もし俺がTSしたらとか…って本当に女になった⁉︎(亀更新) 作:ヤマニン
遅くなりましたが、今年もよろしくお願いします。
今回から新章『体育祭編』です。あと今回からタイトルを話数のみを表記することにしました。
では、第12話始まります。
第12話
最香side
わたしが性転換という非現実的な現象にあってからはや1ヶ月。転校生騒ぎも一週間ほどで落ち着いた。今はゴールデンウィーク中…というわけではなく、もう終わった後だったりする。
「あぁ〜もうゴールデンウィーク終わっちゃったな…」
「ほんとそれな。もっと長くてもいいだろ…」
いつものメンツで学校への通学路を歩いている途中、庄司とわたしは学校に行かなければならない使命感とゴールデンウィークが終わった絶望感で朝からグロッキーになっていた。
「朝からそんな暗くなるな。こっちまで暗い気分になるだろ」
「司はそこそこ平気そうだね。なんかいいことあった?」
「最香のしょぼんとしている顔を見たら元気が出た」
「……」
「…冗談だから無言で距離をとるな」
わりと本気で引いた。そもそもわたしのしょぼんとした顔ってなんだよ。顔文字かよ。
「ほら、もう少しでお前らが楽しみにしている学校に着くぞ」
「それを言うなよーただでさえやる気ないのに更に無くす」
「連休明けの学校はきついよね」
無罪の人間がいきなり刑務所に入れられるぐらいには理不尽。学校って別名、地獄とか監獄とかって言われたりしてないよね。
「ん?あそこに立ってるのって夢乃ちゃんじゃない?」
「朝、少し早くに家を出たと思ったらこういう事か」
「あいさつ週間?なんだそりゃ、小学校かよ」
「大人になっていくと同時に、人は挨拶ができなくなるもんだからな」
「そう考えると、小学生のほうが利口ではあるよね」
わたしたちは正門前で立って元気にあいさつしている夢乃ちゃんに声をかける。
「おはよう、夢乃ちゃん」
「おっはー、夢乃ちゃん。今日もかわいいね!」
「朝からご苦労なことだ」
「最香さん、おはようございます。庄司さんも一言余分ですがおはようございます。兄さんだけはもう一度家に帰り顔を洗いなおしてから登校してください」
兄だけには辛辣な夢乃ちゃんだった。この1か月、もちろん夢乃ちゃんとも接する機会は多かったのだが分かったことがある。夢乃ちゃんが兄に対して若干厳しいということだ。だが、ここにいるメンバーはわかっている。実は夢乃ちゃんが司に対してもっとも優しいということ。
「もう!ネクタイも上まであげてください。私の兄なんですからちゃんとしてください」
「暑いからわざとこうしてたんだが…」
「なお、よくないです。周りの目も気にしてください」
「俺を見る奴なんてそういないさ。夢乃だけが俺をまじまじと見てるんだよ」
「~~っ!!」
こいつ絶対わざとこんな恥ずかしいセリフを選んで言ってるよ。しかも真顔で。
「兄さんはなんでそんな恥ずかしいことを真顔で言い切れるのですか!」
「それはもちろん夢乃をからかうためだ」
「質が悪いです!」
うん、確かに夢乃ちゃんの言う通りだ。
「はぁ~朝から兄さんと話すと疲れます」
「それはどうも」
「……」
「ほら、司。夢乃ちゃんが心底イヤそうな顔してるからそろそろ行こ?」
「ん。たしかに少し遊びすぎたな」
「じゃあ頑張ってね、夢乃ちゃん」
「がんばれよ」
「またね、夢乃ちゃん!」
なんで庄司は無駄に元気なの…。
「ありがとうございます、生徒会としてこの後も頑張ります」
わたし達は夢乃ちゃんと別れ、教室に入る。わたし達が教室に入ると入り口付近の男子が挨拶してきた。
「おはよう最香ちゃん!今日もかわいいね」
「おはよう。朝の挨拶にかわいいはどうかと思うけど、ありがとう」
「ゴールデンウィークで会えなくてちょー寂しかったわ」
「私はマスコットか…」
「いや、最香ちゃんは小動物系マスコットだね!」
どのみちマスコットだろうが!そんな他愛もない話をしつつ席に着く。一応、一か月の間でわたしのキャラ?みたいなのは固定しといた。まず、敬語は堅いから普通に戻した。流石に粗すぎな言葉遣いはしないけど。それと男子には適度に、仲良くなったクラスの女子…主に雫ちゃんたちだけど、学校帰りにデパートに寄ったり『シナモン』でティーパーティーしたりと様々なことがあった。
「最香?聞いてるか?」
「ごめん、まったく聞いてなかった」
「この悪びれない感じ、恭平さんにそっくりだ」
「あの兄と一緒にされるのは至極不快だ」
「あきらめろ」
「一言でばっさりだね」
司が言うに体育祭が近いらしい。は?体育祭とかやりたくないよ。
「えっ…体育祭って何?」
「お前…表では転校生だけど、裏は一年過ごした男子高校生だろ」
「裏表?」
「ラバーズ」
「私はボカロ曲か」
いやまじでやりたくない。運動神経が普通だった元男がデバフ(TS)うけて体育祭やるとかやる気なくなる。
「だけど、お前って運動できなかったわけじゃないだろ」
「できなかったわけじゃないけど進んではやりたくない」
「あ~わかる気がするわ。体育とかなら別にいいけど行事で運動するとなるとやる気がなくなるんだよな」
「面白いことも大してないしな」
「少しでも面白いことがあればやる気出るんだけどね」
体育祭をやる理由がよくわからない。
「ほんとなんで体育祭なんてやるんだろうね?」
「さぁ?小学校から疑問に思ってるのに答えなんて出るわけないだろ」
わたし達が思考の海に浸かっていると大崎先生が教室に入ってきた。
「おーしお前ら。体育祭も近いし気合入ってるな」
「いや、入ってないっすよ先生。てか先生早くない?月曜って会議ないの?」
男子A君がわたしのこころを代弁してくれるかのように喋ってくれる。
「あったぞ。予定より早く終わったから気合が入ってるであろう君たちに会いに来たんだ」
「はいっているであろうって…俺は体育祭のことで朝から滅入ってるっていうのに」
男子A君…ほんとに君とは意見が合うな。
「だが、体育祭で良いところを見せたら女子にモテるぞ。……たぶん」
「よっしゃー!2,000mマラソンでもなんでもこいや!」
男子A君…君とは分かり合えそうにないよ。
「冗談はここまでにして」
「えっ…冗談なの」
あ…男子A君がすごく落ち込んだ。そこまで女子に縁がないのか…
「現にやる気がない奴のほうが多いだろう。一般的な体育祭じゃ先生たちもつまらん」
先生がそんなこといっていいのか。
「そこでだ!君たちに…」
<キーンコーンカーンコーン>
あっ、チャイム鳴った。
「…タイミングが悪いが、このままHRに移るぞ」
どこか大崎先生も気落ちしてるようにみえた。
閑話休題
「さて、報告することも言い終えたしさっきの続きな」
「先生、10分休憩ないの?」
「トイレ行きたい奴だけ行け。他のやつは次の授業の準備しながら聞け。次は俺の授業だからな」
その言葉と同時にわたしを含めたクラスメイト全員が席を立つ。
「ちょ、ちょっと待て!全員か!?」
「いや、先生のHR前の口ぶりからしてめんどくさい事なのは確実でしょ」
「うっ…まぁ確かにめんどくさいが」
「だが、御風まで行かなくてもいいだろ!?」
なんでピンポイントでわたしなの!?
「えぇーとなぜですか?」
「いや、な、なんとなく?」
しょーもない理由だった。だが、ここで逃げなければめんどくさい事は確実…なんとしても避けなければ。
「あっ!高橋くんが先生の話聞きたそうな顔してます!」
全てを庄司に擦り付けよう。庄司よ、骨だけは拾ってやる。
「ほ、ほんとか!いやーやっぱり高橋は先生の話が聞きたいか!」
「なっ…最香!てめぇ!」
「ごめんね、庄司くん♪」
わたしは意地の悪い素敵な笑みを浮かべた。そんなわたしの表情が気に障ったのか庄司は瞬時に悪だくみしてそうな顔をする。
「せんせぇー!」
「ん?どうした?先生、今とても気分がいいから何でも聞くぞ!」
ものすごく嫌な予感が…
「やっぱり最香が話を聞きたいそうです!ついでに司も聞きたいって!」
「なっ…庄司!お前、俺を巻き添えにするな!そんな役は最香だけで事足りるだろ」
「私だけでいいって酷くない?」
こいつら…女相手に女々しいことしやがって!そんなわたしたちをよそにクラスメイト達は教室の外に出て行ってしまった。
「ほら、時間は有限だ。お前たち、席に座れ」
「「「…はーい」」」
わたし達は大崎先生に急かされて渋々席につく。
「でだ、今年の体育祭は例年と少し違うことをしようということになった」
「具体的には何をするんですか?」
司が先生に質問をしていく。
「具体的に案が決まっているわけじゃないが、コスプレリレーというものは決まっている」
「コスプレ?よくある仮装リレーというものですが?」
「概ねその通りだ」
コスプレか…確かに盛り上がりそう
「コスプレねぇ~。最香がなんか着たら盛り上がるんじゃね?」
「うん、庄司のことだから絶対言うと思ったよ。予想はついてると思うけど嫌だからね。絶対にしないからね」
「そんなこと言って乗り気なくせにー」
「今の言葉のどこに乗り気な部分があったかな!?」
本気でこの男はわたしをコスプレリレーなるものに出させるつもりだろうか。わたしがでても大して面白くないだろうに。
「私がそんなリレーに出ても面白くないよ…先生もそう思いますよね?」
わたしは大崎先生に期待の目を込めてみつめる。大崎先生は"大人"な先生だ。先生なら公平に物事をとらえてくれるはずだ。
「いや、御風がコスプレして走ったらさぞかし華やかに映るだろう。是非ともわがクラス代表で走って欲しい」
なんとなくこうなると思ったよ。というか代表とは?
「先生、代表ってどういうことですか?」
「要するにリレーと言ってるが、時間の関係もあるから各クラス代表一人を選んで競技に挑むんだ」
「リレーとはいったい…」
「いいじゃないか、最香。ほかの学年の奴らはお前のことを知らないやつが多数だと思うからこれを機にお前の可愛さを全クラスといわず全学年知らしめていこう」
「なんで私は疑似アイドル活動をしないといけないの?アイカツなの?」
ランニングとか笑顔の練習とかいやだよ。三日どころか一時間もしないでやめそうだよ。
「というか、わりとこの話大切じゃないですか。ほかのみんなに話さなくていいんですか?」
「ん?なら、ほかの連中も交えて話そう」
「じゃあ、ほかのみんな呼んできますわー」
そういって庄司は席を立ってみんなを呼びに行った。その後、みんなが戻ってきてから改めて話をしたら結局わたしが走者としてコスプレリレーを走ることになったのは言うまでもない。
最香sideout
ご視聴ありがとうございました。
脱字、誤字報告お待ちしてます!感想なんかも作者のやる気に繋がりますので是非とも書いて下さると嬉しいです。