ALDNOAH.ZERO -Earth At Our Backs- 作:神倉棐
皆様、あけましておめでとうございます。更新を楽しみにしてくださっている方々、申し訳ありません。拙作ではありますが、今後ともよろしくお願いします。
10/5「WILD HUNT」
【東シベリア永久凍土上空 11月24日 19時00分】
〈Over the permafrost of East Siberia 1900hrs. Nov 24, 2014〉
《───聞こえるか、地球人。貴様に、聞きたいことがある》
極北の、今にも雪の降り出しそうな曇天の空。そんな低い空で幾重にも敵機との交差を繰り返す
「───誰だ、貴様は!何のつもりだ?」
交戦──それも同じく未来視(偽)持ち同時の戦い──の真っ最中なこともあって、いつもより遥かに固い声色で放たれた問い。
《我が名は揚陸城が主、クルーテオ・フォン・ヴァッフェル。戦うつもりはない、地球人である貴様に聞かねばならん事がある》
そんな一帆の問いに「クルーテオ」と名乗った火星騎士の男は、あくまで冷静に再度聞くべき事があると答える。
───信用、できるのか?だが、戦闘はまだ継続中だ……とてもじゃないが呑気に話す余裕はない
クルーテオからの通信に、一帆は一瞬悩むもそれどころではないと結論を出す。
「───ならまず降伏しろ!交戦中の敵相手に呑気におしゃべりできるはずないだろう!」
通信が繋がって以降、銃弾の応酬はいつの間にか途切れていてこそいたが、それでも相変わらず続いていた
「降伏しろ、今そちらで生き残っている機体全部だ」
操縦桿の引き金に指を掛けつつ、一帆は無線越しに相手に半ばそう怒鳴るように告げる。
───降伏するかは五分五分かそれ以外、少なくとも戦うつもりはないのは事実らしい……今の所は
とはいえ、初手で母艦であるデューカリオンを包囲するように展開していたことや
じっとりと、嫌な汗が滲む。
《───ふむ》
一帆が
《───よかろう。貴様の要求を受け入れよう》
「!」
しかしその思考も一瞬のこと、一拍の後に告げられた受諾の言葉に一帆は思わず息を呑む。まさか
───それだけ、向こうの言う「聞きたいこと」に価値があるということ……か
思わぬ事態とはいえ、敵に「降伏する」といわれて「はい、そうですか」と警戒を完全に解く訳にもいかない一帆は追跡の手を緩めつつも、万が一に備え
《地球人、貴様──名前は?》
目の前の機体だけでなく他のスカイキャリアも含め、国際緊急周波数でもって降伏を宣言したのを確認した一帆が
「八朔一帆、そちらからは
《……なるほど、やはり貴様が例のエース……「白い死神」か》
一帆の名乗りに、
《───そうか、ではやはり……》
地球技術ではあり得ない「空を飛ぶ大戦艦」と動きや変形をしていた「可変戦闘機」。
それらを実際に目にし、ひとり何かを呟いていたクルーテオだったが、そんな2人の間に思わぬ警報音が響く。
《高熱源反応、
「っ⁈避けろ、
目も眩む閃光が、極北のソラを切り裂いた。
非ログイン状態でも感想受け付けておりますので、よろしければ感想・評価もお待ちしてます。