もし俺がTSしたらとか…って本当に女になった⁉︎(亀更新) 作:ヤマニン
予定しておりました番外編です。本編のほうも同時進行で進めておりますのでお楽しみにされている皆様、もうしばらくお待ちください。
では、Special story 雑談編をお楽しみください。
最香side
セミが地面から出てきやがりうざったい鳴き声を出し始めた今日この頃・・わたしは自室にてエアコンをつけ優雅に夏休みを謳歌していた。ちなみに課題は終わっていない。
「はぁ~最近の技術開発の速さには驚きを隠せないよ。こんなに便利な機器があるとクッソ暑い外には出たくなくなるね」
いや、出ないけどさ。1ミリたりとも出ないけどさ。
「そうは思わないかね、きみたち?」
わたしは自室のように寝転がる庄司と司に向かって言う。
「いきなり喋りだしたと思ったら何を当たり前のことを・・」
庄司はマンガを読みながらちらりとこちらを一瞬見た後すぐにマンガに視線を戻す。
「いや、こっち見てよ。話そうよ」
「見ただろ、一瞬だけ」
「一瞬だけじゃん!ねぇ司…庄司が相手してくれない~」
わたしは悲願するように司を見る。
「・・・・・・」
「いや、お前は返事すらしないのかよっ!」
こちらをちらりとも見ずに、ベッドに寝転がりスマホを見ている司…
「・・・・」
「ちょっと・・」
ダメだ…まったく反応なしだ。こうなったら・・・
「ふぅ・・ちょっと暑いな~脱ごうかな」
ちらっ。・・・まったくの反応なし。仮にも美少女が脱ぐ発言してるのに一切動じないとは・・
(ここで脱がなかったら負けな気がする。でも、脱いで反応なかったら只の見せ損じゃん!それこそ敗北感半端ない…ま、下着ぐらいならいいか・・・」
わたしは上着に手をかけそのまま一気に脱ぐ。夏&自室ということもありこれを脱ぐと下着だったりする。下に着ていた淡い青色のブラが姿を現す。
(さ~て反応は・・・)
わたしは二人を見る。・・・先ほどと変わらず反応なし。
(こいつらまじかよ…女の子が近くでましてや手を伸ばしたら届くぐらいの距離で脱いでるのにまったくこっちを見ないとは)
こいつら上級者すぎる・・・ホントはイヤだけどこうなったら下も…
(ええい!仕方ない、腹をくくろう)
わたしは下に履いていたスカートのチャックを下ろし、スカートを脱ぐ。上の色と合わせた青色の下着。チャームポイントは紐パンなのと中央についた白いリボンだ。ここまでしたのだからあいつらも興味を示しこちらをガン見してるだろう。わたしは閉じていた眼を開ける。決して恥ずかしくて目を閉じていたわけでは断じてない。
(・・・ま、負けたっ!な、なんで!?)
二人ともまったく興味がないのかマンガとスマホから目を離していない。
(こ、こうなったらもうブラも・・・!)
もう自棄になっていたわたしはブラにまで手を伸ばす。
「「ス、ストップ!」」
そんなわたしのやる行動を察したのか二人とも同時に止めにきた。
「黙って無視してたらなに突っ走ってるんだおまえは!」
「そうだ!突っ走りすぎてゴール通り過ぎてるぞっ!?」
二人は急いでわたしに服を着せてくる。わたしは二人・・特に司が慌てている姿を見て冷静になったのかさっきの自分の起こした行動を思い出し顔がどんどん熱くなっていくのが分かった。
「~~~~~っ!!」
「お、お前な~恥ずかしいなら最初からやるな…」
「だ、だって~二人が私の相手してくれなかったんだもん…」
わたしは正直に自分の気持ちを打ち明ける。そんなわたしの表情を見て二人も申し訳なさそうな顔をしている。
「いや、放置しておけば勝手にやめるかなって思ってさ」
「同じく」
庄司がそう言うと司もそれに同意した。
「・・・申し訳ないと思ってるなら話そ?」
「はぁ~仕方ないな。最香が涙目で頼んでることだし話してやるか」
司は両手を軽く上にあげやれやれといった感じでベットに腰掛ける。
「ま、そこまでされたら仕方ないな。また脱いで下着姿になってもいいんだぜ?」
庄司はこちらをからかうように笑いながらベットに体を預ける。
「なに?また自滅しろと?例えるなら、エロゲ主人公に着替えを見られた男装女子並みに恥ずかしいんだけど・・・」
わたしは分かるようで分かりにくい例えを出す。
「いや、あれは完璧に事故だろ。お前の場合、自滅じゃん」
くっ…痛いところを突いてくるな。さすが庄司、わたしのボケにも的確にツッコミをいれてくる。
「で、なに話すんだ?」
「あっ!ちょっと待ってて。話しするならジュースとってくるね!」
「じゃあ適当に頼むわ」
ー・-・-・-・-・-・-・-・-・-・
お盆に乗せたコップを丸机の上に置き庄司たちの前に差し出す。中身は無難にアップルジュースだ。
「さて、ジュースも取ってきたことだしなに話そうか?」
「決めてないのかよ・・・」
ふふん!私の計画性のなさを舐めてもらったら困るね!
「貧相な胸を張っているところ悪いが、進むぞ」
「…貧相な胸は余計だよっ!」
司に冗談を言われながらわたしは何を話すか考える。
「あっ…なら無難に夏休みの課題どれだけ終わった?」
「はっ?お前、俺が夏休み終わり間際にヒイヒイ言ってるの知ってるだろ。例年通り、まったくやってない」
いつも通り過ぎる。庄司は昔から夏休みの宿題を終了間際に終わらせようとするので毎回痛い目にあっている。
「庄司はいつも通りだね~。司は?」
「俺はあと少しだな」
「へぇ~珍しいね。司が夏休みも中盤ぐらいなのに終わらせてないなんて。なにかあったの?」
司は例年通りならもう課題を終わらせてるはずなのだ。
「いや、お前が転校してきてから夢乃と関わっただろお前。なんか、去年はそうでもなかったのに今年はなんかやけに出かけに誘ってくるんだよ。主に荷物役だけどな」
「へぇ~夢乃ちゃんとね・・・」
なるほどね、夢乃ちゃんとのお出かけに時間を取られてたから課題があまり進んでいなかったのか。
「お前はどうなんだよ?」
「私?聞かなくてもわかるでしょ?」
「ま、確実に終わってないというのは察しがつく」
「大当たり~景品として私の課題をプレゼント~!」
わたしは見事に当てた司に笑いながら言う。
「プレゼントしてくれるのはいいが、絶対に手を付けないしむしろ廃棄してしまうかもな」
「あれって、夏休み後の定期試験で結構出るって言ってたやつだろ?あ~あ最香、南無三」
「冗談ですっ!いや~やっぱり課題は自分でやらないとね!」
くそ~司に一枚食わされた。まあ、冗談だったけど。
「というか、めんどいよな」
「テストのこと?仕方ないよ、うちの学校の方針にケチつけてもね」
「だからってよ、夏休み終わってから即テストだろ。イヤにもなるぜ」
庄司はよっぽど今回のテストがイヤなのかわたし達に愚痴ってくる。
「最香の言う通りだ。あるものは仕方ない、俺も極力テストは受けたくないからな」
「よく言うぜ…毎回のテスト点数が良いくせに」
「それは勉強してるからな。お前もやったらどうだ?そしたら、毎回のテストで赤点ギリギリを取らなくてもよくなるぞ」
「ふっふっふ…分かってないな司くん」
「ホントだね、まったく分かってないよ司」
わたしと庄司は2人揃って不敵な笑みを浮かべる。
「いいか!勉強は…!」
「やる時だけやればいい!」「やらなくていい!」
「「あれっ?なんで、違うんだよ…」」
「お前ら…息があってるようでバラバラだな」
むむっ…失敬な!今のはわたしに合わせなかった庄司が悪いんですー!
「おい、なんで勉強はやるって言うんだよ」
「そっちこそやらないってどういうこと?将来必要なんだからやらなくちゃダメじゃん」
庄司は眉を細めながらわたしを睨んでくる。
「はあ〜二人ともそこまでだ。勉強はほどほどにするでいいだろう。いちいちムキになるな」
「……ふぅ〜そうだな。すまんな、最香。ムキになって」
「ううん…私もつい意見が合わなかったからって酷い事とか言いそうだったかも。こっちもごめんね。あと司、止めてくれてありがとう」
わたしは司に向かってお礼を言う。
「なんだ…そんなこといちいち気にしなくて大丈夫だ」
「でも、親しき仲にも礼儀ありって言うしさ」
「そう言うことなら受け取っておこう」
「うん!」
わたしは場の雰囲気を変えるためにも話題を変える。
「そういえばさ」
「ん?なんだ、次の話題か?」
「うん、二人はさ『9 nine−そらい○そらうたそらのおと』ってぶっちゃけエ○ゲー知ってる?」
わたしは二人にそのゲームを知っているかを聞く。庄司は知ってそうだけど、司は知らないかな…
「おう、もちろん知ってるぞ。天ちゃん、めっちゃ可愛いもんな」
「わかる!ホント、兄じゃなくてあんな妹が欲しかったよ」
「それ恭平さんが聞いたら泣くぞ」
いや、あの兄の事だから天ちゃんのモノマネをわたしにやれとか言ってきそうだ。
「司は?」
「俺も少しなら知ってるぞ」
「まっじで!なんで?」
「ようつべでオープニングがアップされてるだろ?気に入ったからストーリーの方も体験版だけはプレイしたからな。本当は製品版もプレイしたいんだが金がな…」
つまり金があったらバッチリ本編見る気満々じゃないですかー。
「へぇーなら二人とも知ってるんだ」
「あぁ、でも突然なんでそらいろの話なんだ?仮にもこの小説、全年齢対象だからR.18作品にしたくはないんだが…」
「メタいよ…いやさ、あの作品ってストーリーが良いからあんまりエ○ゲー臭がしないじゃん」
「確かにな、最近の作品も極端にCGが少ないのと多いので別れてるからその点を踏まえるとそらいろはエロ要素があんまり無いな」
「だから、良いかなって」
「いや、内容は一応R.18だがらダメだろ」
司がそう指摘してくるが関係ないねぇ!したい話はするもんだ!
「大丈夫だよ、ここには私たちしかいないんだから問題ナッシングだよ!」
「…まぁ、それもそうか」
「よし、司も折れたことだし…やっぱり庄司は天ちゃん推し?」
「推しっていうか気に入ってるって感じだな。あの喋り方が好きだ、なんか妹なんだけど友達感覚みたいな」
「確かにあの若干うざい口調がまたいいよね。だけど実は寂しがりやでお兄ちゃん大好きなところとかね」
「まじそれな。てか、ここいろとそらいろってキャラの立ち絵みたいなの多少変わったよな。天ちゃんが一番わかりやすいと思うけど」
あ~確かにそれは気になってた。
「よい変化だからいいんじゃないか?」
「もちろんキャラの表情とかが色濃く出るようになったから満足してるんだけど気になってさ」
庄司の意見はもっともだろう。9 nineの作品は今後も出そうな気はするけど天ちゃんの次はなんとなく先輩かね・・・次の作品とかでまたキャラの違った表情が見れるのは楽しみになって良いことだと思う。
「最香が試しに天ちゃんみたいな口調してみてくれよ。ここにいる女はお前しかいないんだからさ」
「女の子のモノマネを元男の私に頼むとは・・」
「いいじゃないか最香、やってやっても」
「司・・なんか本音隠してるでしょ?」
こんなところで司が乗ってくるということはなにか企んでいるはず。
「お前のモノマネがただ単純に見てみたい」
「お前もか…やってあげてもいいけどどうせなら話しながらにしよっ?」
「おっ!その方が面白そうだな!」
「言ったね?面白そうだと・・」
「…ん?確かに言ったけど」
フハハハハッ!…自分の言った言葉に後悔するがいい!
「なら条件ね、私が天ちゃんのモノマネをしてる間は二人のどちらかが天ちゃんの兄である翔くんのモノマネをして下さい!」
「…うぇ、マジかよ」
「・・・なかなか酷だな。ま、nineは主人公に声が割り当てられてるからしやすいといえばしやすいが」
わたしがそう簡単に従うと思ったか!フフン!馬鹿めと言って差し上げますわ!
「よしっ!なら俺が行こう!」
うぇ!?決めるの早すぎない?
「ほぅ~やけに早く決めたな。なにか企んでいるのか?」
司もわたしと同じ疑問を思ったらしい。
「いや、ただ単純に司は兄やんの役に合ってないなと思っただけだ」
「で、本音は?」
「最香にお兄ちゃんや兄やんって言われたい」
「うっわ~・・・」
わたしは正直にキモイ発言した庄司に軽蔑の眼差しをむける
「仕方ないだろっ!司は夢乃ちゃんがいるし、俺はこういう機会がないとお兄ちゃんとか呼ばれることがないんだよっ!」
「私だって弟だったんだけど・・・」
「それは昔のことだろ?」
「5か月ぐらいしか経っていませんけど・・?」
「ま、それはおいといて」
「ちょっ!?」
そろそろ始めようぜっ!って感じな目線でこちらを見てくる庄司と司。
「はぁ~あんまり似てなくても文句は言わないでよ」
「あんまり期待してないから大丈夫だ」
「じゃあ俺は翔くんだな」
庄司はウキウキで準備している。対してわたしはあまり気が進まない。
「なあ、妹よ」
「ん~なあに兄やん」
「~~~ッ!」
「いや、なに悶えてんの…」
「ふふっ、兄やんと呼ばれたことに少し感動してしまってな。声が漏れただけだ」
「それ外でやったら完璧変質者だからやらないでよね、まじで」
「おう」
こんな感じでいいのかな…
「兄やんっていつもそうやって呼んでるじゃん。どうしたのいまさら?」
「気にすんな」
「えっ…でもさ」
「気にすんな」
「あっ、はい…」
話も完全アドリブだから難しい。てか司が本当に空気になってるけど大丈夫かな?まぁ、本人は笑ってるからほっておこう。
「それより暑くない?」
「あぁ、確かに少し暑いかもな」
「だよね、ホント何度まで上がるんだよぉ~」
「お前、暑いの苦手だもんな」
こんな暑い日は自室で寛ぐのが一番だよ。
「お前、少しは外に出ないと・・・太るぞ?」
「うっわ~この兄貴、女の子に向かって禁句を吐きやがったよ…。兄やんだって人のこと言えないでしょ。知らないうちにぶくぶく太りますぜぇ~」
「俺がガキの頃から太りにくい体質なのはお前もよく知ってるだろ」
「うぐぐ…ふん!女の子の気持ちも分からない兄やんはいつまでたってもモテないよ!」
確かにわたし達三人は昔から太りにくかったな。今は女だからわたしだけ例外かもしれないけど。
「司も喋ってもいいぞ。なんかこいつと喋ってると疲れる」
「疲れるとはなんだ!あたしは兄やんが寂しがってると思ったから喋ってあげてるのに!」
「へいへい…」
実際、翔くんもそんな感じのキャラだから辛辣な言葉が出てくるのは分かるが、なりきりすぎだろ…
「いや、二人の会話がキャラになりきってて新鮮でな。面白くてその漫才に入れないんだ」
「「漫才じゃない!」」
「おい、合わせてくんな」
「いや、そっちこそあたしのマネしてんじゃん!なに?妹のこと好きなの?大好きなの?」
「・・・・はぁ~」
「ちょっと!本気のため息つかないでよ!傷つくじゃん!」
「お前といると疲れる…」
「だから傷つくからやめろぉ!」
わたしだって疲れるよ…キャラのマネってこんなに疲れるものなんだね。声優ってすごい!
「そろそろ疲れてきた、やめない?」
わたしは庄司に提案する。
「えぇ~もうちょっと兄やんって呼ばれたい。あとお兄ちゃんも」
「断固拒否するっ!」
これ以上やると黒歴史になる。間違いなくもうなってるけどね!
「ハイ!これでおしまいっ!」
「…うぅ~もっと楽しみたかったぜ…」
「いいじゃないか庄司。少しだけでも楽しめただろ?」
「それはそうだけどよ~」
(まぁ、最香は単純だからまた騙されてキャラマネしてもらえばいいさ)
(…最香には悪いけど単純って部分は否定できないな)
二人はコソコソと隅で話し合っている。何話してるんだろ?
「なに話してるの?内緒話?」
「いやなんでもないさ」
「ほんとに~?私関連の話じゃなかったよね?」
「大丈夫、最香が心配するようなことは話してないさ」
(まぁ、この先に起こるかもしれないが黙っておこう…)
「ふぅ~ん…ならいいけど」
「…ああ」
「……」
話のネタが尽きてしまった。
「会話…途切れちゃったね」
「偶には静かなのもいいんじゃないか?」
「……そうだね」
望むならこの幸せの空間が永遠と続くものならいいのに…
わたし達が少し呆けていると一階から母さんの声がした。どうやらそうめんを茹でたから食べにきなさいということらしい。夏のお昼にそうめんとは如何にもといったチョイスだ。
「庄司たちも食べていくよね?」
「いいのか?お前の一存で決めて?」
「お母さんのことだから多めに茹がいたと思うから大丈夫だよ」
「じゃあそうだったならお言葉に甘えて…」
母さんのことだから絶対に多めに作っているはずだ。その言葉を聞いた庄司は立ち上がり…
「やったぜ!最香のお母さんの飯だ!」
「姫乃さんの御飯は久しいな」
庄司と司はわたしを置いてさっさと一階に降りて行ってしまった。
「ふふっ…ちょっと!私を置いていかないでよ!」
わたしは少し笑いながら二人を追いかけた。最後にわたしの部屋に残ったのは賑わいを静かにさせるように鳴る風鈴の音だけだった。
最香sideout
雑談編(summer) 終わり
どうだったでしょうか?誤字等ありましたら報告お願いいたします。
あと、遅くなりましたがお気に入り登録した下さったユーザーの皆様。評価を下さったユーザ様、この場をお借りしてお礼申し上げます。ありがとうございました。今後とも当小説をよろしくお願いいたします