アリアンロッド‐僕の冒険記‐   作:アルシェス

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次なる出会い編
似た物同士


安心して眠れる、

 

僕にとってはとても貴重なことだ。

 

 

家だと姉さんが夜這いだのなんだのやってくるから安心できない。

 

 

寝ているのが簡素な手作り木製ベットに敷かれた薄い毛布とマットでも

 

天国に思える。

 

 

「ん、んーーーー!」

 

 

こんな気持ちいい目覚めも久しぶりだ。

 

 

目をこすって辺りを見渡し

 

 

ヌウ………そんな擬音がピッタリな起き方をロアがした。

 

 

こ、怖い、小っちゃい子が見たら泣き出しそうだ。

 

 

「ほう、中々早いな」

 

 

「う、うん」

 

 

僕は空返事しか出来なくなった。

 

 

_________________________________________

 

小さな村だから、朝食は結構簡素だけど

 

その素朴さが、僕には美味しく感じる。

 

 

「今度は何処を目指すの?」

 

先に朝食を食べ終わったロアが、テーブルに地図を広げる。

 

 

「次はこのログレスという街を目指そうと思う

 

この村から西にって、そこから川沿いに南下するのが

 

正規のルートだ」

 

 

地図を見れば、確かに川を南下すれば迷わずつける場所だ。

 

 

「また暫く歩きってわけだね」

 

 

ここら辺は見所がそんなに無いみたいだし。

 

 

「馬でもあれば楽なんだけどな

 

まあ、贅沢は言えないがな」

 

 

あっても僕に乗馬は無理だし

 

 

「路銀も出来ればもう少し……ん?」

 

 

ロアが何かに気づいた。

 

 

僕も見ると、依頼表と書かれた板に、冒険者に対する頼みごとが張っていて

 

その中に[ログレス行きの行商団の護衛]というのがあった。

 

 

「これはラッキーだね」

 

 

「そうなんだが……まあいい」

 

 

僕達はこの依頼を受けることにした

 

目的地への足と路銀稼ぎ、まさに一石二鳥だ。

 

 

商団の出発予定日は明日、けっこうギリギリなタイミングだった。

 

___________________________________________________

 

 

次の日の朝、複数のグループと共に

 

僕達は商団に挨拶をした。

 

 

護衛対象の馬車は五台、ロア曰く、結構大規模な方らしい。

 

 

「なんかきな臭いな」

 

「どうゆう事?」

 

 

ロアが訝しげな事を呟いたので、こっそり聞いてみる。

 

 

「言っちゃなんだけど、ここはかなり小さ目の村だ

 

馬車一台の小規模ならともかく

 

 

ここまで規模がデカイのがここで商品を仕入れるとは思えない

 

なのにあの商団はどこからか積荷を運んできている

 

それもヤケにでかくて頑丈そうな箱だ

 

 

中身が怪しすぎるぜ」

 

 

改めて商人達が運んでいる木箱を見ると、

 

かなり頑丈そうな鍵が付いていて、人が入れるくらいに大きい。

 

 

それこそ、危険物でも入れてるような。

 

 

「第一、あんだけ護衛が居るのに

 

新しく雇う必要なんて無いはず」

 

 

「確かに怪しいね

 

でも素直に教えてはくれないだろうし」

 

 

怪しいけど行動出来ないのはなんだか歯痒い。

 

 

「後でこっそり見てみるさ

 

それまでは大人しくしていよう」

 

 

こんな時は経験値が上のロアの方がいい判断を下せる。

 

今回は大人しくしていることにした。

 

 

_____________________________

 

最後尾の馬車の天井(この馬車は木製の屋根)に二人で座り

 

辺りを見回す。

 

 

「そういえば、ロアは何時から冒険者になったの?」

 

暇潰しがてら聞いてみる。

 

 

「二年前だ、だからまだ新人だな」

 

二年か……僕と同年代みたいだし

 

でも歴戦って雰囲気がするのは何故だろう。

 

 

「戦闘は素人じゃないからな」

 

「あ、修行期間があったんだ」

 

 

「そう、俺の故郷は

 

魔物の襲撃が多くてな、だからかなりの戦闘要員が必要なんだ

 

それで修行場なんて幾らでもあった

 

 

遺跡も近くにあったから武具にも不自由しなかったしな」

 

 

そうなんだ……あれ?

 

「じゃあ何で冒険者に?」

 

ロアがキャリバーを取り出して答えた。

 

 

「俺にコイツの技を教えてくれた人が

 

外から来た冒険者でな

 

 

………話を聞いてるうちに興味と言うか憧れができてな

 

 

で、気が付けば家出同然に飛び出して今に至るわけさ

 

色々あって家にも飽き飽きしてしな」

 

 

 

自分の周りの環境に嫌気がさして旅に出た、か………

 

 

「僕達って、似た物同士なんだね」

 

「そうみたいだな………お出ましかな」

 

 

いつの間にか、敵意が近づいてきた。

 

 

「うん、結構多いみたいだね」

 

僕も短剣を構える。

  

 

 

 

                 さあ、戦いだ!




難産続きの遅め更新になりました。


新キャラ登場までもう少しお待ちください。
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