南洋海戦物語〜人類の勇戦譚〜   作:イカ大王

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遅くなってしまいましたが、一応、考えていた設定を書きました。

何か分からない事や、意見などがあれば遠慮なくどうぞ‼︎


第一章 フィリピン攻防戦
世界設定・登場架空兵器設定【甲】(第一章〜)


〈主要登場人物〉

 

・風巻 康夫 (かざまき やすお)

 

役職は連合艦隊首席参謀〜統合太平洋艦隊首席参謀。海軍大佐。

前任の黒島が不慮の事故によって死亡したため、その代替として連合艦隊参謀を拝命。明晰な頭脳を駆使して作戦立案などに貢献しており、堪能な英語を買われて米英軍との調整でも活躍している。

後方では見えないものもある、として場合によっては最前線に立つ行動力も持っており、第二次ルソン島沖海戦では「金剛」に乗艦して第二艦隊司令部と行動を共にした。

1942年以降は人類統合軍に参加しており、日本軍人代表の一人として統合太平洋艦隊司令部の幕僚を務めている。

妻の風巻紗江子、娘の風巻涼がいる。

 

 

・寺崎 文雄 (てらさき ふみお)

 

役職は「足柄」砲術長〜「日向」砲術長。海軍中佐。

少尉候補生から砲術を専攻した根っからの「大砲屋」であり、「足柄」砲術長時代には日本海軍が深海棲艦と始めて戦った第一次ルソン島沖海戦を、「日向」砲術長を拝命してからは日深の主力戦艦部隊が激突した西部太平洋海戦を戦い抜いた。

夜間に初弾命中を成し遂げるなど優秀な砲術長であり、日夜「日向」砲術長として訓練に励んでいる。

第一次ルソン島沖海戦で右目に破片を受け、失明。黒い眼帯を装着している。

 

・高嶋 稔 (たかしま みのる)

 

役職は高雄航空隊飛行隊長〜第七五三航空隊飛行隊長。海軍少佐(のちに中佐)

日本海軍の陸上攻撃機部隊の現場指揮官。第一次ルソン島海戦、敵レーダー破壊作戦、フィリピン航空撃滅戦を生き残り、勝利に貢献した。その功績が認められて日本海軍初の「陣山」装備航空隊の飛行隊長となる。

中佐になってからも操縦桿を握り続けており、部下からの信頼は厚い。高知県出身。

 

 

 

 

 

 

 

ー世界設定(情勢)ー

 

1931年、関東軍が画策した満州事変は、ソ連の軍事介入により失敗した。

ソ連は「日本の満州侵略の阻止」を名目に満州、及び中国に侵攻。

ソ連軍は日本陸軍よりも近代化が進んでおり、関東軍は二週間ほどの戦闘で南満州に追い落とされてしまう。

大本営は日本陸軍の内部告発により、満州事変は関東軍の自作自演という事を掴んでおり、日本陸軍は国内、特に海軍から強烈な批判を浴びる事となった。

 

これにより陸軍の発言力が低下。

 

さらに満州事変後、ソ連は日米英仏の勧告を無視し、北満州、中国北東部に軍を置き続けた。これによりソ連の極東における支配地域が拡大していき、日本はソ連への警戒を強めていく。

 

 

日本は共にソ連を牽制できる同盟国が必要となる。

当時、ソ連と関係が悪化していた国はヒトラー率いるナチスドイツとアメリカ合衆国。

アメリカは英仏と足並みを揃え、ソ連の北満州及び中国北東部進駐を批判していた。

日本政府や軍内部では親ドイツ派と親アメリカ派に別れ、激しい議論が続けられる。

 

その最中、重大なニュースが日本を揺るがした。

 

 

ヒトラーの死。

 

 

ナチスドイツのアドルフ・ヒトラー総統がユダヤ人権団体の過激派に銃撃され、ベルリン駅で凶弾に倒れたのだ。

 

親ドイツ派の人達はヒトラーの狂気に犯されていたのかもしれない。

ヒトラー死亡のニュースが入るや、勢いが衰え、親アメリカ派に乗り移る人が続出した。

 

それにより、日本はソ連を牽制するため、1939年にアメリカと日米防共協定を締結。イギリスとも日英防共協定を結んだ。

 

一方、ドイツは総統にルドルフ・ヘスが就任し、ヒトラー政権と異なり、周辺各国に対して緩和政策を打ち出す事となる。

 

 

 

 

ー架空兵器ー

 

「一〇〇式中戦車 乙型」(日本製 III号戦車J型)

 

全長 6.4m

全幅 5.6m

兵装

50mm KwK 39 L/60×1

7.7mm機銃×2

最大装甲 57mm

最大速度 40km/h

乗員 5名

 

 

満州事変によって、ソ連の支配地域を増加させてしまった日本陸軍は政府内での発言力が大幅に低下した。それにより、陸軍の予算が議会を通りにくくなり、新型戦車の開発が事実上頓挫してしまう。

そんな中、1939年、ソ連領北満州と日本領南満州の国境付近で日ソの武力衝突が発生。

最初は歩兵同士の小競り合いだったが、双方が戦車を中心とする地上部隊を派遣した事から、紛争は急速に拡大した。

この紛争で、日本陸軍の主力戦車だった八九式中戦車はソビエト陸軍のBT7やT46などの戦車と対決したが、結果は惨敗。

南満州軍の第二十六師団は死体の山を築く事となってしまう。

この武力衝突は日ソ政府によって政治的決着が付けられたが、日本陸軍はこの事を重大視し、新型戦車開発の予算案を議会に提出する。

しかし、陸軍よりも海軍が優先され、予算が下りない。

これにより、日本陸軍は自国の主力戦車に他国戦車を使用する事を決定。それにより、当時、軍備拡張を実施していたドイツ陸軍のIII号戦車が日本陸軍関係者の目に止まった。

陸軍省は外務省を通じてドイツと交渉。III号戦車J型を一〇〇式中戦車として正式採用する事に成功する。

国産化に際し、乙型は日本でも整備し易い空冷ディーゼルに換装するなどと設計変更が行われており、日本陸軍主力戦車としての地位を確立した。

さらに、ルソン島のアメリカ極東軍への増援として派遣される。という情報もあり、深海棲艦地上軍相手の戦闘にも期待が寄せられている。

 

 

 

 

「翔鶴型正規空母」

 

全長 257.5m

全幅 26.0m

基準排水量 25,675トン

出力 160,000馬力

速力 34.2ノット

兵装

12.7cm40口径連装高角砲 8基16門

25mm3連装機銃 12基 同連装機銃 7基 50門

航空兵装 常用72機/補用12機

同型艦 「翔鶴」「瑞鶴」「蒼鶴」「海鶴」

乗組員 1,678名

 

「蒼鶴」「海鶴」は建造中。

 

(この二隻は若干の設計変更により、海外製の対空火器を搭載する可能性あり)

 

翔鶴型空母はマル3計画で建造中、又は訓練中の攻撃型正規空母である。

当初の計画では、建造されるのは「翔鶴」「瑞鶴」の二隻のみだったが、陸軍の満州事変失敗による発言力の低下で、海軍予算が増額し、更に二隻が追加建造される事となった。

ロンドン海軍軍縮条約の期限後に設計されたため、「加賀」や「飛龍」の運用、建造実績を元にバランスの取れた空母となり、「日本海軍最良の空母」とまで言われている。

深海棲艦が空母を保有している情報は入ってきていないが、航空攻撃の機動力、打撃力は今後の飛行場姫制圧などでも役立つとされており、用兵側からは一刻も早い戦力化が望まれている。

 

 

 

「利根型軽巡洋艦」

 

全長 198.0m

全幅 19.4m

基準排水量 13,320トン

出力 152,000馬力

速力 35.0ノット

兵装

15.5cm60口径3連装砲 4基 12門

12.7cm40口径連装高角砲 4基 8門

25mm3連装機銃 10基 30門

61cm3連装魚雷発射管 4基 12門

同型艦「利根」「筑摩」「五ヶ瀬」「天塩」

乗組員 874名

 

 

 

利根型は機動部隊の索敵を補う目的で建造された大型軽巡洋艦である。6機の水上機を載せる事ができ、4基の15.5cm3連装砲は全て前部に搭載する、という特異な配置を採用している。

この巡洋艦も、翔鶴型空母と同じ理由で二隻追加建造されており、合計四隻が日本海軍に配備されている。

当初は軽巡として建造した後、20.3cm連装砲に換装し、重巡となるはずだったが、仮想敵であったアメリカが日米防共協定締結によって友好国になった事や、20.3cm連装砲より15.5cm3連装砲の方が発射弾数と速射力が勝っており、換装する必要はない。という意見が艦政本部に出たため、軽巡洋艦となっている。

 

 

 

 

「古鷹・青葉型防空巡洋艦」(現在改装中)

 

全長 185.2m

全幅 17.6m

基準排水量 8,620トン

出力 102,000馬力

速力 33.4ノット

兵装

10cm65口径連装高角砲(長10cm砲) 6基 12門

ボフォース40mm4連装機関砲 7基 28門

25mm3連装機銃 4基 12門

同型艦 「古鷹」「加古」・「青葉」「衣笠」

乗組員 686名

 

(現在改装中のため、兵装などで変更の可能性あり)

 

 

日米防共協定締結以来、米国との軍事交流は続いている。

そんな中、艦政本部はアトランタ級軽巡洋艦の設計思想に衝撃を受けた。同巡洋艦は12.7cm連装両用砲、対空機銃を所狭しに積んだ防空巡洋艦とも言える艦で、近年、性能の向上が著しい航空機から艦隊を守る役割を担っている。

艦政本部は「古鷹」「青葉」型重巡を防空巡洋艦に改装する事を決定するが、深海棲艦との大規模戦闘行動が始まっていまい、改装のタイミングを失ってしまう。

だが、ルソン島沖海戦で四隻は大破(五話参照)

ドックでの修理と並行して防空巡洋艦への改装が開始される。

艦首に一本づつ魚雷を喰らった「青葉」「衣笠」は、9月頃に修理と改装を終了できるが、多数の敵弾が命中し、上部構造物の殆どを破壊された「古鷹」「加古」は来年までかかる見通しである。

四隻とも、改装が終了したら空母機動部隊に配備される予定で、艦隊防空の要となる事を期待されている。

 

 

 

 

 

 




架空兵器は増える予定です。

随時説明します。

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