もし俺がTSしたらとか…って本当に女になった⁉︎(亀更新) 作:ヤマニン
最香side
最「ゴメンね、待ったかな?」
雫「ううん、大丈夫だよ。千鶴ちゃんと真衣ちゃんも今、STが終わったところだから」
千「そうとも、だから気にしなくてもいいよ」
最「うん、ありがとう」
真「よし。なら行きましょうか!」
「「「お〜」」」
わたしは雫ちゃんたちと合流し、朝から約束していた『町案内』のため昇降口へと移動していた。…今さら町案内はいらないけどね。なんて言ったってわたしもここに16年はこの町に住んでいるんですから。確かに地元とは少しだけ離れているが、それでも電車で数駅…近い距離なのは間違いない。
真「最香ちゃんは、甘いものとか好き?」
そんなことを考えていると真衣さんに話しかけられた。
最「はい!甘いもの、大好きです!」
千「…ッ!最香ちゃん!」
最「ひ、ひゃい!何でしょうか!」
えっ?わたし、変なこと言った?いきなり名前を呼ばれたからビックリしたよ。…変な声が出たのは見逃して…
千「ちょっと聞こえなかったから、もう一回言ってくれないかな?甘いものが何だって?」
最「えっ…」
結構近くにいたのに聞こえなかったのかな?まあ、仕方ない。
最「だ、大好きです…」
千「あ〜心がぴょんぴょんするんじゃ〜♪」
真「はあ〜千鶴、最香ちゃんが何事って顔してるわよ。それと雫、あなたも鼻を押さえてるんじゃないわよ」
千「いや〜なんかこう胸にドキッときたね。これはもう一回言ってもらわないとって思ってね」
千鶴さんがそう言うと雫ちゃんもうんうんと頷く。わたしもかわいい女の子から「大好きです」なんて言われたら昇天するだろうな。
…だけど悲しい事にその告白を受けたらわたしは女の子好きなレズ野郎になってしまう。女の子なのに野郎とはこれいかに…
真「まったく…最香ちゃん ごめんね、この馬鹿が困らせるようなこと言って…」
最「い、いえ。賑やかでいいと思いますよ」
真「優しいわね〜。ほら千鶴も最香ちゃんを見習いなさい」
千「確かに最香ちゃんはかわいいから見習わないといけないね!特にその成長途中の胸とか…ね?」
最「な、何言ってるんですか!ちょっと怖いですよ…」
雫「ふふ、みんな仲良いね」
ワイワイと話しながら靴に履き替え昇降口を出たのはいいが、目的地を聞いていないな…
最「そういえば、街を案内してくれるのはありがたいんですが何処から案内してくれるんですか?」
真「言ってなかったわね、私たちがこれから向かうところは私たちがよく行くカフェよ」
最「カフェ…ですか?」
雫「うん。そこのカフェのオススメはずばりパフェだね!あそこのカフェのパフェは本当においしいんだよ!」
なんか雫ちゃんのテンションが上昇してるんですが…
千「あはは。雫がなんでそんなにパフェをオススメしてるか気にしている顔をしてるね」
最「え?ええ…確かに私もパフェ…というか甘いもの全般は好きですがここまで推されると気になりますね」
雫「それはですね!あそこのパフェは生クリームを豪華に沢山使い、そのホイップの上にはポッキーや板チョコが乗せてあって、ホイップの下にはそのカフェの店長のオリジナルアイスが2つも入ってるんです!そしてその下には意外の意外でマカロンなんですよ!アイスが溶けてマカロンがやわらかくなってしまうと心配ですが無用です!なんとマカロンはサクッとしたままでアイスの味がマカロンに染み込んでとても美味しいんです!どうですか?食べたくなりますよね!」
最「……」
何というか正に今の状態は言葉を失っている、放心状態というものだろう。ポカーンである。
真「はあ〜また変に熱が入っちゃって…。ほら雫!最香ちゃんが放心してるわよ」
雫「あっ…ご、ごめんね。私ったらあそこのパフェのことになるとつい熱が入っちゃって…」
最「いえ、それほどパフェが好きなんだということが分かったので全然大丈夫ですよ」
実際に行ってみないと分からないが、雫ちゃんがこれだけ推すのだから美味しいのは間違いないだろう。
真「じゃあ、雫も待ちきれないみたいだしさっさと向かいましょうか…」
雫「おお〜!楽しみっ♪」
最「楽しみですっ!」
千「ふふっ、楽しそうでイイね〜」
ーー・ーー・ーー・ーー・ーー・ーー
それから暫く歩くと件のカフェに着いた。名前は『シフォン』なんとも可愛らしい店名だ。
先頭を歩いていた真衣さんが店のドアを開ける。
真「こんにちは、4名ですけど空いてますか?」
?「お!真衣ちゃんたちじゃないか!ご覧の通り、席ならいくらでも空いてるよ。…おや?見慣れない子だね、真衣ちゃんたちのお友達かな?」
雫「はい!今日、転校してきた最香ちゃんです!」
最「ご、ご紹介に預かりました御風 最香です。よろしくお願いします」
?「これはこれはご丁寧に…。私はこの店のオーナーの『不知火』と申します、以後お見知り置きを。」
この人がこのカフェのオーナーさんかぁ…見た所、40後半〜50前半ぐらいのおじさんかな?
千「では、奥の席に座らせてもらいますね」
不「どうぞ〜。先にメニュー見ておいてね、すぐにお冷とおしぼりを持っていくから」
千「ありがとうございます」
わたしたちは千鶴さんに先導され、カフェの奥の方の席に腰を下ろした。
雫「そこの立てかけてあるのがメニューだから、それを見て決めてね。オススメはもちろんパフェ!」
最「あはは…けっこう種類ありますね」
不「まあ、大変だけどそれもうちの売りだからね。頑張るしかないよ」
わたしの発言に人数分のお冷とおしぼりを持った不知火さんがすっとコメントをいれた。
不「はい、お冷とおしぼりです。メニューは決まったかな?」
雫「私はもちろんパフェで!」
不「雫ちゃんはパフェ好きだね〜…3人は?」
真「私は…コーヒーのブレンドとシフォンケーキで」
千「私は、抹茶ケーキを頼むよ。あと、カフェラテね」
不「…はい、最香ちゃんは決まったかな?」
…わたしは最初から決まってる。
最「私も雫さんと同じパフェでお願いします」
不「わかったよ。では、できるまで待っててね」
そう言って不知火さんはキッチンの方に歩いていった。気になったんだが…
最「ここって他に従業員さんっていないんですか?不知火さん1人じゃキツくないですか?」
そう、不知火さんの他に従業員が見当たらないのだ。しかしそんな疑問は千鶴さんの発言によって消された。
千「いや、いるにはいるよ。でも見ての通り、昼間はあんまりお客が来ないんだ。だから経費削減のために臨時として1人いるんだよ。」
雫「しかも、私は女性かなって思ったけど男の人だったんだよ。多分、大学生ぐらいだったかな〜」
…なんでだろ。男性で大学生と聞いただけで家の兄が出てくるんだけど…。しかも、バイトは臨時でしてるって言ってたし…まさかね?
不「楽しそうに話してるね」
わたしたちがつい話しに盛り上がっていると不知火さんがメニューを持ってやってきた。
…はやくない?頼んでまだ10分くらいしか経ってないと思うんだけど…
最「は、はやいですね?これもこの店の売りですか?」
わたしは少し冗談を混ぜつつ聞いてみた。
不「店を開ける前に下ごしらえしてるんだよ。それにしても運が良かったね、今日はパフェを5つしか作ってなくて、あと2つしか残ってなかったんだよ」
雫「わあ〜危なかったです。もう少しでパフェが食べれないところでした」
お待ちかねと言わんばかりに目を輝かせた雫ちゃんの前に置かれたパフェはファミレスに売ってるようなパフェだが、雫ちゃんが言っていた工夫が沢山込められたパフェなのは一目瞭然だった。
不「最香ちゃんは初めて見るよね。これが当店自慢のパフェだよ」
最「お〜これが雫さんが推してきた『シフォン』ご自慢のパフェですか」
不「あはは、自慢ってほどじゃないよ。ただ雫ちゃんや他のお客様に評判がいいだけだよ」
と不知火さんはご謙遜気味の様子。いやいや、普通にうまいよこれ。分かりやすいように言うとアイスはオリジナルって言ってたけど、わたしは味オンチだしそんな変わらんでしょ?とか思ってた。…うん、過去のわたしを殴りたい。めっちゃうまい!まじでうまいわ。食レポとかやったことないし説明はよくできないけどとにかくうまい。ちにみにアイスの味は多分だけど、バニラとチョコかな?わからん…とにかく感想を言わなければ。
最「おいしい!このパフェすごくおいしいですよ!」
雫「だよねだよね!おいしいよねこれ!」
最「うん!不知火さん、すごくおいしいです」
不「そ、そうかい。それはよかった~」
不知火さんは一安心といったかんじでカウンターの方に戻っていった。よし!とりあえず感想を言えたのは成功だ。ただ単においしいとしか言ってないけどね。てか、気になったんだけど…
最「すいません、雫ちゃん。ちょっといいですか」
雫「むぐ?…ごくっ。なにかな?」
…なんかすいませんね。そんなに幸せそうに食べてるときに質問しちゃって。
最「このパフェ…すごくおいしいのはわかったんですが、その~」
雫「ん~?どうしたの…?」
なんか若干恥ずかしいな。
最「その…カロリーとかって大丈夫ですか?」
雫「ぷっ、あはは!なんだ~そんなことだったんだね」
最「私からしたらかなり重要な問題です…」
千「むしろ最香ちゃんは細すぎる気がするけどね」
最「そんなことないです。油断してたらあっという間にぷっくりなっちゃいます」
絶対に太るのだけはやだ!せっかくこんなに可愛いんだからこのままを維持していきたい。
真「ふふっ。確かに今のほうが最香ちゃんって感じがするわね」
最「はい!私はこの体型を維持していきます!」
ふんす~!と言わんばかりに気合を入れるわたし。これだけでどんだけ本気なのかがわかる。
千「それよりもいいのかい?最香ちゃん」
最「えっ?なにがですか?」
千「アイス…溶けてきてるよ」
最「わわっ!本当だ!」
わたしは慌ててパフェにかぶりつく。顔をあげると、みんなに笑われた。
最「?…どうしたんですか?」
真「ほっぺ…アイスがついてるわよ。ほら、とってあげる」
そう言い、真衣さんがわたしの頬についたアイスを拭いてくれた。
最「んっ…あ、ありがとうです」
真「いいえ、別に気にしないで。さぁ、早く食べて他の場所にも行きましょう」
最「わかりました」
千「了解だよ」
雫「う~んおいしい♪」
若干1名聞いてない気がするけど、町案内は続くのであった。
次回からはテンポよくいきたいです(投稿するとはいっていない)
誤字やアドバイス等も待ってます。