デート・ア・ペドー   作:ホワイト・ラム

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気が付けばもう、秋のはじまりですね。
この季節が私は一番好きだったり……


帰還Ⅰ:写し身

地球を滅ぼす程の幼女への欲望を持つ男ペドー!

そのガチロリコンが本の封印から遂に解き放たれた!

果てしない変態性癖を操るペドーの前に、幼女精霊たちが立ちふさがる!!

 

 

 

 

 

無限の漆黒と無数の瞬きせ構成される宇宙。

地球を見下ろすのその場所で、一人の精霊――六喰が目を開く。

「よぉ、六喰!今度は映像なんかじゃない、本物のペドーさんだぜ!

しかも、ロリ巨乳も許容範囲内にパワーアップ!!

通り名をつけるならRG(リアルグレード)(New)ペドーさんだ!」

ビシッと六喰に指を突き付ける。

 

「また、来たのか」

全くの感情を持たぬ、平坦な声を目の前の男に投げかける。

 

「おうよ。俺は狙った幼女は逃がさない、諦めなくて、一途で、思い込みが激しくて、一本気で、頑固で、自己チューで独善的なのさ!」

 

「むくの知識では、それはストーカー気質というのでは無いか?」

 

「失礼だな。純愛だよ」

六喰が目を細めた瞬間、周囲の石や機械の残骸がペドーに向かって飛んでくる。

霊力で操られた石の礫と機械の刃、それは生身の人間が受けるにはあまりに凶悪な代物だが――

こんな事態でもペドーには秘策があった。

 

それは――

 

「ふっふっふっふ……無駄だよ。

生身に見えるかもしれないが、俺はフラクシナスのテリトリーに守られている。

そんな隕石、自動で軌道を変えて――いだだだだだだ!?」

 

「当たったの」

未だに無感情の六喰だが、その声にどこか達成感が混じってるのは気のせいではないだろう。

 

『あ”いっけね!自動防御のスイッチ入れ忘れてました』

フラクシナス内部のAIマリアからの通信がインカムに入ってくる。

 

「機械がヒューマンエラーしてるんじゃねーよ!!」

顔面を血だらけにしながらペドーが叫ぶ。

 

『敵の攻撃、第2陣来ます』

 

「え、ちょっと待って!?痛い痛い痛い!!やめて!!よして!!やめて!!よして!!乱暴しないで!!」

ボッコボコにペドーが石をぶつけられまくる。

 

『精霊の好感度、僅かですが上昇!』

 

『その調子よ、ペドー!』

フラクシナスのクルーの言葉に、琴里の激が跳ぶ。

 

「『その調子よ』じゃねーよ!!死ぬわ!!この調子でいったら死ぬわ!!ぐぁあ!?」

鉄の破片がペドーの腹に突き刺さり、抜けて行く。

顔面の流血も、腹部の傷も炎が舐めるようにして傷を消して行く。

 

「いっかい、いっかいどっちも落ちつこ!?クールダウンしよ!?」

 

『自動防御スイッチオン……おや?』

 

「うっぐ!?」

突如、呼吸が出来なくなりペドーがジタバタと暴れだす。

 

『ちょっとー、誰よ、酸素供給スイッチ切ったのー』

琴里の責める様な声色がインカムから聞こえてくる。

 

『間違えました、以後気を付けます』

 

「トドメじゃ」

六喰の声が聞こえたと思ったら、ペドーの5倍の直径の有りそうな隕石がその体に当たる。

その隕石は地球の方へとペドーを押していく。

 

「むくの忌々しい記憶と共に燃え尽きるが良い……」

 

「にゅ、(New)ペドーは伊達じゃない!!こんな石ころ、押し返してやる!!」

その時、フラクシナスから光が迸り、ペドーを押していた隕石を破壊した。

 

「……もうちょい、早く助けてくれても良かったんじゃない?」

瓦礫の中から、ペドーが姿を見せフラクシナスの方に責める様な視線を投げる。

どうやら酸素も元に戻ったらしい。

 

「チッ……」

無表情のまま、六喰がペドーを見る。

時折感情の様な物を見せるが、それでもやはり無表情のまま。

やはりその手には巨大な鍵にも見える天使〈封解主(ミカエル)〉が握られている。

 

「閉ざして、繋げて、開く天使……」

ペドーはその天使を見て呟く、かつて六喰は言った。

自らの天使で自らの心を『閉じた』と。

だから、彼女の心は揺るがない。

だから、彼女は何も感じない。

 

ならば、ロリコン(ペドー)のやる事は決まっている。

 

「心を閉じたままじゃ、本当の意味で話す事すら出来ない。

感覚遮断系エロ漫画は、感覚が戻った瞬間が個人的に一番エロいんだよ!!」

そう叫ぶとペドーが空中の鉄くずを蹴って、宙を走る。

 

この世に立った一つしかない天使を用いて、封じた心。

ならばそれを開く鍵はやはり同じ天使。

だが、その唯一の天使は六喰の手の中。

 

例えるなら、絶対不破の金庫の鍵を、その金庫の中に仕舞ってしまったような状況。

 

「ま、開ける方法は有るんだけどね!生命の門!開門!!」

ペドーが己のズボンのチャックを開ける。

そこから、ひょこっと赤い僅かに尖った物体が姿を見せる。

そしてそれは白い棒状の物が繋がっており……

 

『アンタ、何してるのよぉおおおおおおおお!!!』

琴里の悲鳴がペドーにとってのゴングとなった!

 

「出でよ、〈ハニエル〉!!」

ズボンのチャックから出ている、棒状のブツを掴み引き抜く。

棒はぬっと伸び、根本には無数の毛が生えており、強いて言えば箒の様な形をしていた。

 

「ほぅ……精霊でもない者が、天使を扱うか」

 

「俺は心を通わせた幼女から、力を借りて――」

 

『ふっざけんなぁああああああ!!!

このクソロリコンがぁああああ!!!』

インカムから聞こえてくるのは七罪の怒鳴り声。

 

「えっと、ナッツミン?どしたん?話、聴こか?」

耳鳴りがキーンとしながらペドーが返事する。

 

『寄りにも寄ってなんで、私の〈贋造魔女(ハニエル)〉を、そんなトコから出すな!!

一瞬チン――じゃない!!なんか、出し方すっごい不満なんだけど!!』

 

「俺の力は、精霊たちとの絆だ!!」

 

「……絆とは?」

キメ顔するペドーに、六喰が首を傾げる。

 

「精霊たちとの絆が有れば、こんな事も出来るんだぜ?」

ペドーの手の中のハニエルが形を変えてゆく。

それは目の前の六喰の持つ鍵の形の天使〈封解主(ミカエル)〉と同じに。

この宇宙において、ただ一つのハズの天使が()()()()

 

「形だけが同じと思うなよ?」

鍵を構えペドーがニヤリと笑う。

 

「偽物風情で、むくに並んだ積りかの?」

そう言うや否や、六喰の〈封解主〉の先端が空間に穴を開け、そこに先端を差し込む。

 

「え!?」

その穴の先は、ペドーの丁度鳩尾の正面。

〈封解主〉は音もなく、するりとペドーの身体の中に入り込んだ。

 

ガチャリ

 

何かが閉じる音が、聞こえた気がした。

 

 

 

閑話休題(それはそうと)――――

 

DEM社の研究施設にて……

丸い机を挟み2人が隣り合う。

2人の向うには、一つのタブレット端末が置かれ、コードで隣の3本指のロボットアームに接続されている。

 

「ウェストコットも居ないと暇ですね。

居たら居たで、うっとおしいのですが……3!」

エレンが手札のカード2枚を裏返しにしてテーブルの上に置く。

 

『4でっせ!』

タブレット端末のスピーカーから声がすると同時に、3本指のロボットアームが床に並べられたカードの中から、1枚を選んで中心の山に置く。

 

『コーホー……』

フォースが無言で、カード2枚を置く。

 

「ダウトです!」

エレンの言葉に、フォースがたった今置いたカードをひっくり返す。

そのカードは2枚とも……

 

「5ですって!?」

 

『あーあ!エレンはん、やってもうたー』

タブレット端末から楽しそうな声が聞こえるのを、横に山札のカードを全て手札に加える。

 

「ま、まだ、です!まだ!6!!」

ヤケに成りながら、手札の4枚のカードを真ん中に置く。

 

『コーホー……!』

フォースが掌を突き出し、左腕のコンソールを指で叩く。

 

『ダ ウ ト』

機械で合成された音声がフォースの腕から聞こえる。

 

「ッ~~~~!!」

エレンがたった今、置いたカードをひっくり返すとすべてバラバラの数字だった。

泣きそうな顔をしながら、エレンはたった今置いたカードを再度回収した。

 

『ワァーオ!流石やねクロはん』

 

「ま、まだ勝負はついていません!!」

ペドーの戦う遥か、下方で何ともしょうもない戦いが繰り広げられていた。

 

 

 

 

 

「生命活動を止めてやろう【(セグヴァ)】――――な、に?」

六喰が背後を振り返る。

 

「よ!」

そこには、目の前にいたハズのロリコンの男が、模造した〈封解主〉を六喰の身体に差し込んでいた。

 

「な、ぜ……?」

 

「忘れちゃった?最初に俺がここに来た方法」

六喰の目の前のロリコンの顔面を隕石の破片が透過する。

その姿はトウエイ装置による、映像だったのだ。

 

「まさか!?」

 

「さっきのデカい隕石の爆発に紛れて、装置をセットした。

具体的には映像の俺の背後の隕石の欠片に。

俺は他の隕石に変身して、オマエの背後にひそんで、トウエイ機を起動したってワケ」

 

「貴様――ッ!」

 

「目覚めの時間だぜ、お姫様【(ラータイプ)】」

ペドーの言葉と共に、六喰の中のナニカが開かれるのが分かった。

 

「あ、ああ、ああ……」

ガクガクと六喰が震える。

手足は不規則に曲がり、引きつり、歯がカタカタと打ち鳴らされる音が聞こえる。

 

たった今、六喰の閉ざされた心は無理やり開かれてしまった。

 

何でもない、何も感じないままでいられたハズの心が今、すさまじい勢いで感情を高鳴らせている。

宇宙という虚無空間の寂寥感、ロリコンの不快感、DEM社という巨大組織から命を狙われる恐怖、変態への嫌悪感、唐突に感じた寂しいという感情、ペドーという埒外の存在と対峙する不安。

それらネガティブな感情が一斉になって、六喰の精神に襲い掛かった。

 

「お、おお、おお!!!」

六喰がその手に持つ〈封解主(ミカエル)〉を振りかざし、力を振るう。

衝撃波が襲い掛かり、機械の残骸が、隕石の欠片がめちゃめちゃにかき回された。

 

「わ、わわ、っ!?」

衝撃波に押され、ペドーが地球の重力に捕まる。

今度はさっきの様に、踏んで自らを押し戻せる足場なども有りはしない。

身体が摩擦で、熱を帯び始める。

母なる地球の重量に惹かれて、ペドーが加速していく。

 

「む、六喰ッ、六喰!!」

引き寄せられるペドーが必死になって、手を伸ばす。

その視線の先で、六喰がこちらを見た気がした。

 

 

 

 

 

「我が魂は幼女と共に!!」

意識が覚醒したペドーが勢いよく飛び起きる。

 

「あ、起きた……」

琴里が覚醒したペドーを見て、声を漏らす。

そこは白を基調とした飾り気の無い部屋だった。

消毒の匂いに、可変式のベッド、そこはまるで――

 

「一応説明してあげる、ここはフラクシナスが用意した病院の中よ。

生身で大気圏突入してよく無事だったわね。

最近ますます人間離れしてきたんじゃない?」

憎まれ口を叩く琴里だが、その声色にはどこか安堵の色が滲んでいる。

 

「六喰がどうなったのかは不明だけど、あの位置にはもう居ないみたいね。

最後に落ちて行くペドーの方を見ていたから、ひょっとしたら地球の何処かに居るかもしれないわ」

 

「スケベ爺は?」

 

「エアーマン卿ね。あの人なら――」

琴里が口を開いた瞬間、ポケットから携帯電話を取り出した。

 

「丁度、件の人よ」

ペドーが電話を受け取り、耳に近づける。

 

『やぁ、ペドー君。生身で大気圏に突入したそうじゃないか』

ほんの数時間前まで、命の取り合いをしハズだがそんな事は微塵も感じさせない、好々爺と言った明るい声色が聞こえてくる。

 

「エアーマン卿!生きてたんですね!

カレンさんから、見捨てられて死んだかと……」

 

『はっはっは、確かにカレンに見捨てられて爆発する基地の中の放置されたが、ぴんぴんしているよ。

爆発に巻き込まれて、両足と左手が吹き飛んだがカレンがキチンと回収して――げっふ!?

ごほっ、げごっほ!!おぅえ!!――いやぁ、すまない。

内蔵系も少しやられたみたいでね、今からカレンに医療リアライザに入れて貰ってくるよ。

お互い生きていたら、また会おう。

はっはっはっは!!ごぶっ?!』

ペドーは無言で電話を切った。

 

「どう?エアーマン卿、無事だった?」

琴里が心配そうに尋ねる。

 

「ちょっと、怪我したらしいから医療用リアライザ入るって……

無事にまた会えると良いな」

 

「なんで、そんな寂しそうな顔するのよ?」

ペドーの表情を見て、琴里が質問する。

 

「…………所で、部屋の隅に縛られてる折紙は?」

部屋の隅、半裸の折紙が縛られ転がされていた。

 

「ペドーの病室に入ったら、ペドーが泣いていた。

これは慰める必要があると判断した、後、泣いてる相手の覆いかぶさって腰を振るのは興奮するのでは?という疑問が湧いた為、確認しようとしたらこうなった」

 

「ブレないなぁ、折紙さんは……」

ある種の尊敬の念をもって、ペドーが呟いた。

 

「ふむん、アレが変態という奴じゃな。

主様も相当な変態と思うが、同じ変態でもその種類はいろいろあるのじゃな」

鈴の転がる様な声、そして金の糸の様な髪が揺れる。

その声に、ペドーは聞き覚えがあった。

 

「む、六喰!?」

 

「ふむ、その通り。

主様の愛しの六喰じゃぞ」

空間に穴を開け、六喰がその姿を皆の前に晒した。




遂に新章突入ですね!!
あんまり変わってる気はしないですねぇ!
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