魔法先生ネギま! 進撃する生徒   作:ヒイラギ1028

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連続死合

「――うぁっ!?」

 

アンカーを突き刺して夜の森を移動していると、突然アンカーが吹き飛んだ。

木に背中や頭を打ち付けながら、地面へと倒れこむ。

 

「いっつつ……」

 

頭を抑え、何が起こったのか振り返った。

 

――化け物がいた。

いや、妖し、妖怪とでも言うのだろうか?

熊が一体。アンカーをつけた木をなぎ倒したようだった。

人など、あっさりと切り飛ばせそうな腕を大きく振り上げる。

 

「ッ……!?」

 

本能の指し示す方向へと飛び込み前転する。

すぐ後ろから、地面をえぐる音が響き渡った。

熊は、俺が避けたのを不服そうに呻いた。

 

「……くっそ」

 

今の衝撃で、立体機動装置に損傷ができたらしい。

ガスは大量にあるはずなのに、まったくアンカーが飛び出さない。

 

「――ふざけんな」

 

柄を握り締め、熊を睨みつける。

 

「こんなの、見つけなければよかったな」

 

腰についている、道具を見る。

俺がみつけた道具――立体機動装置――と呼ばれる物は、俺が

家の地下から見つけたものだった。

 

設計図から整備の仕方、使い方まで書かれた本を見つけた時は

とても興奮した。厨二心をくすぐられ、一ヶ月ほどまえから俺は使っていた。

初日はあんなにうまくはできなかったが、今は結構いい動きをできているんじゃ

ないかと俺は思う。

 

熊が、片手でがしりと俺の胴を掴む。

爪が体に食い込み、血が滲み出す。

 

「いっ……!」

 

痛みに顔を顰める。

こちとら、立体機動ができるだけの一般生徒だぞ……。

 

「いっ……てぇんだよ!!」

 

一つの剣を逆手に持ち替え、勢いよく振り下ろす。

ガギン!という派手な音を立てながら、刃が後方へと吹き飛んだ。

 

呆然と、刀を見つめる。

熊の肉だって断ち切れるハズだ。

これは、『対巨人用』の武器だぞ。

 

よくみると、熊の体が硬化していた。ピキピキと音をたてながら、

元の姿に戻っていく。

 

「クソが……!」

 

熊が、両手で俺を握りつぶそうと、力を込める。

体が圧迫され、とても苦しい。

 

ごぼっという音を立てながら、口から血を吐き出す。

意識が遠のいていく。視界がぼやけていく。

 

――だけど、まだだ

 

右手に持っている剣を、熊の目へと振り下ろす。

ざくりと音をたてて、熊の左目に剣が突き刺さった。

熊が絶叫をあげるが、力を緩めようとしない。

俺も突き刺さったまま、グイッと剣を捻る。

 

血が吹き出て、頬などに付着した。

 

「目まで、硬化はできねぇよな……!」

 

腕が、だらりとぶら下がった。

もう力も入らない。

痛みに顔を顰めながらも、眠るように目を閉じた。

 

 

 

――――――――――

 

 

 

痛みに顔を顰めながら、目を開ける。

軽く左手を握り締めながら動くのを確認する。

 

「……生きてる?」

 

どこかのベット――保健室――のようだった。

特に問題は――あった。

 

「うあぁぁぁ……!」

 

体を動かすと、全身に痛みが広がるが

そんなことは気にしない。

この格好のまま運ばれたのだろうか。

というか、あれは全部現実だったんだろうか?

 

ガチャリと保険の扉が開いた。

そこには、ぬらりひょんこと学園長が立っていた。

学園長は俺が眠っているベットへと歩み寄ってくる。

 

「気分はどうかね?」

 

「最悪です。全身が痛いです」

 

すると、学園長は楽しそうに笑った。

ひとしきり笑ったあと、こちらに頭を下げてきた。

 

「ありがとう」

 

「な、なんですか?」

 

学園長は顔をあげて、俺の問いに答えた。

 

「君は、昨日たすけてくれたじゃろう?

数名の生徒を……」

 

じゃあ、あれは全部現実だったのか。

待てよ?じゃあ熊に襲われたのは――

 

「君が助けた、生徒――桜咲刹那――という子が、君を助けたのじゃよ」

 

「俺は助けたあと、あの場を離れたはずですが……」

 

そう。俺はあそこから逃げて、熊に襲われた。

長い距離を立体起動で移動していたのだから、距離も離れていた筈だ。

 

「君を探していると、前方からカッターナイフを大きくしたような刃が

飛んで、その後熊の絶叫が聞こえたと言っておった」

 

「絶叫の聞こえる方向へ辿ったってことですか……というか、そんなに

刀身吹き飛んだのか……」

 

そして、立体起動装置が壊れたのを思い出して項垂れる。

修理するの面倒なんだよなぁ……。

 

「ところで――」

 

学園長が、鋭い眼光でこちらを見た。

姿勢をただし、学園長の目を見る。

 

「君は、何者じゃ?」

 

俺は何者って……。

 

「ただの一般生徒ですよ。特別な道具が使えるだけで

それ以外は全部普通です。特別な力が使えたら、ここにはいません」

 

あんな熊をぶちのめせるような力があったら、保健室にいないと思う。

ただ、道具に頼ってるだけなんだから強いわけがない。

 

「そうじゃな……今はゆっくり休むのじゃぞ?」

 

そう言って、学園長は保健室を出て行った。

天井をみつめながら、瞳を閉じる。

睡魔に身を委ねていった。

 

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