オーバーウォッチ・オンライン~next generations~   作:セラり

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どうも皆々様、書けるときに書いちゃいたいセラりです。
今までずっと検索しか使ってなかったので、推薦機能があることをさっき知りました。

今後の近い目標としては、推薦と良い評価がもらえるよう執筆していく所存です。
感想もお待ちしております!


狂鳴と共鳴

 in 始まりの街

 

 

 これはいったい...

 

 

 

 

 

 

 今俺の周囲には同じようにログインしてゲームを楽しんでいた約1万人のプレイヤー、上空にはGM茅場晶彦を名乗る死神のようなアバターが漂っている。

初めはログアウト出来ないことに対する説明がなされるものだと思っていた多くのユーザーだが、上空にいる死神からログアウト不可なのがこのゲームの仕様、そしてすでに数百に及ぶプレイヤーがリアルからの干渉により現実世界からもログアウト、つまり死に至ったことを淡々と述べられるにつれて騒ぎは大きくなり、今はそこここで阿鼻叫喚の様相を呈していた。

 

「私の目標は、この1万人のプレイヤーによるデスゲームが開始された時点で達成されたと言えよう。なれば、GMの茅場晶彦としての私が諸君に臨むことはただ1つ。100層あるこのアインクラッドがクリアされることである。各層に配置されたボスを倒し、1~100層までのすべての層が解放されたならば、私は甘んじて諸君らを現実世界へと戻すことを約束しよう。

...無論、現実への帰還が叶うのはクリア達成時に命あるプレーヤーに限ることは忘れないように。

命の代償は、諸君らが考えているよりも思いのほか高くつくものだ。」

 

 上空の死神による演説を心ここにあらずといったふうに聞いていた俺だったが、今言い放たれた茅場の言葉にピクリと反応した。

 

 「今のセリフ...母さんがよく使っていた...?」

 

 確かに俺は、母さんが茅場とある程度近しい距離で仕事をしていたとは考えていた。が、このOWがデスゲームと成り果てた今の状況だと、思わざるを得ないことがある。

 

 母さんはこの世界がデスゲームになることを把握していたのだろうか?

ましてや、ナーヴギアとOWのパッケージを送ってくれたのは紛れもなく母さんだ。デスゲームと知ってて息子やその友人、ましてや苦楽をともにしたオーバーウォッチの次世代をこの世界に送り込むことなどあり得るのだろうか?いや、ないと信じなきゃダメだ。でなければ、母さんは茅場と同じ犯罪者になってしまう!

 

 

 

 

「最後になるが、私から諸君に餞別としてアイテムストレージにプレゼントを送っておいたので各自確認してほしい。」

 

 言われるがままにメニューウィンドウを開き、所持アイテムを確認してみると『手鏡』と『トレジャーボックス』という名前のアイテムが付与されていた。

『手鏡』なるアイテムから詳細を確かめてみようとした瞬間、ここへ飛ばされてきたときと同じように、アバターの全身が光に包まれた。

 周りでも同じような光が大量に放たれているので、きっと他のプレイヤーも『手鏡』を確認しようとしたのだろう。

 

 光が分散し、やっと目を開けれるようになったが、俺は特にめぼしい変化を感じなかったが周りはそうでもなかったようだ。

 

「お、お前キリトかよっ!?」

 

「そっちこそ、お前クラインなのか!?」

 

 ついさっき知り合った2人のプレイヤーの声が聞こえたので、思わずそっちを向いてみると...確かに変化があった。

 

 フィールドにいたときの2人は、それはもうゲームの利点を生かした見目麗しいアバターだったが、現在、キリトは幼さの残る少年の姿、クラインは野武士としか形容できないおっさんめいた姿になっていた。俺はレイいわく、元の出来がいいイケメンらしいので、似せたわけではないがさほどリアルとかけ離れた容姿にはしていなかったためすぐには気付けなかったわけだ。

 

 2人はまだいいが、性別を偽ってゲームをエンジョイしようとしていたプレイヤーも多かったらしく、別の意味であちこちで悲鳴に似た叫びが広がっていた。

 

 ぱっと見渡した限りだけど、男女比がすごいことになってそうだ。

 

「『手鏡』の効果についてはもはや言うまでもないが、現実世界の姿をアバターに反映させてもらった。諸君らにキャリブレーションしてもらったのはそのためだ。また、その自身の慣れ親しんだ姿の方が、今後助けになるだろう。

 もう一つの『トレジャーボックス』には、武器が入っている。アバター作成の時にアンケートのようなものをしてもらったと思うが、あれはこの世界における適正調査であり、その結果、適正有りと診断されたジョブの武器がこの『トレジャーボックス』から排出されるようになっている。店売りの武器と変わらない程度のレアリティしか排出されないが、今後の諸君らのスキル構成や生き方の指針とでも思ってもらえればうれしい。もちろん、その適正結果に従わず己が道を進む選択肢もある。」

 

 あのよく分からない禅問答みたいなやつ、適正調査だったのか。

長ったらしくて最後の方は適当に答えてた気がする...。

もしサポート武器じゃなかったら、最悪店売りを買うか...。

 

「これを以て、『オーバーウォッチ・オンライン』のチュートリアルを終了する。」

 

 上空にいたGM茅場晶彦の死神アバターはそう言い終えると霞がかかったように消えていき、同時に澄み渡る青空が広がり、強制転移で広場に集められた約1万のプレイヤーが醸し出す雰囲気と非常にアンマッチな光景となっていた。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 さてどうしたものか。

 

 広場はいまだに突如突きつけられたデスゲームという事実を受け入れられないプレイヤーで溢れており、狂騒は茅場が言うところのチュートリアルの時よりもさらに大きくなり始めていた。

 

 とりあえずは、レイとチョウと合流するか。

 

 俺は近くにいたキリトとクラインに事情を話し、キリトからの提案で2人にインスタントメッセージを飛ばすことにした。

 

 

 

【広場 西 道具屋 前 集合】

 

 なんとまぁ片言ではあるがこれで伝わるだろう。そういえばキリトたちにレイたちが女性プレイヤーだってこと伝えてなかった...。ましてや、アバターによるメイキングが意味をなしていないこの状況で、チョウを見たらどんな反応するのだろうか。

 

 そう思案していると、2人が俺が指定した場所までやってきた。

幸いにも、2人は揃って行動していたようだった。

 

「クリス~!探したよぉ!一緒にログインしてから、ずっと探し回ってたのにぃ~!」

 

「えっと、なんか大変なことになっちゃったみたいだね。」

 

 再会して早々、チョウは半泣きで駆け寄ってきたが、レイはパニックも一周回ってどこか落ち着いていた。

 

「ごめんってば!ちょっとフィールドにでて、キリトにこのゲームのレクチャーしてもらってたら思いの外時間が経ってたんだよ。」

 

 キリト?と言いながら2人して頭にハテナを浮かべていた。

そうだった。当たり前だけど、レイとチョウにとって俺以外全員初対面だった!

 

「えーっと、こっちの黒っぽいやつがキリト。んで、こっちの野武士っぽいのがクラインだから。」

 

 野武士と紹介して外国育ちの2人に伝わるかどうかよく分からない心配をしていたが、心配を口に出す前にクライン(野武士っぽいの)が何やら喚いたので問題なかった。

 

「おぅ、クリスよぉ。

お前の言ってた一緒にログインしてた友達って女の子かよぉ!しかもむちゃくちゃカワイイときた!リア充爆発しろ!どっちが彼女なんだ?」

 

 おい、クライン。最後なにぶっこんできてるわけ?しかもこっちの2人は2人でなんか目輝かせてるし!

 

 とりあえず、2人はどっちもただの友達と宣言したところで、レイとチョウの目からハイライトが一瞬消えた気がしたが、まぁ問題ないだろう。

 

 「レイです。よろしくお願いします。」

 「チョウでh...です。」

 

 うん、見事に噛んだね。世界のディーバが自己紹介で...ふふっ、普段は大人ぶってるけど、さっきの半泣きといいかわいいとこあるじゃん。

 

 自己紹介でお互い顔を見合わせてキリトとクラインは何かを感じたのか、しきりに俺とチョウの顔に視線を行ったり来たりさせている。

チョウの方も、どうしたものかと視線をこっちに投げてくるので、俺は深くため息をつき、間を取り持つことにした。

 

「リアルのことに首突っ込むのはネットじゃご法度だが、まぁこの際仕方ないか。チョウはリアルの方で歌手をやっていて、ちょっとばかし有名なんだよ。世界のディーバ(歌姫)って言ったら分かるか?」

 

「「分かるもなにも...」」

 

 ちょっと有名どころの話じゃないじゃん、とのことらしい。

 

 さっきと逆で、今度はキリトとクラインの目から一瞬ハイライトが消えた気がしたけど、やっぱり問題ないだろう。...うん、問題ない。

 

 

 

 

 その後、キリトも軽く自己紹介したところでキリトがこう切り出した。

 

「なぁ、これからどうするんだ?俺はこの後すぐにでも始まりの街を出て次の圏内エリアがあるところまで行くつもりなんだ。βの経験上、この辺のモンスターのリソースは今広場にいるプレイヤーが一斉に動き出したらあっという間に枯れる。そうなる前に今は多少無理してでも次の圏内へ進んだ方がいいはずなんだ。」

 

「俺は...俺も他のゲームタイトルからずっとやってきた奴らと一緒にプレイする約束してるんだ。まずはそいつらを見つけなきゃなんねーし...だからキリトよぉ、悪いが一緒には行けねぇ。」

 

「俺はまぁ、レイとチョウが大丈夫ならそれでもいいけど。どうする?」

 

 俺が2人の方へ視線を向けると、クリスに任せる!と言わんばかりに首肯していた。

 

「りょうかい。ならクラインとはここで一旦さよならだ。

クリスたちは、とりあえず俺と一緒にホルンカの村へ行こう。最終的にはトールバーナの街に行くのが目標になるけどそれまではパーティを組む。それで問題ないか?」

 

「あぁ、問題ない。」

 

 正直、β経験者であるキリトがパーティにいるのは心強いのでこの申し出はありがたかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 クラインと別れ、俺たちは次に行く予定のホルンカの村まで疾走していた。

その時の俺の表情はきっとデスゲームには相応しくないくらい笑っていただろう。その両手には、しっかりとサポートジョブとしてのヒール武器が握られていた。

 

 

 

 

 俺は、母さんみたいなヒーラーになれるだろうか。

 

 みんなを死なせずに、現実へ戻ることができるだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーーーー命の代償とは、なんだろうか。




かなり省いてしまった...。
第1層攻略までは駆け足で進めたいと思います。
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