何時までも親の脛を齧ってるわけにはいきませんゆえ。
新しい刃
「く、クソ、まだ寒気が」
「風邪でも引いたんじゃ?」
マシになったとは言え、パリス同盟に入国する直前から、なにやらロアが震えてる。
「昨日は暑いくらいだったはずだが」
「あんまり心配させないでよ」
「風邪引いたら噛み付くよ」
アイリスはともかく、斬新な心配だね、テテニスは。
正直、街に着くかどうか怪しくなってきたよ
地図じゃ何所か分からないし。
川があるから国境近くだと・・・・・・ん?
「囲まれてる?」
「右に三人、左に四人、後ろに三人、前に・・・・・・!奴だ!」
僕達が構えるのと同時にロアが言った人数が僕達を囲み
そして・・・・・・・・・あの黒騎士が出てきた。
「久しいな、少年」
相変わらず、物凄い威圧感だ・・・・・・でも
「今度は行ける」
「ほう」
僕は一直線に黒騎士へ走る、同時に、他の皆はアリテとアイリスを守る陣形になる。
「愚かな、この状況で真っ先に向かってくるとは」
「どうかな!」
2Mは超えるであろう大剣が振り下ろされるが、僕はそれを・・・・・・
片手で止める
「何?!」
「人はね、成長するんだよ!」
連撃を重ね、黒騎士を追い立てる、パワーが互角以上なら、速い方が有利だ。
「ぬう!ならば此方も本気を出すまでだ!」
今までは油断して手を抜いていたらしい、格段にスピードが上がってる。
でも、前とは違う!戦える!!
僕は両の短剣で大剣を受け流し、胸部分に蹴りをいれる。
かなり分厚い鎧みたいだから威力は削られる、でも距離を取れた。
皆は・・・・・・・・
ねえ、一人尻に矢が刺さってる。
もう一人は槍が尻に刺さってるよ。
後、何で最後の一人が縛られてるの?
「算数のお勉強をしましょう、人の体には206本の骨があります」
・・・・・・嫌な予感がする。
「99%折ると何本残るでしょう?シンキングタイムスタート」
見てない、僕は何も見てないし聞いてない。
フェイントを混ぜた前進で横薙ぎの斬撃をかわしつつ前進して、懇親の一撃を兜に叩きつける。
同じようなことを何度も繰り返す、そしてまた兜を叩く。
そんなやり取りが体感時間で5分ほど続いた。
傍から見れば、僕のほうが優勢かもしれない
でも、僕のほうが不利だ。
黒騎士の鎧は欠けたり凹んだりしてるけど、本人のダメージは軽微に近い
一方僕は高速移動を続けて体力が減ってるし、短剣が刃こぼれを始めてる。
「よく頑張ったが、此処までだ!」
黒騎士が刃こぼれを始めた大剣を振り下ろすと、衝撃波が僕に向かって放たれる。
かわし辛いし、威力はかなりの物だろう
「だけど!それがどうした!!」
真正面から短剣を交差させて突っ込む。
「汝の顎にて全てを噛み砕け!
巨大な竜、ファーヴニルに衝撃波の大半を噛み砕いて軽減して貰う
正直それでも痛いけど、我慢できないほどじゃない!。
「何?!!」
真正面から突っ込んでくる、なんてことは予想できなかったらしい。
直に間合いを詰め、また渾身の一撃を顔面に叩き込む。
左の短剣と兜が、同時に砕けてしまった。
バックステップで一旦距離を取る。
「!・・・・・・ラダメス?!」
え?・・・・・・アリテ、今なんて?
改めて、黒騎士を見る。
青い髪に青い眼、ヒレに見える耳、首のエラ
アリテと共通点を幾つも持っていた、歯がサメみたいな形と並び方だけど。
「ふん!!」
あっけに取られてしまった僕は、衝撃波をかわすことが出来ず
川に落ちた。
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「・・・・・・ホント、最近落っこちてばっかりだな」
某正義のロボット軍団のリーダー並にね。
オマケに雨が降り始めてる。
皆を探すにしても、このままじゃ風邪を引いて動けなくなりそうだから
近くの洞窟に入って、ポーチに残っていたセットで焚き火を焚く。
これで少しはマシになるかな。
あれ?僕以外にも、人がいる。
「ほう、随分と不思議な少年だな」
褐色の肌に、小柄だけど筋肉質な体、鍛治の民ネヴァーフだ。
でも・・・・・・全裸だった。
オマケに呼吸をしてないし、胸も動いていない
まるで幽霊のように生気を感じさせない。
「なんとも不思議な匂いだな、まるでそう・・・・・・別の世界から来たような」
見透かされてる?
「何故そう思うんです?」
「この世界では、嗅いだ事の無い匂いを、お前は纏っている
ワシも長い長い間旅をして、世界の全てを回りつくしたからな」
ふと見ると、外はすっかり日が暮れてしまった。
「お前が此処に来たのも、何かの運命か
お前はディアンと言うネヴァーフを知っているか?」
・・・あ!ロアに聞いたことがある。
「体に埋め込む武器とか、勝手に飛び回る石弓だとかを作った
変わり者の伝説の鍛治士の名前ですよね?」
するとネヴァーフは微笑み
「ワシがそのディアンじゃ」
「え?確か何百年も前の、地の時代の人物でしょう?
ネヴァーフの寿命は120歳だから、生きてるはずない」
「あれを見ろ」
指差された先には・・・・・ネヴァーフの人形?
「ディアンは老いると新しい体を作る
そうやって、ワシは時代を超えてきた、お前はワシの若返りに立ち会って居るのじゃ」
思わず息を呑む。
「しかし、魂を移す間は
ワシを守る力が消えてしまうのじゃ
一晩ワシの護衛をしてくれれば、お前の役に立つ物を作ってやろう
どうじゃ?」
短剣は砕けてるけど、体術でもなんとかなるし、召喚獣もいる。
「わかりました、お受けします」
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雨のせいか、何事も無く若返りは終わった。
「ありがとう、これは約束の物じゃ」
差し出されたのは、かなり長い短剣だった。
片方は銀色で片刃、これだと小太刀って言った方がいいかもしれない。
もう一つは真っ白で両刃、なんだか雪みたいに煌いている。
「銀のほうはユルルングル、白い方はアルボじゃ、わしの作品の中でも一品じゃぞ」
「ありがとうございました」
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その後、皆と再会できたけど、アリテとナデシコにピッタリ抱きつかれて
その後僕は・・・・・・村の宿屋で大人の階段を一気に上ることになった
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「うーん・・・頭痛い」
「・・・・・・腰が・・・・・・」
物凄くやつれてるロアが部屋から出てきた。
「ロア?どうしたの?」
「お前こそ・・・・・・まさか・・・」
「「お互い、苦労してるね(な)」」
銀色の方は、オーストラリアの原住民のムルギン族の神話に登場する
蛇の姿をした神様。
白い方はそのまま、ラテン語で[白]
もうちょっと捻った方がよかったかな?
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オマケ・最近ネタに四苦八苦気味
明久が卵形のカプセルを放り投げる
明久「キングスカッシャー!」
登場する金色のロボット
ロア「よし俺も、クイーンサイダロン!」
登場する黒に近い紫のロボット