もしも北郷一刀が東方の世界に転生したら。【打ち切り】 作:独田圭(ドクタケ)
前回のあらすじ
一刀、諏訪子のヒモになる(笑)。
一刀「誰がヒモだ!!」ガスッ
アタッ!!
和「そうですよ、ヒモなのは一刀様だけです。」
一刀「突っ込むトコ違ぇよ!!」
◇
諏訪子Side
今日私は変な奴に会った。
事の発端は私が町を散歩していた時、前方不注意だった為に前に人が居る事に気付かず真正面からぶつかってしまった。
この時私は自分が前方不注意だった事を棚に上げて何処見て歩いてるんだと思ってた。私は一言文句を言おうとしてぶつかってきた奴の方に目を向けたんだ。
そこに居たのは珍しい服装をした人間の男だった。その男の名は北郷一刀って言って木刀を腰に差してる点と肩に白い鳩を乗せてる以外はごく普通の男という印象だったよ。
…話をしてみるまでは。
口を開けばこの男は言ってる事全部テキトーだし、そうかと思ったら私に無茶ぶりばかりしてくるし、相手してるだけで私もう疲れちゃったよ…
あんないい加減な男を見るのは始めてだね。しかも諏訪ちんなんて変なあだ名まで付けられたし…
そして一刀の肩に乗ってた白い鳩は実はその正体は妖怪で人型に変身した時には本当びっくり仰天だったよ。確か名前は和って言ってたね。
和曰く一刀の従者を務めてるって言って私に向かって頭を下げてきたよ。でも正直私は警戒したね。だって妖怪が格下である筈の人間の従者だなんて考えられるかい?
まさか信仰を奪うつもりで来たのではって色々勘繰ったけど一刀から「そのつもりで来たなら面と向かって挨拶なんかしない」って言われたよ。
…まさか一刀から正論で諭されるとは思ってなかったからちょっと癪に障ったのはここだけの話ね。
一刀の話をとりあえずは信用したけどまだ油断は出来ない。そう考えた私は一刀達を監視する目的で私の神社、【洩矢神社】に住まわせる事にしたよ。
神社に移動中一刀が何を思ったのか私に肩車をしてきたさ。子供扱いするなって抗議したけど…
一刀「良いかい諏訪ちん。人は99%見た目で判断する生き物なんだよ。よって諏訪ちんは子供である!!」
…って言われたからとりあえず鉄輪でぶん殴っておいたよ。私は祟り神なんだぞ。失礼にも程があるだろ。
一刀「それに諏訪ちんはつるぺったんだし…って鉄輪はアカン!!それだけはマジで…あんぎゃあぁぁぁぁぁぁ!!」ピチューン
…本気でコイツを祟ってやろうかな。
◇
一刀Side
諏訪子「着いたよ、ここが私の住む洩矢神社だよ。」
一刀「うおぉぉぉぉぉ!!広っ!!」
諏訪子「確かに広いけど…ちょっと大袈裟過ぎやしないかい?」
一刀「しかも注連縄も大きくて太い!!まるで俺のチ…」
諏訪子「それ以上先は言わせないよ。」ゴスッ
一刀「あべしっ!!」
イテテ…みなさーん、諏訪ちんが暴力振るうんですけどぉー。どうしたら良いんですかぁー?
和「…それは一刀様の自業自得です。」
一刀「何ぃ!?」
遂に和にまで見放されたぁー!!
こちとら頭にたんこぶ3つ出来上がって頭がだんご3兄弟状態になってるんですけどぉー。
って言うか鉄輪で殴られたのによくたんこぶだけで済んだな。下手すりゃ脳天かち割れてたかも知れんのに、俺ってどんだけ石頭なのぉー。
…ともかく、諏訪ちんの神社はとてつもなく広いんです。広いったら広いんです!!てか諏訪ちんってこんなだだっ広い所に1人で住んでたの?色々大変だったんじゃないの?
諏訪子「まぁ特に掃除なんかが大変だよ。ここの敷地内を全部1人で掃除するんだから。」
そりゃそうだよなぁ〜。ル○バがあったら楽出来るのに。でもこの時代電気なんて通ってません、残念!!
一刀「…って何で俺の考えてた事が解ったし。」
諏訪子「一刀は顔に出やすいんだよ。だから何考えてるか一目瞭然だよ。」
…それじゃあ頭の中であんな事やこんな事を妄想してても顔から思考がだだ漏れだからバレちゃうって訳!?
オイ作者!!テメェがこの小説書き始めた頃の俺ってクールでポーカーフェイスだったよなぁ?あの設定は何処に行った!!
…返せ、俺の初期設定を返せぇぇぇぇぇぇ!!
一刀「和、俺の初期設定が……(泣)」
和「…えーっと、どういう事ですか?」
一刀「…そもそも軽いノリで書き始めたからこういう事になるんだろうが。ちゃんと計画性を持って始めろってんだ。」ブツブツ
和「何の話をしてるんですか!?」
諏訪子「何時まで神社の前で話してるつもりだい…」
…あっそうだ、もう神社に着いたんだった。エキサイトしてたからすっかり忘れてたよ。
とにかく今日1日は諏訪ちんの神社で過ごすとしますか。
諏訪子「何言ってるんだい、一刀達は今日からこの神社で過ごすんだよ。まぁあくまで監視の為だけどね。」
一刀「そーなのかー。」
諏訪子「そーなのだー。」
一刀・諏訪子「「わはー。」」
諏訪子「…ってまた何やらせてるんだい!!」ガスッ
一刀「おぶっ!!」
だから鉄輪はアカンて……
◇
…という事があった翌日、
あれから色々話し合った結果赤ん坊は諏訪ちんが面倒を見る事になった。
理由としちゃー俺が旅の途中で野宿がメインである為に子育てするのに環境が最悪なのと赤ん坊の身に危険がつきまとう恐れがある事を考慮して3人で話し合った末に諏訪ちんが赤ん坊を引き取る事で落ち着いた。
後は俺が子育てド素人である事と諏訪ちんが子供好きという点も理由にあった。前者はまぁしゃーないとして後者は諏訪ちんが見た目幼女だから諏訪ちんが子育てしてるとこを想像するとなんか笑えてくる。
一刀「…って、んな事これっぽっちも思ってねぇから鉄輪は仕舞えって!!」
諏訪子「…考えてる事がバレバレなんだよ。」
朝っぱらから鉄輪で俺を殴ろうとするバイオレンス諏訪ちんを懸命に止める俺。思い返せば、昔永琳にも同じ様な事したっけ。…俺ってそんなに顔に出やすい性質なの?
諏訪子「昔って…アンタ何時から生きてるのさ?」
言い忘れてたけど今は朝飯の真っ最中。そんな時に味噌汁を啜りながら俺に質問してきた諏訪ちん。
良くありがちな展開として俺がここで答えたら驚きのあまり諏訪ちんが味噌汁を吹き出してそれが俺にかかるというお決まりのパターンが用意されてるんだよなぁ。まぁ、そんなベタな展開にはならんだろうが。第一、俺は分かりやすい性格してるみたいだから今考えてる事も諏訪ちんには筒抜けだろうよ。
コラそこ、フラグ乙って言うな。
一刀「月人が地上に居た時代から生きてるから、……ざっと1億年ぐらいかな。」
諏訪子「ブブゥー!!」
一刀「ゴブハァ!!」
間髪入れずに諏訪ちんの吹き出した味噌汁が俺の顔面にクリーンヒットした!!本当にフラグ乙になっちまったじゃねぇかコンチクショー!!
一刀「…諏訪ちん?」
諏訪子「ひっ!?」
一刀「ワザとやったろ?」
諏訪子「ひひひひ人聞きの悪い事言ってんじゃないよ!!か神様の私がそんな事する訳無いじゃん。」
一刀「…ふ〜んそう。じゃあ味噌汁が俺にかかった時諏訪ちんはどう思った?」
諏訪子「そりゃあ一刀に仕返ししたかったからざまあみろって……あっ。」
一刀「へえー……」
諏訪子「あわわわわわ…」
多分今の俺は相当良い笑顔になってると思う。諏訪ちん、悪いけどいくら見た目が子供でも俺はこれを笑って許せる程心の広い人間じゃねぇんだよなぁー。
一刀「さぁてと、これはお仕置きが必要だよねぇー。」
諏訪子「か…一刀ぉ、お願いだから許して欲しいなぁ……」
一刀「ダメでーす。許しませーん。」
諏訪子「そんなぁ…」
俺に一蹴された諏訪ちんは次に和の方を見た。恐らく和を味方に付けるつもりだろうがそうは問屋が卸さねぇよ。
諏訪子「和お願い、一刀を止めて。」
一刀「和、諏訪ちんには一切手を貸すなよ。これは命令だ。」
和「一刀様のご命令とあらば。」
諏訪子「ちょっと和!?」
ハッハッハッ、残念だったな。これで和は俺の味方だ。
和は俺の従者だからな、俺がよっぽどの無理難題を吹っ掛けない限り俺の命令には基本従う。前回の後書きにもそれっぽい事を書いてたしな。
諏訪子「こうなったら鉄輪で……ってあれ?」
一刀「残念でしたぁ、鉄輪は没収しましたぁー。」ヒラヒラ
諏訪子「えぇ!!いつの間に!?」
これまた言い忘れてた事だがこの朝飯は和が作ったやつなんだ。諏訪ちんは和の作った飯が大層気に入ったようでがっつく様に食ってたな。和の家事スキル、マジでチートっす。…閑話休題。
まぁそれで諏訪ちんの手元がお留守になってた隙に俺が鉄輪を奪ったって訳。卑怯?大人気ない?なんとでも言いたまえ。
何もかもが俺の計算通り、諏訪ちんは退路を絶たれた。
諏訪子「ガクガクブルブル…」
一刀「まぁそう怖がるなって。別に諏訪ちんを取って食おうとは思っちゃいねぇからよ。…ただ全国のロリコン共が卒倒する様な事をやるだけだから。」
諏訪子「どんな事!?それにロリコンって何!?」
慌てるな。どうせ今から罰ゲームをやるんだから。
まずは昨日諏訪ちんにやった事をおさらいがてらやっちゃいましょうかねぇ〜。
一刀「…という事で、最初は肩車だぁ!!」
諏訪子「えっ?…わわっ!!」
一刀「ほーれ高い高〜い。」
諏訪子「今すぐ降ろせえぇぇぇぇぇ!!」ポカポカ
俺の頭をポカポカ殴りながらなんとか降ろして貰おうと必死になってるようだが幼女のパンチなんざ効かぬわぁ!!
一刀「ふむ、もしこの状態で町に出たらきっと面白い事になるだろうなぁー。」←棒読み
諏訪子「それだけは駄目えぇぇぇぇぇ!!」
まぁ流石にソレをやったら祟り神の尊厳もクソもあったもんじゃないからそこまではやらんけど。だから安心したまえ。
その後も諏訪ちんへの罰は暫く続きましたとさ(笑)。
◇
諏訪子Side
まったく…今日は昨日以上に疲れたよ。
私への罰は夕飯まで続いて今さっき漸く解放された。
具体的に何をされたかというと……
一刀「次はおんぶしたまま境内を一周だぁ!!」
諏訪子「参拝客に見つかっちゃうよ!?」
一刀「大丈夫大丈夫、客なんて来ないから。」
諏訪子「根拠が無いじゃん!!」
他には……
一刀「昼飯は俺の膝の上で食う事。OK?」
諏訪子「食事の時ぐらい自由にさせてよ!!」
一刀「ハイ捕まえたぁー。」
諏訪子「イヤだあぁぁぁぁぁぁ!!」
極め付けは……
一刀「よーし、もう1回境内を一周だぁ!!」
諏訪子「また私をおんぶするつもりなのかい…」
一刀「安心しな、今度は肩車だ。」
諏訪子「もっとイヤーッ!!」
…こんな事されたんだよ。いくら何でも酷過ぎると思わない?
和も「一刀様の命令ですから。」とか言って一切助けてくれなかったし、そんな命令なんて無視したって罰当たらないよ。
諏訪子「全く…祟り神を何だとおもってるんだい。」
食事も終わってお風呂も入って後はもう寝るだけ。一刀達に対する愚痴もそこそこに私は寝室に向かってたんだ。そしたら…
諏訪子「……ん?」
ある一室から部屋の灯りが漏れていた。あの部屋は一刀に寝室として貸している部屋。という事は一刀はまだ起きてるって事なの?
近付いていくにつれヒソヒソと話し声も聞こえてきた。声からして一刀と和と……って、
諏訪子「(もう1人誰か居る!?)」
えっ、どういう事?もしかして私には見えてなかったって事?という事はまさか……幽霊!?ガクブル
……と思っていたけど、和とは別の妖力を感じ取ったから幽霊ではなかったよ。ホッ…
…でも、という事は和の他にもう1人妖怪が居るって事になるけど一体何者なんだろう?
好奇心を燻られた私は襖の隙間から部屋の中を覗いてみたよ。
中に居たのは私に背を向けて座ってる一刀とそれに向かい合う形で座る和。それと私と同じくらいの背丈の女が一刀の横にちょこんと座っていたよ。アイツが多分妖怪だね。後ろ姿だからよく分からないけど悪い妖怪といった感じには見えない。
ついでに何の話をしてるのか気になったから耳を立てて3人の話を聞いてみたさ。
和「どう思いますか、この国は?」
一刀「…良く治めてると思うよ。諏訪ちんも頑張ってるみたいだし。」
紫「…皆良い人達ばかり。」
…私の国の話をしてたのか。まさか一刀がそこまで評価してるとは思ってなかったからなんだか少しむず痒い気分だよ。
和「ですが、町を飛んで廻っていた時に妙な噂を耳にしまして…」
一刀「…妙な噂?」
和「はい。実は大和の国という大きな国が信仰を得る為に各地で戦を仕掛けてるとの事です。」
紫「…争うの嫌い。」
それは私も聞いた事があるよ。戦を起こしてる理由も今さっき和が言った通り。
私は大和の国のやり方には賛同出来ない。信仰っていうのは武力で得る物ではないのさ。例えそういうやり方で信仰を得たとしても所詮それは長続きしない。
一刀「戦か……それを聞くと昔の事を思い出してしまうな。」
風が吹けば飛んでいきそうな程小さい声で一刀が呟いたので聞き逃してしまいそうだったが、どうにか全部聞き取る事が出来た。
朝方、一刀は月人が地上に居た時から生きてると私に言った。その時は正直言って半信半疑だったよ。また私をからかうつもりで言った事なのだろうって。
でもその時の一刀と今の一刀は雰囲気がまるで違う。そこに今までの巫山戯た感じは見当たらない。
…もしかして本当に一刀はその時代から生きてるのかな?だとしたら昔の事って一体どういう意味なの?
和「…それってどういう意味ですか?」
どうやら和も私と同じ事を思ってたらしく、一刀にその言葉の真意を確かめてた。
一刀「月人がまだ地上で暮らしてた頃…正確には月人が地上を発つ前、その時にある大きな戦があったんだ。…人妖大戦って言ってね。」
諏訪子「……!!」
人妖大戦……それは私が産まれる遥か昔、月の民が妖怪の手から街を守る為に身を呈して戦ったとされる今尚語り継がれている大きな戦。でも資料では結局街は消滅して生存者も僅か1人しか居なかったと言われている。
和「確か、資料では生存者は僅か1人って書かれてましたが、まさかその生存者って…」
一刀「…ご察しの通り、俺だよ。」
和・紫・諏訪子「「「……!!」」」
まさか一刀があの人妖大戦の生き残りだったなんて…
和「という事は一刀様は大戦を終わらせた英雄って事ですか?」
一刀「?……なんだそりゃ。」
和「資料にはその1人の生存者が大戦を終結させたと書かれていますが。」
一刀「…デタラメにも程があるな。」
紫「どういう事?」
一刀「今から話すよ、あの時の事を。…もっとも、もう1人俺の話を聞きたがってる奴も居るみたいだがな。」
和・紫「「…えっ?」」
一刀「…居るんだろ諏訪子、入って来いよ。」
諏訪子「気付いてたのかい…」
一刀「俺達が諏訪の国の話をしてた時から居たんだろ?」
つまり一刀は私が盗み聞きをしていた時点で私の存在にとっくに気付いていたのか…
一刀は私が座ったのを確認すると静かにあの大戦の真相を語り始めた。
一刀「当時の俺は軍の最高指導者という立場にいた。単純な力比べだったら俺の右に出る者は居なかったさ。自分で言うのもおかしな話だがな。」
諏訪子「…それで?」
一刀「急かすなって。まぁそれで隊員を指導する日々を送ってたが、ある時とある計画が持ち上がってな。」
和「月面移住計画…ですね?」
一刀「その通り。…が、それと同じ時期にある事件が起きた。俺達が住んでいた街の周辺の妖怪全員が一斉に姿を消したんだ。
それ以前から兆候はあったから俺が色々と探りを入れてみた結果、街の重役達の中に裏切者が居た事が発覚した。俺はソイツ等を裁いて隊員達の訓練も急ピッチで進めて来たるべき日に備えたさ。
…そしてその時は来た。街に攻め入ってきた妖怪の数はおよそ2万、対してこちらの数は20人程。後手に回る事は必至だったがそれでも俺は能力や策を用いて少しずつだが妖怪の数を減らしていったさ。そうしている内に計画は無事に成功してその知らせが俺の耳に入った時には心の底から歓喜した。
…だが、この時俺は戦いの真っ最中であるにも関わらずあろう事か完全に気を抜いてしまっていた。その隙を妖怪が見逃す筈も無く俺は背中に重い一撃を喰らったんだ。
……そこから先は俺も覚えてない。気が付いたら戦は終わっていたさ。
だが荒れ果てて何もかもが消滅した土地を見た時、俺が何をやらかしたかに気付いた。…コイツが暴走したってな。」
そう言った一刀の目の色が変わった。同時に気の質まで変化した。
諏訪子「一刀って…まさか神様なの?」
一刀「まぁ半分正解かな。正確には俺の種族は半人半神、読み方が紛らわしいから現人神で統一してるけどな。
…話を戻すが、俺と共に戦った者の中には家族を置いて俺と戦う決心をした者も居た。だから俺は大戦の前にソイツ等を家族の元に帰すって決めていたんだ。だが俺の覚悟が足りなかったが為に自ら約束を破ってしまった。
…これで解ったろ。俺は英雄なんかじゃない、奪わなくても良い命まで奪っちまった大罪人なんだよ…」
和「一刀様…」
一刀「俺が旅をしてる本当の理由は、見聞を広める為なんかじゃない。自分の手で殺めてしまった仲間達の墓盛りをする為に旅してるんだ。そうでもしないと俺はどの面下げてアイツ等の家族に会えば良いんだ…」
紫「……」
諏訪子「……」
何時も私を子供扱いしてテキトーな発言で私をからかってばかりの一刀。
でもそんな一刀の正体は半神で、私なんかよりもずっと長く生きてて、その性格の裏には私でさえも想像が付かない程の大きな傷を心に負って今でもその悲しみを背負い続けている。
一刀「諏訪子、これは人生の先輩としての助言だが……何か守りたい物があったら強い覚悟で守り抜け。それが出来なかった俺が言っても説得力が無いかも知れんが。」
説得力が無い訳無いじゃないか…
一刀の言葉が私の心に重くのしかかる。自分が守れなかったからこそ私には自分と同じ目に遭って欲しくない、そんな願いが込められている気がした。
諏訪子「…肝に銘じておくよ。」
私がそう言うと一刀はうっすらと微笑んで私の頭を撫でた。少しくすぐったかったけど何故だか不思議と悪い気持ちでは無かったかな。
その後一刀からこの話は私達だけの秘密として他言無用を言い渡され解散となった。私は一刀の助言を心の中で反復しながら眠りに着いた。
◇
翌日、
諏訪子「おはよう一刀、和。」
和「おはようございます諏訪子様。」
一刀「おう、おっはよ〜。」
礼儀正しく挨拶する和とは対照的に軽い調子で挨拶する一刀。すっかり元の調子に戻ったみたいだよ…
一刀「和ぃ〜、飯はぁ?」
和「もう暫くかかります。」
一刀「あいよ〜、じゃあその間…」
諏訪子「えっ?……うわぁ!?」
一刀「肩車して境内を一周しようか。」
諏訪子「何でそうなるのさ!!」
何かコレ日課になってない?っていう事はコレ毎朝やるのかな?
色々思う事はある。
恥ずかしい気持ちもある。
だけど、やはり不思議と悪い気持ちでは無かった。
【完】
一刀君さぁ…少しは自重したらどうなの?
一刀「考えたのオメェだろうが!!」
イヤでも実際に行動に移したのは一刀君だし…
一刀「やかましいわロリコン!!」
和「御2人共自重して下さい!!」
作者・一刀「「はい……」」