デート・ア・ペドー   作:ホワイト・ラム

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宇宙の片隅にある星、地球。
その星に巨大なる乳が迫っていた!!
これはロリコンの男の物語。
そして変態達の物語である!!


邂逅Ⅲ:宙の少女

大気圏外よりもたらされた『ロリ巨乳』が引き起こした『宇宙堕肉(スカイウォール)』の惨劇から10秒!!

ペドーの脳内は『ロリならOK(東都)』『巨乳は無理(西都)』『人格次第じゃね?(北都)』に別れ、混迷を極めていた――!

 

 

 

星々の瞬く静かな宇宙。

闇と光の渦巻く優しく穏やかな停滞の世界。

 

その静寂を打ち破るが如き、一条の光線が走る。

宇宙空間に浮かぶペドー《ロリコン》に向けて。

もっと言うと、股間部分を重点的にそのレーザーが焼いている。

 

レーザーの発射元には中華風のドレスを身に纏う精霊が一人。

 

「うーむ、死なぬのぉ」

 

「ふっふっふっふ……ペドーさんはね、幼女の愛さえあれば不死身なのさ!!」

 

「一方的なお主のその感情は、『愛』とは呼べぬのではないか?」

 

「うぐ!?」

痛い所を突かれたペドーが小さく声を上げる。

 

 

 

『ペドー!話題よ!話題を変えて話を逸らすのよ!!』

地上の秘密基地の内部で、映像を送っているペドーに琴里からの指示が飛ぶ。

その言葉に、ペドーが頷く。

 

 

 

「そう言えば、自己紹介もまだだったよな?

俺の名前は五河 士道!

お前を俺様、無しでは生きられないにドスケベ肉奴隷幼女に調教する為にやって来たのサ!」

 

その言葉を聴いた琴里が、静かに座っている司令官用の椅子から降りた。

数秒のラグの後、ペドーの装着するインカムに酷く慌てたクルーたちの声が聞こえてくる。

 

『指令!?止めてください!!』

 

『今、作戦中ですよ!!』

 

『そんな物で殴ったら、流石にペドー君も危険ですよ!!』

 

『ああ!!そんな、殺意の塊みたいなモノを!?』

 

『機嫌の数値は全く変化していません!!だから、落ち着てください!!』

 

『ダメだ!!本気だ!!皆!!指令を止めろ!!』

 

『離しなさい!!このロリコンは地球という惑星の恥部よ!!

そんな存在を宇宙に出してしまったのは間違いなく私の判断ミスなの!!

そのミスを無くすため、これ以上の恥を晒させない為に今、ここで殺すしかないの!!』

作戦行動中の為、ペドーの視界は見えないがおそらく自分は生命の危機に晒されているらしい。

 

 

 

「ふむ、し、ぺ?ペドーと言うのじゃな。

むくの名は六喰(むくろ) 星宮 六喰じゃ。

所で、なぜそんな青い顔をしておるのじゃ?」

 

「いやー、なんか死ぬかもしれなくて……」

尚もインカムから聞こえる琴里の怒号と謎の機械音、それを必死に抑え込もうとするクルーたちの声を聴いて冷や汗を流す。

 

「まぁ、良い。それよりも聞きたい事がある。

嘘偽りなく応えよ。

もし偽りを話すなら、あの星に礫を落とす」

六喰が杖を僅かに動かすと、周囲を漂っていた宇宙ゴミがゆっくりと軌道を変える。

今朝の校庭に落ちた隕石の事を考えると、決して脅しなどでは無いのだろう。

 

『ペドー、ここは正直に答えましょ。

情報という面でも、交流するという面でもそれが一番、賢い判断よ』

謎の機械音が消えて、冷静な琴里の言葉がペドーのインカムから流れてくる。

どうやら小さな司令官は冷静さを取り戻した様だった。

 

「地球その物を人質にするとか、胸もスケールもデカすぎんだろ……」

ヴィィイイイイ!!

謎の機械音がペドーのすぐ近くで鳴り響いた。

 

「ひぃえあ!?すいませんでした!!」

 

「なぜ、突然悲鳴を上げたのじゃ?」

ペドーのリアクションに六喰が首を傾げた。

 

「い、いや、命の危機だし、つい悲鳴を上げちゃったんだよね……」

嘘はついていないとペドーが心の中で、冷や汗を流す。

 

「ふぅむ……まぁ、良い。

貴様の目的はなんじゃ?何が目当てでこんな所(宇宙)までやって来たのじゃ?」

 

「そうだよな、流石にここはしっかり教えないとダメだよな。

実はかくかくしかじかなんだ!」

 

「なんと、かくかくしかじかか。

とでもいう訳あるか、意味が分からぬわ!」

六喰が杖を振るうと、ペドーの頭の部分を尖った金属片が通り抜けた。

 

「分かった、分かった。ちゃんと説明するから――」

ペドーには珍しく、しっかりと現在の状況を話した。

 

精霊たちの霊力を封印している事、ここに居るのはその目的をサポートしてくれる組織のおかげという事、そして恐らくだが前日の襲撃の犯人と思われるDEM社の事を話した。

 

「――と言う訳で、ここに居ると危ないんだ。

俺と地球に降りて霊力を封印させてくれないか?」

 

「危ない?むくが?」

こちらに尋ねる様な口調で六喰が視線を投げる。

周囲に有るのは残骸、残骸、残骸たち。

 

「あー、そうだよね……六喰ちゃん、めっちゃ強いんだよね……」

残骸の数から見るに、かなりの数のDEM社のマシンが投入されその全てが破壊されたのが分かるし、いくらDEMと言えど地球に住んでる以上ここから適当に残骸投擲で勝ててしまう状況にいる六喰。

 

「あ、けど、ヤベーヤツも居るから、このロボットたちと同じに行くかは分かんないぞ?」

ペドーの脳裏によぎるのは、先日の謎の黒い騎士。

二亜を一歩間違えたら殺されていたほどの危険な相手。

多くの幸運に救われなければ、この世から貴重なロリ系エロ漫画家が消えていたかもしれないと思うと、背中に冷や汗が流れる。

 

「心配は不要じゃ。この〈封解主(ミカエル)〉があれば、宇宙の彼方に逃げるのも容易い」

 

「ミカエル?」

六喰の手の中の鍵の様な杖を見てペドーが声を上げる。

先ほど、宇宙ゴミを動かした道具だ。

そういえば、ワームホールを開いて地球に残骸を打ち込むなんて事もしていた。

 

「え、つんよ……チートじゃね?卑怯くね?」

 

「なんとでも言うが良い。

むくは自らの心に鍵をかけたのじゃ。

何の痛痒も感じはせぬわ」

無表情のまま、ペドーに応える六喰。

 

「え、中二病?宇宙で中二――あぶない!?」

ペドーの首を狙う様に〈封解主〉の一撃がなぎら払う。

 

「ちょっと、むかついてんじゃねーよ!!」

薙ぎ払われた首を押えながらペドーが叫ぶ。

 

「心を封じて尚この不快感。認めよう貴様は特別な存在の様じゃな。

悪い意味で」

心を封じたハズだが、何処か威圧感のある表情を六喰が向けてくる。

 

「さて、話を纏めるとしよう。

でぃー、いー、えむとやらがここに来てもむくに困る事は無い」

六喰が指を1本立てる。

 

「ここに居ること自体、むくは何の不便も無い」

2本目の指が立つ。

 

「そして、地球に降りた所で安全とは限らない。

以上の3点から、むくはこのままでも良いと考えておる」

3つ目の指が立てられ〈封解主〉が握られ、映像のペドーに突き立てられた。

 

「あちょ――」

 

「むくが望むのはこの平穏な(そら)

じゃまをするというならば、次はあの星を止めてやろう。

ではペドーよさらばじゃ――【(セグヴァ)】」

音もなく鍵が回され、映像のペドーがその場から消え去った。

 

 

 

 

 

「六喰ちゃん!?」

ペドーが声を上げるが、帰って来たのはフラクシナスのメンバーの冷静な「通信遮断されました」の声だけだった。

 

「失敗、か……」

ペドーがゴーグルを外してため息を着く。

多くの手間をかけさせたというのに失敗してしまったという事実がペドーの気を重くする。

 

「失敗したわね?失敗したわよね?

ねぇ、ほらみんな良いじゃない、こんな、無能殺処分でいいでしょ?」

イった眼をした琴里がペドーを指さす。

 

「司令官!!ペドーさんが居なければ精霊たちの霊力を封印出来ません!

こんなロリコンでもコイツしか居ないんです」

 

「たしかに、ペドー君はロリコンの変態ですけど、助かった精霊たちもたくさんいます!!

毒牙にかけたでも表現は間違っていない気もしますが、兎に角助けたんです」

 

「ペドー君は変態で小児性愛者で、地球の恥部かもしれません。

けど、そんなヤツが一人位地球に居たって良いじゃないですか」

次々とクルーからの励ましの言葉が飛んでくる。

 

「みんな……励ましてくれる……励ましてくれてる……のか?」

感謝していいのか、よくわからない感情をペドーが抱く。

 

「まぁ、良い!!胸が大きいだけで仲間外れは可哀そうだもんな!!

俺もあの宇宙幼女を救うぜ!!

さっきは、脅されたが、どーせほっといたってうぇすちゃまのバカはまた手を出すに決まってるからな!!

むしろ、こっちから先にヤってヤルぜ!!」

ビシッ!とペドーが握った右手を突き出す。

親指を人差し指と中指の間に挟んだポーズで……

 

「流石です、ペドー君。幼女に対する執着心は比類無き存在」

 

「幼女に手を出すためなら、宇宙へでも向かうそのマインド、最低で最高!!」

メンバーから歓声が上がる。

 

「げげ、あのロリコンもう立ち上がったわ……」

その様を見て、琴里が心底嫌そうに顔を顰めた。

 

 

 

 

 

同じく地球の何処か――

 

「プロトバンダースナッチ!!」

〈DEM〉社の執行部長エレンメイザースが、研究室の扉を勢いよく開けて姿を見せる。

彼女の慌てた顔にここまで何人の廊下で同僚が死を覚悟したか分からない。

事実、ギロりと研究室の一角でパソコンを叩いていた研究員は小さく悲鳴を漏らしていた。

鬼気迫る表情のエレンの背後から、ぬるりと音もなく黒い機械スーツが姿を見せる。

エレンの纏うスーツが輝く光なら、後ろの存在は文字通り影の如く闇の色を纏う存在。

黒騎士とも、死神とも揶揄される謎の存在、フォースだ。

2人の視線が研究室のガラス壁の向うに向けられた。

 

『おや、エレンはんにクロちゃん。お揃いでんなー。

昨日初めて「メインカメラがやられただけだ!」を使いましてなァ』

気の抜けたインチキ関西弁がスピーカーを通して帰ってくる。

ガラス壁の向うに固定された、辛うじて人型に見える機械が声を返す。

挨拶の様に右のアームを上げるが、それは途中でねじ切れその役割を放棄してしまっている。

いや、アームだけではない。

頭のメインのカメラも破損し、ボディには大きな傷がいくつも付けられ、あちこちが焼けて焦げ付いている。

その様は半壊と言うだけでは足りない有様だった。

 

「プロトバンダースナッチ……」

エレンが小さく声を漏らした。

 

『いやー、申し訳ありまへん……

失敗してもーたわ……』

 

「空中戦艦3隻、バンダースナッチ90機を投入して帰投したのは、貴方以外には0でした」

頭を横に振り、エレンがマイクに向かって話す。

 

『あっ、ちゃー、大損害ですやん。

ジブン、責任取らされて廃棄処分ですん?』

繋がれたスピーカーから、声が聞こえてくる。

今更だが、言語機能すら破壊されてしまった様だ。

 

「型式も旧式ですし、修理するよりも新しい物を制作した方が早いので、精霊との戦闘データの抽出が終わり次第、廃棄の予定で――ヒっ!?」

研究員の言葉を遮ったのはエレンも持つ、エネルギーブレードだった。

首筋に熱を感じ、研究者が首を上げる。

 

「プロトバンダースナッチはタダの使い捨ての道具ではありません。

本機は正式版バンダースナッチが開発される以前のからの長期活動を行っている機体であり、搭載されたAIは時間をかけて成熟した物です。

事実上同じ成長をさせる事は不可能であり、決して替えの利く機械などではありません。

今回の戦闘でも、最新型が破壊されるなかで、唯一帰還に成功し貴重なデータを齎してくれました。

そんな、プロトバンダースナッチを本気で廃棄すると言っているのですか?」

ブレードを向けてくるエレンの背後で、フォースも静かに事の顛末を眺めている。

止めない辺り、エレンと気持ちは大差ないのだろう。

 

「丁重に扱いなさい!本機はこの私、エレン・メイザース唯一の直属の部下なのですよ!」

 

「か、かしこまりました!!」

研究員がいそいそと他の部下に、指示を出す。

廃棄の方向から、修理あるいは改修に向かう様だ。

 

『エレンはん……こんな、オンボロ機械の為に、ホンマ申し訳ありまへんなぁ……』

 

「覚悟しておきなさい。修理と改修が終わり次第、私の為に働いてもらいますからね」

 

『あちゃ~、ずいぶんとおっかないお方ですわ!

おちおち死んでられへんわ』

カラカラと笑い声をプロトバンダースナッチが漏らした。

 

 

 

 

 

「こちらの機は全滅し、損害の規模は凡そ――」

 

「今回の攻撃で我が社のダメージは――」

 

「以前相手の動きはありません、こちらの動きは――」

 

「ふぅえぇぇ~ん!ふぅえぇぇ~ん!!」

<DEM>の重役中の重役の部屋で、うぇすちゃまが鳴き声を上げる。

オムツ&おしゃぶりの(彼にとっての)正装スタイルで、報告に来た部下の話を聞く。

 

「…………」

 

「…………」

 

「…………」

部下たちが顔を見合わせる。

正直いつまで、コレやるの?と言った感情が互いの視線に乗っている。

 

「ふぅえぇぇー、ふぅえぇぇ!!!!」

鳴き声を上げるうぇすちゃま。

それがピタリと止まる。

 

「報告ありがとう諸君。

そうか、バンダースナッチ達で精霊を地上に追い立てれれば儲けものだと思ったが、そうもいかないみたいだね。

仕方ないね。

エレンとフォースの二人を宇宙に向かわせるとしよう。

施設の損壊の方は、とりあえずは修理に振っておいてくれ。

無事な道具達を集めて置いてくれ、数は一機でも多い方が良いからね」

赤ちゃんモードをやめてぺらペらと指示を飛ばしていく。

オムツに涎掛けという、奇妙な恰好をした男が指示を飛ばす様は最早異様ですらあった。

うぇすちゃまの指示を受けた、役員たちが次々と足早に部屋を出て行く。

1人、2人と掃けて行き、最後の1人が部屋を出る時、入れ替わりで別の男が姿を見せる。

 

「やぁ、君を待っていたよ。

準備は出来たのかな?」

 

「は、はい、必要とされた物は用意しておきました」

入って来た男が、緊張で身を固める。

 

「いいね、その言葉を待っていたよ。

ふふふ、ああ、嬉しい、嬉しいねぇ」

うぇすちゃまが胸に手を当てると一瞬にして、闇が凝縮し一冊の本が現れる。

この世の全てを閲覧する〈魔王〉がその手にある。

 

うぇすちゃまがこの〈魔王〉を手にし、調べたのは未だに発見されていない精霊の居場所の情報。

そしてもう一つ。

 

「友との再会は何時(いつ)でも、心が躍るモノさ」




宇宙をモチーフの作品も増えたなぁ……
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