この季節が私は一番好きだったり……
地球を滅ぼす程の幼女への欲望を持つ男ペドー!
そのガチロリコンが本の封印から遂に解き放たれた!
果てしない変態性癖を操るペドーの前に、幼女精霊たちが立ちふさがる!!
無限の漆黒と無数の瞬きせ構成される宇宙。
地球を見下ろすのその場所で、一人の精霊――六喰が目を開く。
「よぉ、六喰!今度は映像なんかじゃない、本物のペドーさんだぜ!
しかも、ロリ巨乳も許容範囲内にパワーアップ!!
通り名をつけるなら
ビシッと六喰に指を突き付ける。
「また、来たのか」
全くの感情を持たぬ、平坦な声を目の前の男に投げかける。
「おうよ。俺は狙った幼女は逃がさない、諦めなくて、一途で、思い込みが激しくて、一本気で、頑固で、自己チューで独善的なのさ!」
「むくの知識では、それはストーカー気質というのでは無いか?」
「失礼だな。純愛だよ」
六喰が目を細めた瞬間、周囲の石や機械の残骸がペドーに向かって飛んでくる。
霊力で操られた石の礫と機械の刃、それは生身の人間が受けるにはあまりに凶悪な代物だが――
こんな事態でもペドーには秘策があった。
それは――
「ふっふっふっふ……無駄だよ。
生身に見えるかもしれないが、俺はフラクシナスのテリトリーに守られている。
そんな隕石、自動で軌道を変えて――いだだだだだだ!?」
「当たったの」
未だに無感情の六喰だが、その声にどこか達成感が混じってるのは気のせいではないだろう。
『あ”いっけね!自動防御のスイッチ入れ忘れてました』
フラクシナス内部のAIマリアからの通信がインカムに入ってくる。
「機械がヒューマンエラーしてるんじゃねーよ!!」
顔面を血だらけにしながらペドーが叫ぶ。
『敵の攻撃、第2陣来ます』
「え、ちょっと待って!?痛い痛い痛い!!やめて!!よして!!やめて!!よして!!乱暴しないで!!」
ボッコボコにペドーが石をぶつけられまくる。
『精霊の好感度、僅かですが上昇!』
『その調子よ、ペドー!』
フラクシナスのクルーの言葉に、琴里の激が跳ぶ。
「『その調子よ』じゃねーよ!!死ぬわ!!この調子でいったら死ぬわ!!ぐぁあ!?」
鉄の破片がペドーの腹に突き刺さり、抜けて行く。
顔面の流血も、腹部の傷も炎が舐めるようにして傷を消して行く。
「いっかい、いっかいどっちも落ちつこ!?クールダウンしよ!?」
『自動防御スイッチオン……おや?』
「うっぐ!?」
突如、呼吸が出来なくなりペドーがジタバタと暴れだす。
『ちょっとー、誰よ、酸素供給スイッチ切ったのー』
琴里の責める様な声色がインカムから聞こえてくる。
『間違えました、以後気を付けます』
「トドメじゃ」
六喰の声が聞こえたと思ったら、ペドーの5倍の直径の有りそうな隕石がその体に当たる。
その隕石は地球の方へとペドーを押していく。
「むくの忌々しい記憶と共に燃え尽きるが良い……」
「にゅ、
その時、フラクシナスから光が迸り、ペドーを押していた隕石を破壊した。
「……もうちょい、早く助けてくれても良かったんじゃない?」
瓦礫の中から、ペドーが姿を見せフラクシナスの方に責める様な視線を投げる。
どうやら酸素も元に戻ったらしい。
「チッ……」
無表情のまま、六喰がペドーを見る。
時折感情の様な物を見せるが、それでもやはり無表情のまま。
やはりその手には巨大な鍵にも見える天使〈
「閉ざして、繋げて、開く天使……」
ペドーはその天使を見て呟く、かつて六喰は言った。
自らの天使で自らの心を『閉じた』と。
だから、彼女の心は揺るがない。
だから、彼女は何も感じない。
ならば、
「心を閉じたままじゃ、本当の意味で話す事すら出来ない。
感覚遮断系エロ漫画は、感覚が戻った瞬間が個人的に一番エロいんだよ!!」
そう叫ぶとペドーが空中の鉄くずを蹴って、宙を走る。
この世に立った一つしかない天使を用いて、封じた心。
ならばそれを開く鍵はやはり同じ天使。
だが、その唯一の天使は六喰の手の中。
例えるなら、絶対不破の金庫の鍵を、その金庫の中に仕舞ってしまったような状況。
「ま、開ける方法は有るんだけどね!生命の門!開門!!」
ペドーが己のズボンのチャックを開ける。
そこから、ひょこっと赤い僅かに尖った物体が姿を見せる。
そしてそれは白い棒状の物が繋がっており……
『アンタ、何してるのよぉおおおおおおおお!!!』
琴里の悲鳴がペドーにとってのゴングとなった!
「出でよ、〈ハニエル〉!!」
ズボンのチャックから出ている、棒状のブツを掴み引き抜く。
棒はぬっと伸び、根本には無数の毛が生えており、強いて言えば箒の様な形をしていた。
「ほぅ……精霊でもない者が、天使を扱うか」
「俺は心を通わせた幼女から、力を借りて――」
『ふっざけんなぁああああああ!!!
このクソロリコンがぁああああ!!!』
インカムから聞こえてくるのは七罪の怒鳴り声。
「えっと、ナッツミン?どしたん?話、聴こか?」
耳鳴りがキーンとしながらペドーが返事する。
『寄りにも寄ってなんで、私の〈
一瞬チン――じゃない!!なんか、出し方すっごい不満なんだけど!!』
「俺の力は、精霊たちとの絆だ!!」
「……絆とは?」
キメ顔するペドーに、六喰が首を傾げる。
「精霊たちとの絆が有れば、こんな事も出来るんだぜ?」
ペドーの手の中のハニエルが形を変えてゆく。
それは目の前の六喰の持つ鍵の形の天使〈
この宇宙において、ただ一つのハズの天使が
「形だけが同じと思うなよ?」
鍵を構えペドーがニヤリと笑う。
「偽物風情で、むくに並んだ積りかの?」
そう言うや否や、六喰の〈封解主〉の先端が空間に穴を開け、そこに先端を差し込む。
「え!?」
その穴の先は、ペドーの丁度鳩尾の正面。
〈封解主〉は音もなく、するりとペドーの身体の中に入り込んだ。
ガチャリ
何かが閉じる音が、聞こえた気がした。
DEM社の研究施設にて……
丸い机を挟み2人が隣り合う。
2人の向うには、一つのタブレット端末が置かれ、コードで隣の3本指のロボットアームに接続されている。
「ウェストコットも居ないと暇ですね。
居たら居たで、うっとおしいのですが……3!」
エレンが手札のカード2枚を裏返しにしてテーブルの上に置く。
『4でっせ!』
タブレット端末のスピーカーから声がすると同時に、3本指のロボットアームが床に並べられたカードの中から、1枚を選んで中心の山に置く。
『コーホー……』
フォースが無言で、カード2枚を置く。
「ダウトです!」
エレンの言葉に、フォースがたった今置いたカードをひっくり返す。
そのカードは2枚とも……
「5ですって!?」
『あーあ!エレンはん、やってもうたー』
タブレット端末から楽しそうな声が聞こえるのを、横に山札のカードを全て手札に加える。
「ま、まだ、です!まだ!6!!」
ヤケに成りながら、手札の4枚のカードを真ん中に置く。
『コーホー……!』
フォースが掌を突き出し、左腕のコンソールを指で叩く。
『ダ ウ ト』
機械で合成された音声がフォースの腕から聞こえる。
「ッ~~~~!!」
エレンがたった今、置いたカードをひっくり返すとすべてバラバラの数字だった。
泣きそうな顔をしながら、エレンはたった今置いたカードを再度回収した。
『ワァーオ!流石やねクロはん』
「ま、まだ勝負はついていません!!」
ペドーの戦う遥か、下方で何ともしょうもない戦いが繰り広げられていた。
「生命活動を止めてやろう【
六喰が背後を振り返る。
「よ!」
そこには、目の前にいたハズのロリコンの男が、模造した〈封解主〉を六喰の身体に差し込んでいた。
「な、ぜ……?」
「忘れちゃった?最初に俺がここに来た方法」
六喰の目の前のロリコンの顔面を隕石の破片が透過する。
その姿はトウエイ装置による、映像だったのだ。
「まさか!?」
「さっきのデカい隕石の爆発に紛れて、装置をセットした。
具体的には映像の俺の背後の隕石の欠片に。
俺は他の隕石に変身して、オマエの背後にひそんで、トウエイ機を起動したってワケ」
「貴様――ッ!」
「目覚めの時間だぜ、お姫様【
ペドーの言葉と共に、六喰の中のナニカが開かれるのが分かった。
「あ、ああ、ああ……」
ガクガクと六喰が震える。
手足は不規則に曲がり、引きつり、歯がカタカタと打ち鳴らされる音が聞こえる。
たった今、六喰の閉ざされた心は無理やり開かれてしまった。
何でもない、何も感じないままでいられたハズの心が今、すさまじい勢いで感情を高鳴らせている。
宇宙という虚無空間の寂寥感、ロリコンの不快感、DEM社という巨大組織から命を狙われる恐怖、変態への嫌悪感、唐突に感じた寂しいという感情、ペドーという埒外の存在と対峙する不安。
それらネガティブな感情が一斉になって、六喰の精神に襲い掛かった。
「お、おお、おお!!!」
六喰がその手に持つ〈
衝撃波が襲い掛かり、機械の残骸が、隕石の欠片がめちゃめちゃにかき回された。
「わ、わわ、っ!?」
衝撃波に押され、ペドーが地球の重力に捕まる。
今度はさっきの様に、踏んで自らを押し戻せる足場なども有りはしない。
身体が摩擦で、熱を帯び始める。
母なる地球の重量に惹かれて、ペドーが加速していく。
「む、六喰ッ、六喰!!」
引き寄せられるペドーが必死になって、手を伸ばす。
その視線の先で、六喰がこちらを見た気がした。
「我が魂は幼女と共に!!」
意識が覚醒したペドーが勢いよく飛び起きる。
「あ、起きた……」
琴里が覚醒したペドーを見て、声を漏らす。
そこは白を基調とした飾り気の無い部屋だった。
消毒の匂いに、可変式のベッド、そこはまるで――
「一応説明してあげる、ここはフラクシナスが用意した病院の中よ。
生身で大気圏突入してよく無事だったわね。
最近ますます人間離れしてきたんじゃない?」
憎まれ口を叩く琴里だが、その声色にはどこか安堵の色が滲んでいる。
「六喰がどうなったのかは不明だけど、あの位置にはもう居ないみたいね。
最後に落ちて行くペドーの方を見ていたから、ひょっとしたら地球の何処かに居るかもしれないわ」
「スケベ爺は?」
「エアーマン卿ね。あの人なら――」
琴里が口を開いた瞬間、ポケットから携帯電話を取り出した。
「丁度、件の人よ」
ペドーが電話を受け取り、耳に近づける。
『やぁ、ペドー君。生身で大気圏に突入したそうじゃないか』
ほんの数時間前まで、命の取り合いをしハズだがそんな事は微塵も感じさせない、好々爺と言った明るい声色が聞こえてくる。
「エアーマン卿!生きてたんですね!
カレンさんから、見捨てられて死んだかと……」
『はっはっは、確かにカレンに見捨てられて爆発する基地の中の放置されたが、ぴんぴんしているよ。
爆発に巻き込まれて、両足と左手が吹き飛んだがカレンがキチンと回収して――げっふ!?
ごほっ、げごっほ!!おぅえ!!――いやぁ、すまない。
内蔵系も少しやられたみたいでね、今からカレンに医療リアライザに入れて貰ってくるよ。
お互い生きていたら、また会おう。
はっはっはっは!!ごぶっ?!』
ペドーは無言で電話を切った。
「どう?エアーマン卿、無事だった?」
琴里が心配そうに尋ねる。
「ちょっと、怪我したらしいから医療用リアライザ入るって……
無事にまた会えると良いな」
「なんで、そんな寂しそうな顔するのよ?」
ペドーの表情を見て、琴里が質問する。
「…………所で、部屋の隅に縛られてる折紙は?」
部屋の隅、半裸の折紙が縛られ転がされていた。
「ペドーの病室に入ったら、ペドーが泣いていた。
これは慰める必要があると判断した、後、泣いてる相手の覆いかぶさって腰を振るのは興奮するのでは?という疑問が湧いた為、確認しようとしたらこうなった」
「ブレないなぁ、折紙さんは……」
ある種の尊敬の念をもって、ペドーが呟いた。
「ふむん、アレが変態という奴じゃな。
主様も相当な変態と思うが、同じ変態でもその種類はいろいろあるのじゃな」
鈴の転がる様な声、そして金の糸の様な髪が揺れる。
その声に、ペドーは聞き覚えがあった。
「む、六喰!?」
「ふむ、その通り。
主様の愛しの六喰じゃぞ」
空間に穴を開け、六喰がその姿を皆の前に晒した。
遂に新章突入ですね!!
あんまり変わってる気はしないですねぇ!