もし俺がTSしたらとか…って本当に女になった⁉︎(亀更新)   作:ヤマニン

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はい…ども。
ヤマニンです。最香の心での一人称は「わたし」で、喋るときは「私」にしてます。その方が可愛いやろ?私は萌えます(真顔)


第4話 振り返るとそこには幽霊…じゃなく兄でした。

最香side

 

御風 最人改め、御風 最香となりました俺こと,わたしです。…うん。自分で自己紹介して思ったけどわけわからんね,2回改まって話してる感じがする。まあ、いいや。

さて、わたしが女の子になった日から一週間が経ちました。もう,いろいろなことがあって大変でしたよ…うん、本当に大変だった。とりあえず出来事をまとめると…

 

1.服が無いので母と一緒にデパートに行った。嫌な予感がしてたけど見事に的中してしまい、案の定着せ替え人形みたいになった。

 

2.仲の良い友人(男子)2人にこのことを話した。なんとか信じてくれた。

 

…大体こんな感じだな。一番目はできる限り思い出したくない出来事だった。もう,母さんはウキウキで服を持ってきては着せてくるし、近くにいた店員さんまで悪ノリしてわたしに似合いそうな服をじゃんじゃん持ってくるからね…もう疲れたよ,パトラッシュ…。

2番目はわりとすんなり信じてくれた。なんか予想通りだったのが癪に障ったけどな。なんでも2人が言うには…

 

「だって、かわいいからなんでも信じちゃうぜ!」と…

「恋愛運がないお前にやっと春が来たか。よかったな、これで告白される機会があるんじゃないか?男にだけどな。」

 

だとよ。ひどくね?特に後ろのコメント。何が嬉しくて男に告白されなあかんのじゃ!お前も顔は良いくせに変な行動のせいで全然告白なんかされたことないだろうが!とか言うとまたグチグチと小言を言ってくるので言わないが…。とまあ、こんな感じの一週間だった。

そして明日は始業式。正直、ボッチになる未来しか見えないんだが…。いや待てよ。あっちは最人だったことを知らないんだからワンチャンあるんじゃね?わたしが上手くやればだけど。……まあ、こんなことを悩んでいても仕方ない。

 

最「そういえば明日って私が初めてあの学校に行くってことだよな?てことは、必然的に自己紹介しなきゃならんてことか?」

 

まじかよ…。なんであの学校はクラス替えがないんだよ…あれがあればクラス全員が自己紹介するからスムーズにことが進むのに!

 

最「そうだ、喋り方も気をつけないと…。」

 

そうだった。ここは家だから良いが、学校では母さんの言いつけ通りにしないといけないよな。でも可愛く喋ってたら絶対にぶりっ子だ!とか思われるよな…。少し自己紹介の練習でもするか…。

わたしは自己紹介の練習の為に鏡の前に立った。

 

最「ん〜、どんな感じだろ?〇〇高校から転校してきた御風 最香です。急な用で海外に行ってしまった兄の代わりに私がこの高校に来ました。まだ慣れてない土地なので、いろいろ教えてくださると幸いです。皆さん、よろしくお願いします!」

 

ぴっ。ガチャ。

そうわたしが鏡の前でお辞儀をし、とびっきりの笑顔をする。するとなにか機械を操作した音がして振り返ると丁度扉が閉まった。しかしわたしはその一瞬を見逃さなかった。片手にビデオカメラを持ち、清々しい笑顔で立ち去る”兄”の姿を。わたしの行動は早かった。

 

最「待て!」

 

部屋の扉を開け、この悪魔を捕まえる。

 

恭「はっはっは。そんな怖い顔してもかわいくて大した迫力はないぞ。」

最「うるさい!早くそのビデオカメラを渡して!hurry up!」

恭「なんで英語なんだ?しかし、その要件は呑めんな。」

最「なんで?」

 

嫌な予感しかしない…

 

恭「これは父さんに頼まれたことだからな。なんでも「息子から娘になった我が子を見てみたい」だそうだ。だからどうせならビデオにしてやろうかと思ってな。そしたら丁度よく自己紹介の練習?をしていたから、バッチリこのカメラに収めたって訳さ。」

 

兄は澄ました顔で悪びれることもなくそういった。

 

最「なら別に、今のやつじゃなくてもいいでしょ!例えば…」

恭「例えば脱衣所にいる時とか、入浴してる時とか?」

最「そうそう、お風呂に入ってる時に…って違う!それはもう犯罪だろ!」

恭「別に元弟なんだからいいだろ。ほら、問題ナシだ。」

最「問題しかないわ!今は妹だろ。それに家族とはいえ裸は見られたくない!」

 

わたしが強く説得したのが良かったのか兄は諦めた。

 

恭「そうか,確かに無神経だったな。すまない。」

最「そ、そう。分かればいいんだよ。」

恭「じゃあ、カメラに向かって父さんに一言。できるだけ可愛くな。」

最「えっ?そんないきなりやるの!」

恭「おう。てか、もうカメラまわってるぞ。」

最「えっ!まじかよ…んんっ。お、お父さん!最近顔見てないけど元気にしてる?わ、私はこの通り女の子になってしまいました…すごく不便だしいつ戻れるかもわからないけど元気にやってます!だ、大好きだよ。お父さん!」

恭「ハイ!カットォ!…なんかお前もう普通の女の子としてやっていけるんじゃないか?」

最「それはイヤ。絶対に元の姿に戻ってやる!」

 

恭(まあ、別に戻ってもお前をからかうネタなんて沢山あるから別にいいけどな。)

 

恭「じゃあ、俺は戻る。お前は明日から学校なんだろ?早く寝ろよ?それに女なんだから自分の体を労わってやれよ。おやすみ。」

最「う、うん。おやすみなさい。」

 

久しぶりに兄の口からまともな言葉を聞いた気がする…。今日はもう寝るか。さて、明日はどうなるか不安だ…。おやすみ…

 

最香sideout

 

恭平side

 

 

恭「俺がすんなりと引き下がる訳がないだろ。」

 

30分後……

俺はこっそりと最香の部屋に再び侵入した。そこにはベットの上でスヤスヤと眠っている最香がいた。

 

恭「すごい無防備だな,へそまで出してやがる。そういえば最人も寝相が悪かったな。やはりそこらへんの本筋は変わらないわけか。」

 

俺は小さな声で昔を思い出しながらいった。

 

恭「父さんへのメッセージ。最香の笑顔。2つ撮れたが父さんへのご褒美もかねて寝顔も撮ってやろう。感謝してほしいものだ。」

 

もともと父さんには言葉でしか説明してなかったらしいから、丁度いいだろ。実際は思い出作りだったりするけどな。こんな面白いこと生きているうちに、もうあるか分からないからな。

さて、さっさと撮って俺も寝よう。俺はカメラを点け最香に向けた。

 

最「ん…。にいちゃん…」

恭「っ!?」

 

一瞬、起きたかと思ったぞ…。単なる寝言か。

 

最「にいちゃん…。女になっても…嫌わないで…。おねがい…」

恭「………。」

 

…そうか。最香は性別が変わって知っている人に嫌われることを恐れている。昔から一緒にいた俺に嫌われたくなかったんだろう。

 

恭「ふっ…。心配するな。」

 

そうだ。心配しなくていい。お前は…

 

 

恭「お前は…世界に1人しかいない俺の…

”弟”だからな。最人……。」

 

 

…だが、今は”妹”だったな。こんなの俺のキャラじゃないが…言わせてほしい。

 

恭「良い夢見ろよ…俺の愛おしい妹よ。」

 

 

さて…寝顔も撮れたことだし、俺も寝るか。

そうして、俺は最香の部屋の扉をゆっくりと閉めた。

 

恭平sideout

 

 

 

 




いかがでしたか?
今回は2700文字でした。文を作るのは難しい!

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