もう1つ連載している「これが土屋家の日常」との同時連載はキツイので
交互に書いて行こうと思っていたのですが。
土屋家の方には書きましたが、胆石で入院するハメになりまして。
痛み止めさえ打ってれば至って普通でネットか本読むしかない状態です。
あっちの続きを書こうかと思ったのですが、なぜか気乗りしないので
久々に「バカテスパニック」の方を書いてみました。
お忘れでなければお楽しみ頂ければ幸いです。
第1話
文月学園2年Fクラス永年名誉ゴミ係である相良宗介の朝は目覚ましを必要とはしない。鍛えぬかれた戦士の本能が、起きなければならない時間になると自然に身体中へアドレナリンを分泌させるのだ。だが、このところの深夜アニメの視聴(彼なりに考えた日本の高校生活に適応するための手段)により、さすがの戦士の本能も錆びつきつつあるらしく、珍しく目がスッキリとは覚めなかった。寝ぼけた頭で身体に活を入れるべくベッドの下(夜襲に備えてベッドの下で寝ているのだ)で両手を大きく横へ広げた。
ムニュ
「・・・・・ムニュ?」
掌に触れたこの感触は何だろうか?これまでに経験したことのない固柔らかい、それでいてなぜか胸がドキドキするようなこの感触は。確認のため掌を更に動かしてみた。
ムニュムニュ
「何だこれは?」
「・・・・・ウゥン、駄目です相良さん。そういうことはチャンとお付き合いをしてから・・・・・クゥー」
「・・・・・」
聞き覚えのある、だが決してここにいるはずのない人の声が聞こえたような気がした。
「いや、多分昨夜見たアニメの「ふたりはプリキュア」のピュアホワイトの声が耳に残っているのだな。いかんな日本の高校生活に適応するのはいいが、作戦行動に支障を来しては本末転倒だ。来週末にでも基地に戻って再訓練を・・・・・」
「・・・・・ウーン、でも相良さんがどうしてもって言うのなら・・・・・クゥー」
「・・・・・」
宗介は額に脂汗を浮かべながら、そっと顔を左に向けてみた・・・・・目の前15cm先に銀髪の少女の幸せそうな安らかな寝顔があった。
「たったった、大佐殿ぉ~」宗介が思わず大声を出した。
「わ、私も・・・・・わっ、さっ相良さん、どうしたんですか?」少女が目を覚ました。
「いっいや、大佐殿こそ、なぜここへ」
「えぇっと、色々と事情はあるんですけどぉ~」なぜか少女が頬を赤らめて言った。
「大佐殿自ら秘密任務でありますか?」
「いっいえ、それよりも・・・・・」少女の頬が更に赤くなった。
「・・・・・それよりも?」
「そろそろ手を離してくれませんか」少女が指さした先には、少女の胸を掴んでいる宗介の手があった。少女の顔は熟れたイチゴのように真っ赤になっていた。
「♮★□%!?・・・・・もっ申し訳ありません!!!」少女の胸から手を離して慌てて立ち上がろうとした宗介は、ベッドの底にしたたかに頭を打ち付けて気絶した。
10分後、宗介と少女はリビングのテーブルで向い合ってお茶を飲んでいた。
「申し訳ありません、大佐殿。よく事情が理解できないので、もう一度説明しては頂けないでしょうか?」
「またですか、相良さん。これで3回目ですよ。一体どこが分からないんですか?」
「どこがと言うよりも、全体的に意味不明なのでありますが」
「じゃ、1つずつ説明しますからよく聞いてて下さいね。このところアマルガムの活動が大人しいので、マデューカスさんが骨休めのために有給を消化したらどうかと言いました。ここまではいいですね?」
「肯定であります」
「そこで私が普通の学園生活を送ってみたいと言ったら、マデューカスさんはニコニコしてスイスの寄宿制花嫁学校に私を放り込もうとしたんです」
「どうしてイヤなのですか?歴史ある由緒正しい名門校ですぞ」マデューカスが寄宿学校の豪華なパンフレットを持ったまま不思議そうに尋ねた。
「イヤというんじゃないですけど、もっと普通の学校がいいかな~っと」
「普通・・・・・といいますと?」
「日本なんかいいんじゃないかと思うんですけど・・・・・」少女がクリスマスプレゼントを父親におねだりするような調子で指をモジモジさせながら言った。
「日本・・・・・ですと?」マデューカスの眼鏡の奥の目が怪しく光った。
「ほら、隊員達の間でも「涼宮ハルヒの憂鬱」とか「わたモテ」とか「キルミーベイベー」とか大人気じゃないですか。私もああいう同じ年頃の子と普通の学園生活を送ってみたいなぁ~とか思っている訳です」
「(いやいや、あれって絶対に普通の学園生活じゃないから。大佐殿もせめて「けいおん」とか「らき☆すた」ぐらい言えないものか)」
指令席の横で黙って二人の話を聞いていた戦闘部隊長のカリーニン少佐は、心の中でつぶやいた。意外に日本のアニメ事情に詳しい戦闘部隊長なのであった。
「それなら尚更ですぞ。宇宙人はともかくとして未来人や超能力者が跋扈するような危険な国に大佐殿を行かせるわけにはいきません」
「マデューカスさんって、もしかして長門さんのファンだったんですか?」
「何を仰ってるかわかりませんな。ましてや「涼宮ハルヒの消失」のDVDを持っているなど、私に対する侮辱です」
「いえ、そこまでは言ってないんですけど・・・・・」
「とにかく私は日本行きは反対です・・・・・(大体、日本にはあの男がいるというのに)」
「何か言いましたか?」
「いえ、何でもありません。とにかくスイスの寄宿学校に転校手続きを取っておきますので、休暇はそこでお過ごし下さい」
翌日、部屋の机の上に有給届と「探さないで下さい」の書き置きを残して、少女の姿がメリダ島の基地から消えた。
多分、連載は遅くなると思いますが完走させますので
気長にお待ち下さい。
ところで、小ネタ仕込んだんですがお気づきでしたでしょうか?
大佐殿とピュアホワイトの中の人は同じ声優さんなんですよw