目高箱と幽波紋!!   作:人参天国

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ランズのごとく「跪けェ――ッ 跪けェ――ッ」はキャラに合わないので残念ながらボツ。



第二十六話:裁くのは誰だ!?

 

 

「……お前、随分と面白いやつだな。素直な気持ちで言わせてもらうよ。十三人(パーティ)にお前の様な奴はいないし、これまでもちょっと見なかったタイプの男だ」

「…………」

 

 顔面を殴り飛ばされた都城が、ムクリと起き上がってそう言った。壊れたコンピューターの上で踏ん反り返るように奏丞を見ており、しかしともすれば玉座にでも座っているかのようにくつろいでいるようにも見える。

 殴った感触からして鼻がへし曲がったはずだが、都城がグイっと鼻を曲げ直せばそれで元通り。流石はいたみの回復力、あの程度の傷は傷にならないらしい。

 対照的に奏丞の姿はズタボロだ。たった今受けた左手のダメージもそうだが、裏の六人(プラスシックス)との戦いで既に全身傷だらけだった。

 

「古賀の致命傷を一瞬で治すスキル! 大したものだがさっさと自分に使えばいいものを使わないあたり、万能のスキルではないな。左手を増やすスキル、高速移動のスキル……どれも欠点がありそうではあるが……重要なのは『誰が使うか』だ。実に興味深い」

 

 できれば肉スプレー(クリーム・スターター)あたりで傷を治したいところではあるが、いたみ並の膂力を前に迎撃能力の低いスタンドを呑気に出していられるかは微妙なところだ。それに、すぐさま治療しなければいけない程深い傷でもないので、ひとまず今はそのままにしておく。

 

「悪いが俺の能力はてめえじゃ奪えねえぞ。奪えてもやらねーけどな」

「スキルを防ぐスキルを持っているのだろう? 実は今もこうして電磁波で干渉しようとしているが、まるで効かんようだ。しかしお前の周囲であれば――」

「!」

「こうして操作することができる」

 

 奏丞の周囲のコンピューターが浮かび上がる。都城が磁力を発生させて操っているのだ。それらが奏丞に向かって一気に殺到する!

 

魔術師の赤(マジシャンズレッド)!」

「おっ?」

 

 スタンドの火がコンピューターをあっという間に燃やし溶かした。地下空間を熱波が駆け抜けるが、マジシャンズレッドの火は一般人には見えない。ただ、燃えた結果が見えるだけだ。

 

「ホホウ、見えない火でも出しているのか? 空中で機械を溶かす程とはこれまた面白いが実に参った! 磁力は高温に弱いからな。耐えても精々数百度で減磁するし、相性が悪そうだ」

「だったら白旗でも振りな。殴る口実がなくなって困るんでオススメはしないけどな」

(おれ)が白旗など振るか。不敬だぞ? だがまあそれも許そう。『理不尽な重税』が効かずとも、貴様の能力を手に入れる手段はある。しかしその前に……」

 

 都城は立ち上がり、両手を広げて周囲への視線を促した。ちょうど、地下十三階の光景をめだか達に見せつけた時のように。

 

「せっかくだ。お前の意見も聞いておこう。黒神にも言ったが周囲に広がるこの光景。普通(ノーマル)に生きていて関わる環境ではあるまい。莫大な投資と国内だけでも十万人以上の人員がこのフラスコ計画に関わっているわけだが、お前がそれを潰した場合大勢の人間が不幸になる。それについてどう思う? んん?」

「お前はモルモットが病気広めて研究所が潰れた時、モルモットに責任を問うのか?」

「…………」

「ああいや、質問に質問で返すのは無礼だったな。謝るよ」

「…………ク」

「言いたいことは色々あるけどよ」

「……ク、ク」

「全部ひっくるめると」

 

 勝手にモルモット扱いしてんのにこっちが悪い扱いしてんじゃねーよとか、そんなに素晴らしい計画なら公にしてみろとか、国内十万人とはなかなかの大企業レベルだがそんなにヒトデナシがいんのかよとかとかとか……まあ一言で言うなら。

 

「『知るかタコ!』だ」

「クハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」

 

 都城は腹を抱えて爆笑した。

 

「ハハハハハハハハハハハハハハ……はー、はー…………笑わせてもらったぞ! そうだ! 誰が何と言おうと関係ない! 『()』とはそういうことだ! 己の揺るぎない価値観こそが正! いいぞ、『男らしい』じゃあないか!」

 

 そう言って都城はファイティングポーズを取る。

 

「故にこそ、そういう男をこの手で屈服させてこその『支配者』! 『頂点たる王』! 貴様も黒神共々俺の下に来るがいい!」

「御託はいいぜクソ野郎。来るならさっさと来いや」

「ハッ、つくづく無礼なヤツめ!」

 

 都城が奏丞に素早く接近するが、その初撃は殴るでも蹴るでもなかった。

 

「フンッ!!」

「!!」

 

 ズン!! と都城が間合いの外で()()()()()()()で、強烈な衝撃が床を走り抜けた。震脚のようでもあるが、これはあくまでパワーに任せた踏み込み。都城にとっては攻撃ですらない。

 しかしフロア全体の床に亀裂が入るような衝撃の爆心地に近かった奏丞は、耐えきれず体勢を崩して膝をつく。

 

()ったぞ!」

 

 反撃も防御もできない無防備な姿を晒す奏丞に向かって、都城が拳を振りかぶった。

 

「……ああ、ダメだよ都城三年生」

 

 ――それを見ていためだかが呟く。

 

「奏丞と戦う時は距離を取るところから始めないと」

「オラァッ!(バゴォッ)」

「!? なん……ッ? はぐっ!?」

 

 奏丞本体の体勢など関係なく、臨戦態勢だったスタープラチナが都城の横っ面に拳を叩き込んだ!

 スタンドが見えない都城では防御することもできない。非スタンド使いにとってもっとも恐ろしい点と言えるだろう。無防備だったのはむしろ都城の方だった。

 

「い、今、殴られ……!?」

「よお王サマ。よくも古賀先輩を傷つけて、くじらを泣かせてくれたな」

「!!」

 

 倒れかけた都城の胸倉を奏丞が掴み上げる。

 

「随分ボロボロな制服だな。奇抜なファッションなのか? 似合ってねーな」

「きっ、きさ……」

「だが似合うようにしてやるぜ……中身もズタボロにしてな」

「貴ッ様ァ――ッ!!」

 

 襲いかかろうとする都城だが、しかしスタープラチナの拳の方が速い!

 

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!(ドゴドゴドゴドゴドゴドゴ)」

「ぶげあああっ! グバッ! はぐーッ!」

 

 全身隈なくオラオラされ、都城が血を吹き出しながらふっ飛んだ!

 

「この音は奏丞のオラオララッシュ(見えねーけど)が決まった音!」

「や、やったあ! よくわからなかったけど勝負あったってことだよね!」

「……いや、おそらくまだ終わっていない! そうだねくじらちゃん!?」

「……うん。大ダメージを受けたのは間違いない。だけど……」

「私の超回復力は宇城くんのオラオラ対策でもあるんだ! それを王土さんがコピーしてるってことは……」

「回復力ってまさか、あの状態からでもヤツは復活できるっていうのか!?」

 

 視線の先では確かに、全身が血まみれになりながらも這いずって来る都城の姿があった。明らかに重症だが、その目を見ればまだ戦う気なのだとはっきりとわかる。

 

「うきィ~~……そ、う、すけェ~!!」

「こ、古賀さんの回復力は本当に悪さしかしないな!?」

「うわあ、ゾンビみてー……」

「ってなんで名瀬ちゃんが引いてんの!? 私をああしたのは名瀬ちゃんだよね!?」

「……気をつけよ奏丞! 彼奴め、まだ何かする気だぞ!」

「おう!」

「まだだ、まだ俺は終わっていないィ……!」

 

 今はまだ立つこともできない状態ではあるが、都城に限ってそれがイコール無力ということはない。都城は奏丞を睨みつけ、それを放つ。

 

「うがああああああ!!」

 

 都城の十万ボルト!!

 

「ポケモンかてめーうおわあああああ!?」

 

 都城の攻撃が奏丞に直撃した!

 

「そ、奏丞ぇ―!?」

「ああああ………………? お、おお! き、効かーん!」

「ってスキル効かないとか言ってたじゃねーか! なんでオメーが戸惑ってんだよ!」

「いやいやこんな規模のスキル攻撃受けるの初めてだしよぉ!?」

 

 都城が放った電撃が奏丞に直撃するが、まったく効かない様子。奏丞が唯一持つチートスキル『傑壁晶(ハードロック)』の効果で、奏丞に直接干渉するスキルが無効化されているのだ!

 

「……どうやら苦し紛れの攻撃も俺には効かないようだな! まだ戦う気ってんならトドメささせてもらうぜ!」

「…………馬鹿め!」

「奏丞後ろだ!」

「なにっ」

 

 めだかの声で奏丞が振り向くと、善吉、高貴、もがな、真黒が各々鋼材や鋭利な破片を掴み、口を固く閉じて奏丞に襲い掛かって来ていた。

 くじらだけは、こちらに来ようとしているのをいたみに抱き止められている。

 

「名瀬ちゃん行っちゃダメッ!?」

「――っ! ――っ!」

「貴様への攻撃は気を逸らすためだ! 改造人間の古賀はまだうまく操作できんが、まあいい! 愚民共! (おれ)が復活するまでの礎となれ!」

 

 目は操られていないのか、避けてくれと言わんばかりに必死でこちらを見ている四人。今から向き直って防御していては間に合わない、というタイミングではあるが。

 

「スタープラチナ・ザ・ワールド!!」

 

 時止めで難無く回避可能。やはりスタープラチナ、スタープラチナは全てを解決する……!

 

「貴様、またその高速移動を……!」

「……てめえ、よほど俺を怒らせたいみてェだな!」

「ピクリとも動くんじゃあない!! 俺がコイツらを操っている意味が分からんかッ!」

「!!」

 

 もごもごと口を動かした都城が鮮血混じりの唾を吐き出すと、折れた歯がカラカラと床を転がった。これまでになく屈辱的ではあったが……折れた所を舌で触れて確かめてみると、その歯も既に生え揃いつつある。

 都城は気を取り直すようにニタリと笑った。

 

「人の神経を流れる電気は強くてせいぜい二百マイクロアンペア程度! 俺がこうして人を操っている時はそれを越えないように優しく、慈悲深く電気を流しているに過ぎん! 俺の手元がちょいと狂って電流が僅か二十ミリアンペアにでも強まれば人体に何が起き始めるか、試したいわけではあるまい!」

「…………」

 

 今すぐ時を止めて都城に駆け寄り殴るなり、物を投げるなりして仕留めたいが、距離が遠すぎて対応される恐れがある。残念ながら無敵のスタープラチナでもどうにもならない……

 操られている四人は『自分に構わずやっちまえ!』と言う目で奏丞を見ているが、それができるわけもない。

 できればレッド・ホット・チリ・ペッパーを都城の傍に置き、発する電気を全て吸い取ってやりたいところだが……

 

「これから貴様に『王命』を下すッ! 逆らったら仲間を一人殺す! 無駄口を叩いても殺すッ! 誤魔化そうとしたらまた殺すッ!」

「…………」

「いいな! 注意深く神経使って聞けよ……それじゃあ命令するぞ……『ヒ・ザ・マ・ズ・ケ』」

「都城先輩……」

「…………」

「この宇城奏丞をなめるなよ」

「ひとりブッ殺すッ!」

 

 都城は電流を強める。四人は自身がその一人になろうとも覚悟していた。

 ――だが、その瞬間は訪れない。それどころか。

 

「……何も起きない?」

「!?」

 

 もがなが()()()()()ことに都城は驚愕する。誰も死なないどころか、喋れないように操っていたにも関わらず!

 

「ば、馬鹿な! なぜ!」

「……か、身体の自由がきくぜ! 問題なく動ける!」

「いったいどうして……んん!? なんだこの、身体の周りを囲っているような、()()()()()()()()()()()は!」

 

 高貴が手を伸ばすとプヨプヨとした感触の薄い何かに触れた。確かめてみるとそれは球形であり、まるで自分を包んでいるかのようだった。

 

「ソフト&ウェット! みんなの身体は今、シャボン玉が包んでるんだぜ!」

「……なるほどそういうことか。王土くんの操作は常に電磁波で干渉し続けることで人を操っているからね。『帯電』しているわけじゃあない。だからシャボン玉で電気をカットしてしまえば僕達は自由ってワケだ」

「シャボン玉!? そんなチャチな物で俺の『言葉の重み』が「おっと、前方不注意だ」はっ!?」

 

 気づけば都城の目の前に立っている者がいる。

 奏丞ではない。操った四人でもなく、くじらでもいたみでも、当然行橋でもなく!

 

「黒神めだか!?」

 

 意外ッ! それは奏丞の戦いを静観していた黒神めだか!

 めだかが王土の髪を掴み上げた。

 

「グッ……?!」

「……古賀二年生を傷つけられ、くじ姉に泣かれた奏丞の怒りももっともだったからな。ここは譲ってもいいかと思っていたが」

「(くっ……ただのシャボン玉ではないだろうが、それでもたかがシャボン玉! 出力を上げれば割れんはずがない! そうすれば)」

「皆を巻き込むのであれば私も黙ってはいられんぞ!」

「…………なんっ、俺の電気が?!」

 

 都城が発する電気がめだかに集まっていく。いや、これはもはや。

 

「吸収されていく!?」

 

 奏丞がレッド・ホット・チリ・ペッパーを使ってやろうとしていたことを、正に今めだかが生身でしているのだ!

 

「ええ……なにがどうしてそーなんだよ……」

「宇城くん、自分を棚上げして引かないのっ! 傍から見たら君も同類だからね! でもホントどういうこと!? 名瀬ちゃん解説して!」

「…………ま、まさかあれは行橋先輩の『受信(アブノーマル)』か!? 強力な受信能力で電気を根こそぎ集めてやがんのか!」

「行橋の受信だと!? ば、化物め、そんなこと行橋本人ですらできんぞ! 行橋を見て物真似しただけのお前にできるはずがない! 本人以上の使い方をするなど!」

「いいや。めだかちゃんならできるんだよ、王土くん」

 

 そう言って真黒が前に進み出る。

 

「黒神……真黒?! ならお前の妹の異常性(アブノーマル)はどういう種類の何なのだ!?」

「激昂するなよ王土くん。(きみ)らしくもない。そして恥じることもない。解析の異常性(アブノーマル)を持つ僕でさえわかったのは今さっきだ。

 『十三組の十三人(サーティン・パーティ)』という異常性(アブノーマル)に長けたきみ達を相手取ることで、今までブラックボックスだっためだかちゃんの異常性(アブノーマル)がようやく浮き彫りになったんだから。

 くじらちゃんにはもうわかっているんじゃないのかい?」

「……まあそりゃあ、概ねは」

「だったらくじらちゃんが発表しなさい。それがフラスコ計画統括としての責任だ」

「……要はそいつ、他人の異常性(スキル)を使えるんじゃねえ。他人の異常性(スキル)を使いこなし、完成させることができるんだ。『言葉の重み』で自分自身を洗脳して自己支配したり、行橋先輩の受信(スキル)をさっきみたいな使い方したり。

 つまり、『完成(ジ・エンド)』。それが黒神めだかの異常性(アブノーマル)だよ」

「……その通り。わかるかい王土くん。残酷なようだけど残念ながら君とめだかちゃんとじゃ王位(レベル)が違うんだよ。

 君が徴税した異常者(アブノーマル)異常性(アブノーマル)を十割使えると言うのなら、めだかちゃんは完成した異常者(アブノーマル)異常性(アブノーマル)を十全に使えるんだ。

 問答無用で必ず相手の上をいく異常性(アブノーマル)異常性(アブノーマル)としてこれより上はないさ」

「(……ああそっか、いくら模擬戦したって俺はスキル使わないから『完成(ジ・エンド)』も何もわからなかったのか……えっ、じゃあ生身ソナーとか音速移動とか微振動とかはスキルじゃねーのかよ、そっちの方が怖いぞ……)」

「ま、もっとも君が君の異常性(アブノーマル)を完全に使いこなせるというのなら互角の戦いくらいはできるかもしれないけどね」

「……ぐ……! それがっ! それができるなら……!!」

「そうだね、それができないから君はフラスコ計画に参加しているんだよね」

「(いや……そうだ……まだ手はある……文字通り!)」

 

 都城は己の髪を掴んでいるめだかの腕を掴み返し、睨みつけた。

 

「(黒神の完成性(アブノーマル)が俺の支配力(アブノーマル)を上回るというのなら! その異常(アブノーマル)を俺の異常(もの)にすればよいだけのことだ! 俺の『理不尽な重税』で――)」

「ふん。なにやら物欲しそうな顔だな、都城三年生」

「!」

「そんな顔をしなくとも欲しいのならば貴様にやるよ。こんな異常(もの)でよいのなら。

 ただしそれなりに覚悟はしろよ。化物たる私の異常性(アブノーマル)は人間に耐えきれるものではないかもしれんぞ」

「……いいだろう黒神めだか! 何を企んでいるか知らんが、貴様のその腹立たしい人格も徴税し、(おれ)は今度こそ俺の異常性(アブノーマル)を支配する!!」

 

 都城はめだかの腕を払いのけ、いたみにしたようにその胸へ腕を突き刺した! ちなみにくれぐれも、なんか胸揉んでるみたいと言ってはいけない。

 

「ふはっ! ははは! そうかこれがお前なのか黒神! 黒神! 黒神! 黒神! くろっ……!?」

 

 めだかに突き刺した腕がドロリと溶け落ちた。

 

「――ひぃいいいいいいっっ!?」

 

 いや、改めて腕を見ると溶けてはいない。ならば今のは幻覚……どころではなかった。

 異常なんて言葉じゃあとてもおさまらない、触れただけで全てがとろけて全てを塗りつぶされそうで。根こそぎ呑み込まれそうなどこまでも黒く、いつまでも深い、太陽さえ喰らう重い闇――

 

「(この女はあんな黒々(もの)を胸に抱えて生きているのか!?)冗談じゃないぞお前……あんな(もの)を! あんな取り返しのつかない(もの)を俺に押しつけようとしたのかお前は!? お前は人間(おれ)を何だと思ってるんだ!! このっ……化物がっ!!」

「…………で? 言いたいことはそれだけか?」

「……………………」

 

 座り込んだ都城が息を荒げながら懇願する。

 

「……俺の負けだ。偉大なる俺は二度と王を名乗らん。フラスコ計画も今日をもって凍結する。だから、許してくれ」

「…………言いたいことはそれだけか?」

「…………行橋の命は保証する。これまでフラスコ計画が犠牲にしてきた者達にもできる限りの補償をしよう。だから――許してくれ」

「言いたいことはそれだけか?」

「…………! 『言葉の重み』も『理不尽な重税』も永久に封印する! 今後絶対に悪事は働かないと誓う! だから! 許してくれ!!」

「それ、だけか?」

「…………それ以上俺にどうしろと言うのだ……!!」

「……いや、別に何もしなくていいんだよ。あれこれ言わずに反省してくれればそれでいいんだ。悪いことしたらごめんなさいだろ」

「……………………」

 

 都城は地面に跪き、両手をついて頭を下げた。

 

「ごめんなさい」

「んっ、許す!」

 

 めだかは懐から扇子を取り出し、宣言した。

 

「『十三組の十三人(サーティン・パーティ)編』、これにて一件落着ゥ!」

 

 

 

「勝手に許されても……まだ都城殴り足りねぇんだけど……」

「……俺らの会長(ボス)が言うんだからここは我慢しとけ」

 

 






奏丞「結局めだかの闇ってなんなんだ? スキル? 人格? 過去? そんなスゲー闇なの?」
めだか「闇呼ばわりは正直遺憾だが、人の心の闇を暴こうとするのも不躾が過ぎるぞ」
奏丞「それはそう。ごめん……」
めだか「うむ、許す! ちなみにくじ姉と共謀して散々我々を引っ掻き回した件は話が別だぞ」
奏丞「…………」
めだか「後で覚えておけよ」
奏丞「……………………」
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