城下町の錬金術士   作:北方守護

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第11話 真相と成長

櫻田家に新たな家族(ボルシチ)が出来てから数日経った日の夜……

 

「ん……なーに?……」

寝ていた茜の所にボルシチが来て餌をねだっていた。

 

「もーう……分かったから、ちょっと待ってて……」

茜はパジャマの上から上着を羽織るとボルシチの餌がある所に向かったが……

 

「あれー?まだ残ってるじゃなーい……ちゃんと食べないと駄目だよー」

 

「んー?どうしたんだ茜、こんな時間に」

茜がボルシチに餌をあげていると武昭が来た。

 

「私はボルシチに起こされたんだよ……それよりも武昭はどうしたの?」

 

「あぁ、俺はちょっとやる事があってな……って、おい茜、ボルシチの奴が」

茜が武昭の指差した方を見るとゴミ箱からはみ出ているビニール袋を噛んでいた。

 

「コラッ!ボルシチの餌はこっちでしょ?」

茜がボルシチをビニールから離して餌の所に放すがソッポを向いていた。

 

「うーん……どうして食べないんだろう……」

 

「明日にでも栞の能力で理由を聞いてみた方が良いぞ、今夜はとりあえず寝た方が良いぞ」

 

「そうした方が良いね……じゃあおやすみ……」

茜が部屋に行くとボルシチも眠りにつき武昭も部屋に戻った。

 

 

次の日の朝、武昭の膝の上に乗った栞がボルシチと話していた。

 

〔街を歩いていた我を受け入れて頂いて感謝はしている……

だが、王族と聞いていたのに、その辺りの家庭と変わらぬ食事だとは……〕

 

「栞……もう良いよ……(これ以上は栞に喋らせられないな……〕」

武昭が言うと栞はボルシチとの話を終えた。

 

一方、話を終えたボルシチは仰向けで寝ていた茜の胸の上に乗って来た。

 

「そう言えば、ボルシチって茜ちゃんの上によくいるよね」

 

「それは、そうよ私が餌をあげてるんだから」

 

「いや茜の体からなだらかだからヘブッ!?」

茜の言葉に意見した修は茜が投げたクッションが顔に当たって倒れた。

 

「全く、修兄は……女性にそんな事を言ったらダメだよ……

幾ら家族でも親しき仲にも礼儀ありだし……」

 

「じゃあボルシチー!私の所にも来てよー!!」

光が空いてるソファーに仰向けになるとボルシチを自分の上に来る様に促したが……

 

「あれー?……すぐに降りちゃったー」

 

「どうやら光よりも茜の方が真っ平らフゴッ!?

起き上がった修は再度茜から湯呑みを投げられ倒れた。

 

「ま、まさか……こんなに早く抜かされるなんて……」

 

「茜ちゃん……恥ずかしいからやめて……」

光は茜に胸を触られて照れていた。

 

「コラコラ、幾ら姉でも妹の胸を触るな……」

 

「けど、このままなら私が家族で一番胸が大きくなるかも?」

 

「はぁ?何を言ってるのよ光 オッパイは形が大事なの」

武昭が窘めてると光と奏が言い合いを始めた。

 

「2人して何を言ってるんだ……」

 

「えー!前に修ちゃんが大きさだって言ってたもん!!」

 

「言ってねぇ!俺が言ったのは感グハッ!

「お前は妹に何を言ってるんだ?」

武昭は変な事を言った修を殴って気絶させた。

 

「ねぇ!茜ちゃんは、どう……ゴメン……」

 

「ちょっと謝らないでよ!?」

 

「本当にゴメン……」

 

「やめてよ……」

光は茜に振った事を後悔しながら謝罪していた。

 

「じゃあ、アキちゃんはどう思うの?」

 

「ブッ!?いきなりコッチに振るなよ!光!!」

武昭はお茶を吹き出して戸惑っていた。

 

「そう言う事なら私も気になるわねぇ?」

 

「奏姉!?弟になんて事を聞くんだよ!!」

 

「だったら私も聞きたいかな?」

 

「うわっ!岬!?いつの間に!!」

武昭は後ろに岬がいた事に驚いていた。

 

「うーん ついさっきかな?それでアキ兄は私達の中で誰の胸が好みなの?」

 

「ハァ……あのな俺は、そんな外見とかで女性を選ぶ事はしないぞ……」

 

「なら武昭は何で女性を選ぶのかしら?」

 

「そうだなぁ……ってなんで俺がこんな事言わなきゃならないの!?ここにいたら変な事を聞かれそうだから部屋に戻るから!」

武昭は、そう言うと自分の部屋に行った。

 

 

 

自室に戻った武昭はベッドに横になって自分の()()を見ていた。

 

「こんな体の俺が誰かを好きになって良いのか?……なぁ()()()()()

武昭は自分が以前生きていた世界で仲が良かった人物の事を思い出していた。

 

 

 

 


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