Love live is SHOWTIME!!   作:ホームズの弟子見習い

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実に四ヶ月ぶり。果たして待っていてくれる人はいたのだろうか。


エグゼイドも目が離せない展開でワクワクウィークです。(残機97)

ハピトレ、買いました。「少女以上~」にハマりそう。

コナンの映画も観ました。個人的には迷宮の十字路を越えたかもしれないです。


一人語りはここまでにして、実質第11話です。どうぞー。


RING.10:動きだす思惑

 

 

 もうあれから、一週間が経っていた。名目上、穂乃果宛に送られた差出人不明のCDを受け取り聴いてから、何事もなく一週間が経過していた。

 陽人は内心、ほっとしていた。それは陽人の読みが当たっていたことの証明になるからだ。だが、予断は許さない状況であることに変わりはない。自身の読みが当たっていたということは、逆を言えば延命措置に過ぎず、タイミングを見計らってまた仕掛けてくるということである。

 

(狙うタイミングとなるとやっぱり、その日しかない…。)

 

 おおよその予測はついているが、肝心の対策法が出せない限りではどうしようもない。水乃の話では、まだまだ情報収集にかかりそうと言っていた。が、それがいつ終えるのかはまだわからない状態だ。

 

―――ル君?

 

 一応、なるべく早く情報を集めてもらうよう頼んではいるが、それでも雀の涙くらいのペースしか期待出来ない。日本に限らずどこの国も、ファントムだけではない他の怪人が起こしたような怪奇現象も度々起こっているのだ。

 

―――ハル君!

 

 せめてもの救いと言えるのは、自分が穂乃果達の傍に居てやれることだろう。一日中目を光らせている状態でいるわけではないが、用心しなければ―――。

 

「ハル君ったら!!」

「っ! あ、ああ…穂乃果か。なんだ?」

 

 穂乃果に呼ばれていることに気付かなかった陽人。向かい合う彼女は目を細くさせてむう、と頬を膨らませていた。そういえば今は神田明神でダンスの練習をするところだった。

 

「なんだもへったくれもないよハル君! 穂乃果、さっきからずっと呼んでたんだよ!?」

「あ、ああ…そうだったか。悪い。」

 

 今は頭の片隅に追いやろう。陽人は気を取り直して頬をパシンとひとつ叩く。そんなどこか上の空だった陽人を、海未とことりは心配そうに見つめていた。

 

「陽人くん、大丈夫かな…?」

「気にすることはないっすよ。アニキのことを考えている暇があるなら、練習あるのみでしょう?」

「鹿野君……そうですね。」

 

 自分達が今向き合っている問題の解決に取り組むことにした海未は、ストレッチを始める。ことりと穂乃果もストレッチを始めた。

 手持ち無沙汰になった陽人と俊平だが、彼らは踊らないとはいえ身体の状態は万全にしなければならない。二人も穂乃果達に倣って、ストレッチを始めた。

 

「お?」

 

 穂乃果が何かに気付いたのか、階段の方に視線を向けていた。穂乃果と同じ方向に他の四人も階段に視線を向けると、そこには赤い髪が少しだけ覗かせていた。

 

「あ、西木野さーん! おはようー!」

「お、大声で呼ばないでよ!」

 

 さっさと退散しようと踵を返そうとした真姫を穂乃果が逃すはずもなく、あえなく真姫は捕まってしまうのだった。

 

「え? どうして?」

 

 首を傾げて穂乃果は訊く。無意識でやっているであろう穂乃果の挙動はかわいらしさを感じさせるものだったが、真姫の言葉の理由を理解していないようだ。

 

「恥ずかしいからよ!」

「そうだ、この曲! 三人で歌ってみたから聴いてよ!」

 

 理由を言う真姫だったが、そんな風を気にしないのが穂乃果だということはこの場にいる二年生なら誰もが理解していた。

 

「はあ、何でよ!?」

「だって、真姫ちゃんが作曲してくれたんでしょ?」

「だ、だから…私じゃないって言ってるでしょ!?」

 

 自分ではないと否定する真姫だったが、この場にいる誰もが彼女が作曲をしてくれたと思っている。というか、協力者自体もこの場にいるのだ。

 

「また始まりましたよ、このやり取り…。」

 

 陽人の隣で海未が呆れるように呟く。この一週間、穂乃果達が真姫と鉢合わせする度にこのやり取りを繰り返しているのだ。日常風景らしさがひしひしと感じられる穂乃果と真姫の会話の応酬には、陽人も俊平も気持ちを和ませていた。

 

「うううう…がおおおおおおおおっっ!!」

 

 突然穂乃果が唸り出したかと思えば、いきなり雄叫びを上げて真姫に飛びかかりくっ付きだした。あまりにも突然過ぎたためか、この場にいる誰もが反応に遅れてしまった。

 飛びついた真姫の耳に穂乃果はふうふうと息を吹きかけ、すっかり真姫は緊張していた。その隙に穂乃果は右ポケットの中から何かを取り出そうとしていた。穂乃果の意図を察した陽人は小さくため息を吐いた。

 

「いようし! 作戦成功!」

 

 子供のようにガッツポーズをとる穂乃果に、真姫は思わず呆気にとられる。自分の耳元を触ってみると、イヤホンが挿し込まれていた。

 わざわざそんなまどろっこしい事をしなくともそのまま一気に挿し込めば良かったのではないかと陽人は思ったが、俊平の「ああいうのは今ぐらい強引にいかなきゃ納得してくれないっすよ」という言葉に、なるほどと頷いた。

 流石にここまでされてはどうしようもないのか、真姫も観念したようだ。

 

「編曲用の音源もあったから、それで歌ってみたんだ! 結構上手に歌えたと思うよ、それじゃあ…!」

 

 そこまで穂乃果が言うと、海未とことりが穂乃果の近くに駆け寄ってきた。

 

「μ's!」

 

―――ミュージック、スタート!

 

 いつの間にやら決めていた掛け声の直後、真姫の耳に三人が歌ったμ'sの初めての曲、“START:DASH!!”が流れ始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 曲を聴き終えた真姫の評価は、「まあまあなんじゃない?」というどっちつかずなものであった。言葉だけ見れば手厳しい評価を受けたと考えるだろうが、西木野真姫という人物は天邪鬼な性格だ。故に、評価を下した際の真姫の表情は言葉とは裏腹に照れ臭さを見せたものであるためか。陽人達は言葉通りの評価よりは上々のものと受け取った。

 そしてあれからさらに三日経ち、新入生歓迎会…もとい、ファーストライブの開催日まで、翌日となる日まで迫っていた。

 そんな変わらぬ一日を過ごそうと、何時ものように朝練を済ませてから校舎前まで登校した陽人達だったが、むず痒い感覚が陽人を襲ってきた。

 

「ねえ、あの子達じゃない?」

「ん? …あ、そうかも!」

 

 不意に後ろから、女生徒の声が聞こえてきた。穂乃果達が振り向くと、二人の女生徒がやっぱりと言った表情を見せていた。どちらの女生徒もつけているリボンの色が緑であったため、二人とも三年生…つまり先輩であると判断出来た。

 

「もしかして貴方達って、音ノ木坂学院でスクールアイドルをやるっていう?」

 

 物珍し気な目で三年の茶髪の女生徒が穂乃果達に訊く。廃校が間近に迫っているこの音ノ木坂学院でスクールアイドルをやろうと言うのだから、そんな表情になるのも分かる気がする。同時に、さっきのむず痒い感覚はこれだったか―――。陽人は納得した。

 

「あ、はい! μ’sって言うグループなんです!」

「ああ、石鹸の…。」

「違います。」

 

 他意のないもう一人の、眼鏡の女生徒のボケに、海未の鋭いツッコミが炸裂する。確かに一般的にはそっちの方が認知されているせいか、女生徒がそう勘違いするのも無理はない。陽人は苦笑しそうになるが堪える。

 

「明日、放課後にやるんでしょ?」

「はい! 放課後に!」

「どんな風にやるの!? ちょっと踊ってみてくれない?」

「えっ! こ、ここで…ですか!?」

 

 茶髪の女生徒の頼みに、海未は思わず頬を引き攣らせる。後ろから見ていた陽人だったが、海未の表情や身体が固まったのは間違いなくわかった。そういえばと昔を思い返す。幼い頃の海未は人見知りや恥ずかしがり屋といった性格で、穂乃果のように自分から積極的に人との関わりを持とうとしなかった。その影響を引き摺っているのか、大きな場所での発表をする時はどうしても緊張してガチガチに固まってしまうのである。

 そうこう考えている内に、陽人の右横に風を切る音が聞こえた。あまりにも一瞬だったため、一体何が起こったのか。陽人には判らなかった。

 

「いいでしょう…! もし見に来てくれるのであれば、ここですこぉ~しだけ見せちゃいますよ…?」

 

 ふっふっふっと意地悪そうな笑みを浮かべながら穂乃果はことりとともにダンスを見せようとする。あれ、と陽人は一人足りないような気がするので人数を確認する。三年の女生徒二人に、穂乃果とことり。まさか先程の風を切る音は海未が走り去る音だったのか。後ろを振り向くも、時既に遅し。当然と言えば当然だが、海未はいなかった。

 

「…またかよ。」

 

 小さな呟きとともに、穂乃果とことりを交えた三人のため息が漏れた。三年の女生徒はそんな三人を見て、思わず苦笑いをした。

 

「じゃあ、本番までとっておくしかなさそうだねぇ…。それじゃあね!」

 

 そう言って、二人の女子生徒は手を振って穂乃果達と別れた。その時だった。陽人は二人の女子生徒に、違和感を覚えた。

 

(…俺を見た?)

 

 さすがに気のせいだろう。そう思った陽人は海未を追った穂乃果達の後ろを歩き、生徒玄関へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっぱり無理ですぅ…。」

 

 昼休みの屋上。一目散に逃げ出した海未にあの後何度話しかけても、自分には無理の一点張りだった。やはりというべきか、海未の極度のあがり症が今になって発揮されてしまったのだ。

 

「一体どうしたの? 海未ちゃんなら出来るよ!」

 

 穂乃果が励ますも、海未に効果がないのは明白であった。海未の様子に、ことりも穂乃果も困り顔になる。

 

「出来ます…。」

「え?」

 

 “出来る”という海未の返答に、ことりも穂乃果も、陽人もどういう事かと疑問を浮かべる。

 

「歌もダンスも、これだけ練習してきたんです…それなりに形にはなってきたと思います…。ですが、人前で歌って踊るのを想像すると…。」

「緊張しちゃう…ってわけか。」

 

 海未の言葉に陽人が続くと、小さく彼女は頷く。今なお体育座りで俯いている海未に陽人は内心、やっぱりなと思った。

 小学生の頃、学芸会で海未はメイン級の役を与えられた事があった。当時の海未は引っ込み思案で強く断れない性格であったため、そのままなし崩しに進行されていった。それがいざ本番になると、極度の緊張が祟ったのか、要所要所で台詞を噛みまくって、恥ずかしい思いをしてしまったという訳だ。陽人を除く男子児童も、あまりに緊張した海未を見た時には居た堪れない気持ちになる程だったという話だ。普段海未をからかう男子児童でさえそういう気持ちにさせるのだから、相当の重症である。

 

「そうだ! こういう時は、お客さんを野菜だと思えってお母さんが言ってたよ!」

 

 穂乃果の一つの案に海未は則って考える。

 

―――みんなー! ビタミン取ってるかーーーい!?

 

 そうして海未の脳内に思い浮かんだのは、農作業着を着た状態で、様々な野菜に語り掛ける自分の姿だった。しかも場所は何故か農場というオマケつきだった。

 

「…私に一人で歌えと!?」

「…そこ?」

「何考えていたんだコイツ…。」

 

 現実に戻った海未が、悲嘆的な声を上げる。なぜか論点からズレてしまった気がする海未に対し、穂乃果と陽人はツッコミを入れる。ことりも海未の様子には、頬を引き攣らせて苦笑いだ。

 

「人前でなければ大丈夫なんです! 人前でなければ…!」

 

 海未はそう言うものの、ライブ自体、人前で歌うのは最早当たり前だ。それが出来なければ意味がない。しかし、ファーストライブまで時間はない。時間をかけて海未のあがり症を治す余裕はない。となれば方法は一つだ。

 

「とりあえず海未、まずは立て。もうすぐ昼休みも終わるしな。」

「は、はい…。」

「どうするの? ハル君?」

 

 穂乃果が訊ねると、陽人は「決まってんだろ」と返した。

 

「時間もないし、荒療治だ。」

「あ…そういう事か。」

 

 陽人の意図を察した穂乃果は、ポンと右拳を叩いた。ことりも顎に手を当てて、納得したような表情を浮かべる。

 ただ一人、海未は何をするのか分からないのか、ぽかんとした表情で陽人達を見回していた。

 

 

 

 

 

 そして放課後。陽人達は海未にある場所で“荒療治”を施すところであった。

 

「ここでチラシ配りやろっか!」

「はーい!」

「イエーイ、パチパチパチパチー。」

「こ…ここでですか!?」

 

 その場所とは、秋葉原。様々な人が行き交うこの場所でいきなりチラシ配りをするには海未には荷が重すぎるとも考えたが、これぐらいでなければ彼女のあがり症は治らないだろうという陽人の考えだ。

 

「当たり前だよ! ここで配ればライブの宣伝に繋がるし、大きな声を出していればいずれ慣れてライブでも歌声が響くかもしれないよ!」

 

 珍しく理に適った穂乃果の意見に、海未も納得したようだ。陽人はホッとする。

 

「ん?」

「どうしたの?」

 

 “何か”を感じた陽人が、辺りを見回す。様子が変わった陽人を穂乃果が呼びかける。一拍置いて、陽人は穂乃果に振り向いた。

 

「いや…なんでもない。悪いけど、ちょっとトイレに行ってくる。」

 

 了解の有無を聞かずに、陽人は穂乃果達から離れた。

 穂乃果達が見えなくなったのを確認した陽人は、人目のつかない路地裏に隠れた。

 

「ふう…ここならあいつ等には聞こえないだろう。」

 

 そう言って陽人が取り出したのは、三個のウィザードリングだった。陽人は指輪を全て右手の指に嵌めると、ベルトのバックル部分に添えた。

 

【GARUDA PLEASE.】

【UNICORN PLEASE.】

【KRAKEN PLEASE.】

 

 音声の直後、陽人の指輪は自然と外れ、指輪はやがて動物を模したような形になっていった。一体はレッドガルーダ。他の二体は、青い一本角の馬と黄色い蛸のような人形にそれぞれ変化した。

 この二体もプラモンスターだ。ブルーユニコーンと、イエロークラーケン。レッドガルーダが主に空中を動き回るなら、ブルーユニコーンは地上担当、イエロークラーケンは水中を担当して捜索している。ただし、名の通り吸盤で移動物に張り付いて捜索や、短時間ではあるが吸盤を回転させて空中での捜索も出来る。

 

「穂乃果達には見つからないように捜索してくれ。」

 

 陽人の命令にそれぞれのプラモンスターは鳴き声を上げて応えると、それぞれバラバラの方向に分かれて捜索を開始した。

 プラモンスターの捜索開始を見送った陽人は、穂乃果達の元まで戻ることにした。あくまでトイレに行ったという理由で離れていたため、スッキリとした顔で受け答えをしなければならない。清々しい表情で穂乃果達の所へ戻ると、海未が現実逃避でもしているのかのように、ガチャガチャを黙々と回していた。

 

「…え、なにこれ?」

「あ、あはは…。」

「……あ、レアものが出たみたいです。」

「海未ちゃん…。」

 

 いざ戻ったら海未がチラシ配りをせずに静かにガチャガチャを回している光景に、陽人はどう声をかければいいのかわからなかった。

 

 

 

 

 

「さすがに秋葉原でやるのは荷が重すぎたので、戻ってきたわけだが…ここなら大丈夫か?」

「え、ええ…多分…。」

 夕方。音ノ木坂学院正門前に戻ってきた陽人達は、改めてこの場所でチラシ配りをすることになった。

 確かにこの場所なら他の生徒にも十分目を向けてもらえる可能性はある。秋葉原では多種多様の人々が行き交うせいか、どちらにせよあまり効果がなかったと思われたため、結局戻るのは必然だろう。

 

「じゃあ、始めようか! μ's、ファーストライブやりまーす!」

「よろしくお願いしまーす! ぜひ見に来てくださーい!」

 

 穂乃果を機に、ことりも続けてチラシ配りを始める。もちろん、陽人が配る分もあるので、陽人もチラシ配りを始めた。

 

「音ノ木坂学院スクールアイドル、μ'sのファーストライブを新入生歓迎会の放課後、開催しまーす! ぜひとも見に来てください!」

 

 普段のテンションとは打って変わって、陽人は明るく努めてチラシ配りを始めた。そんな三人に続いて海未も負けじとチラシ配りを始めようとするが、順調に配っている穂乃果やことりとは対照的に声をかけられずにいた。

 

「お、お願いします…!」

「…いらない。」

 

 勇気を出して声をかけてみた海未だったが、女生徒は海未を横目で見ると一言断り、そのまま学院を出て行った。陽人はそんな海未の様子を一瞥したが、断った女生徒がどこか見覚えがあるような気がした。

 

(あのツインテール…どこで見たっけ…。)

 

 とはいえ、今は其方に気を取られている余裕はない。チラシ配りに気を取り戻して再開することにする。

 

「もう、そんなんじゃダメだよ海未ちゃん!」

「ほ、穂乃果はお店の手伝いで慣れているかもしれませんが…私は…。」

 

 未だにチラシをまともに配れない海未に穂乃果が叱る。確かに海未の言う通り穂乃果は実家が和菓子屋であるため、穂乃果も妹の雪穂も店番を手伝うこともある。だがこの場でものを言うのは度胸だ。

 

「確かに穂乃果は慣れてるけど、ことりちゃんだってちゃんとやってるんだよ?」

 

 そう言って穂乃果はことりに視線を向け、海未もことりの方を向く。

 

「お願いしまーす! μ'sのファーストライブ、見に来てくださいねー!」

 

 やけにこなれた調子でことりはチラシを配っていた。チラシを受け取る側も反応は良く、渡す側のことりも余裕を持ってチラシ配りに臨んでいることが窺えた。

 

「ほら海未ちゃんも配って! 全部配り終えるまで止めちゃだめだからねー!」

「ええっ!? む、無理ですよ!!」

「海未ちゃん、私が階段あと5往復出来ないって言う時、なんて言ってたっけ~?」

 

 普段海未にしてやられているせいか、穂乃果が少しでも仕返しを目論んでいるかのように海未に挑発を仕掛ける。

 

「い、いいでしょう! やってやりますよ!!」

 

 穂乃果の煽りが海未には丁度いい発破になったのか、海未もやる気を出してきた。それを見た陽人はフッと笑みを浮かべ、改めてチラシ配りを行う。

 

「お、アニキじゃないすか!」

「よう、俊平。」

 

 陽人がチラシ配りを再開して数十秒後、俊平が陽人に駆け寄ってきた。この時間帯ならいつもはもう帰っていてもおかしくないのだが、また真姫の演奏でも聴いていたのだろうか。

 

「ライブの宣伝してるんすか?」

「ああ、一枚貰ってくれよ?」

「へへ、頂戴しました! ライブ、旨く行くといいっすね!」

 

 俊平の激励に、陽人も頷く。とは言え、簡単にほいほいと集客が旨く行くのも都合が良すぎる。陽人としては、せめて数人来てくれれば充分であるが、現実はどうなるか分からないというものである。

 

「サンキュな、じゃあ後でな。」

「ええ、またっす! …あ、高坂先輩! 南先輩に園田先輩も、頑張ってくださいね!」

 

 一人一人に声をかけてから、俊平は学院から去って行った。俊平が去るのを見送った陽人は玄関前を見ると、一年生がつける青いリボンをつけた眼鏡の女生徒が穂乃果に声をかけようとしていた。

 

「あ、あの…。」

「お、確かあなたは!」

 

 穂乃果も見覚えがあったのか、顔見知りであるかのような反応をする。陽人もなんとなく見覚えがあった。一年の教室に赴いた際に俊平が、真姫が何処にいるのか話しかけていた生徒だったはずだ。名前は知らないが、名字が“小泉”だったことは記憶している。

 

「どうしたの、小泉さん?」

「え、えっと…ら、ライブ…観に、行きます!」

 

 まだ気弱ではあるがはっきりと答える花陽に、穂乃果に笑みがこぼれた。

 

「ホ、ホント?」

「でしたら、一枚と言わずにこれを全部…!」

 

 そう言って、海未はまだ二十枚はあるチラシを全て花陽に押し付けようとする。先程までのやる気は一体どこに行ったのか。当然、穂乃果が許すはずも無い。

 

「ちょっと海未ちゃん!」

「うう…わかってます…。」

 

 穂乃果に叱られ、渋々海未はチラシ配りに専念した。ことりの方はというと、残り数枚というところまで差し掛かっていた。

 

「海未、ことりは慣れてるのもあるだろうけど、本来の目的はお前の人見知りとあがり症を治すためのものだからな?」

 

 改めて、海未に釘を刺しておく。ますます海未は表情を暗くさせるが、ここは心を鬼にして言わなければ示しがつかない。

 

「それに、あの子が少なくとも見に来てくれるって事は手は抜けないって事でもある。そんな客の期待を裏切るような真似はしたくないだろ?」

 

 そこまで言うと海未は俯き、どこか考え込むような表情になった。数秒して顔を上げると、すっかり顔つきは変わっていた。

 

「陽人君の言う通りですね…! やってやりましょう!」

「おう、その意気だ!」

「じゃあ小泉さん! ライブ、楽しみにしていてね!」

「は、はい…! それじゃあ!」

 

 穂乃果と花陽の二人の会話も終わったのか、花陽は学院から去って行った。改めて気を引き締めた海未は快活な調子でチラシ配りを始め、陽人も続いてチラシ配りを再開した。

 

 

 

 

 

「ふう…一通り配り終わったな。」

「そうだね、ことりちゃんが一番早かったよね~!」

「そんなことないよ。それよりも、海未ちゃんもお疲れ様! 少しは人見知りも治った?」

「そうですね…。幾分かはマシになったと思います。」

 

 あれから無事にチラシを配り終えた四人は、帰路に就いていた。最初の頃こそ、海未の挙動はガチガチだったが、徐々に慣れてきたのか、多少は様になっていた。

 

「この後はどうする? 何も無ければそのまま体力作りと行くが…。」

「あ…それなんだけどね、陽人くん?」

「どうした?」

 

 陽人が訊くと、ことりは笑みを浮かべたままだった。何か嬉しい事でもあるのだろうか。

 

「実は衣装が殆ど完成してるから、皆に見て欲しいの。」

「ホント!? ことりちゃん!」

 

 穂乃果が詰め寄り、ことりも頷く。陽人と海未はことりの仕事の早さに舌を巻いていた。

 

「三人分となると、大変だったでしょう?」

「そんなことないよ。衣装作りってやってて楽しかったし!」

 

 海未の労いに、ことりは平気な顔で返す。その表情から見るに、本当に衣装作りが楽しかったのだろう。

 

「じゃあことりの家で衣装の確認しに行った方がいいか?」

「ううん、最後にお店に寄って仕上げしてもらいたいから、穂乃果ちゃん家まで持ってくよ。」

 

 なるほど、確かに後は仕上げだけだというなら、ことりの家で確認するよりは穂乃果の家まで持って行った方がいいかもしれない。

 

「じゃあその店まで送ってくか?」

「え? いいの?」

「いいも何も。お前一人に持って来させる訳にはいかないだろ?」

 

 それに今は治まっているとはいえ、また襲われる可能性だって残っているんだから。心に留めるだけにしたこの言葉だったが、陽人の雰囲気が内に押し込めた想いを理解させるには十分だったようだ。

 

「では、先に私と穂乃果は穂むらに行ってきますね。」

「ハル君、ことりちゃんの事よろしくねー!」

「おう、じゃあ行くか。ことり。」

「うん、よろしくお願いします!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「おーっす。待たせちまったな。」

 

 無事にことりと共に衣装を持ってきた陽人が、穂乃果の部屋の戸を開ける。二人はパソコンを見て、喜びの声をあげているようだった。

 

「あ、ハル君! ことりちゃん!」

「わざわざありがとうございます。」

「ううん、気にすることないよ。それよりも、何かあったの?」

 

 ことりが訊くと、穂乃果が嬉々として「そうそう、大変なんだよぉ!」と返した。どうやら大変と言っても、いい意味で言ったようだ。

 

「μ'sのランキングが上がってるの!」

「本当!?」

「おっ、チラシ配りした甲斐があったって事だな。」

 

 多少はチラシ配りも効果があったという事だろう。海未も顔を綻ばせていた。

 

「あ、そうだ! 衣装持って来てくれたんだよね?」

「おう、一応この袋の中に入れてある。」

 

 そう言って、陽人とことりは二つの紙袋から三人分の衣装を取り出す。ノースリーブのミニスカートのドレスは、まさしくことりが原案として描いていたイラストをそのまま再現したかのような出来栄えのものだった。

 

「おおっ! 可愛い~…これを着て、歌って踊るんだよね! 本物のアイドルみたいになってきたぁー!!」

「本物まではいかないけど、なるべく近づけてみたんだ!!」

 

 キャッキャッと二人で舞い上がる穂乃果とことりの二人に、陽人は微笑む。こうやって楽しく笑い合うのが、丁度いい。

 しかし、そんな二人とは裏腹に、一人顔を俯き沈黙させている人物がいた。陽人はその人物に目を向ける。海未だ。

 

「ことり…。」

「?」

 

 ことりを呼ぶ海未の声に、三人の視線は海未の方に集まった。彼女が放った声が、震えながらもはっきりと聞こえるのは気のせいじゃないはずだ。

 

「そのスカート丈は…?」

「え? …あっ。」

 

 海未が指すスカート丈に、ことりは注目する。ことりの顔はみるみる「やってしまった」と言わんばかりのものになっていった。

 直後、海未はことりの両肩を掴み、詰め寄った。表情から見るに、相当ご立腹なことは火を見るよりも明らかであった。

 

「言ったはずです…!! スカート丈が最低でも膝下でなければ穿かない、と!!」

「だってしょうがないじゃん、アイドルだもん。」

 

 火に油を注ぐ発言を穂乃果がする。ことりも言わなかっただけで、穂乃果と同じ気持ちだろう。それでなかったらわざわざスカート丈を短くしているわけがない。陽人も穂乃果の強引な理由としてはあまり言いたくないが、同じ気持ちだ。

 

「アイドルだからと言って、スカートが必ず短くする決まりはないはずです!」

「それは、そうだけど…。」

「でもな…今の衣装の状態、どんな感じでしたっけ? ことりさん?」

 

 陽人がことりに訊き、訊かれた本人は苦笑いを浮かべている。

 

「もうとっくに、完成してる状態でぇす…。アハハ…。」

 

 そう、既に衣装は完成している状態なのだ。今からスカート丈を膝下まで直す時間なんて、あるわけがない。漫画にあるような、時間を止める技がない以上、こうしてそのままの衣装を着て、ライブをするしかない。

 

「そういう手に出るのは卑怯です! ならば私は制服で歌います!!」

 

 意図してスカート丈を短くしたのかと勘繰ったのか、海未はごねて自分の鞄を持って帰ろうと立ち上がる。ことり自身、わざとスカート丈を短くしたのかどうかは本人のみぞ知ると言ったところだが、海未のお願いを聞き入れてもらえずに、彼女にとって恥ずかしい恰好でステージに出なければならないいう状況まで行くと、海未の気持ちになってみれば多少は理解できた。

 

「そもそも二人が悪いんですよ! 私に黙って勝手に短くするなんて!!」

「…だって、絶対に成功させたいんだもん。」

 

 穂乃果の本音が、吐露される。それは紛れもない、正直な想いだということがわかった。

 

「歌を作って、ステップを覚えて、衣装も作り揃えて、ようやくここまで辿り着いてきたんだもん…! それで三人でライブをして、やって良かったって…頑張ってきた甲斐があったってそう思いたいの!!」

 

 まさか本当に黙って結託していたとは。陽人は穂乃果とことりの策士ぶりに苦笑いを浮かべるが、そんな陽人を余所に自らの思いの丈を穂乃果は言うだけ言うと、窓を開けた。

 

「思いたいのぉーーーーーーーー!!」

 

 そしてすっかり暗くなった外に向けて、やまびこの様に叫びだした。叫ぶ穂乃果を見て海未は「何をしているんですか!」と咎め、陽人は呆れの表情を見せ、ことりも陽人と同じなのか、困ったように苦笑いを浮かべていた。

 

「でも私も、穂乃果ちゃんと同じ気持ち。私も…ライブを成功させたい!」

「ことり…。」

 

 ことりが呟き、さらに内に秘めていた気持ちを吐露した。海未は味方がこれで陽人だけになったのかと、陽人に視線を向ける。穂乃果とことりも、陽人の気持ちを知りたいのか目を輝かせていた。

 

「正直に言って、俺がなにも言う権利はないと思うぞ? 実際に歌って踊るのはお前等三人だ。」

「ハル君…。」

 

 嘘を言っているつもりはない。あくまで自分の立場はマネージャーだ。三人の手伝いをする範囲以上のことは、陽人自身は口に出すつもりはない。

 

「俺が今思っているのは、お前等に“青春”を託したいって事だな。」

「青春を…?」

「託す?」

 

 到底理解の出来ない発言に、陽人以外の三人は首を傾げた。まあ、理解してもらおうと思ってもいないが。陽人は乾いた笑いを漏らす。

 

「別に理解してもらおうなんて思っちゃいないさ。欲を言えば、お前等三人がお揃いの衣装を着て、ライブをして、達成感を味わってくれればなって思ってるわけよ。客が来ようが来なかろうが、一種の充実感がそこにあれば、俺はそれでいい。」

 

 少し難しすぎたか。そう思ったが、どうやら杞憂に終わったようだ。

 

「ハル君! ハルくーん!」

 

 陽人の言葉を真正面から受け止めた穂乃果が、陽人に抱きつこうとする。こんな過剰なスキンシップは小学生の頃からしていたため、昔は気にしていなかった。しかし今は高校生という身分だ。お互い身体も成長しているというものだ。

 

「ええい、抱きつくなっての!」

 

 両肩を押さえ、穂乃果の抱きつきを何とか止める。海未はというと、陽人の穂乃果達の味方ともとれる発言をしたせいか、それとも陽人の言葉に感化されたか、ひとつ息をついた。

 

「はあ…陽人君も穂乃果も…ズルいですよ。わかりました。」

 

 根負けしたのか、海未も今の衣装を着る事を承る発言をした。

 

「ホント! 海未ちゃん…! だぁーいすき!」

 

 海未の言葉を聴いた穂乃果が、陽人の抱きつこうとするのを辞めると今度は海未に抱きついた。抱きつかれた海未も、どこか照れ臭さも残しながら、嬉しそうな表情を見せている。一部の人が喜びそうな光景だ、と陽人は思った。どこの一部とは言わないが。

 

「そうだ! 折角だし、今から神社までお祈りしに行こう!」

 

 唐突に、穂乃果は言い出した。それを聞いた陽人は思わず、苦い表情を見せた。

 

「もしかして、反対なの?」

「ただでさえ夜の時間に行くのは、俺は感心しないな。」

 

 既に一度、三人はファントムに襲われている身だ。三人を同時に守り抜くには、些か手に余る状況である。陽人が難色を示すのも無理はなかった。

 

「でもハル君が守ってくれるんでしょ?」

 

 さも当然のように穂乃果は言う。無論、そのつもりではある。陽人は別に反対したい訳ではなく、面倒なことになり兼ねないから口を挟んだだけである。

 

「まあ、そうだけどさ。とっとと済ませてくれよ。」

 

 気だるげな表情で陽人は立ち上がり、うんと背伸びをした。何だかんだ言っても自分達に付き合ってくれる陽人に、穂乃果達三人は微笑み合った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ったく…夜の神社ってのは不気味でいけねえな…。」

「あれぇ~? もしかしてハル君、怖いのぉ?」

 

 茶化す穂乃果に、陽人は無言で歩を進める。あながち、間違いでもない自分が少しだけ嫌になる。

 不安なのだ。目の前で人を失うということが。

 

「…と、着いたな。俺は後ろで見ているから、お前らは勝手にやってくれ。」

「えー!? 一緒にお参りしてくれないの!?」

 

 穂乃果が不満を募らせてぷく、と頬を膨らませるが、こればかりはどうしても譲れない。後ろから見ていた方が、穂乃果達の様子は横で祈願するよりはよっぽど安全だ。

 

「無理に言ってもしょうがないよ、穂乃果ちゃん?」

「そうですね…では陽人君は待っていてください。」

「おう、待っててやるよ。爺になろうと、婆になろうとな。」

 

 ジョークを交えて陽人は言い、三人は賽銭箱の前まで歩いて行った。

 陽人は“神”という存在を信じない性質だ。昔から、という訳ではないが、どうにもあの日から、神社で祈願するという事に躊躇いを持っている。どうせ信じるなら、己の心を信じればいい。

 

「よろしくお願いしまーす!」

 

 元気いっぱいの三人の声が、神田明神に響く。うまくいけばいい。だが、現実はそう簡単に事を運ばせてはくれない。それでも神様が聞いてくれているなら、この願いを叶えてくれたらいいのにと思う。

 その時だった。ぞくりと、鳥肌の立つ感覚を陽人は覚えた。決して、寒さから来たものではない。この感覚は言うなれば、殺気だ。間違いない。あの時に倒したファントム、ファフニールの殺気だ。陽人は確信を持って言える。

 

「どうしたの、ハル君?」

 

 呼びかける穂乃果に、陽人はハッと我に返った。振り向くと、三人は心配そうな目で此方を見つめていた。

 

「いや、なんでもない…。人の気配がしただけだ。ストーカー被害に遭わないよう気を付けなくちゃダメだなこりゃ。」

「え、縁起でもないこと言わないでください…。」

 

 涙目になりながら、海未が震えた声で言う。普段は凛とした佇まいを見せている彼女だが、不測の事態になるとどうにも後手に回る印象がある。ならば過剰に用心させておいた方が、陽人としても気が楽になる。

 

「とっとと帰るぞ、明日はライブなんだ。遠足が楽しみな子供じゃあるまいし、早く自分の家で飯食って風呂入って寝るとしようぜ。」

 

 引っ張るように陽人が先陣を切って踵を返し、穂乃果達もそれに続いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 誰もいない神田明神。否、誰もいないというのは厳密には間違いだ。少なくとも一人、ここにいた。

 物陰から、ひょっこりと女性が現れた。女性は誰もいない目の前を未だに見つめていた。

 

「流石は指輪の魔法使い…。私の魔力にすぐ気がついちゃったか。」

 

 楽し気な声色で、女性は呟く。明日のことを考えると、楽しみで笑いが止まらない。何とか堪えようとしているけれど、それでも楽しみなものは楽しみだ。

 

「ファフニール…まさかお前がいたとはな。」

 

 “ファフニール”と呼ばれた女性の後ろから、黒い長髪の女性が歩み寄った。ファフニールは振り向くと、意外そうな顔で話しかけた女性の顔を眺めた。

 

「あらら…メデューサじゃん。意外だねえ…私に話しかけるなんて。」

「用もあれば話しかけるさ。ファフニール。」

「ん? どうしたのー?」

 

 呼ばれたファフニールはずい、とメデューサとお互いの顔を近付ける。メデューサとしては彼女の少し過ぎたコミュニケーションは苦手だが、今はそれを口に出す気にはなれなかった。

 

「お前が狙いを定めているゲート…先延ばしにしておいた方がよさそうだ。」

「えー? 何でさー?」

 

 メデューサのアドバイスに、当然ファフニールは不満を漏らすしかない。せっかく細工は流々、仕上げを御覧じろという所まで行っているのだ。口にしないはずがない。

 

「別にお前が計画を最終段階まで進めているなら、此方ももう何も言わないさ。だが、奴の魔力は日に日に増している…どこまで膨れ上がるのかは分からないがな。」

 

 耳寄りな情報だが、タイミングが遅すぎた。ファフニールはメデューサの情報を聞いて、がっくりと肩を落とした。

 

「んもー…後には引けないよー? 丁度明日、ベストタイミングが来そうなんだけどなー…。」

「ならやればいいさ。お前の健闘を祈っているよ。」

 

 言うだけ言うと、メデューサはこの場から立ち去った。いなくなったメデューサにふう、とため息を吐いたファフニールもまた、神田明神からすぐにいなくなった。

 

 

 

 決戦の時は、着々と近づいていた。

 

 

 

 




次回、Love live is SHOWTIME!!


「ねえ…今日のライブ、どうなると思う?」

「…水乃さん、今年度の音ノ木坂の柔道部って確か…。」

「ウチになんか用でもあるん?」

(アイツさえ連れてくれば…!)


さあ、ショータイムだ!
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