異世界西遊記 作:越後屋大輔
俺は自分は辺境の田舎の出身で余り世に知られていない石猿という種族で都会に憧れて、故郷を出てきたおのぼりさんだと説明した。案の定彼らはすぐ納得してくれたようだ。自信はあったけどね、おっさんとパーティーリーダー以外よくみると人間じゃないし。女子二人はそれぞれ猫と犬の耳生えてるし、もう一人の男はどうみてもオークだ。ここがいかにもファンタジーな異世界だってわかる。
「俺はアラン、人間で一応このパーティーリーダーだ」革鎧のイケメン君が名乗って握手してくれた。
「私はルビィ、ケットシーだニャン」ショートパンツにノースリーブシャツの猫耳女子が快活に名乗る。それにしても冒険者にしては薄着すぎないか?暑がり?結構スタイルいいし、ちょっと目のやり場に困る。男二人は平気なのか?
「私はコボルトで魔術師のリャフカよ。」クールビューティーなこちらは犬耳女子。魔術師らしく長いローブを着ている。…いいんだけどね。
「お、おではオークのオィンクつーだ」うん、見りゃわかる。しかしオークといえば嫌われ者の代表格だよね、他種族とパーティー組んで冒険者…いやいやそれはあくまでも地球でのしかも創作に限った話だ、この世界でもそうとは決めつけるのは偏見だ。アランの時みたく握手しようと手を差し出したら逃げられた、なんで?
「すまん、オィンクは人見知りが激しくてな」本人に変わり俺に謝るリャフカ。
「もうオィンクは相変わらず恥ずかしがりやさんニャンだから」からかうようなルビィ。マァ悪い奴じゃなければいいか。
「それで取引とは?」アランが場を仕切り直す。俺はしばらくパーティーに加えてもらい、この辺りの法や冒険者について教えてほしい、その代わりクーガルフの討伐料金等本来彼らの収入になるはずだったお金は折半するのはどうかと切り出す。アランは目線で他の三人に意見を求める。全員一致で賛成のようだ。
「それじゃギルドに戻って討伐完遂の報告をしないとな」来たっ、冒険者といえばギルド、お約束だね。アランはバーキンさんに馬車の手配を頼もうとするが俺は手で制す、一つ試したい事があるからだ。
再び觔斗雲を出してアラン達に空を飛ぶところを見せる。またも驚愕する彼ら、驚きすぎて口が開きっぱなしになることってホントにあるんだな。
「君にはつくづくビックリさせられてばかりだな」アラン
「便利だニャー、私も欲しいニャー」ルビィ
「こんな魔法は見たことない、あなた方種族特有のモノか?」リャフカ
「は、羽も翼もねぇのにそ、空さ飛んでるだ」オィンク
反応もそれぞれ個性があるのが面白い。彼らにも觔斗雲に乗るよう促す。本家西遊記では人間は乗れないと思ったけど、この世界ではどうだろう。