気がつくと今日も彼の姿を目で追っていた。
騒ぎの中心にいながら台風の目のように穏やかで、陽だまりのような人―
―直枝理樹君を―
一年生の時、最初の頃は人付き合いの苦手な私は周りを巻き込みながら騒ぎを起こす彼らのことが苦手だった。
それでも彼らのことは何かと目に入る。
もしかしたら、無意識のうちに憧れていたのかもしれない。
私とは違う彼らに。
そのなかにいる一人の少年が私は少しだけ気になっていた。
直枝理樹君。
個性の塊のようなメンバーの中、彼だけはどこか私と似たところを感じていた。
ちょっとだけ話してみたいとは思ったけど、同じ女子と話すことすら緊張してしまう私には到底無理なことだった。
あるお休みの日、買い物に街に出た私は帰りに河原を通ることにした。
土手を歩いていると少し離れた先に直枝君と宮沢君がいた。
二人なんて珍しいなと思っていると不意に直枝君が川に向かって飛び込んだ。
突然のことに私は固まってしまったが宮沢君は岸に駆け寄った。
川からあがってきたずぶ濡れの直枝君の手には何かシャツのようなものが握られていた。
直枝君が宮沢君に広げて見せたそれは私達の学校のソフトボール部のユニフォームのようだった。
誰のかも分からないのに飛び込んでまで取りに行ったの…?
心臓がとくんと一つ跳ねた気がした。
宮沢君は心配そうにしていたけど直枝君に頼まれては断れなかったのかユニフォームを受け取ると急いで届けるためだろう、走って去っていった。
残った直枝君は濡れたシャツを絞ると上着を持って寮に向かって歩き出した。
…声をかければよかったと思う。
ハンカチくらいは持っているし、髪くらいは拭いてあげることができるだろう。
それなのにその一歩が踏み出すことができないのは、私の弱さ。
その程度の勇気もない私には彼の背中を見送ることしか出来なかった。
その次の日から彼のことが気にかかるようになった。
そして、当たり前のことのように彼のことが好きになった。
でも、それは叶わない恋だ。
直枝君からすれば私なんてただのクラスメイトでしかないし、私から告白する勇気なんてあるはずもない。
そんな私に出来るのはただ離れたところから彼を眺めることだけだった。
その考えが変わったのはあの修学旅行がきっかけだった。
あの時のことはほとんど覚えていない。
けれども、目が覚めた時、想いを伝えたいという強い気持ちとある言葉が私の中にあった。
『努力もせずに何かを為せると思うな。下らん策を弄するくらいなら、正面切って想いを伝えて玉砕しろ』
これは誰の言葉だったろう?
思い出そうとしても胸が締め付けられるだけで思い出せなかった。
その言葉に後押しされて、私は直枝君に告白することを決心した。
…決心はした。
したよ?うん。
……………
やっぱり私には無理なような…
高「おいこら」
睦「で、でも…」
高「でももクーデターもねぇよ」
勝「みや、おやじ臭い」
高「うるせぇよ」
うん、今のは私でもちょっと…
高宮さんの頬が少し赤くなっていた。
高「んなことはどうでもいいんだよ。んで、どうすんだよ」
勝「強引な話題転換…」
高「しつけぇぞ!」
睦「どうするって…?」
高「直枝のこと好きなんだろ?」
睦「うん」
勝「あの睦実が即答…やるな直枝」
高「なら告白しに行けよ。つかするんじゃなかったのか?」
睦「で、でも…」
高「あー、もういいわ…かつ、むつを屋上連れてけ」
勝「はいよ」
睦「え、ちょっ、ちょっと―」
抗議をする間もなく勝沢さんに引っ張られて屋上に連れてこられた。
というかここは入っちゃいけないんじゃ…
そんなに待つことなく高宮さんが直枝君を連れてきた。
高「それじゃ、若い二人に任せて私達は退散するから頑張んな」
睦「待ってよ!」
(゜∇^d)(゜∇^d)
最後に親指を立てて二人とも行ってしまった。
残された私達の間には微妙な空気が流れていた。
理「え、えっと杉並さん?」
睦「ひゃいっ!?」
思いっきり噛んだ…
理「それで…僕に何か用…かな?」
直枝君スルーしてくれた、うぅ、やっぱり優しいなぁ。
睦「そ、その、あの、ですね…」
理「う、うん…」
なんだか直枝君の顔も赤くなっているように見える。
睦「わ、わた、私…」
落ち着いて落ち着いて落ち着いて…
睦「り、りりり、り…」
理「り?」
こうなったらもう勢いで言うしかない!
『理樹君のことが好きです!』って!
睦「り……トルバスターズに入れてくださいっ!!」
言った!!言っちゃった!!
…………
…あれ?
あとがきです。
今日思いついた流れをなんとなくノリで書きました。
いや、ホント、他のもちゃんと書きますよ?
思いつくまで少々お待ちを
感想お待ちしています。