魔法少女リリカルなのは  紅き翼の召喚士   作:シラヌイ

21 / 36
まず一言

カップラーメン食いてえ…。


一五話

大樹がダイオラマ球に篭ってから8時間が経過していた。

 

 

 

「もう18時間経過してる、あの中だと18日、

食事とか大丈夫かな」

 

 

「大丈夫だろ、野菜畑を少し作ったと言っておったから、

餓死はしないはずだ」

 

 

ダイオラマ球から出ない大樹を心配するタマモと裏腹にニャンコ先生は全く気にもしない感じでくつろいでいた。

 

 

「それより、馬鹿狐なんか作れ腹減ったぞ」

 

 

「お前はそこらの草でも食ってろブタ狸」

 

 

 

「誰が豚狸だ? せめて猫をつけろ。代わりに貴様を食ってやろうか? アホ狐」

 

 

「鏡を見てからモノを言え。センスを疑うわこの豚饅頭」

 

 

ブチ

 

 

 

「上等だ貴様。昼食の代わりに貴様を食ってやるわ」

 

 

「だったら貴様を丸焼きにして動物園に持って虎にくれてやるわ、豚まん野郎」

 

 

「誰が豚まんだ。半分程度しか力を回復させてない半端狐が」

 

 

「そう言うてめえはパンパンに太ってるデブの分際で」

 

 

「…………」

 

 

漫画やアニメの喧嘩のように土煙が舞い上がる中戻ってきた大樹。

 

 

「相変わらず仲いいなお前ら」

 

 

 

大樹の一言で二匹は固まった。

 

「ご主人様いつの間に―――じゃなく、

これがどう見たら仲がいいというんですか?」

 

 

「いや、どこからどう見ても仲いいだろ(笑)」

 

 

ガーンとショックを受けるタマモ。

 

 

「随分と中にいたな。そんなに時間がかかったのか?」

 

 

「まあな(半分正解、まさか三日もかかるとは思ってなかったけど)」

 

 

大樹自身は丸一日掛かると思っていたが、その三倍かかったことは予想外だったらしい。

 

 

 

(創造主の頭の中の知識を見ていたら時間を忘れてたなんていえないな。

まあ、おかげで尋常じゃない知識をてにいれたからいいけど。

にしても、読み取れたのが二割程度とは思えないくらい膨大だったな)

 

 

「だったら、ととっと飯を食うぞ、腹減って仕方ない」

 

 

 

大樹は時計を見て納得したのか、外食をすることにした。

 

 

 

大樹はニャンコ先生が化けた女の人に多少興味を持ったが、すぐに失った。

 

 

三人の中で一番年上に見えたニャンコ先生が大樹から金を受け取って支払ったのは別の話である。

 

 

 

 

「ああ、確かなのはの父親が話があるって言ってたな」

 

 

「どうします、このままいきます?」

 

タマモは大樹に聞き返すと、大樹はめんどくさそうな表情をして。

 

 

「そうだな、さっささと向こうの話を終わらせたほういいから行くか」

 

 

 

そう言って、翠屋に向かった。

 

 

 

 

その途中で大樹はすずかとアリサの後ろ姿を見つける。

 

(あ~、やっぱここは声をかけたほうがいいのか?

時間的には学校帰りだよな…なのはがいない所をみるとまだ休んでるのか…)

 

 

 

大樹が考え事をしている中、怪しい人影が二人を車に押しこんで連れ去った。

 

 

「あり? これって誘拐?」

 

 

「そうですね」

 

 

「人間というのはよくわからん」

 

 

タマモは大樹の言葉を肯定し、ニャンコ先生は興味がない反応をする。

 

 

「これって助けたほうがいいよな、一応知り合いというかクラスメートだし」

 

 

(これはあれか、フラグか? まずい…これ以上ご主人様にフラグを立てさせるわけにはいかねえ)

 

 

 

「好きにしろ、私は昼寝してくる」

 

 

 

ニャンコ先生はそう言って、この場を去ろうとする。

 

 

「ニャンコ先生はこのまま、翠屋に行ってこの事を知らせてくれないか?

なのはの帰りを待っていたということは家族ぐるみで仲がいい、これを知らせればすぐに動くだろうし」

 

 

 

「なんでこの私がそんなことをしなければならん? そこの馬鹿狐に頼めばよかろう」

 

 

 

「もしかしたら俺達になにか奢ってくれるんじゃないのか、

翠屋って確か喫茶店だっ―――「よし任せろ、私がすぐに知らせてくる」―――頼む」

 

 

 

そう言って、ニャンコ先生は急いで翠屋に向かった。

ちなみに見た目に似合わずかなり速いだけじゃなく体の身のこなしも軽い。その動きは明らかに不気味だった。

 

 

 

 

「さて、知り合いを助けに行きますか」

 

「……そうですね」

 

 

タマモは不機嫌に返事をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数分、ニャンコ先生は翠屋に到着した。

 

 

時間が時間なのでピーク前で、お客はそれほどいなかったのは幸運だった。

 

 

 

士郎葉すぐにニャンコ先生気づき近づいた。

 

「あ、きみは大樹君の飼い猫? だったかな」

 

 

昨晩、娘のなのはが魔法を使えるようになった事を知った高町家。

大樹の別れ際にニャンコ先生たちの正体WO

あらかじめ説明してもらったから、ニャンコ先生に普通に話しかけた。

 

「あ、ニャンコ先生?」

 

 

 

丁度なのはがお店に入ってきて、ニャンコ先生に気づく。

 

 

「まあ、そんなことはどうでもいい、昨晩、私達を待っていた時、

一緒にいた人の子が居ただろ?」

 

 

「え、その子達がどうしたんだ」

 

 

少し珍しい物言い若干違和感を覚える士郎。

 

 

「どうやら、誘拐されたぞ?」

 

 

 

 

『え!?』

 

 

「貴様が昨日、仙道に話があるといっただろ」

 

「え、しかしそれと誘拐が何の関係が?」

 

 

「貴様の話を聞くためにここに来る途中で目撃したのだ」

 

 

「すずかちゃんとアリサちゃんは今どこにいるの?」

 

 

なのはは叫ベに恭也達も異変に空気に気づいた。

 

「仙道が今跡をおっとる。私は関係者のお前たちに知らせるよう頼まれただけだ。」

 

「そ、そうか、ありがとう。恭也は私と一緒に彼女達を探そう。

みゆきはこの事を月村家に知らせてくれ」

 

 

「わ、私も行くの」

 

「なのは?」

 

 

「大丈夫、私なら大樹君の居場所がわかるの」

 

 

「わかった」

 

 

 

急に慌ただしくなった翠屋。

 

 

 

「さて、私は先に行く」

 

 

ニャンコ先生はお店の外に出ると姿が消えた。

 

 

「ニャンコ先生?」

 

 

なのははいきなりの事で驚愕する。

 

 

 

ニャンコ先生は本来の姿になったせいで妖気の類を持っている人間以外見ることができなくなった。

 

 

 

士郎達が準備を終える。

 

「あれ、あの猫は?」

 

「きゅう、急に消えたの」

 

「え?」

 

 

「おいおい」

 

 

「なのはの言うとおりよ。私も見たし」

 

 

なのはを弁護する美由紀。

 

「そ、そうか。妖怪だしそう不思議じゃないけど。いまは彼女達のことだな」

 

 

 

 

そう納得して、すずかとアリサの搜索に向かった。

 

 

 

なのははレイジングハートに大樹の魔力を追うよう頼んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先に出て行ったニャンコ先生は大樹達を補足した。

 

 

「まだ助けてなかったのか」

 

 

「ニャンコ先生、早いな」

 

 

「知らせただけだからな、で、誘拐犯は」

 

 

 

「あそこの廃ビルにいるみたいだな」

 

 

「どうするんですか? 誘拐犯が丸腰の可能性はないですし」

 

 

「人数さえわかれば対処できるだろ。今のニャンコ先生はその姿だと人間に見えないだろし、

頼む」

 

 

「まあ、あとでたっぷり礼をもらうからな」

 

 

「それは好きにしていいぞ。 あの二人の家結構裕福だし」

 

 

それを聞いたニャンコ先生はにやりと笑みを浮かべた。

最も見た目はおおきな犬なのでかなり怖い。

 

 

 

 

ニャンコ先生は二分ほど廃ビルはいって戻ってきた。

 

 

「数は三人だけだ」

 

 

「そうか、だったらとっと助け出すか」

 

 

 

そう言って、大樹達は廃ビルに入っていった。

 

 

 

 

二人がとらわれている部屋の前に近づくと、男の叫び声が聞こえる。

 

 

「この娘の人間じゃない。人の血を吸って生きる化け物。つまりは吸血鬼さ」

 

 

 

男の声を聞いた大樹は動きを止めた。

知り合いに真祖の吸血鬼がいるからそのことについては驚かないが、

身近にいた事に驚いてた。

 

 

「おいおい、身近にいたのかよ。俺の周りって結構変わり者が多いな」

 

 

召喚術を使う自分を始めに、魔法世界で出会った仲間はほとんど人間離れしている存在である。

アルやゼクトにいたっては吸血鬼でもないのに数百年生きている。ゼクトの方は生きていたが正しいのだが。

 

 

そんな自分の周りを改めて考えていると、アリサが叫んだ。

 

 

「関係ないわよ。すずかはわたしの親友よ」

 

 

臆面もなくそう叫んだアリサに大樹は感心した。

もっとも親友という意味もあるが妖怪や魔法使いの存在を知っているから別段吸血鬼だからと言われてももはや驚いてないだけだが。

 

 

 

 

「アリサちゃん……」

 

 

 

「なんか感動的な場面になってるけど、おっさん達は空気を読まなさそうだし、

そろそろ行くか。ニャンコ先生はその姿でいてくれ。万が一逃げられたら匂いでおってもらうから」

 

 

「しかたない」

 

 

「いくぞ、タマモ」

 

 

「あいあい」

 

「っとその前に」

 

 

 

アリサの言葉に嫌悪感を感じた男は銃をアリサに向けて。

 

「っけ、化物のしりあいはキチガイかよ。俺達が欲しいのはその吸血鬼だけだから。

お前は用無しこ―――「失礼します~~~」

 

 

 

 

突然の侵入者に視線が映る。

 

「だ、大樹!?」

 

 

「どうしてここに!?」

 

 

「なんだこのガキ!?」

 

 

男達は侵入者が子供だと知ると警戒が緩む。

 

 

「いや、なのはの親父さんに話があるって以前…(やっぱり感覚がずれるな)

昨日言われてその話を聞くためになのはの家に向かおうとしたら、

お前らが誘拐されるのを見かけてな。助けに来た」

 

 

 

「お前みたいなガキ一人に何ができる?」

 

 

 

「いや、俺ひとりじゃないぞ。ほれ」

 

 

大樹が視線を足元に向けると、大樹の背後から子狐が姿を現した。

 

 

「は?」

 

 

タマモの登場に呆ける誘拐犯達。

 

 

「な、俺ひとりじゃないだろ?」

 

 

「「「ぶっ、はははははは、なんだ、そんな子狐と一緒に何ができるんだ?」」」

 

 

 

「まあ、色々出来るけど…(呪術とか、火を出したりとか)」

 

 

 

「それに、てめえは知ってるのか? このガキは化物なんだぞ?」

 

 

 

「化物ね…最も俺は本物の化物を知ってるから、月村を化物とは思えないけど」

 

 

「ふざけんじゃねえぞこのガキ!!」

 

 

銃を持った男は大樹に向けて撃つと、大樹をそれを躱す。

 

 

 

「銃を向けられるのは初めてだけど、たいしたことないな」

 

 

頭を掻きながら呟いた。

 

 

 

「な、なんだと!?」

 

 

「おい、しっかり狙え」

 

 

「わかってるよ」

 

 

「喧嘩はよくないぞ、ほれ、面白い助っ人登場するぞ」

 

 

大樹の言葉に合わせて、扉から人影が姿を現した。

 

 

「ニャン!」

 

 

『は!?』

 

 

 

 

ボクシンググローブを身につけた猫が立っていた。

の姿に言葉をなくす。

 

 

「いけナックルキティ」

 

 

「ニャン!!」

 

 

彼らの頭の中にゴングのなる音が聞こえると、ナックルキティは銃を持った犯人のそばまで距離を詰め始めた。

 

 

「く、来るな化物」

 

 

 

銃を撃ちナックルキティを止めようとしたが、ナックルキティは上半身を左右に振って躱す。

 

 

 

 

「何!?」

 

 

 

「か、かわいい…」

 

「いや、すずか、こんな時に猫好きを発揮しなくても」

 

 

親友の感想に呆れるアリサ。彼女達にはもはや恐怖心はなくなっていた。

 

 

「この、この、この、この!」」

 

「ニャン、ニャン、ニャン、ニャン」

 

 

 

左右に上半身をゆらし∞の軌道を描きながら避け距離を詰めるナックルキティ。

 

 

 

そして、間合いを詰めた瞬間。

 

 

 

「にゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃ!!」

 

 

両の拳で殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る。

 

 

もはやオーバーキルじゃね?と言うような攻撃を繰り返すナックルキティ。

猫好きのすずかを侮辱したことを理解しているせいか加減がない。

 

 

 

そして、二歩ほど下がると。

 

 

「ニャン!!」

 

 

 

強烈なアッパーで止めをさした。

 

 

 

銃を持った男は数メートル後方に吹き飛ばされる。

 

 

 

男が地面に倒れるとどこからかゴングの音がカンカンと鳴り勝利のポーズを取るナックルキティ。

 

 

 

 

 

「こ、この化物が!!」

 

 

もう一人の男が住を取り出そうとした瞬間、大樹は瞬歩で距離を詰めた。

 

「は!?」

 

 

あまりの出来事で混乱し動きを止める男に大樹は少し気を纏わせた拳で殴った。

 

 

「ゴッホ!!」

 

 

 

殴られた男は後方に吹き飛び壁に激突した。

それだけでなく、頭蓋骨が砕ける感触を大樹は感じた。

 

 

「あり?」

 

 

 

殴った本人は驚く。

 

 

 

「加減したぜ、おいおい、なんだこの脆さ?」

 

 

「ッヒ…!!」

 

 

 

残った男はあまりの出来事に尻餅をつく。

 

 

 

「あちゃ~~、これ以上的加減できないぞ」

 

大樹は呟き、残った男に視線を移すと。

 

 

「っく、来るなーーー。来るなーーー化物!!」

 

 

そう叫びながら逃げていった。

 

 

 

『鬼ごっこか?こういった遊びは初めてだから楽しみにだな』

 

 

男に念話で伝えると、男はさらに恐怖して必死なって走っていった。

 

 

「タマモはその二人を頼む」

 

 

 

「あいあい~」

 

「ちょっと?」

 

 

 

ナックルキティは元の世界に戻り、大樹は逃げていった男のあとを追いかけた。

 

 

 

 

 

 

「な、なんだこの化物は、こんな話聞いてないぞ」

 

 

 

 

 

外に逃げようとした男の視線に大きな動物が視界に入った。

 

 

「なんだこれ…!?」

 

 

 

「ん? なんだ仙道のやつ取り逃がしたのか?」

 

 

 

 

「しゃ、喋った!?」

 

 

「ん? 私の姿が見えるのか?」

 

 

 

ニャンコ先生は事態に気づき、男に視線を移す。

 

「っひーーーー!!」

 

 

 

男は腰が抜けて立てなくなった。

 

 

 

「全く、厄介なことになったな」

 

 

ニャンコ先生は愚痴っていると大樹が追いついてきた。

 

「あれ? ニャンコ先生?」

 

事態がおかしいことに気づいた大樹はニャンコ先生に説明を求めた。

 

「どうやら、恐怖のあまり妖怪が見えるくらいまでの妖気が目覚めたようだ」

 

 

「っひーーーーーーーーー!!」

 

 

 

ニャンコ先生が男を睨むと男は金縛りにあったように動けなくなった。

 

 

「それってやばいのか?」

 

 

 

「こういった人間が騒ぎ出し。低級あるいは中級が騒ぎ出して、上級妖怪の耳に入る可能がある」

 

 

「そうなると?」

 

 

「上級妖怪のほとんどは人間を嫌っている。くわえて連中は人の顔を判別できない」

 

「なるほど、自分の周りが騒がしくなったら消しにくるっていうわけか」

 

「ああ、今言ったように顔の判別ができないなら街にいる人間ごとなんてことにもなりかねないぞ?」

 

 

 

「そりゃあ、だれだって嫌いな奴が自分の周りにで騒いだら嫌だろな」

 

 

「どうする?」

 

 

「そうだな……………食べちゃえ♪」

 

 

 

 

「ほう」

 

 

考えた末に大樹が導き出した答えにニャンコ先生は興味を持った。

 

 

「な、っき貴様人間だろ?」

 

 

 

ニャンコ先生が何かを言う前に男は大樹に向かって叫ぶ。

 

 

「おいおい、あんただって、牛や豚、鶏肉を食べるだろ?

なのに食われることについては文句を言うのか?

だったら食われる気持ちを味わえよ」

 

 

笑顔で言い放つ大樹に男は涙を浮かべた。

 

 

「本当にいいのか?」

 

「別にいいよ。タマモに聞いたけどニャンコ先生は昔は人間を食ってたんだろ?」

 

 

「そうだが、それを知っていて私をそばに置いたのか」

 

 

 

「おいおい、誰が何を食べるかはそいつの自由だろ?

金がかかったり、手間がかかるならともかく。そいつを生かす義理は俺にはないし、このまま生かすと問題が起きる可能性がある以上俺は止める気はないぞ。食いたくないのか?」

 

 

「っふ、あいつらと違って面白いやつだ。いいだろう、今回はその言葉に甘えていただくとしよう」

 

 

 

「っひ、た、助けてくれ、助けてくれーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

 

 

 

 

 

 

これが、男のこの世の最後の言葉であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

助け出されたすずかとアリサは裏から廃ビルを抜け出したところで、

なのは達と見つけた。

 

「二人とも無事だったんだね」

 

「ええ、大樹が助けてくれ」

 

 

「怪我はないみたいだね」

 

士郎は二人に確認すると。

 

 

 

「っひ、た、助けてくれ、助けてくれーーーーーーーーーーーーーーーー!!」

 

 

廃ビルから男の叫び声が聞こえた。

 

 

『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』

 

 

 

「い、今のは?」

 

 

「子供の声じゃなかったね?」

 

 

し~んと廃ビルを眺める士郎達の前に何食わぬ顔で大樹が廃ビルから出てきた。

 

 

「お! 無事ってことは、あの二人はまだ気絶してるみたいだな」

 

 

 

「ええ、むしろ片方は生きてるのが奇跡だと思うレベルですけど。

あご、砕かれていましたよ」

 

 

呆れた顔でタマモは先ほどの大樹の一撃を思い出した。

 

「いや、考えてみれば俺一般人と戦うの初めてだし、

あんなに弱いとは思わなかったんだよ……ホンの少し気を込めただけなのにな……」

 

 

 

最後はボツりと誰にも聞こえないよう愚痴る大樹。

その後直ぐに、月村忍がやってきて今回の事件は月村家で説明された。

 

 

なのははすずかが吸血鬼だと知ってもアリサと同じ友達だと宣言した。

 

 

 

「あっちはあっちで絆が強化されたみたいだな」

 

 

 

「そうね、でもあなたは驚かないの?」

 

 

 

忍は今回の事件をきっかけに、士郎達からなのはの身の回りで起きた事件を説明したが、

大樹がすずかにかんしてあまり驚いていないことに不審に思っていた。

 

 

なのはやアリサの場合は親友ということが最も大きかったので、

疑っていないが大樹の反応だけがあまりにも納得いかなかったようだ。

 

 

 

「別に、吸血鬼にあったのはこれが初めてじゃないし」

 

 

「「「え!?」」」

 

 

 

その言葉に驚く士郎達。

 

 

「むしろ、その吸血鬼に比べるとあんたらは吸血鬼の血はかなり薄いぞ。

俺が知っている吸血鬼は600年近く生きてるからな」

 

 

「君はその吸血鬼とはどんな関係なんだい」

 

 

 

「そいつのプライベートに関わるのでしゃべるつもりはないぜ。

吸血鬼だから態度を変える気はないので…つーかめんどくさいし」

 

 

「「「………」」」

 

 

 

「それに、吸血鬼なんて血を吸うだけだろ?

ニャンコ先生みたいに人を食べるわけじゃないし。

まあ、食べたとしても俺は文句は言わないけど」

 

 

 

「じゃあ、もうひとりの誘拐犯がいないのは?」

 

 

士郎は大樹大樹の言葉にもうひとりの誘拐犯のことを聞いた。

 

 

「そっちで、デザート食べる猫が食った」

 

 

「なんで、そんなことをした」

 

 

恭也は納得いかないのか大樹に問いただした。

 

 

「あんたは何に対して怒ってるんだ?

人間を食ったことに関して怒っているのか?

それとも、殺したことについて怒ってるのか?」

 

「その言葉だと、あの猫が食わなかったら殺すつもりだったのか?」

 

 

 

恭也は大樹を睨みながら質問した。

 

「ああ、あの男は恐怖のあまり妖気に目覚めたからな、

あれほっとくと、そこらへんにいる妖怪が騒ぎ出して、力のある妖怪に迷惑かかる可能性があったし」

 

 

「だからといって、何も―――「ご主人様がとった行動は最善ですよ。

なんせ、力のある妖怪はほとんどが人間嫌いで、神様の一歩手前の力を持つ者が多いですから。

それと、それ以上ご主人様に近づくと殺すぞこのガキ」―――っう」

 

 

 

タマモは笑顔とドスの効いた声で恭也に忠告する。

 

 

 

「まあ、私としては久々に人間を味わえたから言う事はない。

お前が普通の人間ではないからといって、妖怪側に関わらない方が身のためだ

現にお前達ほとんどの人間は妖怪を見ることができないのだからな、

妖怪を消したいなら人間が住むこの大地を荒野にするしかないぞ」

 

 

 

ニャンコ先生は笑みを浮かべながら忠告した。

 

 

 

「それに、あんたらだって肉は食ううだろ?

まさか生きるために仕方がないって言い訳するつもりか?」

 

 

 

大樹の質問に言葉をなくす三人。

 

「俺達人間が肉を食うのは生きるためだけじゃなく、その舌を満足させる為の身勝手なものだろ。

弱肉強食の野生動物たちのルールに比べたら身勝手な生き物だと思うぞ」

 

 

 

戦争を経験して人間身勝手さをその目で見た大樹は達観していた。

だからと言って聖人のように生きていく気はまったなくむしろそれを自覚したまま生きていたほうが楽だし楽しめる為、大樹は人が死ぬことに達観している。

 

 

 

 

 

「まあ、現代の妖怪が自分の意思で人を殺すケースは人が人を殺すのに比べたら少ないものですよ。

人間に危害を加えた妖怪のほとんどは力のある人間の式にされてるのが原因ですけど」

 

 

 

 

 

 

 

タマモの言葉に士郎達は今度こそ言葉をなくした。

今回の誘拐事件を見れば、人間の身勝手さがよくわかる。

 

 

 

 

なのは達はおちついたのか、大樹達の話に加わってきた。

 

 

 

「えーと、どうしたの?」

 

 

「俺が以前別の吸血鬼にあったことがあるって話ししただけだ」

 

 

 

「そうなんだ」

 

 

 

先ほどの話はなのは達は刺激が強いと思って大樹は話題を戻した。

 

 

「で、俺としてはすずかが吸血鬼だろうと態度を変えるつもりはないし、変えて欲しいというなら、

めんどくさいから俺に関わるなと言っただけだ」

 

 

「そんなことは言わないけど、怖くないの」

 

「別に、なのはに聞くど、俺とナギ達の戦いに乱入するか、すずかと違って人を襲う吸血鬼と話をするか選べと言われたらどっちを選ぶ?」

 

 

「吸血鬼」

 

 

なのはは即答する。

 

 

「えーと、なのはちゃん?」

 

 

「だって、すずかちゃんは知らないだろうけど、あの三人の戦いは大怪獣の決戦みたいなものだよ。

フェイトちゃんの家を木っ端微塵にしちゃうくらいだし」

 

 

 

「あんた、何したのよ?」

 

 

 

なのはの言葉に呆れた視線で代気を見るアリサ。

 

 

あながち間違っていない、ナギ達に比べたら月村家は身体能力が優れていて、

血を飲めるだけの人間だという認識である。

 

 

 

「まあ、そういうわけだ、俺の方があいつらに化物だのバグだの言われてるんだ。

連中のほうが化物だろ

 

 

「あ…あははは」

 

 

なのはは先日の戦いでアルの言葉を思い出して苦笑した。

 

 

「さて、話も終わったし。ついでだから今度はあんたの話をしてくれないか?」

 

 

大樹は士郎に視線を向ける。

 

 

 

「ああ、そうだったね」

 

ごほんと咳をして話をはじめる士郎。

 

 

「勝手で悪いけど君の周りのことを調べさせてもらった>

 

 

「で?」

 

 

 

その言葉で、なんの話か感づく大樹。

 

 

「君は一人で暮らしてるんだよね?

 

 

その言葉にすずか達は驚いた。

 

 

「よかったら―――「断る」――――まだ本題を言ってないけど」

 

 

「どうせ、うちに来ないかと言うつもりなんだろ?」

 

 

「そうだけど」

 

 

今の話を聞いた士郎としてはあまり子供らしくない大樹にもう少し子供らしい生活を送って欲しいと思って大樹を家に迎え入れたかったが大樹は即答で断った。

 

 

「理由を聞いてもいいのかい?」

 

 

「そう言った関係が嫌で、俺は色々手を使って今の環境を手に入れたんだ。

せっかく手に入れた環境を奪われてたまるかっつーの。俺はあんたの娘のクラスメイト、OK?」

 

 

 

軽く士郎を睨む大樹。その言葉を聞いてなのはは若干ショックを受ける。

 

 

「だったら、せめて食事だけでも」

 

 

「却下」

 

 

創造主の記憶からいろいろな知識を知ってからか大樹としては食事を作ったり食べたりする時間より修行や魔法具の制作に時間を費やしたい状況である。

 

 

「話がそれだけなら帰らせてもらう。今回のことは誰にも言わないから安心しな。

いや、そのおっさんがこれからちょっかいをかけなければ言うつもりはないと言ったほうがこっちには都合がいいか」

 

 

大樹は士郎に視線を向けた。

 

 

 

「お互い事情があるんだ。これ以上干渉しないのが懸命だろ。行くぞタマモ、ニャンコ先生」

 

「あいあい」

 

 

「もぐもぐ、ごくん。 全くもう少し味合わせろ」

 

 

 

タマモは大樹の肩に乗り、ニャンコ先生は出されたお菓子を平らげて家に帰っていった。

 

 

その後士郎と恭也は翠屋に帰っていく。なのははあとで月村家が送り届ける為、

夕飯まですずかとアリサと遊んでいる。

 

 

 

「はぁ、まさかきっぱり断られるなんて…」

 

 

「本人も嫌がってるんだし、そっとしといたほうがいいと思うよ父さん」

 

 

「まあ、そうなんだけど。あんな子供を一人暮らしさせるなんて放っておけないだろう」

 

 

 

「父さんの気持ちはわかるけど(俺としてはなのはに近づいて欲しくないんだけど)」

 

 

 

「まあ、しばらく様子見かな、はは」

 

 

 

苦笑しながら士郎は家について彼女達は無事だったと桃子達に報告した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちょうどその時、すずかの部屋ではアリサとすずかがなのはに魔法を教えて欲しいと頼むが物理的に無理だと

レイジングハートに言われショックを受けるが、レイジングハートから大樹の魔法なら覚えられるかもしれないと告げられる。

 

 

 

 

 

 

 

二日後の昼食。

 

 

「大樹、魔法教えて」

 

 

「大樹君、魔法を教えて欲しいの」

 

 

 

「は?」

 




さて、アリサとすずかも参戦ですが、
正直、迷っています、始動キーとかアーティファクトとか、
次回は少し時間がかかるかもしれません。
オリジナル始動キーやアーティファクトは思いつきませんので、どこかのゲームや漫画から取ろうかと思っています。
活動報告で彼女達の始動キーやアーティファクト案など募集しようと思います。


後、彼女達の強さは初期のネギくらいの強さにしょうと思ってます。





  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。