サクラ「お父様!行きますよー♪」
翡翠はサクラに忍者の修行をさせていた...本来忍者の修行は15、6歳からさせるのだが、サクラは4歳でありながら狐の力も持っていたため、変身術は基本は全てマスターしていた。そのため翡翠は早くからサクラを一人前にする事に決めた
翡翠「上出来だな」
サクラが翡翠に使った忍術は他人を変化させる術。実はこの術は変身術においてはプロ級のもので、翡翠ですら使うことが出来なかった...縮小拡大くらいは出来たのだが...
サクラ「わーい♪お父様かわいいです♪」
自慢の一人息子は翡翠を見てそう言った。翡翠は息子と同じ位の少女になっていた...
翡翠「サクラ、あのなぁ...」
翡翠はサクラを咎めようとしたがサクラは更に良からぬことを言ってしまった
サクラ「お父様は、今日1日ボクの妹ね!」
蘭夢...助けてくれ、翡翠は心の中でそう言った。しかし、蘭夢は助けることなく「いいんじゃないかしらー?サクラも妹が欲しかったのよねー」
翡翠は抗う事は諦めた...その代わり、気合いを引き締め直した。やってやる、サクラを喜ばすためなら
翡翠「お兄ちゃん♪」
翡翠がそう言った途端、蘭夢からは笑みが消え、少しマズイ雰囲気になってしまった...そんな時口を開いたのは、サクラだった
サクラ「お父様大好きー♪」
その言葉を聞いて2人の女は感銘を受けていた。蘭夢も納得したらしく「一日頑張ってね」とだけ言ってくれた
翡翠とサクラの兄妹生活は本当の兄妹以上のものだった...
蘭夢「それにしても、よくサクラの妹として過ごしたわよねぇ」
翡翠「俺を元に戻してくれないか?」
蘭夢「嫌だ」
翡翠「は?」
蘭夢「嘘嘘、ちゃんと戻すわよ♪でもあなたのその姿可愛いわね♪」
翡翠「冗談はやめてくれ」
蘭夢「ホントよ?はい、戻したわ」
翡翠「じゃあ、おやすみ」
蘭夢「おやすみなさい」
こうして一家は眠りに付いた
サクラに変化の術を教えて10年経った頃、翡翠にある変化が起きた。それは時折、怪物としての本能が動き出し、人を襲いそうになった事だった。その時は毎回、蘭夢が助けてくれたがいつまでもそういう訳には行かないだろう。それに、サクラは14歳になり変化術においては右に出る忍者はいない程に成長している。そんな翡翠もサクラの変化術により、本来よりも自我を保てている訳だが...翡翠は自分の生が短い事を知り、更にサクラを訓練で追い込んでいた。
サクラ「お父様、ボクにこれを殺せって言うのですか!?」
翡翠が連れてきたのは狐の妖怪。忍者は妖怪退治をよく任されるので狐の妖怪くらいは退治しないと、務まらないだろう
翡翠「そうだ、お前なりの方法で倒して見せろ」
翡翠はサクラの様子を見ていた...しかし、サクラはその妖怪狐に戸惑っている間に姿を蛙に変えられていた。そんなものか、サクラよ..翡翠がそう思った時。その妖怪狐が蛙になったサクラを見て、親のように接触したのだった。その後、妖怪狐はサクラを狐に変えた。サクラはその後その妖怪狐を森に返していった...
サクラ「はぁー、疲れたー♪蛙に変えられた時はビックリしちゃったよ」
翡翠がどんな方法を使ったのかと問いかけるとサクラは笑顔で言った
サクラ「妖怪狐の記憶をボクの事で塗り替えたんだよ♪」
翡翠「記憶を塗り替えて、母親だと思わせて、傷つけずに返したってことか、失格だ!」
サクラ「なんで!」
翡翠「アイツが人里に帰ったらまた悪さをするじゃないか!」
サクラ「あぁ....(˘•̥ω•̥˘)」
サクラの目には涙が浮かんでいた
その夜。翡翠はどうにもならない破壊衝動に目が覚めた..怪物としての欲が強くなっている気がする。理性を保つのもギリギリって所だ
少し歩くと、蘭夢に出会った
蘭夢は翡翠にいつもの術を掛けようとした...が翡翠に弾かれてしまい、このままでは死んでしまうと判断した蘭夢は狐の身体になりサクラの寝室に足を運んだ
サクラ「お母様...?」
蘭夢「聞いて、サクラ。翡翠はもう戻れなくなっているわ」
サクラはそれを聞いて、涙が溢れてきた
そしてサクラと蘭夢は忍者の里を後にした。
翌日、忍者の里に戻ってみると、里は壊滅していた。
蘭夢「これを、翡翠1人でやったっていうの?」
サクラ「ねぇ!お父様は!?」
2人は家があったはずの場所に行った。
サクラ「お父様!起きて!」
蘭夢「翡翠...ごめんなさい」
2人は、青白くなり地面に横たわる翡翠の遺体を目の当たりにしてしまった。
サクラ「無かったことにしよう」
蘭夢「サクラ?」
サクラは変化で記憶の中にある忍者の里を創り上げた
蘭夢「これは、幻でしょ?」
サクラ「それでもいい...」
翡翠「サクラ、蘭夢」
そこには翡翠の輝く笑顔があった