オーバーウォッチ・オンライン~next generations~ 作:セラり
処女作ゆえに拙い点もありますが、温かい目で見守っていただけたら幸いです。
また、「オーバーウォッチ」をご存じない方でも楽しく読めるように執筆していくつもりなので、ご安心を!
「ねーねー、このおっきいおじさんはー?」
「この人は、ラインハルトって名前なの。自分より大きなエネルギーシールドで盾を張っていつもみんなを守ってたわ。」
1枚の写真を見ながら、6才ほどの少年が母親らしき女性と集合写真の中の人物を一人一人指さして仲睦まじく喋っている。
「ふーん、じゃあこの変な顔してるおばさんはー?」
「おばs...それはお母さんよ。なぜか、マーシーって呼ばれてたわ。」
本名と全然違うのに...とぶつぶつ言う声が聞こえるが、傍らの少年にはそれに興味がなさそうだった。
「お母さんも、さっきのおじさんみたいに盾張ってたの?」
「いいえ、お母さんはヒーラーって言って、後ろからみんなのサポートしてたのよ。まだオーバーウォッチが活動してて、あなたも大きくなって参加してたらヒーラーだったかもね?なんせ私の息子ですもの。ね、クリス?」
その親子が見ていた1枚の写真、それは今はもう解散している懐かしき「オーバーウォッチ」の面々が写った集合写真だった。
そして現在...
「なーなー、今度発売される『オーバーウォッチ・オンライン』やっぱ楽しみしかないよなー。レイはまだイギリスだっけ?いつ日本くるんだっけ?」
かつて母親とした会話を思い出しながら、17才になったクリスはPCの画面に向かって話しかけていた。
「来週の土曜日よ!ママが相変わらず世界飛び回ってるからなかなか説得できなかったけど、クリスのとこ行くって言ったらオッケーでたのよ!おかしいと思わない?」
クリスにレイと呼ばれた少女は文句を言いながらもどこか嬉しそうだった。
「まぁそう言うなって(笑)しかし、トレーサーのおばさんも相変わらずなんだな。オーバーウォッチが解散したからって冒険家として張り切りすぎだよなー。」
「その行動力は私たちにも受け継がれてるんだけどね。...クリスのお母さんはまだ戻ってこないの?」
「...まぁ、毎月生活費は振り込まれてるから生きてるとは思うけど、いくら仕事が忙しいったって少しは帰ってきてほしいもんだよ、ったく...。」
レイに母親の話を切り出されるとは思ってなかったクリスは、少しつまりながらも何ともない風に返事をした。そう、母さんは日本の研究チームに呼ばれたとか言って俺と母さんの母国であるスイスから俺が15才になると同時に日本に引っ越してきたのだ。最初のうちは母さんも家に帰ってきていたのだが、1年くらい前からはプロジェクトの最終段階だとかで全く家に戻ってきていない。研究者らしいといえばそれまでなのだが。
「そっか。ま、科学者であり最高のヒーラーだった≪マーシー≫にも難しくて時間がかかることがあるってことだね!それじゃ、来週、日本に行くからちゃんとお迎えよろしく!」
「あ、言い忘れてたけどレイ、なんかチョウも一緒にやりたいとかで今度日本に来るぞ?」
「あの今世界で一番忙しそうなディーバ(歌姫)が?ま、私は別にいいけど!」
んじゃ!といってPC越しの会話が終了する。
オーバーウォッチの関係者が3人も集まるとか、一部の偉い人が聞いたら俺たち監禁・監視待ったなしだな。と、クリスは思いながら2人が日本に来る日を待つのだった。
そう、クリスとレイ、チョウの3人は今は無きオーバーウォッチの関係者もといその家族...next generations(次世代の英雄たち)だ。
皮肉にも自分たちの親が所属していた組織が題を飾るこのゲーム「オーバーウォッチ・オンライン」、のちにデスゲームと化すこの世界で彼らは何を思うのだろうか...。