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考察その6~万華鏡写輪眼~
カーテンの締め切った薄暗い部屋。
これが私の世界。
出しゃばった私の罪。
心で少し考えただけ。
だからもう出たくない。
このまま一人、誰にも迷惑をかけず、ずっと部屋の中で。
思い出す度に胸がむかむかと熱くなる。
ふと感じた苛立ち。
女同士の他愛もない諍い。
軽い陰口。
私もして、私もされて。
たまたま現場を押さえてしまったのが私の原因。
――反省して。
そう思って発動した私の赤い、朱い瞳。
万華鏡は目の前の、クラスメイトを閉じ込めて――彼女を壊した。
とっさに浮かんだのはあの一幕。
百時間に渡り分身した彼がずっと刀であの人の身体を刺す場面。
きんきんつんざく叫び声が耳の奥に残っている。
涎を垂らし、鼻水を流し、失禁しながらのたうち回る姿が瞼の裏に残っている。
びくんびくんと肩を跳ねさせるクラスメイトが、私の肩に手を置いて、そのまま崩れ落ちる感覚が残っている。
私は壊した。
人間を一人。
私も壊れた。
もう外に出たくない。
誰とも目を合わせたくない。
でも目を潰す勇気もない。
もう嫌だ。
そう思って私はまた手首にカッターナイフを当てて、すっと引く。
だれだれ流れる血に、きっとまたママのせいで死ねないと、私は安心する。