異世界西遊記 作:越後屋大輔
それから、半年の間俺達五人は冒険者稼業にみをやつした。魔物退治や貴重なトレジャーハンティングが主な仕事だ。ここでも孫悟空のチート能力が役に立った。退治すべき魔物がどこに潜伏していても空陸自在で何にでも変身出来る俺には無意味だし、トレハンも千里眼と変身能力を使えば簡単だ。当然他の同業者に比べ桁違いの金が手に入る。一仕事終えてからはみんなして食事しながら酒を飲む、もちろん貯金も忘れない。因みにカカンザのギルドは銀行業務もやっていて稼いだ金は預けて置けばいつでも下ろせる。
そんなこの世界なりのリア充生活を送っていた頃のある夜俺の寝室に突如として金髪縦ドリル美女があらなわれる。
「ちょっと!いつまで待たせますの!?あなた何の為にこの世界に来たのか忘れましたの?」
なんだかなぁ折角の美人が高圧的な態度で台無しだ。そもそも事前に何の知らせも約束もなくやって来て名乗りもせず人の安眠を妨害なんて失礼極まりない、誰なのかは大方分かってるけど。
「わたくしはこの世界の最高神たる女神ですわ、平伏して崇め奉ってよろしくてよオーホッホッ」
「えっ、ヤダ(棒読み)」
「ガーン‼」いや声に出していうなよ。神様って面倒臭い人多いな。二人しか会ったことないけど。
「とにかくさっさと世界終焉を救済する旅にお行きなさい!」あ~ホント嫌になる。こいつマジでムカつく。地球にいた頃を含めてもこんなに腹が立った事ないぞ。更に捲し立てる駄女神。
「このままでは後、ほんの百年でこの世界は終焉ですのよ」
「先長っ!そもそも百年単位ほんのとか言ってる奴が何で半年待てない!?それに元々アンタが悪いんだろっ」正論を叩きつける、流石に堪えたらしい。お互いに頭が冷えたところで改めて話し合う。世界終焉のきっかけは百年前にこの女神が件の魔王との賭け事らしい。彼らは文字通り世界を賭けたギャンブルに挑んだ訳だ。魔王が初めにこの世界を侵略しに来た際に申し込んだそうだ。
魔王が世界のあちこちに呪いの魔法アイテム(話を聞くにICBMのようなモノらしい)を埋めて後百年後までにそれらを全て彼女意外のこの世界の誰かが除去出来れば女神の勝ち、出来なければ魔王の勝ち、そして世界はドーン‼、この駄女神はその賭けにまんまとのせられた訳だ。
「強制じゃなかったんだろ、最初に断れよ!」
「女神として勇気を示した結果ですわ。」
「断る勇気も大事だ、そんな始末の悪いプライド捨てちまえ!」また言い争いになってしまった。思わず嘆息する。
「それで俺に魔法アイテムを除去しろっていう訳だ」話をまとめればそういうことだろう。
「違いますわ」ガクッ 違うんかい。
「除去できるのはエルフの少女だけですわ。しかも教会のシスターでなくてはなりません、魔王もそこは失敗しましたのよ、エルフ達はわたくしへの信仰心が薄いから見つけるのに苦労しましたわぁ」
「アンタの苦労話はどうでもいい、要点だけ聞こう」