バカとテストとフルメタパニック   作:らじさ

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第7話

「はぁ~、やっぱりFクラスって噂に聞いてた通りなんだね」常磐さんが感心したように言った。

「ちょっとキョーコ。あんた、どんな噂聞いてんのよ」千鳥さんが言った。

「Fクラスのモットーは「卑怯・汚いは敗者のたわごと」、「敵の敵も敵」、「人の幸せは許さない」って、もっぱらの噂だよ」風間君が口を挟んだ。

「それ聞いているとクズの集まりだわね。全く否定できないのがツラいとこだわ」千鳥さんが頬をボリボリと掻きながら言った。

「ごめんね、カナちゃん。あたし気づいてあげられなくて。頭のいいフリって辛かったでしょう。カナちゃんが運だけで今までのテスト乗り切っていたなんて、あたし知らなかったよ。よりによって判定試験で運が尽きるなんて、神様もイジワルだよね・・・・・」常磐さんが涙ぐんで言った。

「待ちなさいって言ってんでしょうが、キョーコ。あたしの判定試験の成績はAクラス6席だったの。腹黒生徒会長とババア学園長の陰謀で、この戦争ボケの監視のためにFクラスに無理やり移籍させられたのよ」

「大丈夫だよ、カナちゃん。あたしにまで見栄はらなくてもいいんだよ。たとえカナちゃんが頭悪くったって、あたし達はずっと親友だよ」常磐さんが千鳥さんの両手をヒッシと掴んで、目をうるませて言った。ああ、いい光景だなぁと思ったんだけど、よく考えてみたらそのクラスにナチュラルに振り分けられてしまった僕たちの立場はどうなるんだろう?

「だから、人の話を聞けって言ってんでしょうが」千鳥さんが常磐さんの手を振りほどきながら叫んだ。

「戦友愛というのは、どこの世界でも美しいものだな・・・・・グワッ」相良君がそう言うと同時に千鳥さんのハリセンがさく裂した。

「あたしの不幸の元凶が、なに他人面してんのよ。あんたからも説明しなさい」

「ああ、常盤。千鳥が機嫌が悪いのはどうやらFクラスにドリンクバー無いせいらしい」

「全然違ぁ~う!!」その後、相良君がどういう目にあったのかは説明するまでもないだろう。

 

パチパチパチと拍手の音がした。そちらを見るとガウルン君が千鳥さんたちの方に向かって拍手をしていた。

「くっくっく、日本の学校ってのは、勉強だけでなくコントまで見せてくれるとは知らなかったぜ」

「誰がコントよ。この戦争ボケは本気だからタチが悪いんじゃないの・・・・・クヌクヌクヌ」ガウルン君の言葉で怒りが蘇った千鳥さんが、相良君を蹴り回した。

「そうだガウルン。それに大体このクラスには55人もいないではないか」相良君が立ち上がって言った。たいがいこの人も打たれ強い。

「あんたはあんたで、何ワケわからないこと言ってんのよ?」

「ん?BKA48というグループはメンバーが48人いる意味だと聞いたが」

「そりゃそうだけど、コントは何なのよ」

「コント55号は、55人の・・・・・」

「どこの世界に55人でコントする大劇団があるのよ。つーか、ほとんどの人が知らないでしょコント55号なんて」

「それは書いている人に言ってくれんと、俺ではどうにも」

 

書いている人「ギクッ・・・・・・・」

 

「そういえば試したいことがあったんだわ。風間君、メガネ貸して」千鳥さんはそういうと風間君からメガネを外した。

「あんたちょっとこれかけてみなさい」とガウルン君にかけた。

「ちょ、ちょっと待ってよ。これはなんのマネなのさ、千鳥さん」ガウルン君が言った。

「お前ガウルンだよな?」相良君が疑わしそうな目でガウルン君を見てる。

「君まで何を言っているのさ。森田ガウルンに決まっているじゃない・・・・・グワッ」

「だから山田だっつーてんでしょうが。ソースケとあんたの2人揃って、本当に事を秘密裏に進めるつもりあんの?」度重なる設定忘れに千鳥さんのハリセンがガウルン君に炸裂した。

「痛いなぁ、本当に千鳥さんは乱暴なんだから・・・・・」ガウルン君が頭を撫でながら体勢を戻した。

「いや、しかし・・・・・これはどういうことだ?」

「あ、そうだ。相良君。今度、陸自の富士総合火器演習に行かない?10式戦車の豆腐屋仕様ドリフト大会とか、ASのチアリーディングとかあるらしいよ」ガウルン君が目を輝かせながら言った。

「確かに風間が言いそうなセリフではあるんだが」相良君は首を捻りながら言った。

 

「キョーコもちょっと貸して」今度は常磐さんからメガネを借りると、風間君のメガネと架け替えた。

「カナちゃん、さっきから何のマネ?」ガウルン君が言った。

「「カっ、カナちゃん?」」千鳥さんと相良君の二人が叫んだ。

「(常磐が君を呼ぶ時の呼び方だな)」

「(あの顔でそう言われると不気味ね。というか腹立つわ)」

「で、結局何がどうなっているのだ、千鳥」

「ふ、さすがあたしね。謎は全てとけたわ」千鳥さんが誇らしげに言った。

「ふむ、つまり・・・・・ゴク」相良君が息を飲んだ。クラス中の視線が千鳥さんに集まっている。アニメだったら効果音でドラムロールが鳴っている場面だろう。

「つまり、ガウルンは・・・・・」千鳥さんが指をガウルン君を指さす。

「えっ、あたしがどうしたの、カナちゃん?」甲高くなったガウルン君の声に一同がズッコける。

「緊張感が無くなるからあんたは黙ってなさい。つまりガウルンは・・・・・」

「「「「「「「「「「ガウルンは?」」」」」」」」」」

「・・・・・メガネが本体だったのよ」千鳥さんが高々に宣言する。

「「「「「「「「「「・・・・・・・・・・」」」」」」」」」」静まり返る一同・・・・・

「アホかぁ~」

「何言い出しやがる、この女」

「期待して損したぜ」

「こんなのが副会長やってんだぜ、大丈夫かうちの学校」

「Aクラス6席ってのは大嘘なんじゃねぇか?」

「所詮はFクラスだな」こいつは自分がどこのクラスか忘れているようだ。

 

「え?どうしてよ。メガネで人格が変わるのよ、それ以外考えられないじゃない」どうやら称賛の声を期待してところを罵倒されたらしい千鳥さんがうろたえている。

「千鳥、疲れているようだ。少し休め。保健委員のムッツリーニに保健室に連れていってもらえ」

「ブッ~~」ムッツリーニが盛大に鼻血を吹き出した。うんうん、わかるよムッツリーニ。いろいろと想像しちゃったんだね。

「坂本、千鳥より先にムッツリーニが鼻血で倒れたのじゃ」

「一体何がありやがった。秀吉、とりあえずムッツリーニを保健室に連れていってやってくれ」雄二が叫ぶ。

「ああ、坂本。あたしのことは気にしないでいいから」千鳥さんは不満そうにブツブツ言っていた。

「ふむ・・・・・」

「どうしたの、ソースケ」

「いや、君の言うことにも一理あると思ってな。アーバレストでも本体だけだとガラクタだが、「アル」が起動することによって兵器として使用することができる。つまり、アーバレストの本体はアルと言ってもいいかもしれん。それと同じようにガウルンの体は単なる抜け殻で、メガネが本体だと思えば納得が行く」

「あんた本当にそう思ってるの?」

「うむ、君の頭脳明晰さには脱帽するばかりだ」

「じゃ、間違いね」

「はっ?」

「いや、あんたがそう思うなら、あたしの考えは間違っているってこと。あんたが言うことが正しかったことなんてないもの」

 

「カナちゃん、このメガネはずしてよ」ガウルンが言った。

「カナちゃん、あたしのメガネ返して」常盤さんが言った。

「うるさ~い、同時に同じ声で喋ってんじゃないわよ」千鳥さんが怒鳴る。

その時、2時間目の先生が入ってきた。日直が号令をかけるとFクラスの連中は何事もなかったかのように起立した。

常磐さんと風間君はFクラスのスピード感についてこれずに、立ち尽くしていた。

 

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