オーバーウォッチ・オンライン~next generations~   作:セラり

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文章で多くの人に伝えるのって、かなり緊張しますね・・・。

辻褄が合わなくなることだけはなんとか避けて書いていきたいです。


プロローグ~自覚と出会い2~

in成田空港

 

 

「おっ、来た来た。おーいレイ、こっちこっち!」

 

 搭乗口から出てきたレイを見つけ、声をかけると、レイも気がついてこっちに駆け寄ってくる。

 

「やっほー、クリス!元気してた?相変わらずイケメンだねー。」

 

「そっか?至って普通だけどな。レイも元気そうでなによりだ。チョウなんだけど、もうちょっと後の便で着くらしい。長旅のところ悪いけど少し待っていいか?」

 

「ん、オッケー。けど、世界人気の歌姫が来るんだからひょっとしてマスコミとかパパラッチとかいるんじゃない?」

 

 レイは到着して早々のはずなのに、そんなこと関係なしに右手を目の上に付けた敬礼ポーズで周りを見渡している。そのポーズ、レイの母親もしてる写真があったぞ。さすが親子だな。かくいう俺にも母親が良く使うせいで口癖になったしまった言葉があるのだが。

 

 

 

近くのカフェスペースで2人で待つこと数時間ーーー

 

 

 

「さぁさ、歌姫の到着だぞ。」

 

 一般の到着客に混じって出てくるはずのチョウの姿を探すのだが、見つけた瞬間2人は固まってしまった。そしてこの後起こるであろう騒動も予想が簡単に立てられた。なぜなら...

 

「おいおい、いくらなんでも無防備すぎないか?変装なしでまさか飛行機乗ってたのかよ...」

 

「ま、まぁばれてないかもってこともあるし...ね?」

 

そんなことはなかった。

 

「やっほー、クリスにレイ!久しぶり~!お出迎えGJよ!」

 

 チョウが2人に寄って来るのだが、ただでさえ人で混雑している到着口周りからざわざわと声が聞こえてくる。

 

「あれ、ハナ・チョウじゃね?」「えっ!ディーバいるの!?」「来日予定あったっけ?お忍びかな」「っていうかあれ!男!男!」

 

「ま、気にせず行きましょ♪」

 

 チョウとしては慣れっこなのか、意に介していないのだが、俺とレイにしたらたまったものではない。

 そして、もう1つの意味でも俺は頭を抱えていた。そう、この世界のディーバ(歌姫)ことチョウ・チャンもオーバーウォッチの次世代の1人なのだ。まだ彼女は15才なのだが、数年前にデビューして以来その人気はうなぎのぼりで、最近はアメリカを中心に活動している今最も熱い有名人である。ちなみにチョウは歌手であり、重度のゲーマーなのだが、やはりというかどうしてこう遺伝するのだろうか。チョウの母親ハナ・ソングも俺とレイの母親と同じく元オーバーウォッチに所属しており、登録名は『D.Va』。ハナ・ソング自身、現役の歌手で、チョウがデビューするまで歌姫というと彼女のことを指していた。もちろん、重度のゲーマーである。

 

 俺としても喧噪からさっさと離れたかったので、とりあえず自分が被っていた帽子をチョウに被せ、3人でこの場を後にした。

 この姿が写真に撮られ、チョウに熱愛報道が出ていたことを知るのは、デスゲームを切り抜けた後だった。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 空港を離れ向かったのは都内某所にある俺と母さんが暮らすマンションだ。

それまで母さんと2人暮らしだったわりにはかなり広い間取りであるため、あと何人来客があっても大丈夫なくらいだ。レイとチョウには、ゲームが始まったらここからログインしてもらうつもりでもある。2人にはしばらく男の俺と同居になってしまい申し訳ないが、別にホテルを取って1人で過ごしてもらうよりは幾分か心配の種は減る。

 

「それで?久しぶりの再会を祝して乾杯をしてもいいんだが、その前に来ておきたいことがある。2人は『オーバーウォッチ・オンライン』のパッケージとか、ナーヴギアはどうするんだ?」

 

「「えっ?」」

 

 えっ?じゃなくて。なんで2人揃って何聞いてんのみたいな顔してるのか小一時間問いただしたい。

 

「クリスが誘ってきたんだし、こんな人気沸騰中なタイトルそう簡単に手に入るわけないじゃない。伝手で用意してくれてるんじゃないの?」

 

「確かに、手に入れたことは手に入れた。けど、俺はお礼の一言でも聞けるもんだと思ってたんだけどな。」

 

 そう、俺はナーヴギアと『オーバーウォッチ・オンライン』(長いので以下OWと略す)のパッケージを主に母さん伝いに入手した。OWの初回生産ロット数は1万なのでかなりの無理な注文だとも思ったが、メールで母さんにその旨を伝えた数日後すぐに我が家へ届けられて驚いたことは記憶に新しい。

まぁ、かの天才でこのゲームのクリエイターである茅場さんと一緒のチームで仕事するって話は日本に越してきたころに知っていたので、どんな風に携わってるかは知らないが近しいところで働いていることは想像がついた。けれど、まさか本当に3つも送ってきてくれるなんて我が母親ながら凄いものだ。

 

「はいはい、Thanks to your help♪」

 

「なら私からは、お礼のキスってことでいーい?」

 

 順にレイ、チョウの言葉だが、2人して心にもないことを。

いや、心には思っててほしいわけだが。特にチョウからのキスは甘んじて受けるまである。

 

「でも、よくオーバーウォッチを題材にゲームなんて出せたよねー。他の地域じゃ所属してたメンバーが犯罪者にされたり、ひどい扱い受けたりしてるんでしょ?」

 

「なんでも、ゲームだから大丈夫でしょって結論になったらしい。」

 

 なんともまぁ軽いノリだが、ナーヴギアが発売されてから初めてのVRMMORPGだ。よっぽど期待が大きいのだろう、その辺も絡んでいる気がする。

 

 それでも、と俺は加えて

「雑誌の茅場さんの記事によれば、OWの製作にあたって元オーバーウォッチの構成員から当時の状況や戦術、武器リアリティ向上のアドバイスを受けたらしいから、偉い人たちからしたら気が気じゃないだろうにな。」

 と、2人に話しかけた。

 

 俺としたらこのゲームが発売されてよかったと思ってる。なんせ一時期は英雄とまで呼ばれた母さんたちがどんな戦場で戦ってきたかを知れる。

 家にいる母さんはいつもにこやかで怒ることなんて滅多になかった。それでも、オーバーウォッチのことを母さんに聞いたときに時折暗い顔をすることがある。オムニックと呼ばれたロボットたちの反乱は、末期にはもう戦争と称しても過言ではない状況だった。きっと、一緒に戦場に立った仲間の人たちも少なくない数が天国に旅立っているはずだ。母さんが暗い顔をしたときは最後にいつもこう言っていた。

 

 

 命の代償は、高くつくのよ     と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 レイとチョウが日本に来た最初の夜は、数日後にサービス開始が迫った、世界が待ち望む『オーバーウォッチ・オンライン』に各々思いを馳せながら騒がしく更けていく...

 

 




参考までに。

元ネタのオーバーウォッチでは
レイの母親はトレーサー
チョウの母親はD.Va
クリスの母親はマーシーとして活躍しております!
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