俺は現在、ベアトリスの禁書庫でまったりと過ごしている。
だが現在ここには俺、ベアトリスだけではなく、エキドナ、そしてベアトリスにマナを奪われて折角起きたのにまたぶっ倒れてしまった少年がいた。
「……ベアトリス。こいつは一応病み上がりなんだから、もう少し優しくしてやってもいいんじゃないか?」
「で、でも……お父様。ベティーはお父様やお母様との時間を邪魔されたくなくて……」
俺はその言葉を聞いてから怒るに怒れなくなりため息をつくと、少年を抱えて仕方なく少年が元寝ていた部屋に連れていくことにした。
「ベアトリス。俺が戻るまでになにがしたいか考えておけ」
俺がベアトリスにそう言うと、ベアトリスは表情を明るくして頷いた。
俺はそれを見届けてから部屋を出ると、少年を部屋へと連れていった。
それにしてもこの少年も随分と不憫な思いをしているな。
王都では俺が全力で蹴破った扉が直撃して、起きたと思ったらベアトリスにマナを奪われてまた意識を失って。
恐らくだがそれよりも前にも色々なことを経験していたのではないだろうか。
などと色々なことを考えている内に部屋に着いたので扉を開けると、中にはラムと青髪のメイドがいた。
青髪のメイドはレムといいラムの双子の妹で、これがまたよく似ている。
見分けかたは髪の色、瞳の色、髪の分け方、そして胸の大きさなどがあるのだが、なぜかこの姉妹は姉よりも妹の方が胸が大きいわけであり……。
突然ラムに睨まれたので余計なことを考えるのは止めてはやくこの少年を渡してしまおう。
「ラム、レム。こいつはベアトリスにマナを奪われてついさっき気絶したから寝かしておいてくれ」
「はい、わかりました。」
俺が少年をベッドに寝かすと、レムは布団を丁寧にかけてラムと共にどこかへ行ってしまった。
……俺もはやく禁書庫に戻ってベアトリスたちと遊ぶか。
俺は部屋から出ると、適当な部屋の扉を開けた。
すると奇妙なのだがもうすでに慣れてしまった感覚に襲われ、俺はベアトリスの禁書庫にたどり着いた。
「ベアトリス、なにをするか決めたのか?」
「ベティーは今日1日お父様に甘えたいかしら!」
「そうか。じゃあベアトリス、こっち来い」
俺はベアトリスに手招きしながら近くにあった椅子に座ると、ベアトリスが俺の側にやってきた。
そして俺はベアトリスの頭を壊れ物を扱うかのように撫でてやると、ベアトリスは顔の筋肉を極限まで緩ませてとてつもなく幸せそうにしていた。
「ベアトリスはいつまで経っても甘えん坊だな」
「ベティーが甘えるのはお父様だけかしら」
「嬉しいことを言ってくれるな、ベアトリス」
ベアトリスは頬を紅潮させながら俺に抱きついてきたので、俺は抱き返してやった。
もちろん頭を撫でておくことも忘れてはいない。
とりあえず今日は禁書庫から出ることはできなさそうだな、と俺は思いながらも幸せそうなベアトリスを見ていると、まあいいかという気分になった。