異世界西遊記 作:越後屋大輔
チョヤの森の奥に行くと、確かに地球のミサイル爆弾らしい円錐形の物体があちらこちらに埋まっている。まずは俺が分身の術を使い爆弾を掘り出しトロワちゃんは魔法でこれを消滅させようとしたが…無理だった。考えてみれば簡単に消滅させられれば百年の間に誰かがやっているはず、トロワちゃんに伝えるのは酷なので言わないが(^o^;)。
「やっぱり私じゃ力不足なのでしょうか」
「君のせいじゃない、とにかく他の手を考えよう」
2人で考えを巡らしていたら森の入り口の方から突然斧がとんできた、俺はトロワちゃんを抱え如意棒を携え、斧を叩き落とす。誰だか知らんがケンカ売ってきたこと後悔させてやる。
「誰じゃい?わしの素材を、横取りするのは!」物陰に潜んでいた髭面のオッサン、所謂ドワーフが地面に刺さった斧を拾い振り上げ再び襲ってきた。
「はぁ?何言ってんだ、危険物だぞ!」如意棒とかち合った斧が粉々に砕ける、ドワーフは逃げようとしたがすぐに髪をロープと足枷に変えて捕縛する。さて釈明するなら一応聞いてやろう。
「わしは金物職人じゃ、いい素材があれば使うのは当然だワイ、例えもとが魔王のお古でもな、それに人殺しに使われたモンだからこそ世の中の役に立つ道具に作り直した方が、素材も幸せじゃろうて」なるほど一理ある
トロワちゃんは複雑な表情をして悩んでいたが、
「ねぇおじさん、私達と旅をしない?」意外な言葉が出てきた。爆弾がどんな作りかしらないが金属の扱いに長けているだろうこのオッサンが一緒なら除去するのも楽になるのは間違いない。是非仲間にくわえよう。拘束
も解いてやらないとな。
「そういうことなら連れてってもらおうか」俺たち3人は改めて互いに名乗り合う。
「トロワです、これから宜しくお願いします」
「わしの名はゴノーじゃ、こちらこそ宜しく頼む」早速爆弾を解体してもらおう。
「ン、金属のガワの中に妙なモンがはいっとるぞ」俺は一目見てわかった、真空管だ。ヤバい、まさかこの世界にあるとも思えないがダイオキシンなどの毒物兵器が使われてたら大変なことに…ならなかった。只のお飾りだったみたいだ。俺の慌て振りに吹き出す2人、しかし魔王の奴ダミーにしてもなんでこんな仕掛けを百年も前におもいついた?真空管爆弾が地球で発明、使用されたのは七十年程前になる。魔王の正体は科学者?しかしそれだと時系列が合わない、もしくは未来の地球人?
「おーい若ぇの、なに難しい顔しとる?」
「なにか不安なことがあるのですか?」ゴノーはニヤニヤしながら、トロワちゃんは心配そうに俺に声をかけてきた。
「何でもないよ」まぁ、この謎は後回しにしよう。いずれ魔王と対峙すれば分かることなのだから。
主人公が孫悟空、三蔵法師がエルフ、猪八戒がドワーフ。どんな西遊記だ、(自分突っ込み)