「足元に気をつけろ」
黒騎士から逃げ切った僕達は、他の道が出来てから破棄された
古い地下道に逃げ込んだ。
念のために、入ってきた入り口は草で隠している。
三日三晩、飲まず喰わずで走り続けてようやくこの地下道を見つけ
そしてそこで川の字になって…泥のようにって表現がふさわしい位眠りこけた。
その後、三人揃って貪る様に飲み食いして、もう一方の出口を目指して
歩き出した。
ついでだけど、前の遺跡みたいに暗いわけじゃないから、そこまで苦労しない。
あと、何故かアリテがずっと僕の背中にしがみついて
早い話、僕におんぶされてる常態、
おまけにしっかりしがみついてるから、豊満な胸の感触が服越しに
って何考えてるんだ!
消えろ!、消えてくれ我が邪念!!。
「………」
さっきからアリテが無言を貫いてる。
元から霧島さんみたいに、口数が少ないけど
今はそれに輪が掛かっている。
このままだと物凄く居心地が悪い。
「アリテ…そのね」
ロアがこっちを窺いつつ、どうしようか悩んでるみたいだ。
「僕は何も聞かないよ」
「え?」
「気にならないって言えば、嘘だ
でもね、人には言いたくないことだってあるし
僕だってロアだって、秘密はある
だからね、アリテが話してくれるまで、僕は何も聞かない」
「同感だ、仲間をそうやって疑いたくは無い」
ギュ………
抱きしめられる力が、更に強くなった。
「と、とにかく!
何があっても、僕はアリテの味方だから!」
僕は早歩きになってしまった
そして、それがいけなかった。
「待て!、そこは!」
「え?」
呼び止められるけど、その時には遅かった。
ガラガラガラ!
どうやら、この地下道が廃止された一番の理由は
脆くて崩れやすくなっていたからだったらしい
僕は……落っこちた。
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「ん…んん」
気が付くと、僕はずぶ濡れで川の横に倒れていた。
川といっても、天然の地下水道だけどね
ほら、地底湖ってあるじゃん、それの川版ってところだね。
でも全身が痛い、Fクラスで痛みには慣れてるはずだったんだけど
これはもしかして……重症?
あるいは、今まで受けてきた傷(Fクラス面々とか姉さんの暴力)が
今になって痛みだしたのだろうか?
「ハ…ハハハハ」
思わず乾いた笑いが出た。
今にして思えば、僕は何であんな環境に耐えられたんだろうか?
普通ならトラウマやらノイローゼやらになって
登校拒否に家出ぐらいはしてる
いや、自殺だっておかしくは無かったはずだ。
それだけ、僕がバカだったってことなのかもしれない。
今、ハッキリした
この世界では、安全も大好きなゲームも無い
だけど、もと居た世界じゃなくて、このエリンディルが
ロアとアリテが僕の居場所なんだって、今分かった。
もう帰りたくない、退学届と絶縁状を送りつけてやる。
「あ、気が付いた…」
見ると、アリテが下半身を水面に沈めて、僕を覗き込んでいた
長いこと考え込んでいて気づかなかった、アレ?
アリテは普段神官帽を深く被っているけど、今はつけてない
いやそれはどうでもいい。
本来耳がある場所には、ヒレみたいなのが付いている
思わず起き上がろうとするけど、痛みで動けなかった。
「動いちゃダメ、今治すから」
アリテが呪歌を歌う、前に聞いた力が湧いてくる歌じゃなくて
子守唄みたいに安らげる歌で、
聞いている内に痛みが消えていった。
「もう大丈夫」
アリテが岸に上がる
下半身は…イルカみたいな海生哺乳類って感じだったけど
その姿は……間違い無く[人魚]のそれだった。
「やっぱり、変?」
「…綺麗だ」
バカな僕には上手く表現できないけど、幻想的な美しさ
今のアリテは、そんな感想を浮かばせてくれた。
「言ったよね、僕はアリテの味方だって
別にヒューリンじゃなくても、変わらないよ」
アリテが微笑む、そして、
なんで抱きつくの?!
濡れてるからバストの感触がダイレクトに!!!
頭が茹で上がるーーーーーー!!!!。
「アキ、好き…」
「え?」
今なんて?、好き?、空き?、隙?、鋤?
「そ、それって…異性として?」
「他に何が?」
0,3秒で即答されました。
「で、でも…僕で良いの?
僕より強くてカッコいい男なんていくらでも居るし
あの[黒騎士]相手に…
君を守り抜く自身なんて無いよ
だから…フグ!」
キスされました、大事なことなので二回言います、キスされました
デコチューとかほっぺにチューとかじゃなくてマウストゥマウスの
「いい、この気持ちは本物だから」
…正直、僕は自分が女の子に好かれるとは思っていなかった。
まあ、あの暴力コンビを基準に考えてたから、間違ってるんだけど。
実は、アリテとは一緒に買い物したりと一緒に過ごした時間は
ロアより長いかもしれない。
一緒にいたい、笑顔にしてあげたい
アリテといる時は、何時もそれだけ考えてた
だから……はっきり言える
「僕も、好きだよ」
気が付けば、お互いに唇を…「結構下流のほ……」ロア!?
「わ、悪い、邪魔したな、どうぞごゆっくり」
「まってロア!、違うよ!、違わないけど違うよ!」
僕達はやっぱり前途多難みたいだ。
ソリトゥス
所謂人魚族。
海底でサンハギとも交流を持たずに、独自の国家を営む種族。
目撃情報は無いに等しい。
ラテン語で意味は[孤独]
アリアンをやり始めた時に考えた種族で、
このときサンハギ(二本足で歩く魚みたいな種族、妖魔のギルマンとそっくりだが、敵対関係)を知らずに作っていました。
(この時手元にサプリメント、ディスカバリーガイドが無かった)
ノックスより先に作って、後でサンハギに気づき
使うかどうか迷っていましたが
今回はせっかくなので使うことにしました。
ヒロインが増えたら、ちゃんと好きになる過程を考えないといけません
(一目惚れは最終手段)大変ですよね。
それでは
全ては運命の女神、アリアンロッドの導きのままに。