もし俺がTSしたらとか…って本当に女になった⁉︎(亀更新)   作:ヤマニン

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どうもヤマニンです。
今回は新キャラが2人登場します。ではお楽しみください。

修正…新キャラは2人ではなく3人です


第7話 そこにいる禿げたジジイは誰だ⁉︎…うちの校長でした。

最香side

 

わたしは大崎先生と教室に向かって歩いていた。ていうか今さら思ったんだけどクラスは変わらないのに担任は変わるって何でよ?普通は担任もそのままじゃないの?

 

大「ん?どうした?」

 

最「あっ、いえ。友人がこの学校はクラスは変わらないけど、担任は変わると言っていたので少し疑問に思っていただけです。ですので気になさらないでください。」

 

大「そうか。何かわからないことがあったら聞いてくれ。」

 

最「はい。よろしくお願いします。」

 

この先生、面倒見が良さそう。野球部の顧問かな?

 

最「大崎先生。」

 

大「なんだ?」

 

最「いえ職員室で会った時から気になっていたのですが、なにか部活の顧問でもしているのですか?少し日焼けしているので外の部活ですか?」

 

大「そうだな…なんの部活だと思う?」

 

最「予想では野球部かサッカーかと。」

 

まず最初から野球1択だったけどね。

 

大「前者が正解だな。俺は野球部の顧問なんだ。日焼けはそのせいだな。」

 

最「そうだったんですか。痛くないんですか?日焼けして。」

 

大「毎晩、風呂入る時は悩まされるよ。痛くて仕方ない。」

 

最「あはは…大変ですね。ちゃんと日焼け止め塗らないとダメですよ。男の人でも肌が弱いと病気になっちゃいます。」

 

大「そうだな、今度からは塗ろう。帰ったら女房に頼んでおこう。」

 

最「結婚なさってるのですか?」

 

大「まあな。妻と今年4歳の娘が1人だ。息子だったら一緒に野球ができたのに少し残念なのはここだけの秘密な。」

 

最「ですが今の生活も充実してますね?」

 

大「よく分かったな。」

 

だって頬が緩んでますもん。超幸せそうです。

 

大「あんなに小さかった子がもう4歳なんだ。柄にもなくあの子の入園式に泣いてしまったよ。」

 

最「私には親の気持ちはまだ分かりませんが、子供の成長する姿は親にとって芸術を見ているのと同じかも知れませんね。いつまでも忘れられないかけがえのないものを。」

 

大「……」

 

ん?急に黙ってどうしたんだろ?

 

最「どうかしましたか?もしかして私、変なこと言っちゃいました?」

 

それなら謝らないといけない。

 

大「いや…正直なところ驚いた。君は中学生くらいの容姿をしてるのに立派な考えを持っている。君は成長していくんだな。」

 

最「?…よく解りませんがありがとうございます。」

 

どういう意味だろう?

 

大「着いたぞ。」

 

いつの間にか教室の前にいた。この先にはわたしの知らない世界が広がっているんだ。いや、クラスメイトは知ってるけど。

 

大「じゃあ、俺が入れといったら入ってきてくれ。」

 

最「えっ…。あっ、はい。わかりました。」

 

やばい。わたし、ものすごく緊張してる。心臓がおかしくなりそう。

 

ガラガラ

 

大「おーい。お前ら席につけ。ST始めるぞ。」

 

起立。おはようございます!

 

大「おはよう。じゃあまず今日の日程から…」

 

どうしよ?もうすぐわたしの紹介くるよね。うわー!昨日もっと練習しれば良かった!お兄ちゃんめ!これで失敗したら祟ってやる!

 

大「…で最後に始業式だ。これぐらいだな。質問はあるか?…ないようだから、みんなもどこかで聞いたかも知れんが転校生を紹介する。」

 

「せんせー。女子ですか!」

 

大「喜べ男子、女子だぞ。しかも可愛い。」

 

やめて!ハードルを上げないで!

 

大「じゃあ御風。入ってきてくれ。」

 

きた!落ち着けわたし。わたしは自分の心を落ち着かせながら教室に入った。わたしが入るとおおー!と歓声が聞こえてくる。

 

大「この子がこのクラスに転校してきた御風 最香さんだ。みんな、仲良くしてくれ!では御風さん、自己紹介をよろしく。」

 

最「は、はい。えっと…」

 

すごい…50以上の目がわたしを見てる。いや、怯むな。

 

最「今日からこの〇〇高校に転校してきた御風 最香と言います。以前は親戚の家で生活していましたが兄が父の仕事の用で海外に行ってしまったので代わりに私がこの〇〇高校に来ました。まだ慣れない土地なのでわからないことがたくさんあると思います。ですのでいろいろと教えて下さると嬉しいです。」

 

完璧!あとは最後にピシッと決めてフィニッシュ!

 

最「今日から2年間。よろしくお願いちましゅ!」

 

……やっちゃったー!どうしよー!誤魔化しが効かないくらいに盛大に噛んでしまった。てか、舌が痛い。やばい、涙出てきた。

 

最「グスッ…よろしくお願いします…。」

 

大(噛んだ)

 

(((噛んだ、しかも涙目。かわゆす。)))

 

むぅ〜。まさかあんな最後に噛むとは…しかも庄司と司は笑いをこらえてるし…ん?

 

庄(GJ!)(⌒▽⌒)b

 

司(よくやった。)

 

…もうやだ。2人が思ってることが手に取るように分かっちゃう。しかも庄司はサムズアップしてるし…。

 

大「では御風の席は…高橋の隣が空いてるな。おい、高橋。手を上げろ。」

 

庄「あっ、はい。」

 

大崎先生、ナイススルー!

 

大「御風、あそこで手をあげてるやつの隣の席な。」

 

最「はい。分かりました。」

 

わたしはそう言い庄司の元へと歩き、庄司に挨拶をした。

 

最「よろしくね。庄司くん。」

 

庄「おう。よろしくな、最香。」

 

「なんだよ、高橋。御風さんと知り合いか?」

 

「なんとうらやま…羨ましい。」

 

いや最後の言い直してないし!

 

庄「おう、最香とは友人なんだ。」

 

最「ついでに言うと、司くんともお友達なんだ。」

 

まあ、隠すことでもないし…別にいいよね?

 

「ふーん。でもどこで知り合ったんだ?御風さんは転校生だし、知り合う機会なんてそうそうになかっただろ?」

 

あ〜やっぱりそこを聞いてくるよね。でも返答は用意してあります!

 

最「お正月に一回お家に帰ったんですけど、その時に兄からの紹介で仲良くなったんです。まあ、会う機会は無かったんですけど携帯で連絡は取ってたんです。」

 

庄「それで今日、ここに転校してくることを知ってたから一緒に登校して来たんだ。」

 

「あ〜なるほどな。道理で高橋と古川がやたらかわいい子と一緒に登校してるわけだ。」

 

最「そ、そんな私がかわいいだなんて…」

 

やめて!恥ずかしくて死んじゃいそう。

 

「いやいや御風さん。充分にかわいいよ、な?」

 

「そうだよな、むしろこれで可愛くないとか言ったらそいつをはっ倒す自信がある。」

 

庄「それなら俺も参戦しよう。うちの最香を馬鹿にする奴はヒモなしバンジーの刑だな。」

 

司「ついでに火あぶりの刑も追加で。」

 

「「「それだっ!!」」」

 

わわっ!なんか大変な事になってる。ていうか皆さん、早いとこ前を向いた方がいいですよ。はっ倒す前に前にいる人にはっ倒されますよ。もう大崎先生の眉間がピクピクいってますよ!

 

大「おまえら…いい加減に黙らんか!」

 

「「「あいたっ!」」」

 

わっ、なんかのファイルで打っ叩いた。

 

「いてーよ、大ちゃん。」

 

「そうだよ、大ちゃん。親父にも叩かれたこと無かったのに!」

 

「責任…とってよね?」

 

このクラスの男子って本当にノリがいいな!もうコンビネーションとかを通り越して結婚しろレベルだよ。ホモリング的な?何それ嬉しくない。

 

大「……はあ〜お前らに付き合ってると俺が疲れる。朝のSTはこれで終わりだ。始業式だから遅れずにくるんだぞ。号令」

 

起立〜ありがとうございました。

 

ふぃ〜ようやく終わった。とか思ってたらわたしの前に行列ができてた。主に女子。

 

「ねぇねぇ、御風さん!もしかして御風さんのお兄さんって御風くん?」

 

「どこから来たの?よかったら今日の放課後、町を案内しようか?」

 

この子優しいな。ところがどっこいこの町のことは知っているのだよ!とは言えない。

 

最「うん、私のお兄ちゃんは御風 最人だよ。うーん…今日はお母さんが早めに帰ってきなさいって言ってたけど、少しだけ頼んでもいいかな?」

 

友達をつくるのは大切だしね。まずわたしの友達って今のところ夢乃さんぐらい?そうだ、後から司に夢乃さんのこと聞かないと。

 

「うん!任せてよ」

 

最「じゃあ、お願いします。えっと…」

 

雫「あっ、ごめんね。私の名前は椎葉 雫[しいば しずく]です。よろしくね、御風さん」

 

最「はい、よろしくお願いします。椎葉さん」

 

椎葉さんと話していると庄司に時間、もうすぐだぞと言われた。すかさずわたしは教室に設置されている時計に目をやった。

 

最「あっ、ほんとだ。そろそろいかないと…」

 

雫「なら、私の友達と一緒に行きませんか?ほら、あそこにいる人たちです」

 

椎葉さんが指をさす方には2人の女子がいた。あっ、手を振ってくれてる。

 

最「いいの?私が一緒にいても」

 

雫「もちろんだよ!御風さんはもう私の友達だもん!」

 

ええ子や〜もう感動して号泣するくらいにわたしの心にドキューンときたよ。

 

雫「待ってくれてるみたいだし行こうか?」

 

最「うん。あっ、でも…」

 

わたしはチラッと庄司たちの方を向いた。その視線に気がついたのか庄司は気にしなくていいと言ってくれた。

 

最「でも…」

 

庄「なに躊躇ってるんだよ。折角誘ってもらったんだ、行ってこい」

 

司「そうだな、俺たちとはいつでも付き合えるがそこにいる椎葉たちとは初めてだろう?なら行ってくるといい」

 

最「2人とも…ありがと。」

 

ほんと、この2人には感謝しても仕切れないくらい助けてもらってる。わたしは良い友達を持ったなと改めて思った。

 

庄「仲良くなったら、俺らに紹介してくれよー」

 

司「うむ。是非とも一緒にお茶を共にしたいものだ」

 

そのセリフを聞くまでは。折角あんなに良い感じの友情ドラマだったのにほんとにガッカリだよ!

 

最「……行こっか?」

 

雫「う、うん。でも高橋くんたちはいいの?」

 

最「ああいうのは無視するのに限る」

 

うん、長年の経験上ね。あれに関わるとろくな事になる。わたしは椎葉さんの友人と合流した。椎葉さんは2人にわたしのことを軽く紹介した。

 

雫「紹介するね。こっちが今日、転校してきた御風 最香さん。御風さん、この2人は一年の頃からの友人でよく一緒に出掛けたりしてるんだ。で、こっちが隣のクラスの硯 千鶴[すずり ちずる]ちゃん。同じく千鶴ちゃんと同じクラスの因幡 真衣[いなば まい]ちゃん。」

 

千「君が御風さんかい?私は硯 千鶴。気軽にちーちゃんと呼んでくれ。」

 

最「う、うん。ち、ちーちゃん…さん」

 

真「ちょっと千鶴、御風さん困ってるわよ。ごめんね御風さん」

 

最「い、いえ。少し驚いただけです。」

 

真「そう…なら良かった。私は因幡 真衣。真衣って呼んでね。」

 

最「はい…真衣さん。」

 

すると横で見ていた椎葉さんがずるいと言いたげに頬をぷくぅと膨らませていた。なにそれかわいい。

 

雫「むぅ〜2人ともずるい!私が御風さんに話しかけたんだからね!御風さん!」

 

最「は、はい!」

 

椎葉さんに呼ばれて思わずピクリと驚いてしまう。しかしそれでも椎葉さんは続けた。

 

雫「私のことは雫って呼んで。あっ、さん付けは無しで。」

 

ハードル高い!夢乃さんだってまださん付けなのに〜

 

最「〜〜ッ!し…!」

 

雫「し…?」

 

最「雫…ちゃん!」

 

雫「か、かわいい!かわいいよ最香ちゃん!」

 

雫ちゃんはわたしをギュッ〜と抱きしめてきた。若干苦しいです。あとあなたの平均ぐらいの胸が当たってます。やわらかい。

 

最「く、苦しいよ〜雫ちゃん。2人も見てないで助けて…」

 

千「ふふ、いやなに邪魔をしてはいけないと思ってね」

 

真「そうそう。微笑ましかったわよ」

 

なんか2人を見てると庄司と司を見てる気がする…

 

千「さて、もう少しで体育館に着くけど身なりはちゃんとしてるかい?」

 

真「当たり前よ。あっ、最香ちゃん。髪にホコリが付いてるわよ。とってあげるわね」

 

最「う、うん。お願いします」

 

真「はい、取れた。それにしても最香ちゃんの髪は綺麗よね〜。羨ましいわ」

 

お母さんから指導されたおかげだと思います。あの時のことを思い出すと少し身震いしてしまう。あまり思い出したくないな…特に側でゲラゲラと笑っていた我が兄の姿をね。

 

最「そんなことないです。ま、真衣さんの方こそ綺麗です」

 

真「ふふふ、嬉しいこと言ってくれるわね。ありがとう」

 

いやいやほんとに美しすぎます。今度からお姉様と呼ばせてもらいます。いや冗談だけど。

 

雫「よし、なら体育館に入ろうか」

 

真「そうね、みんなも結構集まってるようだし。じゃあここでお別れね」

 

千「じゃあね〜」

 

雫「うん。またね〜」

 

真「最香ちゃんも後で町を案内してあげるからね」

 

最「はい、楽しみにしてます」

 

そしてふたりと別れた。といっても隣のクラスだから列も隣なんだけどね。あ〜早く始業式終わらないかな。早く雫ちゃんたちに町を案内してもらいたい。いや別に案内してもらわなくても分かってるんだけどね。庄司たちとはよく街に遊びに行ったし。でも今回は女の子たちと行くとなるとちと話が変わってくる…要するに楽しみなんです。

 

雫「どうしたの?なんかそわそわしてるみたいだけど…」

 

おっと、どうやら考えてることが漏れてしまってたようだ。

 

最「いえ、早く雫ちゃんたちに町を案内してもらいたいので楽しみで仕方ないんです。ほんとに楽しみ♪」

 

雫(この子はほんとに同い年とは思えないぐらいにかわいいなぁ)

 

雫「そう?なら楽しみにしててね」

 

最「はい!」

 

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

 

この後の町案内のイベントにわたしの心は踊らずにはいられないくらいに高揚していた。始業式終了まであと少し。地味に長かった、なんだよ1時間って。校長の話長すぎだ!お前の話のせいでわたしの心はブレイクしてしまったよ。あっ、でも校長もいい感じにヘアーブレイクされてますね。失礼…言いすぎたよ。校長も好きで禿[は]げたわけじゃないもんね。

 

「これで平成○○年4月○日○○高校の始業式を終わります。一同、礼!」

 

「それでは3年生から順に退場してください。教室に戻ったら各自、担任の指示に従って行動しなさい。」

 

ようやく始業式も終わったようだ。疲れた。甘いもの食べたい。

 

最「う〜ん。やっと終わった。」

 

雫「あはは…確かに校長先生の話いつも長いからしょうがないよ。最香ちゃんは初めてだから知らなかっただろうけど」

 

いや知ってたけどね。あの禿げた校長がいつも集会の時に無駄に話が長いこと…いつも寝てたけどね!もちろんばれないようにだけどね。

 

雫「お兄さん、集会の時毎回って言っていいほど寝てたよ。」

 

アレェ!?ばれてるぅー!なんとかごまかそう。

 

最「え?ほんとですか?」

 

雫「うん、だから高橋くんや古川くんに毎回起こされてたよ。」

 

最「お、お恥ずかしい限りです。」

 

確かに庄司たちに起こしてもらってたな。

 

雫「ふふ、でも御風くんたちを見てるの割と私好きだったんだよね。ほんとに高校生活を満喫してるな〜ってね。」

 

最「確かにお兄ちゃん、電話する時楽しそうでした。」

 

雫「でしょ。だから私たちもこの後の町案内でたくさん楽しもう!私たち友達なんだから遠慮はしないでね。」

 

最「雫ちゃん…ありがとう。」

 

わたしは男のときでも女になっても良い友達に恵まれて幸せ者だな。

 

雫「さあ、最香ちゃん。早く教室に戻ろ?」

 

そう言って雫ちゃんは教室に駆け足で向かった。わたしはすぐに雫ちゃんを追った。

 

最「ま、待ってよ〜」

 

雫「ふふ、待たない〜」

 

ここで一句。春風に/押されて追うわ/友の姿。……これはひどい。そんな馬鹿げた俳句を心の中で詠みつつ、わたしは雫ちゃんのあとを追った。するとわたしの行く先を応援するかのように風がわたしの背中を押した、そんな感じがしてわたしはクスリと小さく笑みを浮かべたのであった。

 

最香sideout

 




今回は長かったですかね。
今回は6100文字でした。誤字がありましたらお知らせください。

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