ファイナルファンタジークリスタルクロニクル~悲恋~ 作:雪高
「相変わらず、嫌なところだな…」
ム・ジカはティダの村の至るとこにある蜘蛛の巣を見ながら言った。
ここは昔、クリスタルキャラバンが帰還せず。
クリスタルの輝きも失い、住人はそのまま屍となってしまった村。
手入れはされていないのも当然だが、来る者を嫌な気分にさせるのも変わらないところだった。
「本当にセシルさんと、ティパさんがいるのかな?」
クレアは首を傾げながら言った。
「…やはり見間違いではないでしょうか。ここに来れるなんてありえないです」
シーベークは「そうに違いない」と否定していた。
シーベークも嫌な予感がしており、それを否定したいからこそ、そんな事を言ってる。
私はそう思っていた。
「ここにいないならそれでいいの…いないなら…」
私はあの手紙のせいだと、手紙を見せた私のせいだと、ずっと思っていた。
ティダの村のあらゆる場所を探した。
モンスターがいつも以上に出現しており、探索するのが不可能に近い状態似も感じた。
誰かが私達が行くのを阻んでいるようにも感じた。
「…やっぱり、誰もいねえな」
ム・ジカはゲージを持ちながら、辺りを見ながら言った。
「ここにいたら、すぐにわかるもんね。エリン。きっと気のせいだよ。ラシェさん達にもそう言おう」
クレアは暗い顔をした私を慰めるように言ってくれた。
しかし、私にはどうしてか。不安が消えなかった。
「シーベーク。やっぱりただの噂だったのかな。でもラシェさんが言ったから、私は2人が生存者だって事は嘘じゃないと思うんだ…」
私はシーベークなら否定してくれるだろうと思って訊いてみた。
…?しかし、シーベークはなぜか、ティダの村の中央広場に生えてる木を見つめていた。
「シーベーク?」
「おい?シーベーク!」
クレアとム・ジカも気になって、シーベークに訊いた。
シーベークはやはり木を見つめていた。
「…帰りましょう…」
「は?」
突然暗い声になったシーベークを不思議に思ったム・ジカが言った。
「帰りましょうと言ったんです…やはりいなかったみたいですよ、ここには」
「なんでよ?シーベークらしくないよ?確証もないのにそんな事言うなんて」
クレアはシーベークらしくない発言に疑問を思っていた。
「シーベーク…さっきからなんで木なんて…」
「ダメです!見てはー」
シーベークが止めようとした瞬間。
私は見つけた…2人の…セシルさんとティパさんの…。
「……」
私は木の近くまで走った。
ム・ジカ達もすぐに私の後を追ってくるかのようについてきた。
シーベークは顔をうつむいたまま、ついてきた。
ティダの村の中央広場にある不思議な木。
私はこの木の近くでボロボロの手紙を拾ったんだ。
「…」
木の近くには2つの遺体があった。
もう息がない…当然だ。瘴気に冒されて生きられる人なんていないからだ…。
「おい…」
ム・ジカは呆然としている私を見ながら、その遺体を見た。
「……うそ……」
クレアは泣きそうな顔で困惑していた。
「…エリン。貴方のせいじゃないですよ…これは貴方のせいじゃない」
「…私のせいだよ…こんなの!私のせいだ!」
私はその遺体に泣きじゃくった。
もう息をしていない。
いつもお茶目でスケベだったセシルさんと、陽気な笑顔を見せてくれたティパさんを、いつまでもゆすっていた。
これは夢だ。そう思いながら…。
「ごめんなさい…!」
私はいつまでも泣いていた。
皆が言葉が聞こえても、取り返しがつかない事をしてしまった事を、いつまでも嘆いていた。
「…手紙ですね、これ」
シーベークは泣いてる私を起こしながら、セシルさんが握っていた手紙を見た。
「…」
「なんだって…?」
ム・ジカは私を支えながら、シーベークに訊いた。
『私たちは、ながいときをえて、ついにいっしょになります
もう、だれにもじゃまされることなく、えいえんに・・・』
シーベークが手紙を読み終えた。
私は目の前が真っ暗になった…何も嘘だと思うように…。