異世界西遊記   作:越後屋大輔

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第3話まずは下準備

 やっぱりというかまたもお約束というかアランだけが觔斗雲に乗れなかった。 一人だけ足が雲の下へすり抜けてしまったのだ。リーダーなのに…悪い事したなぁ。結局五人で馬車に乗ることになった。ギルドのある街カカンザまでは2日ほどかかるそうだ。到着するまでアラン達からこの世界について色々聞くことができた。

 ここは人間と亜人が同じように暮らしていて身分証明書さえあればそれなりに人権も存在する、そういえば俺はもっていなかったが聞いたらギルドで発行してくれるそうだ。良かった。

 寿命もエルフ等一部の種族以外人間とさほど変わらず結婚や繁殖も普通にできるそうだ。科学的には15~17世紀位だが魔法文明が発達していて地球にとってのガスや電気の代わりにもなってるらしい。

 歴史的には、百年程前に魔王とその一派が世界滅亡を図ってあちこち侵略していたそうだが偉大なる女神に制圧され現在は基本的には世界全体が平和で、たまに魔物が人間やその暮らしを脅かす程度とのこと。ここで疑問が浮かぶ。強面おネェ神様がいうにこの世界は終焉の危機に面してたはず、それにその元凶と聞いた女神様が平和にした?どういうことだ?考えてみたが余計に混乱してきた。まずはカカンザの街に着いてからだな。

 カカンザの街に着くとクーガルフの死骸を持って早速ギルドへ向かった。ついでに俺の身分証明書も発行してもらう。実はクーガルフの肉は中々美味いらしく骨や牙、毛皮も使い勝手がいいとの事で結構高い値段で売れた。

 「新メンバーの方は冒険者ランクFからの登録になります」受付嬢はそう告げながら身分証明書に添付されてるランクカードにFの印を押す。俺は特に不満はなかったがアラン達が異を唱えた。

 「討伐ランク18のクーガルフを彼は一人で倒したんです、最低でもCで登録すべきでしょう」アランの訴えに受付嬢は前例も証拠もないので無理だと突っぱねる。

 「私はこの目でみたぞ!」

 「私もニャッ!」尚も引き下がらない仲間を僕は宥める、でもこれって俺の為に言ってくれてるんだよな、嬉しいね。元の世界じゃこんな事なかったから。

 「お、おで達だけでねぇ、依頼人のバーキンさんもい、一緒に見てただ」人見知りで今まで受付の窓口に立った事がないというオィンクまでが援護射撃しだした。

 「いい加減にして下さい、これ以上騒ぐと出入禁止にしますよ」

 「何を言い争っているのかね」スーツ姿のダンディな白髪の初老の男性が奥からでてきた。ギルド長だとアランが教えてくれた。受付嬢と俺達双方から事情を聞いたギルド長は一瞬だけ唸ると

 「よろしい、特例を認めましょう」笑顔で俺達に告げた。受付嬢もギルド長がおっしゃるならとバツが悪そうにしながらランクカードにCを押印してくれた。こうしてカカンザに異例の大型ルーキー冒険者が誕生した。

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