ベルセリア・ゼスティリア転生(仮題) 作:飯妃旅立
更にゲームプレイしてない人には全くわからない仕様!
でもこの話は入れたかったんです!
サブストーリー3つ目!
――ザビーダ。
「……よぉ、サムサラサン。 なんでアンタ、ここにいるんだ?」
――やっと、彼女が戻ってきたから。 暗く、温かい穴の中に。
ブリギット渓谷。 良い風が吹いている。
日向ぼっこをしていたのだ。 そこへ、ザビーダが来た。
「アイゼン達はアルディナ草原にいたぜ? アンタ、あいつらと一緒に行動してるんじゃなかったのかよ」
――寝心地が良かったから、寝過ごしちゃった。
「……そうかよ」
本当に心地のいい風だ。
このまま、千年くらい眠ってしまいたくなる程に。
ブリギット渓谷。 この場所の意味は、崇高。
今の聖寮が掲げる様な正義とは違う。
ただただ、崇高である場所。 それがここだ。
「アンタ前に、聞いて来たよな……。 メルキオルに使役されてた頃、俺は生きていたかって」
――そうだね。 答えは出た?
「……あぁ。 アイゼンが気付かせてくれたからな……。 今思えば、この問いも俺に気付かせるため、か」
――殺すことが救いになる奴もいる……か。 私から見れば、殺す事じゃなくて、戻すことが救いになるんだけどなぁ。
「……アンタの言う『戻る』ってのは……何の事なんだ?」
今の彼になら話してもいいだろう。
世界の真実の一端。
――教えてあげる。 生きている者は、みんなこっちに来ているの。 だから戻る事で本来の流れに行きつく。
業魔化すると、本人の意思と関係なくとどまらなければいけなくなる。
それは、とてもつらいことだ。
ロクロウやベルベットでさえも……。
「そりゃ……」
――ドラゴン化は呪いじゃないの。 呪いは等しく、業魔化だけ。
「何……?」
風が吹く。 世界を巡る風が、世界を旅した風が。
寝たい。
――穢れも祈りも、元をただせば心の力。 存在の力。
「……」
――聖隷には許容量が存在する。 それこそが、天界の連中が人間を恐れた理由でもある。 それこそが、ドラゴン化の原因でもある。
そして、人間にも。
あぁ、そうだ。 今なら名乗っても良いだろう。
――私の真名は、エヌエス=ジャーニー。
「真名……すまねェな、俺には心に決めた女が……」
――
「何……? なんでアンタが知って……待てよ、確か生まれたばっかの頃……」
何年経っても変わらず、優しい子。
彼女も安心したから、アイゼンの拳を受け入れたのだろう。
ドラゴン化した聖隷になんども打たれて、死なないはずがないのだ。
神の贈り物は、やはりこの子を愛していた。
――誘惑の罠張り巡らせ、我が懐中へ。 トラクタービーム。
自身に術をかける。
ふわりと浮きあがる身体。
――最後に1つ。 シルバもしっかり戻ったよ。
「……唐突なのは相変わらずなンだな……サムサラ」
――またね、ザビーダ。
さて、バンエルティア号はどこかなーっと。