「はあぁ…」
21歳にして就職3回、そしてたった今解雇3回を記録し、元職場に背を向けながら
「退職ならまだしも、クビってなぁ…。使えなさすぎるだろ俺…。」
いつも通りの言葉を口にしながら、いつも通り肩を落として、いつも通り帰っていたはずだった。ただ1点を除いては。
「南雲陽さんですね?」
突然声をかけられ反射的に顔をあげる。そこには10代半ばくらいの少女が立っていた。幼さの残る顔立ちなのに年齢以上に落ち着いてみえる不思議な印象を受けた。
「えっ?」
何も言えず固まっていると
「私、
真っ直ぐこちらを見つめ彼女は言い放った。
「世界の
言葉の意味を理解するのに時間がかかった上で理解できなかった。
(なんで俺の名前を知ってんだ!?てか世界の創造者?何言ってるの?)
こちらの考えている事がまるでわかっているかの様に和は
「名前を知ってる理由は言えません。突然世界の創造者にと言われても戸惑うのもわかります。ただ現状を打破するためにはとても魅力的な話である事は断言しますよ。」
と言った後にニコッと笑みを浮かべた。
思考が読まれた事にも驚いたが、それ以上にこの話を信じ切ってしまっている自分に一番驚いた。何故信じてしまっているのかはわからないが、目の前の少女が冗談を言っている様には思えなかった。
「その魅力的な話って…?」
陽は乱れる思考を整理して疑問を言葉にした。
「あら、いきなり乗り気になってくれるなんて手間が省けて助かります。」
笑顔のままそう言うと和は続けた。
「単純な話です。お給料もお休みも自由!解雇もなし!あなたの思うままにあなたの世界を生きて行ってもらうだけです。ただし、退職はできませんよ?」
ここまできいて普段の自分ならこんな話信じるはずがなかった。だかそのときの陽は解雇のショックからかはたまた、現実逃避か
「ああ、お願いするよ」
と口をついて言葉が出ていた。
「ふふ、あなたならそう言うと思っていました。さすが私が見込んだ創造者です。では案内しましょう。あなたがこれから創造し、生きていく世界へ!」
和がパンッと手を叩くと同時に視界が変わった。さっきまでいた路地からうって変わって、天井から壁まで黒の大理石でできた部屋にいた。
「ここがあなたの世界です。」
陽の思考から驚くという感情が抜けたのかと思う程に陽は冷静に事態を把握していた。
「ここが俺の世界…。」
「はい、まぁ正確には陽さんの世界を創る場所ですけど、もうしばらくしたら何もかも意味がわかってくると思います。あなたがここにくるのに抵抗がなかった様に…ね。」
「どういう…っ!」
和の言葉通りに知らないはずのこの部屋で何をすべきかが頭に流れ込んできた。情報のダウンロードはしばらく続き、ゆっくりとおさまった。すると目の前に10センチほどの正方形の台現れた。
陽はそれに手をおきつぶやいた。
「リンク・ザ・クリエイター」
程なくして部屋は消え、陽の意識も空白の中へ消えていった。
初めて投稿しました。
処女作です。生暖かく見てやってください。