魔法少女リリカルなのは  紅き翼の召喚士   作:シラヌイ

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八話

学校の授業が終わったあと、なのはとユーノは今後について話し合うためにアースラに来ていた。

 

 

 

なのはは学校で大樹が言ったことをそのまま伝えると、クロノは頭を抱えた。

 

 

「はぁ、武器をなくした理由は僕が不甲斐ない所為だから、

今日合流できないことは文句は言わないが、学校を抜け出すなんて何を考えているんだ?」

 

 

「…にゃはは」

 

 

なのはは苦笑する。

 

その後直ぐに、ジュエルシードが発見され、

なのはとユーノ、そしてクロノが現場に向かったが、

ちょうどフェイト達も来ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フェイトにとっては嫌なタイミングだが、なのはにとっては良いタイミングであった。

 

 

「フェイトちゃん…」

 

 

「高町なのは…」

 

 

二人はお互い見つめ合うよな形になったが、

その空気を壊す人物達が現れた。

 

 

 

「さすが、我等が主、こうも簡単におびき寄せることができるとは」

 

 

突然現れた男に、なのは達は警戒した。

 

 

「誰だ貴様は!?」

 

 

クロノは問いかける。

 

 

「私か?

私はライフメーカー様の最強の使徒、

(セクンドゥム)だ、覚えなくてもいいぞ。

何せ貴様たちはここで死ぬのだからな!!」

 

 

 

セクンドゥムはクロノの目の前に移動して、始動キーを口にした。

 

「ヴィシュ・タル・リ・シュタルヴァンゲイト!」

 

闇夜切り裂く(ウーヌス・フルゴル) 一条の光(コンキデンス・ノクテム)

我が手に宿りて(イン・メア・マヌー・エンス) 敵を喰らえ(イニミークム・エダット)

白き雷(フルグラティオー・アルビカンス)!!! 」

 

「プロテクション!!」

 

セクンドゥムからはたれた魔法をプロテクションでなんとか防いだクロノだが、プロテクションは突破され、

かなりのダメージをくらっていた。

 

 

「バリアジャケットがあってもこれだけのダメージをくらうのか!」

 

 

 

 

 

「クロノ君!!」

 

 

なのははクロノの名前を叫ぶが、セプテンデキムがなのはに狙いを定めて始動キーを唱え始めた。

 

 

「貴様の相手は私だ、アクエリ・エタルナ・デッドシー」

 

 

契約に従い(ト・シュンボライオン) 我に従え(ディアーコネートー・モイ・ヘー)

氷の女王(クリュスタリネー・バシレイア)来れ(エピゲネーテートー)

とこしえの(タイオーニオン) やみ(エレボス)!

えいえんのひょうが(ハイオーニエ・クリュスタレ)

 

 

 

 

「なのは、逃げて!!」

 

 

 

「遅い!! 全てのものを(オムニア・イン)妙なる氷牢に(マグニフィケ・カルケレ)閉じよ(グラキエーイ・インクルーディテ)こおるせかい(ムンドゥス・ゲラーンス)!!」

 

 

ユーノがなのはに叫ぶが、セプテンデキムはなのはが逃げるまえに、呪文を唱え終えた。

そして、なのはがいた場所が氷漬けとなった。

 

 

 

それを見たフェイトは二人の魔法に戦慄した。

 

 

 

「一人目。主には管理局など取るに足らないと報告しなくてはな」

 

 

「逃げられた」

 

「何!?」

 

 

セクンドゥムがそう言うと、魔法を放ったセプテンデキムは仕留められなかったと告げる。

 

 

「ふう、危なかったな、なのは」

 

 

「へ? だ、大樹君!?」

 

 

なのはは何が起きたのかを確認すると、自分は大樹にお姫様だっこされていることに気づき、

顔が真っ赤になった。

 

 

(大樹……)

 

 

 

「サモンマスターだと!?」

 

 

セクンドゥムが大樹の顔を見て驚愕する。

 

 

「あれ、やっぱり、あいつに似てるな(コイツは二代目か、

ということは創造主は生きている上に、この世界に来てるのか?)」

 

 

「ふん、ちょうどいい、主の邪魔をした貴様にはここで消えてもらおう、

もっとも、魔力を失った貴様など、赤子の手をひねるより簡単だがな」

 

 

 

(なんか、先代と違ってかなり性格が…)

 

 

 

大樹はなのはを下ろすと視線をセクンドゥムに向ける。

 

 

「で、あんた誰?」

 

 

「私は設定を最強にされた、ライフメーカー様nごほっ! 

貴様、人が名乗っている途中で攻撃するとは失礼にも程があるぞ!?」

 

 

大樹はセクンドゥムが名乗る前に、二重の極みを腹に叩き込んだ。

 

 

「いや、だって、長くなりそうだし」

 

 

「貴っ様ごほっ、ごほっ!!! 馬鹿なただのパンチに私がこれほどの――「余所見すんなボケ!」―なに!? がはっ!!」

 

 

 

大樹は回し蹴りで二重の極みを叩き込んだ。

 

 

 

その攻撃をくらってセクンドゥムは膝を着いていた。

 

 

「喰らえ!」

 

「お前がな!」

 

「ぐえっ!!」

 

 

 

その隙をついて、弐が大樹に魔法攻撃をしようとしたとき、

タマモが現れ、弐の首に蹴りをお見舞いした。

 

 

 

それを見たクロノは大樹の使い魔だと再確認した。

 

 

「お前、容赦ないな」

 

 

ニャンコ先生が呆れながら姿を現すと。

 

 

「なんだ、このブッサイクな狸は?」

 

 

ニャンコ先生を見たセプテンデキムは素直に思ったことを口にした。

 

 

「ほう、いい度胸しとるな貴様、貴様らのせいで酒はお預けになった上に、

この高貴でラブリーな私をブサイクな狸を言うか………喰らえ!!」

 

 

ニャンコ先生の両目が光った瞬間、セプテンデキムに雷が落ちた。

 

 

 

 

「ぎゃあああぁぁ!!」

 

 

 

 

 

「あの猫さんってあんなに強かったんだ……」

 

 

ニャンコ先生の攻撃を見て、呟くなのは、

その気持ちはクロノやフェイトも同じだった。

 

 

 

「つーか、()()の方が歯ごたえはありそうだけど、

性格的にお前の方がぶっ飛ばしたい欲求は上だな」

 

 

大樹は素直にそう言って、セクンドゥムを見下ろした。

 

 

「貴様、っこの私をなめるなハブァ!!

プリームムなど、私が殺してやった、

あんな失敗作に勝てない貴様なのど!?」

 

 

今度は、刀の鞘で首をなぎ払った。

 

 

「隙だらけなんだよ」

 

 

セクンドゥムが大樹を睨む。

 

 

「ふざけるなよ、魔力を失った貴様など、

すぐに殺してやるわ!!」

 

 

そう言って、魔法の呪文を唱えようとするが大樹は接近して体術に持ち込んだ。

 

詠唱を中断して、回避に専念するセクンドゥム。

 

 

(くっそ、コイツの攻撃を喰らうわけには行かない)

 

 

弐は援護に向かおうとするが、タマモが前を立ちはだかる。

 

 

「おっと、貴方の相手は私ですよ、ゴスロリ人形さん」

 

 

 

「邪魔をするな」

 

 

「旦那(未来の)に近づく女を排除するのは妻(未来)の仕事、

つーわけで、ここで潰れろ」

 

 

「オバハンは家に引きこもってろ」

 

 

「………よし、殺す、まずは呪殺して魂を縛って、肉体をばらし、

血抜きして、最後にすり潰して地獄の閻魔に送ってやる」

 

 

 

「た、タマモちゃん、落ち着いて、

目が怖いよ~~!」

 

 

タマモの変貌ぶりになのはは涙目でタマモを止めようとするが、

タマモは止まらず、詠唱を始めた。

 

「ここは我が国、神の国、水は潤い、実り豊かな中津国なかつくに。

 国がうつほに水注ぎ、高天たかま巡り、黄泉よみ巡り、巡り巡りて水天日光。

 我が照らす。豊葦原瑞穂国(とよあしはらみずほのくに)八尋やひろの輪に輪をかけて、これぞ九重(ここのえ)天照(あまてらす)……!」

 

 

 

弐は警戒して防御体制に入り、なのは達はタマモから発している光に目を奪われて見惚れていた。

 

 

「今だ、 ブタネコ!!」

 

 

「なに!?」

 

 

タマモはチラッと弐の背後に視線を移し叫んだ、その言葉と視線に後ろを振り向く弐。

 

 

 

 

「んなわけねーだろ、ボケ!!」

 

 

「ゴホッ!」

 

なのは達から見てもものすごい高そうな水天日光を鈍器として弐の顔にブーメランのように投げた。

 

 

 

「ほら、チャンスだ魔砲少女、攻撃しろ!」

 

 

「え! え…と、デ、ディバインバスター!!」

 

 

 

弐はまともになのはの魔法をくらって吹き飛ばされた。

それを見たタマモは引き気味に感想を口にする。

 

 

「うわー。あの威力ありえねー、なんつー攻撃するんだよ、どんな悪魔?

って感じですね」

 

 

「タマモちゃんが攻撃しろって言ったの、

しかも、タマモちゃんこそ変だよ、かっこよく魔法を使うと思ったら騙し討するなんて」

 

 

「いやいや、今の攻撃に比べたら私の騙し討なんて子供のいたずらレベル。

容赦のないあの攻撃にサーヴァントも真っ青間違いなしだっつーの」

 

 

不良ぽっくなのはに言うタマモに、ユーノは内心同意していた。

 

 

「さ、さーヴぁんと?」

 

「なんでもねーです、お子様は家に帰って寝てろ」

 

「ちょ、タマモちゃんだって、お子様なの!!」

 

 

「見た目だけじゃボケぇ、妖力が戻ったらボンキュッボンで、

狐耳と尻尾もついて、ご主人様をメロメロにさせる良物件じゃあボケェ!」

 

 

「ボケっていう方がボケなの!」

 

「なんたる面白くな言い返し、もう少し捻って言い返せ小娘」

 

 

「む~~~~~~~~!! なんで、そん何私のことを嫌うの?」

 

 

「別に、先にご主人様にお姫様だっこされたから悔しいってわけじゃねえですよ~~」

 

 

「ただの嫉妬!?」

 

 

大人気ない言い方でなのはをいじめるタマモ、

それを見ているクロノは呆れるしかとる行動がなくなっていた。

 

 

(緊張感がなさすぎる……誰か助けてくれ)

 

 

 

そんな時、フェイトはアルフに言われてジュエルシードを取りに行った。

クロノをそれを見て止めようとしたが、セクンドゥムがぶつかってきて一緒に吹き飛んだ。

 

 

「あ、わりぃクロノ、いるとは思わなかった『今のうちにジュエルシードを持ってこの場から離れろ』」

 

 

大樹は念話でフェイトに告げる。

 

『ありがとう大樹』

 

 

 

フェイトは念話でお礼を言って、この場を去った。

 

 

 

 

「ちょっとちょっと、新しい武器の試し斬りにすらならないぞ?

先代の方が手応えがありそうだぞ」

 

 

 

大樹はセクンドゥムを挑発する。

 

 

「いいだろう糞ガキ、ヴィシュ・タル・リ・シュタルヴァンゲイト!」

 

 

セクンドゥムは距離を取りながら発動キーを口にする。

大樹は仮契約(パクティオーカード)を手にして妖刀を出した。

そして、咸卦法を使って構えた。

 

 

大樹はアリアドネーにいた時に仮契約カードの衣装を登録を改造して、

ある程度の数の道具を登録し召喚できるようにした。

 

 

 

 

 

 

百重千重と(ヘカトンタキス・カイ) 重なりて(キーリアキス・) 走れよ稲妻(アストラプサトー)

喰らえ、千の雷(キーリプル・アストラペー)!!」

 

 

 

千の雷が大樹を襲いかかる。

 

 

「斬魔剣!」

 

だが、千の雷は斬られ左右に散りながら消えた。

セクンドゥムは信じられない表情をして呆然と立ち止まった。

 

「ば…馬鹿な………」

 

「呆けるなよ坊ちゃん」

 

 

大樹は瞬動でセクンドゥムの目の前まで移動した。

 

「っく!!」

 

「雷鳴剣 弐の太刀!!」

 

 

「があああぁあぁぁぁ!!」

 

 

 

大樹の攻撃をまともに喰らって地面に落下するセクンドゥム。

 

 

 

ニャンコ先生の攻撃を食らったセプテンデキムは、意識を回復させ、

セクンドゥムの傍に移動した。

 

 

「撤退するぞ」

 

 

「……くっそ、覚えとけサモンマスター、

この次は必ず貴様を倒してやる、私は目覚めたばかりでまだ本調子ではないのだからな」

 

 

 

セクンドゥムはそう言って、魔法陣を展開してこの場を去った。

 

 

「うわー、小者くせー」

 

 

「あのタイプって、次も負けるタイプですよね。

立派に負けフラグを建てていきましたし」

 

 

 

大樹は呆れた表情で言うと、タマモも同意した。

 

 

 

「言うな、パラメータはMAXにされてるから、

あの性格じゃなかったら結構ヤバイだろうし」

 

 

「でも、あの性格は治るんでしょうかね」

 

「「無理だな」」

 

 

大樹とニャンコ先生は即答した。

 

 

 

 

その後、大樹は今後の方針を決めるためにアースラに行くことにした。

 

 

 

 

 

大樹達にやられたセクンドゥムは、

創造主(プリームム)が用意した隠れ家に来ていた。

 

 

「ぬぅがあああッ!! 何だあのでたらめなパンチ力は!?

設定がおかしいだろ!? 魔力も通っていないパンチの威力じゃないぞ」

 

 

セクンドゥムは癇癪を起こしていた。

 

 

「なぜ私は生きている?」

 

 

弐はなのはの砲撃を喰らう直前、死を覚悟したはずなのに生きている事に疑問を持っていた。

 

 

「あの狸、今度こそ倒してやる!!」

 

 

セプテンデキムはニャンコ先生に雪辱のために決意を固めていた。

 

 

「我々は創造主様の使徒である我々が遅れを取るなどあってはならん!!」

 

 

 

それを、自室で監視していたプリームムは。

 

 

「なんで、あんな性格になった?

私をベースにしているはずなのに、こうも性格が違うとは、

どこかで設定を間違えたのか?」

 

 

 

真剣にセクンドゥムの性格に悩んでいた。

 

 

「まあ、扱いやすいから別にこのままでも構わないが、

今はそんなことよりサモンマスターか……、以前より確実に強くなっている、

けど、スピードが上がったわけでもない、腕力が上がった様子もないのにあの威力のパンチ」

 

 

 

プリームムは大樹の戦闘を見て呟き始めた。

 

 

 

「たった二日で…いや、ダイオラマ球の中なら一ヶ月近くになるか…、

いや、それでもセクンドゥムを圧倒できるものなのか?」

 

 

セクンドゥムはけして弱くはない、

むしろ、魔導士ランクにすればSSはある。

くわえて魔力の差は歴然、その差を埋めるものが大樹にあるとみたプリームムは笑みを浮かべて自身の本心を口にする。

 

 

 

「どうやら、私は君に興味をもったよサモンマスター」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、プリームムに興味をもたれた大樹は

アースラ組の人達に咸卦法について説明していた。

 

 

 

 

「まあ、魔力と気を肉体強化に使うと。身体能力にそのままプラスされるようなものだけど、

咸卦法は魔力と気を×(かけて)プラスされ感じだ。

発動した時の特典は肉体強化・加速・物理防御・魔法防御・耐熱・耐寒・耐電がついてくる」

 

 

 

咸卦法について説明を受けたクロノとリンディ、そしてユーノは信じられない表情になった。

 

 

 

 

 

 

 

クロノが試しに気を使う感覚を試したら、

思いのほか難しいということが分かり、咸卦法は愚か、気を使う術すら管理局員には無理だと判断した。

 

 

 

 

大樹達は学校を休み、アースラに待機することを選んだ。

 

 

なのははその日、両親に魔法のことを話し、学校を休む許可を得た。

その後直ぐに携帯でアリサとすずかにも伝えた。

 

 

 

大樹はダイオラマ球の中の工房にある、

いくつかのサモナイト石を仮契約カードに登録した。

 

 

 

「創造主がこの世界に来てるなら、

ゼクトを救えるかもしれないな」

 

 

 

紅き翼のメンバーが写っている写真をみて、

体を乗っ取られた師匠のことを思い出す。

 

 

 

「残りのジュエルシードを集めるまでに、

創造主を引きずり出してやる」

 

 

大樹は口にして決意を固めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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