牙が如く   作:菊池寛

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皆さんお待たせ致しました。二章その①出来ました。ご期待下さい。m(__)m
まずは日常sideです。


二章 災厄の襲来①

翌日、5月16日・木曜日

 

総武高校 2年F組教室

 

各生徒達は自らの家に帰宅やら部活動やら途中寄り道して何処かへ遊びに行く者へと次々と教室へ出て行く。そして教室内の生徒らの数が少なくなると自分の席で眠っていた否寝てたフリをしてた不良男子高校生こと比企谷八幡は鞄を持ち周りを確認し急いで教室を出ていこうとした。

 

平塚「部室はそっちじゃないぞ」

 

八幡「!」クルッ

 

平塚「はあっ!!」ドゴッ ガッ

 

八幡は後ろから平塚の声が聞こえ八幡は振り向こうとするが背中に平塚の強烈な拳を食らうと同時にコブラツイストを決め込む。

 

八幡「く、苦し・・・。」

 

八幡(あと胸が当たってる・・・。)

 

平塚「次に逃げようとしたらわかるな?余り私の拳を煩わせないでくれ」

 

八幡「拳はいいのかよ・・・、アンタは」

 

平塚「次に部活サボったら三年で卒業できると思わない方がいいぞ」ギロッ

 

平塚の威圧的な目で八幡は少し震えだす。

 

八幡「も・・・もう逃げませんので放してくれませんか?部室行きますので・・・。」

 

平塚は八幡の目を見て睨み付けながらコブラツイストを解除し八幡を解放させる。

 

平塚「いいだろう。だが次はないからな」

 

八幡「・・・はい」

 

この教師にはもう逆らわない事に心から誓った八幡だった。

 

 

 

 

 

総武高校 奉仕部部室

 

 

 

八幡「ういーす」ガララッ

 

雪乃「・・・」ペラッ

 

八幡(あの般若の男との戦いで傷を軽く負った事は雪ノ下には言わないでおこう・・・。)

 

部室に入る八幡は使用していないパイプ椅子に座り込む。八幡の目の前には奉仕部部長こと雪ノ下雪乃がパイプ椅子に座り静かに読書をしていた。すると雪乃が八幡の方に気付き挨拶をする。

 

雪乃「こんにちわ。もう来ないかと思ったわ問題児君。もしかして貴方マゾヒストかしら?」

 

八幡「違げぇよ」

 

雪乃「だったらストーカーかしら?」

 

八幡「んな訳ねぇだろ。その自信過激っぷりは流石の俺も引くぞマジで。」

 

雪乃「・・・あらそう」ペラッ

 

部室内に沈黙が広がりだし八幡に無言の間が押しかかりだす。

 

八幡「・・・・・・」

 

雪乃「・・・・・・」ペラッ

 

八幡(話が進まねぇ・・・、そもそもどう女子と話したらいいかさっぱり解らん、特にコイツと一体何を話せばいいんだよ。そもそも『友達』とかいるのか?)冷汗

 

八幡「なぁ雪ノ下・・・。」

 

雪乃「何かしら?」

 

八幡「お前ってよ『友達』いるのか?」

 

『友達』という言葉に反応し雪乃は次のページをめくるのを止める。

 

雪乃「・・・」

 

八幡(あれ?俺何か余計な事言ってしまったか!?)汗

 

八幡は雪乃に余計な事を言ったのか慌ててしまう。すると雪乃は自分の本に栞を鋏み本を閉じて八幡に会話する。

 

雪乃「・・・少し、私の昔話をしましょうか」パタン

 

八幡「おう」

 

雪乃「まあ人に好かれた事の無い貴方にとっては嫌な話になるかもしれないけど」

 

八幡「別に構わねぇ、もう十分なってるから安心しろ」

 

雪乃「・・・わかったわ」

 

そう言って雪乃は八幡に自分の昔話をする。

 

雪乃「私は小学生の頃昔から可愛かったからいつも近づいて来る男子に大抵私に好意を抱いていたわ。・・・まあ私自身好かれたい何て事一度もないのだけれど」

 

八幡「人に好かれてるくせにボッチ名乗るとかボッチの風上にも置かねぇなお前」

 

雪乃「・・・本当に誰から好かれてるならそれも良かったかもしれないわね」グッ

 

すると雪乃は本をぎゅっと少し強く抱き締める。

 

八幡「あん?それってどういう意味だ一体?」

 

雪乃「その頃に六十回程上履きを隠された事があったけど。うち五十回は女子にやられたわ。お陰様で私は毎日上履きとリコーダーを持ち帰るはめになったわ」

 

八幡「お前、以外と大変だったな・・・。」

 

雪乃「・・・ええ、本当に大変だったわ。私って『可愛い』から」

 

八幡「・・・・・・」

 

八幡は心から思った。もし彼女の性格が無かったら本当に可愛いと心から思った。

 

雪乃「でも仕方ないと思うわ人は皆『完璧』じゃないから、弱くて心が酷くて直ぐに誰かに嫉妬し蹴落とそうとする、不思議な事に優秀な人間ほどこの世界は生きづらくて残酷なのよ。『戦争』『犯罪』『差別』この世界には人生駆けても無くならないと・・・。だから変えるのよ人ごとこの世界を」

 

八幡「・・・・・・」

 

雪乃は持つ者故の苦悩を抱えている。彼女はきっとそれを隠して協調して騙し騙して自分自身と周りを誤魔化しながら上手くやる事は難しくはない筈だと八幡は心から思った。

 

八幡(だが雪ノ下はそれを全くしないだろう、自らに決して嘘はつかない、その姿勢だけは評価なんかしない訳じゃねえ。)

 

八幡「なあ雪ノ下・・・。」

 

雪乃「・・・何かしら?」

 

八幡「何なら俺が『友達』になってもいいぞ・・・」

 

八幡は少し頬を赤くなりながら自分の頭をかきだす。すると雪乃は本をテーブルに置き沈黙状態になり考えだす。そして雪乃はゆっくりと口を開きだす。

 

雪乃「比企谷君、私はーーー」コンコン

 

その時入り口からノック音が響き二人はドアの方に振り向く。

 

???「すいませーん、平塚先生に言われて来たんですけど入っていいですかー?」

 

ノックの主はどうやら女子生徒のようだ。

 

雪乃「ええ、どうぞ」

 

雪乃の言う通りにその女子生徒はドアを開け部室に入室する。

 

???「失礼しまーす、あのー平塚先生の紹介で来たんだけど・・・。」

 

女子生徒は八幡と雪乃に対面する。すると女子生徒は八幡を見て驚きだした。

 

???「えーーーーっ!!」

 

すると女子生徒は八幡に指を指す。

 

八幡「ん?」

 

???「な、何でヒッキーがこんな所にいんの!?」

 

八幡「・・・は?いや俺ここの部の部員だし、一応」

 

八幡(っつーかヒッキーって俺の事か?ていうかその前にコイツは一体誰だ?)

 

雪乃「由比ヶ浜結衣さんよね?2年F組の」

 

結衣「あ、あたしの事知ってるんだ良かったー」

 

 

 

 

 

総武高校 2年F組帰宅部

由比ヶ浜結衣

 

 

 

 

 

八幡「つかお前よく知ってるなぁ、まさか全校生徒とか覚えてんじゃねーのか?」

 

雪乃「ええ、一応覚えているわ」

 

八幡「そうかよ・・・。」

 

雪乃「気にする事は一切ないわ、ついつい貴方の不良体質を否定したくなるのよ。」

 

八幡「お前それ舐めてんつもりか?」

 

結衣「・・・・・・なんか、楽しそうな部活だねアハハッ!!」

 

すると二人の話否痴話喧嘩らしき光景を見た結衣は目を輝かせながら微笑みながら笑いだす。結衣の笑い声に気づいた八幡と雪乃は目線を結衣に振り向き少し唖然する。

 

八幡&雪乃「「は?」」クルッ

 

結衣「それにヒッキー、クラスじゃ皆に怖がられてるのによく喋るよね!」

 

八幡「・・・え?」

 

結衣「あ、いや、何て言うかさ、ほら、そのー、ヒッキーってクラスにいる時とは全然違うから」アワアワ

 

結衣は挙動不審に焦りながらも八幡に会話する。八幡は頭をかきながら結衣に質問する。

 

八幡「なあ由比ヶ浜・・・」

 

結衣「ん、なにヒッキー?」

 

八幡「お前俺の事怖がら無いのか?」

 

結衣「へ?」

 

突然の八幡の質問。しかし結衣はキョトンとし八幡に質問の答えを言う。

 

結衣「何言ってるの?あたしヒッキーの事全然怖くないよ?」

 

八幡「え?」

 

結衣「あとなんつーか、何時もはキョドリ方はキモいし、不良だからクラスに友達は一人もいないし」

 

八幡「・・・」

 

結衣「本当は優しく良い人だし!」

 

雪乃「優しい人ね・・・」チラッ

 

結衣「あとヒッキーは前にあたしの事『助けて』くれたから。」ニコッ

 

八幡「ちょっとまて、・・・『助けた』だと?」

 

八幡は何か違和感に気づく目の前の彼女、由比ヶ浜結衣を真剣な眼差しで八幡は見ながら思い出そうとするが・・・。

 

八幡(駄目だ。思い出せない)

 

結果思い出せなかった。

 

雪乃「彼と貴女に何か会ったか知らないけど、改めて由比ヶ浜さん。まず貴女の依頼の内容を説明してくれないかしら。」

 

結衣「うん、それはね・・・。」

 

果たして結衣の依頼とは一体。

 

 

 

 

 

* * *

 

 

 

 

 

総武高校 家庭科室

 

 

場所は変え家庭科室、奉仕部部長の雪ノ下雪乃と由比ヶ浜結衣は何故かエプロンを着用していた。因みに八幡はパイプ椅子に座っている無論サボりではない。

 

八幡「はぁ、クッキーだと?」

 

雪乃「由比ヶ浜さんは『手作りクッキー』を食べて欲しい人がいるのだそうよ、でも自信かないから手伝ってほしいというのが彼女の『お願い』よ」

 

八幡(人の恋路ほど俺はどうでもいいものでもねぇな)

 

八幡「そういうのは友達に頼んだらどうなんだ?」

 

結衣「・・・うっ・・・、それはそのさ、あんまり誰にも知られたくないし、こんなマジっぽい雰囲気友達とは合わないから。それに平塚先生から聞いたんだけどこの『奉仕部』って生徒のお願いを叶えてくれる部活って聞いたけど・・・。」

 

雪乃「いいえ、奉仕部はあくまで手助けするだけ。飢えた人に魚を与えるのではなく、魚の獲り方を教えて自立を施すの。」

 

雪乃の言葉で結衣は再び目を輝かせる。

 

結衣「な、なんかすごいね・・・」キラキラ

 

八幡「・・・で、俺は一体何をすればいいんだ?まさかこのままパイプ椅子に座って放置とかはないよな?」

 

雪乃「安心しなさい。貴方の役目は味見をして感想をしてくれればいいから」

 

八幡「・・・そうですか」ガタッ

 

すると八幡は椅子から立ち上がり家庭科室を出ようとした。しかし雪乃は八幡を引き留めようとする。

 

雪乃「!?比企谷君。何処に行くのかしら?勝手な行動は許さないわよ」

 

雪乃は真剣な眼差しで出ていく八幡を引き留めようとする、しかし八幡は振り向き雪乃に答える。

 

八幡「クッキー作るのに時間かかるだろ、その間にちょっと腹空かせに出てくるわ。直ぐに戻る。」

 

雪乃「・・・わかったわ。直ぐに戻るというなら引き留める気はないわ。」

 

八幡の行動に雪乃は引き留めるのを止め八幡を行かせようとする。

 

結衣「えっ!?雪ノ下さんいいの!?」

 

雪乃「ええ。正し暴力沙汰は起こさないこと。仮に相手が貴方に襲い掛かってきたとしても手を出さないようにして。これは部長命令よ・・・。」

 

八幡「・・・わかったわ」ガララッ

 

そういって八幡は雪乃の言う通りにし家庭科室を出て行った。

 

雪乃「さて、・・・そろそろ始めましょうか由比ヶ浜さん」

 

結衣「は、はいっ!」

 

そして雪乃と結衣の手作りクッキーの調理を始まりだす

 

 

 

 

 

* * *

 

 

 

 

 

総武高校 1階廊下

 

 

廊下を平然と歩く八幡は雪乃と結衣がクッキーを作っている間自ら腹を空かせに校内にて散歩を行っていた。

 

八幡(家庭科室を出たものの一体何をすればいいんだ?それに雪ノ下に喧嘩禁止と言われても流石に回避する事は出来ねぇからな。何時何処で起こるか分からないからないしな・・・。)コツコツ

 

そのまま廊下を歩いていたその時だった。何処からか大きな音が聞こえその直後に大声が響きだす。何やら怒鳴り声のようだ。

 

八幡(何だ?中庭の方からか?とりあえず行ってみよう。)

 

八幡は急いで中庭へと向かって廊下を走り出した。

 

 

 

総武高校 中庭

 

 

 

今から一分前。中庭にて体操着を着用してる一人の小柄な生徒が三人の不良に絡まれていた。

 

3年不良A「おいおいおい!どうしてくれんだぁ!!」

 

3年不良B「痛てぇよ~!!骨が折れたよ~!!」

 

一人の不良はしゃがみこんで自分の左肩を右手で抑えなていた。

 

小柄な生徒「ご、ごめんなさいっ!ぶつかってしまって!!」ペコペコ

 

小柄な生徒は頭を何度も下げながら不良達に謝り続ける、しかし小柄な生徒の謝罪に不良達には通じなかった。

 

3年不良C「謝ってすむ問題じゃねえぞコラァ!!コイツはプロバスケットボールの選手になるのが夢だったんだぞ!!」

 

3年不良B「うああああっ!!肩を持ってかれちまったぁ!も、もう駄目だぁああぁぁぁ!!」

 

3年不良A「おいっ!確りしろ!!」

 

小柄な生徒「ほ、本当にごめんなさいっ!!」ペコペコ

 

3年不良C「『女』だからって許せると思ったら大間違いだぞゴラァ!!」

 

一人の不良が小柄な生徒に殴りにかかる。その時だった殴りにかかった不良が何故か左方向にぶっ飛びだす。

 

3年不良C「げへぇ!?」ドサッ

 

3年不良A&B「えっ?」

 

小柄な生徒「・・・あれ?」

 

不良は頭を強く打ち意識を失う。小柄な生徒と二人の不良は右方向を見る。その乱入者の正体は腐った目をした『狼』と呼ばれた少年が彼等の目の前に立っていた

 

八幡「・・・駆けつけて来たら下級生相手に何手を出そうとしてんすか?先輩?」

 

3年不良A「な、何だてめぇは!?」

 

小柄な生徒「あのっ、助けて下さい!僕、先輩にぶつかって骨を折らせてしまって!!」

 

八幡「骨を折らせた?」チラッ

 

八幡は怪我をした不良を見る。しかし普通の人なら欺けるが『狼』と呼ばれた八幡には欺けられない。

 

3年不良B「な、何だよ!マジで左肩イっちまったんだぞ!!」

 

八幡「・・・下らねぇ猿芝居はここまでにした方がいいですよ先輩?」

 

3年不良A「はぁ!?何言ってんだおめぇ!?」

 

八幡「怪我をしたふりをして人の金を奪うなんて。外道のやることだぜ」

 

小柄な生徒「えっ?本当ですか先輩!?」

 

3年不良B「畜生、突然現れたお前のせいで計画が台無しだ!!」

 

3年不良A「只で帰れると思うなよ下級生が!!」

 

八幡「おいお前」

 

小柄な生徒「は、はい」

 

八幡「少し離れてろ、巻き添えを食らうぞ。」

 

小柄な生徒「わ、分かった。怪我をしないでね比企谷君!!」

 

八幡「おう」

 

八幡(あれ?アイツ何で俺の名前を知ってるんだ?)

 

小柄な生徒は八幡に離れ自動販売機の影で隠れて様子を見る。

 

3年不良A「俺ら3年に喧嘩売るとどうなるか思い知らせてやる!!」

 

 

 

 

 

VS 総武高校の不良 ×2

 

 

 

 

 

不良Aは八幡に向かって右ストレートを食らわせようとする。

 

3年不良A「オラァ!」ブンッ

 

対する八幡は不良Aの右ストレートを止め掴み不良Aの体ごと引っ張りだしその直後カウンターの左ストレートを不良Aの腹に放つ。

 

八幡「ふっ!」グイッ

 

3年不良A「うわああっ!!」

 

八幡「せいっ!!」シュッ

 

3年不良A「ぐはあっ!?」ドゴォ!!

 

不良Aは八幡の攻撃で腹の痛みを両手で抑えるが隙を見つけた八幡は回し蹴りを相手の頭に目掛けて放つ。

 

八幡「でやあっ!!」ブオンッ!!

 

3年不良A「がはああっ!!」ドサァッ

 

不良Aは八幡の回し蹴りで思いっきり吹っ飛び背中、頭の順に地面にうたれ白目を向けたまま気絶する。その光景を見た不良Bは制服のポケットからコンパクトナイフを手にし八幡に向かって力一杯連続で斬りつけようとする。

 

3年不良B「ひっ・・・ち、畜生っ!!」ブンッブンッ

 

しかし八幡は不良の攻撃を軽々と左右にまたはバックスウェイで回避をする。

 

3年不良B「ふざけやがって!死ねやぁぁぁ!!」ブンッ

 

不良Bの攻撃を八幡は回避した直後左足で不良Bのナイフを持ってる手に向かって蹴りを決め込む。

 

八幡「せいっ!」シュッ

 

3年不良B「うわああっ!」ガッ

 

手に持ったナイフが八幡の蹴りで吹っ飛び地面に落ちる。そして八幡は素早く動き不良Bの手首を掴みアームロックをかける。

 

八幡「フッ!はあッ!!」バッ ギュッ

 

3年不良B「がああああっ!?お、折れるぅ~~~っ!!」

 

八幡はこのまま不良Bの腕の間接を外そうとする。しかしその時だった。

 

小柄な生徒「待って比企谷君!これ以上は駄目だよ!!」

 

小柄な生徒が八幡のアームロックを止めさせようと説得する、八幡も自分のやっている状況に気付き直ぐ様にアームロックを解除し不良Bを解放する。すると不良Bは何故か八幡を見て怯え始めた。

 

不良B「ひ、比企谷だと!?ま、まさかオメエ・・・。」ガタガタ

 

八幡「ああ、総武高校一の嫌われ者、『狼』だ。」

 

不良B「ひいっ喧嘩売ってす、すいませんでしたぁああ~~っ!!」タタタッ!!

 

不良Bは仲間を置き去りにし校舎へと八幡に怯えながら逃げ出していった。

 

八幡「もう大丈夫だ。怪我はなかったか?」

 

小柄な生徒「うん、助けてくれてありがとう比企谷君。」

 

八幡「ああ、てか何で俺の名前知ってるんだ?」

 

戸塚「僕の事忘れたの?同じクラスでテニス部の戸塚彩加だよっ。」

 

八幡「あっ」

 

八幡(思い出した。確か俺と同じF組で何時も体操着を着用していたな。見た目は可愛い『女子』に見えるがコイツは、『男』だ。)

 

戸塚「覚えてたんだね!」

 

八幡「・・・クラスメイトだからな、一応。ところで戸塚は何でアイツらに絡まれてたんだ?」

 

戸塚「部室に向かう途中先生に呼ばれて急いで職員室に向かおうとしたら・・・。」

 

八幡「ぶつかったと。」

 

戸塚「うん。」ショボン

 

八幡(・・・よく見たら可愛いな、マジで癒される。)

 

戸塚「どうしたの?」

 

すると八幡は戸塚の声に気付き慌てる。

 

八幡「いや、何でもない?そろそろ俺も部活に戻らなきゃな。」

 

戸塚「あれ?比企谷君も部活に入ってるの?」

 

八幡「ああ、奉仕部っていって平塚先生が顧問してる部活だ。」

 

戸塚「奉仕部・・・。」

 

八幡「じゃあ戸塚、また今度ゆっくり話でもしようぜ!」

 

そういって八幡は戸塚と別れ家庭科室に向かって駆け走って行った。

 

戸塚「じゃあね比企谷君!」

 

 

 

 

 

* * *

 

 

 

 

 

時間を忘れ八幡は急いで廊下を走り家庭科室へと止まり息を切らしながら家庭科室の戸を開ける。そこには二人の美少女が仁王立ちして立っていた。

 

結衣「遅いよ!ヒッキー!!」プンスカ!

 

雪乃「一体何処へ道草食ってたのかしら、サボり谷君?」

ゴゴゴゴ

 

八幡「何処へって・・・。」

 

八幡は戸塚を3年の不良達から助けついでに喧嘩沙汰起こした何てこの二人には流石に言えないと自分は思い、雪乃と結衣には誤魔化そうとした。

 

八幡「あ~あれだ。戻ろうとしたら急に腹が痛くなってちょっとトイレに行ってたんだよ。」

 

八幡は慌てて腹を抑えながら二人に誤魔化しを放つ。雪乃と結衣は八幡に向け威圧的な目を放つ

 

雪乃「・・・・・・。」ジー

 

結衣「・・・・・・。」ジー

 

八幡(・・・ヤバい、駄目だったか!?)

 

雪乃「そう、次からは気を付けなさい。」

 

八幡「お、おう」ホッ

 

八幡(何とか助かった・・・。)

 

八幡「そういやあ、菓子作りの方はどうなんだ?順調か?」

 

雪乃「・・・見れば分かるわ。」チラッ

 

八幡「?」チラッ

 

八幡は雪乃の目線の方を見るテーブルには黒い塊らしき物体が皿に置かれていた。

 

八幡「・・・マジかよ」汗

 

すると雪乃が小さくため息をする。

 

雪乃「ハァ、理解できないわ・・・。貴女はどうやったらこんなミスを重ねる事が出来るのかしら・・・。」

 

八幡「ジョイフル本田で売ってる木炭見たいになってんぞ・・・。もはや味見するレベルじゃねえこれはもはや毒だ。」

 

結衣「どこが毒だし!」

 

すると結衣は黒焦げの手作りクッキーを一個取りじっと見つめる。

 

結衣「・・・毒、やっぱり毒かなあ・・・」

 

雪乃「死なないかしら」小言

 

八幡「知るか」小言

 

3人「「「・・・・・・」」」

 

すると雪乃が自分の両腕を組みながら考える。

 

雪乃「さて、どうすれば良くなるか考えましょう」

 

八幡「由比ヶ浜(コイツ)が二度と料理をしねえ事」キッパリ

 

結衣「それで解決しちゃうんだ!?」ガーン

 

そして結衣は二人の評価によってショックを受けガクリと落ち込みだす。

 

結衣「・・・やっぱりあたし料理に向いてないのかな、才能ってゆーの?そういうのないし。」

 

雪乃「・・・解決方法は努力あるのみよ。由比ヶ浜さ貴女才能がないって言ったわね?」

 

結衣「え?あ、うん・・・。」

 

雪乃「その認識を改めなさい、最低限の努力もしない人間には才能を羨む資格はないわ」

 

結衣「う・・・、で、でもさこういうの最近みんなやんないって言うし、やっぱりあたしこういうの合ってないんだよ・・・、へへ・・・。」

 

雪乃「・・・・・・由比ヶ浜さん。」

 

結衣「ほへ?」キョトン

 

雪乃「その周囲に合わせようとするのやめてくれないかしら、酷く不愉快だわ。自分の不器用さ無様さ愚かしさの遠困を他人に求めるなんて貴女は恥ずかしくないの?」

 

八幡(・・・雪ノ下の野郎、流石にそんな事言っちまったら由比ヶ浜マジで泣くぞ。)汗

 

そういって雪乃はボウルと手作りクッキーの調理に戻り。頭を下げた結衣はプルプルと震えだす。そして結衣の震えながら雪乃に話す。

 

結衣「・・・か、かっこいい」プルプル

 

雪乃「は?」

 

すると結衣は目をキラキラと光らせる。

 

結衣「建前とか全然言わないんだ・・・。なんていうかかっこいい・・・。」キラキラ

 

雪乃「な、何を言ってるのかしら?」

 

結衣「言葉は酷かったしぶっちゃけ軽く引いたけどでも本音って感じがするの、あたし人に合わせてばっかだったからこういうの初めてで。だから雪ノ下さん、ごめん!次はちゃんとやる、だからお願いします!」バッ

 

雪乃「え、あ、ええ。」ポカン

 

結衣は真剣な眼で必死に頭を下げ雪乃に協力をお願いする。結衣の行動に驚きを隠せなかった雪乃は何故か承諾する。

 

八幡(恐らく雪ノ下にとって初めての経験だろう。正論をぶつけてちゃんと謝ってくる人間は案外少ない、たいていなら真っ赤にして怒るところだな)

 

八幡「・・・正しいやり方教え方やれよ。」

 

雪乃「そ、そうね・・・。一度お手本に作って見せるからその通りにやってみて」

 

結衣「うん!」

 

結衣はやる気を取り戻し雪乃の手本通り付きの手作りクッキーの調理を再び行った。

 

八幡(・・・あとは由比ヶ浜次第だな。)

 

八幡は何気にパイプ椅子に座り込み二人の様子を見届ける。

 

 

 

 

 

* * *

 

 

 

 

 

時刻は午後17時半過ぎ、千葉の空は既に夕陽によって輝いていた。総武高校の校内では生徒達は部活を終えミーティングと帰宅準備に取りかかり続々と帰宅していく。一方の奉仕部の二人と依頼主の女子生徒の三人、テーブルには失敗したクッキーの試作品の置かれた皿が七枚うち一皿は雪乃がお手本に作った物でうち五皿は結衣が失敗した黒焦げの失敗品が置かれていた。八幡と雪乃は結衣の作った最後の一皿の手作りクッキーを一枚掴み食べ始める。

 

八幡「・・・」モグモグ

 

雪乃「・・・」モグモグ

 

結衣「ど、どうかな?」ドキドキ

 

雪乃「・・・ギリギリだけど。合格ね。」

 

八幡「少し焦げてるが、まあ・・・悪くねぇぞ。」

 

結衣「ほ、本当に!やったーーっ!!」ピョンピョン

 

二人の感想に結衣は心の底からジャンプしながら喜びだす。結衣のジャンプする光景に雪乃は微笑みだす。

 

雪乃「・・・フフッ」ニコッ

 

八幡「ん?笑うんだな、お前も」

 

雪乃「なっ、当たり前でしょ!」カッ

 

結衣「雪ノ下さん、今日は本当にありがとう!あとヒッキーも!」

 

八幡「俺はついでかよ・・・。」

 

雪乃「それで由比ヶ浜さん、その手作りのお菓子をどうするのかしら?」

 

雪乃は結衣にその手作りクッキーの入った包み紙を見て質問する、すると結衣は顔を真っ赤にして片手で顔を隠しだした。

 

結衣「えっ!?そ、それはその・・・。」

 

雪乃「もしかして。・・・『誰か』に渡すのかしら?」

 

結衣「えっ!?えっと、その・・・。内緒です。」アワアワ

 

雪乃「・・・まあいいわ、これで私達のサポートは終了よ。あとは自分で頑張りなさい。」

 

結衣「うん、私自分のやり方でやってみるよ!ありがとう雪ノ下さんっ!あとヒッキーも!」

 

八幡「お、おう、頑張れよ。」

 

雪乃「・・・・・・」

 

 

 

 

 

* * *

 

 

 

 

 

総武高校 校門前

時刻は夜の18時過ぎ、空の景色は既に真っ暗闇に染まっていた。校門前には八幡と雪乃が並んで今日の事を話し合っていた。

 

雪乃「本当に良かったのかしらね今日の由比ヶ浜さんの依頼。」

 

八幡「何だよ急に。」

 

雪乃「やっぱり私は自分を高められるなら限界まで挑戦すべきだと思うの、それが最終的に由比ヶ浜さんの為になるから。」

 

八幡「まぁ一応正論だな。努力は自分を裏切らねぇ。だが夢を裏切る事はあるがな。」

 

雪乃「・・・何が違うの?」

 

八幡「努力しても夢が叶うとは限らねぇだろ、むしろ叶わない方が多い、けどな頑張った事実がありゃ慰めにはなるがな。」

 

雪乃「あんなのは只の自己満足よ、貴方って本当に甘いわね、気持ち悪い。」

 

八幡「お前含めて社会が俺に厳しいんでよ、こう見えて不良のレッテルを貼られてるからな。まあせめて俺くらいは自分に優しくしようと思ってるだけだ。」

 

雪乃「・・・。」

 

八幡「そろそろ俺も帰るわ、これ以上は暗くなるからよ」

 

八幡は雪乃と別れようと自宅へ帰ろうとするが雪乃が八幡の制服の袖を掴み八幡を引き留める。

 

八幡「・・・何の真似だ?」

 

雪乃「比企谷君、貴女に『お願い』があるの・・・。」

 

八幡「『お願い』?何をお願いするんだ?」

 

雪乃「・・・私と一緒に帰ってくれないかしら」

 

八幡「何故俺がお前と一緒に帰らなきゃならないんだ。」

 

雪乃「最近この通学路辺りで『通り魔』が出るの。喧嘩ばかりしてる貴方にボディーガードをしてほしいの。」

 

八幡「『通り魔』・・・。」

 

すると八幡は『通り魔』と聴いて以前八幡に襲い掛かった謎の般若の面を付けた事を思い出す。

 

八幡(もしかしてと思うがこの前俺を襲って来たあの般若面の男かもしれねぇな。雪ノ下が襲い掛かってくる可能性も無いわけじゃない。)

 

雪乃「どうしたの比企谷君?」

 

八幡「・・・わかった。正し今回だけだ。次はないぞ。」

 

雪乃「・・・わかったわ。それじゃあ自宅まで一緒にお願いするわ。」

 

そういって八幡は雪乃を護りながら彼女の自宅まで警護しながら歩きだす。歩き出してまだ二分も経ってない八幡と雪乃は無言のまま歩いていた。すると先に雪乃が八幡に話しかけだす。

 

雪乃「ところでその右腕の袖のとこ血で汚れてるけど」

 

八幡「ああこれか?ちょっと人助けをしただけだ。別に喧嘩なんかはしていねぇ」

 

雪乃「どうみても私には喧嘩でやった相手の返り血にしか見えないけど。」ギロッ

 

雪乃が冷たい目で八幡を睨み付ける。

 

八幡「ハァ・・・。何時から気付いてたんだよ。」

 

雪乃「貴方が家庭科室に戻って来たところからよ。正直胃が痛くなるわ」

 

八幡「それは悪かったな」

 

雪乃「・・・まあどちらにしても貴方を更生させるのにも時間の問題かしらね。」

 

八幡「・・・そうだな。」

 

雪乃「見えたわ。」

 

雪乃が茶色の七階建てのビルに指を差す。八幡は雪乃を連れマンションの入り口に早歩きで向かい八幡は顔を上を上げマンションを見る。

 

八幡「ここって確か、駅前通りにあった高級マンションだったな。」

 

雪乃「ええ、私はそこで一人で暮らしてるの」

 

八幡「一人?家族とかは?」

 

雪乃「両親とは事情があってね、でもときどき姉が私の様子を見に来るの、私は苦手だけど妹思いのね・・・。」

 

八幡「そうか。じゃあそろそろ帰るわ。家に妹が待ってるからよ」

 

雪乃「ええ、じゃあね。見送りありがとう。」

 

雪乃は八幡に手を振り八幡と別れようとマンションに入ろうとしたその時マンションの目の前の車道から二台の黒いワンボックスカーが突然と止まりだす。

 

八幡「・・・何だ?」

 

二台の黒いワンボックスカーから十人の男達が降りてくる。男達の服装は皆コスプレに近い黒い制服を着用していた。他にも中には腰に刀の様な武器や警棒を仕舞ってる者もいる。すると黒服の男の一人が何故か雪乃に話し掛け始める。

 

黒服の男「失礼ながら。雪ノ下雪乃さんですね、・・・『雪ノ下グループ』第二御令嬢の?」

 

雪乃「・・・確かにそうですが。失礼ですがどちら様で?」

 

黒服の男「申し遅れました。私達は武装自警機関『鉄の機兵団拾番隊』の者です。貴女を保護せよと隊長の命により御迎えに参りました。」

 

雪乃「鉄の機兵団・・・。」

 

八幡「・・・・・・。」

 

突如雪乃の別れがてらに現れた武装自警機関と呼ばれる謎の組織『鉄の機兵団』、しかしこの出来事は突如修羅場になることを・・・。そしてこれが比企谷八幡の『命』を賭けた『戦い』の幕開けという事をまだ知るよしもなかった・・・。

 

 

 

 

 

続く




次回、雪乃に魔の手が迫る!そして八幡は・・・。
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