魔法少女リリカルなのは  紅き翼の召喚士   作:シラヌイ

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二十三話

大樹の過去を見てから数日後、なのは達は守護騎士と模擬戦をするようになった。

 

 

 

闇の書を調べている大樹は息抜きついでに彼女達の模擬戦を眺めていると。

 

 

「何か進展はあったのか?」

 

クロノが大樹を見かけて声をかけた。

 

「きてたのか?」

 

「ああ、裁判も一通り終わったからね。で、なにか進展は?」

 

 

 

「闇の書そのものに人格があるような形跡があったからな

とりあえず蒐集してその人格をたたき起こすつもりだ」

 

 

「大丈夫なのか?」

 

 

「まあ、暴走の可能性はあるかもしれないけど、

何かアクションを起こさなきゃ始まらんだろ?」

 

 

「たしかにそうだが…」

 

 

「一応、その時はアルとゼクトを召喚するから大丈夫だろ、

(アルにいたっては同じ本だし)」

 

 

「確かに彼等なら安心だな」

 

「そういうことだ、それよりお前はいいのか?

アルから聞いたけど闇の書にそれなりに因縁があるんだろ?」

 

「…彼の能力は非常に危険だな』

 

「それについては同感だ。で、何か思うところはあるんだろ?」

 

「それについてはすでに踏ん切りがついてるよ、

僕としては君の過去を見せてもらったけど

あんな目にあってよく戦うとするな」

 

 

大樹は以前の事件に関わった人なら見せても言いといったので、

フェイトはプレシア達にデバイスに残っている映像を見せた。

 

 

「魔力がなくても戦える人間が二人も目の前にいたんだ、

諦めるにはあの程度の怪我だと、ぬるいと思うけど?」

 

 

「あれをぬるいという君の神経を疑うよ」

 

 

「両手両足がなくなったわけじゃないし、

不治の病にかかったわけじゃないんだ」

 

 

「それはそうだが、…はぁ

この手の説教は君に何を言っても無駄か」

 

 

大樹は一般人の感覚がずれていると再確認するクロノ。

 

だけど、その前向きな性格を少しうらやましく思っている。

 

 

「まあ、蒐集は俺のこれを使えばいいし、

あとははやてに負担がかからないよう慎重に事を進めるだけだ」

 

 

「そうか、何か必要なことがあたら言ってくれ」

 

 

「あいよ……にしても、あいつらも最初のころより強くなってるな」

 

 

大樹はなのはとフェイトを見て呟いた。

 

「まあ、彼女達の成長は僕も驚いている、

管理局でもあそこまで成長できる人間はそうはいないよ

あの事件が終わったあとでも特訓は続けていたんだろう」

 

 

みえないところで、努力をしているを賞賛する二人。

 

模擬戦が終了して休憩に入るなのはたちに挨拶する大樹。

 

 

「よう、がんばってるな」

 

 

「大樹君」

 

「きていたのか?」

 

最初に気づいたのはなのはとシグナムだった。

 

 

「ああ、息抜きついでに様子を見に来た」

 

軽く挨拶を交わし、今後について話をする大樹。

 

「まあ、ナギとゼクト、アルと俺に化けたアルなら、

軽く300いけるだろうとはんだんしてるから、蒐集に関してはさほど問題は無い」

 

 

ヒトカタの符を出した大樹の言葉を聴いて、

複雑な表情をする守護騎士達。

 

 

「どうした、なんか問題あるのか?」

 

「いや、ないけど、あたし等があんだけ苦労して蒐集してた時期を思いと少しな」

 

「そうだな」

 

数ページ集めるだけも苦労していた守護騎士にとっては複雑な思いである。

 

「まあいいや、とりあえず今後の方針こんな感じだ」

 

 

大樹はそう言って立ち上がろうとすると。

 

 

 

「仙道、手合わせをしてほしいのだが」

 

 

シグナムはそういうと、大樹は少し考え。

 

「嫌だ」

 

「む、なぜだ?」

 

 

拒絶した理由を聞くシグナム。

 

「お前らのそのバリアジャケットは敵としての戦うなら全力出すけど、

模擬戦となるとめんどくさいから嫌だ」

 

 

以前の戦いで、ある程度バリアジャケットの防御力を知った大樹にとっては、

敵同士の戦闘ならともかく、模擬戦となる力加減が難しくめんどくさくなるからと説明する。

 

 

「本気で行ってもいいけど、

俺自身、バリアジャケットに対しての力加減が難しい以上、

怪我程度では済まないぞ」

 

 

「かまわん。むしろ望むところだ」

 

 

大樹の言葉でシグナムはむしろやる気満々の表情をした。

それを見たヴィータはため息をつく。

 

「おい、主さんあれ止めろ」

 

 

「う~ん、シグナムがボロボロになるんは見たくないけど

(エロい意味でボロボロなら見たいけど)

今の大樹はそんなに強いん?」

 

 

 

「とりあえず、俺が覚えてる剣術

京都神鳴流は魔法使いにとっては天敵だぞ、それにほい」

 

 

大樹が軽く拳を地面にたたきつけると一瞬で人一人が入れるくらいのクレーターが出来た。

 

『…え?』

 

 

何が起きたのか理解できないなのは達。

 

 

「ちなみにこれ、気も魔力はつかってないから」

 

「今のは?」

 

はやてが質問すると。

 

「二重の極み。俺の打撃の切り札だ。

バリアジャケット相手じゃあ、大したダメージは与えられないだろうが、

これに魔力や気、それに拳本来のスピードと威力を加えれば、この数十倍の威力になるぞ」

 

 

「この技、あの時悪魔達を倒したときに似ているな」

 

「あれは、二重の極みの遠当てバージョンみたいなもんだ、

あんなに威力があったのはさすがに予想外だったけど」

 

「お前の仲間が化け物と呼ぶ意味が今理解したぞ」

 

 

「そうね、バグって呼ばれるのもうなずけるわ」

 

「…あはは」

 

 

ヴィータとアリサの言葉に、フォローする気言葉が見つからないすずかは苦笑するしかなかった。

 

「で、どないするんシグナム。私としては遠慮した方がええと思うで、

この打撃に魔力をこめられたらさすがにシャレにならんで?」

 

 

 

「あの正拳に気をつければ、勝機はあります」

 

シグナムは臆するどころかむしろやる気になっている。

 

 

「勝機って、もう模擬戦じゃないでしょ」

 

 

「はやて、こうなったシグナムは止められないぜ」

 

 

「はぁ、しゃないなあ」

 

 

アリサが呆れ、ヴィータが諦めろというと、

はやてはため息をつき大樹に頼もうとしたとき、大樹は崖に近づき少し飛んだ。

 

その次の瞬間、着地した場所と、崖に先程と同じクレーターが出来ていた。

 

『……』

 

 

それを見たなのは達は言葉を失う。

 

 

「二重の極みが使えるのは正拳だけじゃないぞ、それに」

 

今度は先程と違って拳を引かせて力いっぱい崖を殴ると、

10メートル近くあった崖が一瞬で粉みじんになった。

 

 

「気を使ったらこの威力だぞ。

バリアジャケット相手に中途半端な攻撃は通用しないから、常にこれでいくぞ」

 

 

「おい、シグナム、あいつの目本気だぞ」

 

「いや、むしろ望むところだといわせてもらおう」

 

 

『逆にさらにやる気になった!?』

 

 

 

一時間という限定で模擬戦をすることになった大樹。

 

 

「はぁ~、何でこんな事に…」

 

 

ため息をついて妖刀・ナナシノヨウちゃんを構える大樹だが、

構えた途端表情が戦闘のときの同じ顔つきになった。

 

 

(随分と切り替わりが速いな、しかも、

さっきとは全く違う雰囲気になった)

 

 

 

「いくぞ!」

 

 

瞬動で一気に間合いをつめた大樹はそのまま僅か飛び上がり足を振り下ろす。

 

(速い!?)

 

 

咄嗟に腕で防いだシグナムは違和感に気付く。

 

(威力が無い!?)

 

だけど、その瞬間、大樹は自分の足を軸に身体を横に捻り正拳を腹に叩き込もうとした。

 

 

(不味い、こっちが本命か!?)

 

先程の二重の極みの威力をみたシグナムは警戒したが。

 

「安心しろ、そう簡単に使わない」

 

 

拳から魔力を衝撃波のように飛ばした。

 

 

「やっぱり、ダメージは無いか…、つーか思った以上に威力ねえな、

こりゃあ没だな」

 

 

「どういうつもりだ?」

 

 

二重の極みを警戒しているシグナムにとってはこれ以上に無い侮辱であるが。

 

 

「まあ、さっきは模擬戦したくないから脅したけど、

二重の極みは切り札、本来バカスカと撃つもんじゃない、

それに、二重の極みは俺の身体には負担が大きいんだよ、本来ジャックのような筋肉質がつかう技だし。それに、模擬戦は殺し合いじゃないなら試したことをためさせてもらうだけだ」

 

 

 

「なるほど、では、使わせるためには追い込まないといけないわけか」

 

 

 

「悪いけど、使うつもりは無い。今回は我流の剣術だけでいかせてもらう」

 

 

 

刀を構える大樹。

 

 

「なら、本気させるまでだ」

 

 

レヴァンティンが連結刃となって大樹を襲うが、

大樹をそれを避ける。

 

 

そこでシュベルトフォルムの刀身から衝撃波を放つシグナム。

 

「我流 断風」

 

 

大樹は衝撃波を真っ二つにした。

 

 

「今のは?」

 

 

「この三ヶ月、俺が自分で開発した技の一つだ、

風を断ち斬る為だけの太刀だ」

 

 

「一つということは他にもあるということか」

 

 

「ああ、断風、断空、雷切、斬首の太刀

断空は大気を斬って炎を無効化、

雷切で雷を、斬首の太刀は首を斬る事に特化した技、

そして最後は無命」

 

 

「むみょう?」

 

 

「命を絶つだけに特化した技、

だけど、これだけ習得していない、それどころか習得のめどすら立っていないが、

俺の剣での最終目標だ」

 

 

「確実に命を断つか…随分と物騒な技だな」

 

 

「世界には不老不死や不滅の存在がいるんだ、

それようの保険だ。このさき何年、何十年かかろうとこの技は習得して見せる」

 

 

無命以外のわざをきけば、随分と縮こまった戦いだとナギとラカンは馬鹿にするだろうが、

斬魔剣に比べれば気の消費が圧倒的に少なくすむ、

今だ身体が成長しきっていないうえ、気がラカンや詠春並みにない大樹にとっては必要な技術である。

 

 

 

新しい技の説明を終えた後、シグナムの猛攻を一発も食らわず一時間やりきる大樹。

 

 

シグナムは半分不満だったが大樹の身のこなし感服していた。

 

それは、なのは達も同様であった。

 

「君は後ろに目があるのか?」

 

クロノは呆れ気味に告げると。

 

「修行の一環で神経を鍛えたんだよ、何度も死ぬかと思ったけど」

 

「どんな修行よそれ?」

 

 

アリサの質問に感情を殺す大樹。

 

「とりあえず餓死寸前まで何も食わせてもらえなかったからな」

 

「いや本当どんな修行だよ!?」

 

 

ヴィータが突っ込むと。

 

「空腹の場合、当然最初は食べ物がほしいんだが、

それが過ぎると、食べ物のことは考えなくなり、

水分だけを求めるようになる、始めはジュースだけど最後は水しか考えられなくなった

そのときには神経がむき出しになって、僅かな気配でも直ぐに察知できるようなる。

そこから死なない程度僅かな水と食料だけもらって、その感覚を維持して仙術の基礎や剣術の基礎をやっていた。その感覚を確実に覚えたあと、ようやく腹を満たすことが出来たな」

 

 

大樹の言葉に言葉を失うなのは達。

 

「はは…人間空腹になると八つ当たりしたくなるもんだな、

何度師父に襲い掛かったか……」

 

 

「お、襲ったんだ?」

 

 

「返り討ちにされたけどな、…けど一撃も与えられなかった」

 

なのはの質問に遠い目になって答える大樹。

 

 

 

「その後は死なない程度に痛めつけられてな…

最初の二ヶ月はそんな感じだったな…あれ?

俺なんで生きてるんだろ?フヘへへへへ……」

 

 

黒いオーラを纏いながら不気味に笑う大樹。

それを見たなのは達はドン引きしていた。

 

 

「何つー修行してるんだよお前」

 

「まあ、そのお陰で戦闘になったときは神経が研ぎ澄まされるから意味はあったけど、

その分、かなり体力が落ちたからな~、

今は技その物を鍛えるより体力を取り戻すのが先決だし」

 

 

「それだと、闇の書の解読は邪魔になっとるんとちゃう?」

 

「別に邪魔とは思ってない、むしろ興味があるから逆に面白いからな、

日常で平和はこれつけるから自然に体力を取り戻せるし」

 

 

大樹はお札らしき物を見せる。

 

「お札?」

 

「呪術をり利用した魔法具だとお思えばいい、

本来は囚人や捕虜の動きを制限するために造ったんだけど、

改良して修行につかってる」

 

「これが修行になるん」

 

「おう、これみにつけると、体が重くなるだけじゃなく、

魔力も気も制限されるからな、修行には持ってこいだ」

 

 

「それだと、囚人も強くなるんじゃないのか?」

 

 

 

「解呪すればな、だけど、こういう呪術は使った人間にしか解呪できないからな、

死んだら逆に呪いは強くなって余計に解呪できなくなる、

ふ、ふふ…でも老師はあっさり解呪しやがった、あの化け物には何が効くんだ?

無命を速く覚えて確実にあの化け物の命を…」

 

 

 

 

 

ぶつぶつと物騒なことを言い始める大樹。

 

 

「っと、んな事より、明日蒐集やるから、予定開けておけよ」

 

「あ、うん」

 

 

 

大樹はそう言って研究に戻った。

 

 

 

 

 

 

「で、シグナム、模擬戦の感想は?」

 

ヴィータの質問にシグナムは苦い顔をして。

 

「一対一だと攻撃を当てるのにかなり苦労するな、

加えて、体のこなしが常人離れしている。このまま成長すると手に負えない化け物になるぞあれは」

 

「それなのにうれしそうだな」

 

 

「その時に手合わせできればと思っている」

 

「これだからバトルマニアは」

 

ヴィータの言葉になのはたちは苦笑した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ようやく相州戦神館學園 八命陣が日本から届きました。
時間がかかった上に値段に涙目、
でも、その分面白いです。これの所為で時間が…。
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