異世界西遊記   作:越後屋大輔

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第6話2人の出会い

 駄女神から全ての事情を聞いた俺は(顔には出さなかったが)無性に腹が立った、魔王にもこいつにもだ。なんでこいつのつまらん意地だかプライドだかで罪のないヒト達が大勢死なにゃならん、守るべきものの為に罵られても笑われても頭下げて守るのがホントのプライドってモンだろ。もちろんエルフ少女は助けるし、世界救済の旅にも行く。だけどこいつの為じゃない、この世界に暮らす人々の為だ。まずはこの駄女神をぶん殴りたいところだが、それだけじゃ腹の虫が治まらない。もし本家孫悟空だったらこんな時どうするだろう…閃いた。平然を装い、明日旅の準備を整え明後日チョヤの森で待ち合わせようと駄女神に伝え一旦別れる。今日はもう寝よう。

 次の日仲間にパーティーを脱退したいと告げた。女神の啓示を受けて世界を巡る旅にでる為と嘯いた。ある意味ホントの事だけど。信心深い彼らはあっさり信じてくれた。駄女神の本性を知る俺は彼らが可哀想に思えてならない。実は以前酒の席で冒険者をやめて5人で何か商売でも始めようと誰かが言い出していたのだ。てっきり俺は冗談かと思っていたが4人はマジだったらしい。

 一人カカンザを離れ最初に降り立った荒野へ来ると觔斗雲を空高く飛ばす。あの時閃いた駄女神に制裁を与える方法を実行する為だ。本家孫悟空も自分の手に負えない危機には神々を頼っていた、なら俺にも同じ手が使えるはずと考えたのだ。空を目指してしばらく飛んでいると見覚えのある雲の地面を発見した。ここにあの神様はいるはず、強面おネェ神様が。

 「神様ぁ、僕です。少しご相談したい事があってきました。」いきなり現れた俺に神様は目を丸くしていた。

 「そうなの?あそこはアタシの管轄じゃないから詳しくは知らなかったけど随分酷い事になってるわね。で貴方は彼女を懲らしめたいって訳ね」俺の話を聞いた神様は小さく嘆息する。

 「ええ、あんな駄女神に管理されている世界の人々、つーか世界そのものが不憫過ぎます」

 「わかったわ、本来神同士がお互いに干渉し合うのは協定違反なんだけど、貴方にはこれをあげる」神様は俺に金属製らしき輪っかを3つ手渡す。

 「この内どれか一つをあの娘の頭に被せるといいわ、あと二つもいずれ貴方の役にたつはずよ」輪っかの効果を神様から教わり俺はさっきの荒野へもどる。後はギルドに預けてある金を受けとりチョヤの森がどこか聞いて旅に必要なものを揃えるだけだ。

 次の日、チョヤの森に着くと駄女神はいなかった。待ち合わせすっぽかしたか、あんニャロー。まぁ今はエルフ少女を助けるのが先だ、フィンガ山はここからかなり標高があるが觔斗雲ならすぐだ。一瞬もたたず頂上に着くと洞穴がある、中には耳が横に長い女の子がいてこっちをジッとみつめている。まずは声をかけてみたが音が遮断されてるようだ、少女も口をパクパクしているがなにも聞こえない。手を伸ばしても弾き返される。結界らしきものが張られているらしい。もしかしてと洞穴周辺を見回したが六字真言のお札もない、ン、お札じゃないけど何かが書かれた紙が張ってある。

『1つの林檎を3人で分け合うことになった、ナイフは1回しか使わなかったが全員が納得した、何故?』

『自分で髭を剃る事が禁止されている国がある、男達は床屋で髭を剃ってもらうのだが床屋自身は髭をどうしている?もちろん伸ばし放題ではない』

『家、川、船、竜この中で1番大きいのは何?』ご丁寧に回答欄まで付いてる、ひょっとしたらこれを解けたらこの娘を助けられる?

 

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