もし俺がTSしたらとか…って本当に女になった⁉︎(亀更新)   作:ヤマニン

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皆様、遅くなってしまいすいませんでした!




第8話 まさかの初恋は私!?…ではなく、男の方でした。

最香side

 

教室に戻ってきたわたしたちは大崎先生が教室に来るまで2人で喋っていた。主な内容はわたし…というか”最人”についてだった。…うん、いやね気まずい。なにが気まずいって自分のことを視点を変えて話さないといけないというのがキツイのよね〜。

 

雫「最人くんってどんな食べ物が好きだった?」

 

ちなみになんで雫ちゃんが最人を名前呼びしてるかはわたしと最人とこんがらがるので分かりやすいようにわたしが名前呼びにさせました。ハイ…わたしがこんがらがるのですよ。

 

最「う〜ん、お兄ちゃんの好きな食べ物か…。エビフライが好物だったような…」

 

エビフライ…めっちゃ好物です。いまにでも食べたい。でもこの体になってからは男の時に比べてたくさんは食べれなくなったんだよな…しかも甘いものを食べるときは凄く美味しく感じる。

 

雫「エビフライか〜。ふふっ、なんだか意外だな〜」

 

最「子供っぽいかな?本人は別に気にしてなさそうだったけどね」

 

いや、内心はめっさ気にしてますけどね。しかしわたしの予想を裏切るかのように雫ちゃんは首を横に振った。

 

雫「いや違うよ。それに人の好物でとやかく言うつもりはないよ」

 

あ〜ほんとにええ子や〜。これが庄司や司なら確実に笑われたところだろう。

 

最「そういえば、なんでお兄ちゃんのことを聞いてきたの?」

 

わたしがそんな質問をすると、雫ちゃんは密かに頰を少しだけ赤くした。ん?なんでそこで赤くなるの?まさか…

 

雫「そ、それは…」

 

最「うん。それは…?」

 

雫「な、内緒にしといてくれる?」

 

もちろん。誰にも話さないつもりだ。そういう意思を込めてコクンと頷く。

 

雫「えっとね…実は私、最人くんのことが好き…だったの」

 

… まじで?”俺”のことを雫ちゃんは好きだった…。…ん?“だった”…?

 

最「だったってどいうこと?えっ?お兄ちゃんのことが好きだったの?」

 

雫「う、うん。あ、あんまり何回も繰り返さないで…恥ずかしいから」

 

最「あっ…ごめんね。それで好きだったとは?」

 

雫「うん…私ね、最人くんが高橋くんや古川くんたちと楽しそうに会話してるところを見るのが好きだったの。そうやって見てると最人くんの顔を見るたびに胸がドキドキしてきたの。最人くんの笑顔を見るとそれが一層強くなった。そして分かったの、これは恋なんだって」

 

最「……」

 

やばい…この子の話めっさ感動する。でも雰囲気悪くするけど先に謝っておくね、ごめんなさい。本人があなたの目の前にいます。でも雫ちゃん、結構かわいいから告白されたら即OKよ?ヘタレて断る可能性もあるけど。どちらかというとそっちの可能性の方が高い気がする…しまった!これでは自分がヘタレと認めている⁉︎…まあ、実際告白されても対応に困るのは本当だけどね。おっと、脱線した。今は雫ちゃんの話を聞こう。

 

雫「でも、私は最人くんから見たらただのクラスメイト…私が告白して断られたらって考えたら怖くてなかなか切り出せなかったの」

 

最「……」

 

あれ?この流れって…

 

雫「そして今日、始業式が終わったら最人くんに告白するって決めてたの。そしたら…」

 

最「その告白をする前にお兄ちゃんはお父さんの手伝いでどこかに行ってしまった…」

 

コクンと雫ちゃんは小さく頷いた。その肩は小さく小刻みに震えていた。もしかして泣いてる…?

 

最「し、雫ちゃん。大丈夫?」

 

雫「うん…あれ?おかしいな…もう諦めたはずなのに涙が出ちゃうよ…。うぅ…」

 

周りが騒然としているなか雫ちゃんは静かに泣いた。それは愛おしき人との別れを確かめるように一粒一粒の涙にはたくさんの感情が入っている…そんな感じがした。

 

最「……」

 

そんな雫ちゃんにわたしはなにも声を掛けれなかった。まず、ここで声を掛けるのはお門違いだろう。確かにわたしは御風 最人であり御風 最香でもあるのだから…どちらかといえば最香なのだろう。そんな自分の存在自体があやふやな奴がこんなに悲しんでる女の子に声を掛けるなど到底できるはずがなかった。

 

最「……!」

 

ふと庄司たちの方を見るとこちらをジッと見ていた。その目線には若干の怒気が含まれていた。ん?なんかアイコンタクトとばしてきてる…なになに?

 

庄(なに女の子泣かしてんだ!はやくなんとかしろ!)

 

…いやいや、そのなんとかに困ってるから話しかけられないんだよ。ヘタレですから…。でも…こんなヘタレなわたしでも目の前の女の子を助けたい。泣かした原因は”俺”にあるけど、今は”私”なんだ!

 

最「雫ちゃん、大丈夫だよ」

 

雫「グスッ…うん」

 

最「だってお兄ちゃんがこんなに可愛い子をほっとくはずかないもん。必ず迎えにきてくれるよ」

 

それは悲しい嘘。それは誰かを傷つける嘘。そんなの分かってる…だけど今はそんな嘘でもこの女の子を助けたい!

 

最「だから諦めなくてもいいんだよ。だって私がいるんだもん、いつでもとはいかないけどお兄ちゃんとは連絡取れるよ…」

 

雫「さ、最香ちゃん〜。ありがとう…そっか私…諦めなくていいんだ」

 

最「そうだよ、恋は女の子の特権なんだから」

 

雫「ぷっ…おもしろいこというね、最香ちゃん。そっか恋の特権かぁ…」

 

よかった…やっと笑ってくれた。ていうか確かに恋が女の子の特権っておかしいよね。なら男子にも言えることだけど…ほら、恋は男の子の特権だよね☆…とかいうの合わなくない?うん…正直言ってキモいよね。

 

雫「さ、そろそろ大崎先生も来るだろうし席に着いておこうか」

 

最「うん、庄司くんたちもなんかこっちに手を振ってるからそろそろ行くね」

 

雫「おーけーだよ。あっ!それと放課後の町案内…楽しみにしててね」

 

最「うん!楽しみにしてるね」

 

こうして雫ちゃんの恋はまだまだ続くのであった。まる。なんてね…

 

閑話休題……

 

自分の席に戻ったわたしは庄司と司にさきほどあったことを軽く説明した。

 

庄「そうか…椎葉さんが最人のことを好きだったとは…」

 

司「確かに言われてみれば時々視線を感じると思ったが、それは椎葉が俺たち…まあ 主に最人を見ていたからなんだな」

 

最「…正直驚いたよ。まさか、雫ちゃんがお兄ちゃんのことを好きだったなんてね」

 

庄「ぷっ。お前、自分で”お兄ちゃん”とか言っちゃうのかよw」

 

最「…演技だよ、え・ん・ぎ!私だって自分のこと”お兄ちゃん”って言うのは正直どうかと思うけどね。そこは我慢しないと」

 

庄「まあ、椎葉さんが最人のことを好きだったっていうのは正直なところ驚いたが人はそれぞれだしな。しかし…お前」

 

最「うん?なに?」

 

なんか庄司がわたしのことをニヤけた目で見てくるんだけど…

 

庄「いや〜惜しいことしたなって。だって考えてみろよ、椎葉さんみたいな美少女が最人のことを好いてたんだろ?お前、どんだけのチャンスを逃してんだよ」

 

確かに今になって考えてみれば惜しいことをした。

 

最「仕方ないじゃん。その時は全然そのことに気づかなかったんだもん」

 

司「例えその好意に気づけたとしても最人はヘタレだからな。どうせ告白は向こうからだろうな」

 

最「ぐぬぬ。言ってることはひどいけどおそらくその通りになってしまうと自分でも分かってしまうこの悲しさ…」

 

あれ…?なんだろ…目頭が熱く…べ、べつに泣いてなんかないんだからね!

そんな他愛もない話しをしてると教室の扉がガラガラと開いた。そこから入って来たのは我らが担任、大崎先生だった。

 

大「よぉ〜しお前ら、席につけ。出席とってからHRを始めるぞ」

 

「「「う〜す」」」

 

クラスの男子数名が力が抜けそうな返事をし、各々席に着く。

 

大「今、間抜けな返事をしたバカ3人…教材を運ぶのをあとで手伝え」

 

「ええ〜」

 

「理不尽じゃ!」

 

「そうだ!ただ真面目に返事をしただけなのに!」

 

大「ほぅ〜あれがお前らにとって真面目な返事なんだな?」

 

「「「当たり前です!」」」

 

大「そうか…ならお前らの卒業式は楽しみだな。3年最後の締めくくりなのに卒業の返事がう〜すとは…いやはや笑わせてくれるな」

 

大崎先生ぇぇ…すっごい楽しそうな表情で言ってるよ…

 

「先生!あとで手伝いに行かせてもらいます!」

 

「先生になら一生ついて行きます!」

 

「先生!とくとご命令を!」

 

大「じゃあお前らは割と身体がしっかりしてるから野球部に入らなi「「「お断りします」」」お前ら打ち合わせしただろ!」

 

先生と男子ABCくんたちの漫才みたいな会話にクラス中が笑う。とかいってるわたしも笑ってしまっている。

 

大「たく…じゃあ出席とるぞー。青木…安藤…」

 

なんか自分の番が呼ばれる前って異常に緊張しない?あがり症なんです、わたし。

 

大「…御風」

 

最「は、はい」

 

ふぅ〜緊張した。

 

大「よし、全員いるな。まあ特に言うことはないが始業日にこうやってみんなが集まれたのは正直なところ偉いと思っている。それに、みんなは2年生になったから目標を持って生活していってほしいと思う。部活やるのもよし、この学校はバイトが禁止されてないからバイトするのもよし、大学に向けて勉強するのも良しだ。とにかく目標を持ち、充実した1年間にしてほしい」

 

先生…あんた良い人やぁ〜わたしは感動したよ。

 

大「では先生の話は以上だ。皆、わかってると思うが明日からは通常授業だからちゃんと来いよ。明日これば土日で休みだからな」

 

そうか…明日行けば2連休だったね。どうしようかな〜暇だし、庄司たちと遊ぼうかな。…なんかそれは女子高生として行けない気がする…ま、いっか!(よくない)

 

大「よし、他に伝え忘れた事はないな…では号令」

 

起立〜…さようなら。

 

「「さようなら」」

 

最「ん〜!やっと終わった」

 

わたしが背を伸ばしていると庄司が話しかけてきた。

 

庄「なんだ、だらしないな。その倍疲れることが明日にあるっていうのに…」

 

最「いいんだよ、私はこれで。そして明日にも『あ〜疲れた』と言うのが1日の定番でしょ」

 

司「そんな言葉を1日の定番にしても良いのか?」

 

横から司も話題に入ってきた。あっ、そういえば…

 

最「いいの。そういえば司…」

 

司「なんだ?」

 

最「司にさ、『妹』っている?」

 

まあ、妹っていうのはもちろん夢乃ちゃんのことだけどね。

 

司「ああ、いるぞ。夢乃に会ったのか?」

 

最「うん、職員室に行く途中に偶然ね。その時は苗字を聞くまで分からなかったけど、古川って聞いてもしかしたらって思ったらビンゴしちゃってね。これは司に聞いてみないとって思ったの」

 

司「そういうことか。まあ、聞かれたことなかったしな。言っておくと高校一年生で生徒会に入り、学業も俺よりか断然いい」

 

最「いや、去年に学年10位取ったやつに言われてもな〜」

 

単純に腹立つよね。ていうかそれより頭が良い夢乃ちゃんは化けてるね。

 

最「庄司は知ってた?司に妹がいるってこと。」

 

わたしは些細な疑問を庄司に問いかけた。

 

庄「おう、知ってたぞ。俺は偶に司の家に遊びに行ってたからな。その時に面識はあった、会話は挨拶程度だったけどな」

 

最「ふ〜ん、知ってたんだ。なら言ってよ〜私がこんなに悩む必要なかったのに…」

 

司「お前、対して悩んでないだろう」

 

最「あ、バレた?私のささやかなジョークでした♪」

 

まさにてへ☆ってやつだね!

 

司「お前はアホか」

 

最「あいた!むぅ〜叩くことないじゃん」

 

庄「ははっ!自業自得だな」

 

災いを自分で呼び起こすとは…本当に自業自得だ。

 

司「そんなことより向こうで椎葉たちが呼んでるぞ。」

 

庄「町を案内してもらうんだろ?楽しんで来いよ。まあ、案内する必要はないと思うけどな」

 

最「まあ、そうだね…だけどもしかしたら、私たちが知らないスポットに連れていってくれるかもしれないから行ってくるね。なにか用があったらメールして」

 

司「ん、楽しんで来い」

 

最「うん!行ってきます」

 

わたしは2人に別れを言って雫ちゃんたちに合流した。さあ、雫ちゃんたちはどんな場所に連れて行ってくれるか楽しみだな〜

 

 

 




どうでしたでしょうか?久しぶりに書いたので出来は不安です…
誤字がありましたら報告お願いします。感想と評価も出来たらよろしくお願いします。

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