もかねて一本おごっちゃおう!」

上機嫌となった二亜が指をピンと一本立てる。

 

「一本?おごる?」

ゆっくりと笑みを作り、二亜が背後のパソコンショップを親指で示した。

 

 

 

 

 

「少年の好みはど~れだ!」

二亜に連れられやって来たのは秘密の場所。

18と書かれた暖簾をくぐるとそこはびっくりするほどユートピア!!

その名もパソコンショップのエロゲの棚。

カラフルな髪色をしたキャラクターたちが、様々な箱の中で踊っている。

 

「基本はロリ系なら何でもOKですね」

 

「お、凌辱系の行っちゃう感じ?少年、鬼ッ畜ぅー!」

 

「あ、いえ。何でもって言っても可愛そうなのはNGで……

あー、けどメスガキ分からせ系はむしろ大好物っていうか……」

今までのどのデートより真剣な眼差しで、ペドーがエロゲを探す。

読者の諸はお忘れかもしれないが、このデートの様子は多数の人間に見られており、更に言うと自身の妹にも見られている!

だがペドーも二亜も一切気にしない!!

 

「せっかく奢ってもらうんだし、妥協はしたくない……ならば――」

 

「うんうん、少年真剣だねー。

それでこそ、奢りがいがあるってもんだよ」

二亜が真剣な眼差しのペドーを見ながら、うんうんと何度もうなづく。

その時、二亜の肩が叩かれた。

 

「ん?」

 

「あの、お客様……ここは18歳以下の方は立ち入り禁止でとなっておりまして……

お連れ様の年齢確認をさせてよろしいでしょうか?」

にっこりと店員が年齢確認を求めてくる。

 

      強

ジ   終   了

エ     制

ド 

・ユートピア!

 

二亜の中に、おかしなカットインが流れた気がした。

 

(あ、私終わった?)

 

 

 

 

 

「すまねぇ!少年マジすまねぇ!」

道路の真ん中、二亜が土下座をペドーに慣行する。

 

「そんな、先生顔を上げてくださいよ……!」

 

「今日日まさか、高校生がエロゲをやっちゃいけないルールを律儀に守ってる店があるなんて……」

※個人の感想です。

 

「いえ、気にしないで下さいよ。

あの店がおかしいんです。中学生がエロサイトで18歳以上のでYESをクリックしちゃうのが当たり前の世界であの店は前時代すぎるんですよ!!」

※個人の感想です。

 

「うっ、うう……少年の優しい言葉が心にしみるぜ……

エロゲは奢れなかったが、ランチくらいは奢らせてくれ!

私の顔を立てると思ってさ、ね?ね?」

 

「あ、じゃあ、お願いします」

二亜の提案した落としどころにペドーが賛同をした。

 

 

 

 

 

「はい、少年ドンドン食べてね!いや~すまなかった。

今回はさ、気の済むまで食ってって!」

ペドーの前に大量のファストフードが置かれる。

 

「いえいえ……いただきます」

二亜のあまりに謝りすぎる姿に、若干の居心地の悪さを感じながらペドーが手を合わせる。

 

「ちゃんといただきます出来るのか……良く躾けられてるなぁ……

少年は調教済か……」

 

「なんで食事中にそういう事、言っちゃうんですかね?」

 

「あ、ごめーん。ついつい話を脱線させる癖があって……

私、上のお口は早ろ……」

 

「ストップストップ!出禁食らいますよ!?」

 

「え、あ、そうだ……」

若干遠い目をしながら二亜がポテトを口に含む。

どちらからともなく笑みがこぼれた。

 

 

 

「会話の内容はアレな部分も多いけど、今までのどのデートよりも順調ね」

琴里が画面に浮かぶ二亜を見ながらチュッパタップスの棒を指ではじく。

精霊が過度に警戒する事も、ペドーが相手に暴走する事も、露骨に興味を示さないなどの状態も無い、琴里の言う通り非常に順調に行っている……()()()()()

 

「し、司令!好感度メーターをご覧ください!!これは……」

 

「ダメです!好感度は確かに上がっていますが、いくら頑張っても友達レベル!

このレベルでは封印は不可能です!」

 

「なんですって!?」

琴里が慌てて好感度メーターを確認するも、決して高い数値とは言えなかった。

いや、決して低くは無いが所詮友人に向ける物と言ってレベルを出ていなかった。

 

『そういや、私って二次元にしか恋出来ないタイプなのよね~』

突如二亜がカメラに向かってそう言い放った。

その行動は何処にカメラがあるのか、そしてフラクシナスがどのような事態に直面しているかを見透かした行動だった。

 

 

 

「えっと、先生?」

突然の告白にペドーが困惑する。

 

「ん?ああ、実はなんとな~くなんだけど、このデート上手くいかない気がしててさ」

ふざけた様子はそのままだが、二亜が姿勢を若干だけ正す。

その様にペドーはなにか重要な事を話すのだと、何となく理解した。

 

『ペドー作戦タイムよ、自然な感じでトイレに立って』

ペドーの予感を裏付ける様に、インカムに琴里からの指令が入った。

 

「先生、すいません。少しトイレ――」

 

「お、少年若いねー、抜いてくるの?オカズ要る?」

二亜がフライング気味に、キャリーバッグから本を取り出す。

 

「い、いえ……普通に……用を足しに――」

 

「あ、やべぇ!コレ『エレサー』の最新刊じゃん!?

これは渡せませんなぁ」

一人ほくそ笑む二亜を後にペドーがトイレに向かった。

 

「良い作戦思いつくといいねー」

二亜がペドーの背中に、声をかけて行った。

 

 

 

 

 

「いやー、まさかリアルで2次元に恋するタイプとは……」

トイレの個室でペドーが両手を組む。

 

『2次元は美男美女ぞろいですからな、そっちに行ったきり戻ってこないパターンも居るのですよ』

メンバーの一人の意見が聞こえた。

 

「どうする琴里?先生の封印はあきらめて、フラクシナスで何処か安全に隠れれる場所を用意するとか……」

ペドーが珍しく前向きな意見を述べてくるが……

 

 

 

フラクシナスの中の琴里がチュッパタップスの棒をピンと立てる。

 

「ハン!そんな消極的意見は却下よ、却下!

こうなったらペドーをアニメキャラに近づけるのよ!!

2次元の方から3次元に近づけさせるのよ!

そうすれば、相手の方から寄ってくるって寸法よ!」

自信満々の琴里が無茶な命令を下す。

 

『おい、待て琴里!そんな作戦成功する訳が――』

トイレのペドーがインカム越しに話かけてくる。

 

「それ以外、有効な手段があるの?」

琴里が再度作戦を推し進めようとするが……

 

「しかし、その作戦はあまりに無謀です!」

 

「安易な実写化は反感を買います!」

 

「どうあがいてもアニメのコスプレ感がぬぐえない残念な事に……」

フラクシナスのクルーたちの反応も良くはない。

 

「安心しなさい。ハリウッドも真っ青な変身技術でペドーをキャラになり切らせるわ!

この作戦は簡単には失敗しない!

この私の意見が信じられないっていうの?」

 

『んじゃ、失敗したら琴里は二亜の攻略が終わるまで水着エプロンな』

 

「ん、な!?」

ペドーの言葉に、琴里が一瞬固まる。

 

『いや、矢面に立つのは俺だし?攻略しようってのに適当な作戦立てられちゃ困るんだよな。ならさ、そっちにも相応のリスクを背負ってもらおうってワケ。

な?止めようぜ?本当は分かってるんだろ?無謀な作戦だって――』

ペドーの穏やかに言い聞かせるような言葉が、返って琴里をムキにさせた!

 

「っ~~~~~~!か、構わないわよ!!行きなさい特殊工作班!!

水着でもエプロンでも、着てやるわよ!!

ただしねぇ!アンタの落ち度で失敗した場合は責任を取らないんだからね!!」

琴里がマイク越しに、ペドーに啖呵を切って見せた。

 

 

 

20分後……

 

 

 

「あっれぇ?少年遅いな……まさか、本当のトイレで一人プレイを楽しんでいるんじゃ……

そう言えば高校生の少年と言えば発情期真っ盛り、脳内は女の乳、尻、腿にしか行かないピンク真っ盛りのお年頃……

股間の間に溜まったムラムラを発散させなくては、女性とまともに話せないのでは!?

つまり、今トイレに向かえば少年は――え!?」

良からぬ妄想を始める二亜の前を誰かが通りかかった。

 

「あ、貴方は!?私の初恋の紅冷(クレイ)!!」

荒野を旅する旅人に、水色のマントを着せ腰にリボルバーの銃と剣を融合させたような武器を携えた痩躯の少年。

二亜が愛してやまない作品『エレサー』こと『エレメント13(サーティーン)』の主人公の紅冷(クレイ)だった。

 

「お、おお……おお、クオリティたけーぇ!!!!

けど、ちがぁああああああう!!!!!

安易な実写化はダメ!!でしょうが!!!

なんで、しちゃうのかなぁ!?100歩、いや10000歩、譲って特撮はOKよ?だってあれCGとかふんだんに使ってるし!!!実際かっこいいし!!

けど、アニメを実写化しちゃダメっていつもいつも言ってるでしょ!?

どうせねぇ!!原作の人気にあやかった作品の名前に胡坐をかいた作品が殆どなのよ!!

どーせ、ヘンなアイドル役者に主役級をやらせて違和感バリバリにしちゃったり、挙句の果てに原作の設定を変えちゃったりするのよ!!!

そんなの物ね!個人的には地雷でしかないのよ!!!」

二亜がドンとテーブルを叩く。

どうやら、過去に良くない思い出があった様だ。

 

 

 

「で、琴里司令官ー、この後どうする?」

散々暴れ回った二亜を見送ってペドーがインカムに尋ねる。

インカムからは、けたたましいほどの不機嫌を示すアラートがひっきりなしに聞こえてくる。

どうやら、ペドーの言葉にも気づいていないほどの慌てようの様だ。

 

「んじゃ、水着でも買って帰りますか!」

原作のキャラが絶対しないような、欲望に満ちた笑みを浮かべてペドーはコスプレスタイルのまま再度町へ繰り出した。




安易な実写化はダメですよねぇ……
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