もし俺がTSしたらとか…って本当に女になった⁉︎(亀更新) 作:ヤマニン
では、ご閲覧ください。
最香side
電車で雫ちゃんと別れ、転校初日で疲れていたわたしは真っ先に家に直行した。駅から家まで5分という短い距離なのですぐに家に着いたわたしはインターホンを押した。
(鍵持っておけばよかったかな・・・)
わたしはドアが開かれるのを待っていると後ろから声がかけられた。
「お?今帰りか。ずいぶん青春してるじゃないか、初日だというのに」
「兄ちゃん・・兄ちゃんも今帰り?」
それにしては随分とラフな格好だけど・・
「おいおい、これがどこかに出かける服装に見えるのかよ。それに兄ちゃんじゃなくてお兄様な」
「せめてお兄ちゃんで我慢しろよ。なんだよお兄様って・・さすおにとでも言えばいいのか?てか、コンビニ行ってたでしょ」
「というか、鍵もってないのか。ほら、開けてやるよ」
「スルーかよ・・助かる、お兄様」
「ネタで使うなよ」
そんなやりとりをしながらわたしたちは家の中に入った。
「ただいま~」
「いま、帰った」
いつも通りの帰宅風景。唯一変わっているのは俺の性別。
「ん?お、おいなんで涙目なんだよ・・」
「いや、帰宅して早々に現実を確かめたことによる反動だから気にしないで」
「お、おう・・」
若干引かれながらわたしはリビングの扉を開ける。そこにはソファーに横たわった母上の姿が・・って!
「母さん!いるんなら玄関の鍵開けてよっ!」
「ん~ああ帰ってきたのね。お帰りなさい」
「ああ、うんただいまじゃなくて!インターホン押したんだけど!」
わたしはソファーに体を預けている母さんに猛抗議。しかし、悲しいかな。そんな抗議は呆気なく粉砕された。
「え~だってめんどうじゃない」
とてつもなく理不尽な理由で。メンドクサイデスか・・すごく便利な言葉ですね。
「それに恭平がコンビニ行ったから鍵開けてもらうだろうって思ってたから」
「なんだろう、この後付けされたように感じる理由は・・」
「まあ、家に入れたからいいじゃないか」
「そうよ~恭平にお礼言っときなさいよ」
そもそもあなたが開けてくれればよかったんですがね~」
「嫌よ、それと声に出てるわよ」
「おおっと、これは失敬。思ったことは喋るタイプなもんで」
我ながら損な性格だと思う。そう思いながらソファーの空いているスペースに座った。
「それより少し遅かったじゃない?遊んできたの、一人で?」
最後のは余計だ。母さんが時計を見ながらそう質問してきた。
「遊んできたのは事実だけど、なんで新学期早々に一人で遊ばないといけないのさ」
「ほらあれよ、あんた今女の子じゃない?一応転校生だし、女の子たちのグループに入れず仕方なく気晴らしに遊んできたのかと・・」
「残念ながらグループにも入れたし、私以外にも3人いました~」
恐らく、グループに入れなかった場合は母さんが言ったとおりになると思うけど。
「ほ~さっそく友達出来たのか。それはよかった」
兄ちゃんがコンビニ袋を漁りながら会話に入ってくる。
「まあ、最香のことだから誘ってもらったんだろうけどな」
「うっ、よくわかったね・・その通りだよ」
わたしの行動ってそんなに分かりやすいのか。
「さてと、詳しい話はご飯食べながら聞きましょうか」
母さんはソファーから立ち上がり台所の方に歩いて行った。
「もうご飯できてるの~?」
「もうお椀にご飯をよそうだけよ」
母さんはわたしのお茶碗をすっと手渡ししてくる。・・なるほど、手伝えと
「ハイハイ、手伝いますよっと」
ー・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
「これで最後かな」
5分ほとでテーブルの上におかずやみそ汁などが入った食器を並べ終わり、ようやくご飯にありつけた
「はいお疲れ様。じゃあ最香の頑張りを称えて~いただきます」
「いやそういう前振りいらないから…いただきま~す」
「いただきます」
今日のメニューはご飯に豆腐とわかめのみそ汁(合わせ)、八宝菜にお刺身というなかなか豪華に感じるメニューだ。・・うん、一般庶民だとおかずが少し多いと豪華だと感じてしまう悲しい現実。まあ、おいしいからいいけど。
「それで最香。登校初日はどうだったの?」
「それがね、なんと初日で友達が3人も出来たのです!しかも女の子だよ!」
「ほう、やるじゃないか」
「それでね、その子たちの名前が…」
今日の出来事を喋りながら夕食をとり、いまはお風呂に入っている。
「ふぅ〜男の時は風呂なんて10分ぐらいで出てたけど女の身体だと風呂の時間が楽しくなるのは不思議だ…」
そもそも、男なんて身体と髪を洗って湯船に浸かってあったまる時間が極端に短いんだよな。その点を考えると女の子の体ってめんどくさいよな…髪は命だし、体は繊細だから丁寧に洗わないといけないし。
「というか熱い!もう出よう!」
わたしは自分の体をふきお風呂から出た。その後はふかふかのタオルでやさしく髪の水分を抜いていく。わたしは髪がそこまで長くないのでこの程度で大丈夫なのだ。あとはドライヤーで乾かしていく…前ならターボー全開で一気に髪を乾かせたのにな・・
髪を乾かし終えわたしは自室に戻った。そこには当然のように居座る兄の姿…
「あのさぁ…別に入るなとは言わないけど許可ぐらい取ったら?堂々と居座ってるから私の部屋なのか一瞬疑ったよ」
わたしは不満を含む目線を兄ちゃんに向ける。
「フッ・・なに少し話そうと思ってな。お前が風呂から出るまで待ってたのさ」
兄ちゃんはベットに腰掛け足を組んで偉そうに言う。
「えっ・・私がお風呂から出るまでずっと部屋にいたの?」
「ん?何を当たり前のことを・・当然だろ、何か問題があったのか?」
逆になんで問題が見当たらないのか疑問で仕方ないよ…
「えっとさ…私って前は男だったけど今は女じゃん?」
「ああ・・間違えるはずのない美少女だな」
いちいちわたしが恥ずかしがる言葉をチョイスしやがって・・
「・・いやさ、前は同姓だったし気にしなかったよ。でも今は異性だしいくら兄でも少しは気にしてよ」
「なんだそんなことか」
「そんなことって…私からしてみたら結構重要なことなんだけど」
絶対ここでガツンと言っておかないとズルズルといきそうだ。
「何か勘違いしてそうだから先に言っておくが、俺は別にお前のことは異性とは見てないぞ」
「・・なんか含みのある言い方だね。じゃあどういう風にみてたの?」
「近くの小学校の女子児童的な?ほら、保護欲が沸く的な」
そんなことだろうと思ったよ!てか、微妙にその言い方だとロリコン予備軍だよ・・
「あえて聞かなかったことにするよ」
「ああ、俺も言ってて何言ってるんだと感じてたから」
自覚あるんなら最初から言わないでほしかったよ…
「で、本題に戻すけど話したいことって何なの?疲れたから眠たいんだけど…」
もうそろそろ日をまたぐ時間帯だ。しかもこの体になってから夜更かしや徹夜ができなくなった。どんだけお子様仕様にすれば気が済むんだよ・・神がこうしたんならぶん殴りたいわ。
「そうか・・なら」
「おっ…珍しくおとなしく引いててくれる・・」
「ほんの1時間だけ話そう」
「デスヨネー」
そんな淡い期待は儚く壊され、わたしは兄と夜を過ごすのだった。
最香sideout
閲覧ありがとうございました。文字数が少ないのはご愛敬《あいきょう》ってことでゆるしてちょ!建前としては皆様に手軽に読んでもらうためで、本音は私が楽したいからでーす。
早めに投稿できるように頑張ります!誤字ありましたら遠慮せずにご報告してください。というか私の面目が無くなるのでしてほしいです。お願いします!何でもしますから!
では、また会いましょう!次回は番外編をあげる予定です