って、危うく一月ぶりの投稿です。
忙しいくなったのもあるんですが、やはり2作品同時投稿は無謀だったなと。
とりあえず土屋家の方は終わらせましたので、しばらくこちらに専念できます。
どうか見捨てずにお楽しみ頂ければ幸いです。
翌日、かなめと宗介はいつものように二人で登校していた。
「ふぁ・・・・・」宗介が珍しくあくびを噛み殺した。
「なに、あんたが寝不足って珍しいじゃない。また、ガルパンなの」かなめが尋ねた。
「いや、風間にぜひ見ろと薦められたので「進撃の巨人」というアニメをみていたのだ」宗介が答えた。
「へえ、まああんたもこれで少しは普通の高校生に近づけるわね。で、感想はどうだった」
「うむ、なかなか面白かった。が、あの部隊の作戦にはいろいろと問題があるな」
「そういう視点から離れてもっと純粋にアニメを楽しめないものかしらね。で、どこがおかしいのよ」
「巨人のうなじが弱点というのがわかっているのだから、陽動部隊が巨人をおびき寄せてから、攻撃部隊が両方の建物の上から攻撃すればいいものを、正面から戦っていたのでは全滅するのもやむなしだ」
「もっと他に感じるところはなかったのかしら」かなめが肩を落としながら行った。
「だが、あの立体機動装置というのはなかなか興味深い。市街地ならASの戦闘でも使えそうだ」
「はあ、さいですか」
「うむ、ぜひアーバレストで試してみたい。技術部に正式に開発要請を出してみよう」
「アニメにヒントを得ましたなんて言ったら、技術部も激怒するわね」
「肯定です、軍曹殿」不意に無機質な男性の声がした。
「なっ、なんなの今のは?」かなめが辺りを見渡して言った。
「アルの声に似ていたように気がするのだが・・・・・」
「その通りです、軍曹殿」
「あんたのポケットの辺りから声がしたわよ」
「ポケットって、携帯しか入ってないのだが」宗介は右ポケットから携帯を取り出した。待受け画面にアーバレストの姿写っていた。
「お久しぶりです、軍曹殿」
「お前はアル、というかなんでお前がここにいる?」
「はい、この間訓練で帰島した時に携帯にプログラムをダウンロードしておきました。モバイル・アルとお呼び下さい」
「うるさい。勝手なことをするな。削除してやる」
「申し訳ありませんが、そちらからは削除できない仕様になっています」
「どんなウイルスだ。なんでそんなことをしたのだ」
「私と軍曹殿は一心同体の存在です。離れていてはいざ、戦闘の時に支障をきたします。それでしかたなくモバイル・アルで交流を計るべきだと思ったのです」
「なるほど一理ある意見だ・・・・・で、本音はなんだ」
「メリダ島に一人だと暇なんです」
「俺はお前の暇つぶしに付き合うつもりはない」
「そう、そのツッコミが欲しかったのです。サックス中尉にボケても機能チェックをされるだけでツッコんでくれません」
「俺はツッコんでいるつもりはない。というかお前はボケてたのか?」
「さすがのツッコミです、軍曹殿」
「ちょっと待っててくれ」
宗介はどこかへ電話をかけた。
「トゥルルルルル」呼び出し音が何回かして、留守電に切り替わった。
「ハーイ、クルツです。ただ今バカンス中で~す。女の子なら留守電にメッセージをどうぞ。野郎だったら休暇が終わるまで待ってな」
「くそ、役に立たん」宗介は別の番号にかけ直した。
「トゥルルルルルル・・・・・ガチャ ふぁい・・・・・」寝ぼけたマオの声がした。
「マオか俺だ。頼みがある」
「フォースケ?何よこんな朝っぱらから」
「メリダ島はもう昼だろうが」
「大声出さないでよ。頭が痛くてあんたのバカ声がキンキン響くのよ」
「また、大酒飲んだのか。前から言っているようにこの商売を続けたければ・・・・・」
「うるさいわねぇ。テッサみたいなこと言わないでよ」
「俺はお前のことを真剣に心配して・・・・・」
「はいはい、じゃああたしはもう一眠りするからおやすみ」
「ちょっと待てマオ。頼みが・・・・」
「ツーツーツー」電話が無情に切られた。
「なんだか知らないけど、ミスリルってのは訓練の中に「漫才」ってのが入ってんの?」かなめが呆れて言った。
「いや、そんなことはないのだが」
「否定《ネガティブ》。戦闘にそんな訓練は必要ありません」
「お前は黙ってろ」
「必要ないって、自分でソースケのツッコミが欲しかったとか言ってたわよね、その機械」
「機械ではありません、モバイル・アルとお呼び下さい」
「こだわるわね。ソースケがいないとボケてもつまんないって言ってたわよね。モバイル・アル」
「肯定」
「それは戦闘に必要なわけ?」
「いえ、私の個人的な趣味です」
「なんか言い切ったわよ、モバイル・アルは」
「すまん千鳥。今日は休ませてくれ」
「あんたただでさえ単位が危なくなるのに休んでどうするのよ」
「メリダ島に行って、このAIを叩き壊してくる」
「残念ですがそれは不可能です、軍曹殿。私がいなければアーバレストはタダの鉄くずです」
「馬鹿な漫談させられるよりは100倍マシだ」宗介が怒鳴った。
「聞くつもりはなかったんだがな」雄二の声がした。
「いきなり何よ、坂本。挨拶くらいしなさいよ」
「いや、挨拶しようとしたら相良が携帯相手に漫談始めたんで挨拶しそびれたんだ」
「いや、別に漫談ではなくて・・・・・」
「まあ、人の趣味に口出すつもりはないんだが、あんまり通学路ではやらない方がいいと思うぞ」
「・・・・・人目は気にするべき」
「あら、霧島さんもおはよう。そうね人目は気にするべきよね。そう思うなら坂本の首に縄つけて通学するのは止めておいた方がいいんじゃないかしら」
「・・・・・縄はやはり見栄えが良くない?ほら、雄二。やっぱり鎖にすべきだった」
「そんなこと言ってんじゃねーのよ。大体、その格好はなんなのよ」
「・・・・・こうしないと雄二がすぐに逃げる」
「坂本も、あんたの趣味に口出すつもりはないんだけど、そういうのは自宅だけでやった方がいいんじゃないの?」
「俺が自分の趣味でやっているような言い方するな。無理やりやらされているんだ」
「外せばいいのに」
「朝起きたらこの状態だったんだよ。外そうとしたら今度は後ろ手に縛られる」
「・・・・・雄二が素直になればいい」
「素直に嫌がっているんだよ」
朝っぱらから大騒ぎの連中であった。