インフィニット・ストラトス―失われた未来― 作:レイブラスト
毎度の如く竜頭蛇尾な出来になるやも知れませんが、長い目で見て頂きますようお願いします。
それでは、どうぞ。
とある真っ白な空間で、2人の青年は呆然と立ちすくんでいた。彼らは片方の男が運転する車でドライブに出かけ、その最中に信号無視で突っ込んで来た大型トラックと衝突して即死……したのだが、何故かここに飛ばされたのだ。しかも目の前には白い服を着た老人が居る。
「えっと……アンタ誰? ここはどこ?」
「ワシか? ワシはお主達のところで言う神じゃ。まあ立場はそんなに上ではないがの。それとここは、死んだ生き物の魂が地獄や天国へ行く前の言わば中間地点のようなものじゃ」
「あ、やっぱ死んでたのか俺達。そうだよなぁ……心臓止まってるもん」
自分の胸に手を当てながら運転していた青年が言う。その顔からは「こんなことなら、もっと楽しいことをやっておけば良かった」という気持ちが伝わってくる。
「そう心配せんでもよい。実は上からの命令で、お主達を別の世界に転生させることになったんじゃ」
「それって、神様転生って奴!?」
驚いたように声を上げたのは、もう1人の青年だ。先ほどまでの気怠げな顔から一転、希望に満ち溢れたものになっている。
「う、うむ。随分テンションが変わったのう……」
「すんません、こういう奴なんで。で……転生先はどんな世界で?」
「ええと、確かお主達の愛読している書物で言う、インフィニット・ストラトスという世界だったような……」
「キタァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアア!!」
大声を上げて喜ぶもう1人に、2人は耳を塞いで顔を見合わせた。
「ホントすいません……」
「いや、いいんじゃ。お主も苦労しとるみたいだしのぅ」
苦笑しながらコホンと咳払いすると、神は2人の前に液晶ディスプレーのようなものとタッチペンを出現させた。
「これは?」
「転生するに当たって、お主達の要望を叶えようと思ってな。好きな願いをいくらでも書き込んでくれて構わない。やり方は要望を書いた後、『追加』のボタンをタッチ。これでもう十分だと思ったら『決定』ボタンをタッチじゃ」
「ゲームの設定画面みたいだな」
肩をすくめながらタッチペンを持つ。だが運転手の青年はちっとも筆が進まなかった。
(まいったな……どんなことを書けばいいのかわからん。アイツの書いたことを参考にでもするか)
ちらっと隣を覗き込むと、『織斑一夏になりたい』と書いて追加を押し、しかしエラーと表示された。
「エラー? 何で?」
「さすがに無理じゃよ。転生先に存在する魂を自分のものと置き換える等、理がおかしくなってしまう。まあ最初から織斑一夏なる者が存在しない世界なら可能じゃが……ワシは中間管理職のようなもので、転生先の指定及び変更はできんから無理じゃな」
「くっ……ならこうしてやる!」
苛立ちながら言うと、彼はタッチペンをスラスラと走らせ、次々に追加を押していく。それを見た友人は焦った。
「お、おい待て! 『織斑一夏の性別逆転』とか『白式を自分の専用機に』とか、『ISの操縦を篠ノ之束に教えて貰う』はまだわかる! でも最後の奴はいくらなんでも―――」
「うるさい! 僕はハーレムを作るんだ。その為に一夏の存在は邪魔なんだよ!」
決定をタッチし、ディスプレーが消えると彼の姿もまた消えた。
「行ってしまったか……随分無茶苦茶なことを書き込んでおったが、さてお主はどうする?」
「……止めるに決まってんだろ。それがダチとしてのケジメだ!」
言いながらタッチペンを走らせる。彼が書いたのは『篠ノ之束らが生まれるより5年前に転生』、『亡国機業のトップの座に着く』、『仮面ライダー鎧武に出てくるアイテムを制作・発展できる程の知識及び技術』等。
「なるほどの。じゃがロックシードとやらはどうやって作るつもりじゃ? ヘルヘイムの森を呼ぶ訳にも行くまいて」
「大丈夫。ちゃんと追加条件でそこんとこ書くから」
最後にそれを書いて追加ボタンを押し、すぐに決定を押すと彼の姿も消えた。
「やれやれ……上が彼らを選んだのは、世界を引っ掻き回す為か? それだけならいいのじゃが、色々無茶な要求をしたせいでイレギュラーが確実に出ることになりそうじゃし……ああ、気が滅入る」
頭を押さえながら、神の姿もまた消えた。
導入部としてはこんなところでしょうか。ちなみに転生した2人の全特典はここに記しておこうと思います。若干ネタバレになりますので、そういうのが嫌いな方はご注意下さい。
転生者1 ・篠ノ之束らが生まれるより5年前に転生 ・亡国機業のトップの座に着く ・仮面ライダー鎧武に出てくるアイテムを制作・発展できる程の知識及び技術 ・ISコアの改造に関する必要な知識及び技術
転生者2 ・織斑一夏の性別逆転 ・白式を自分の専用機に ・ISの操縦を篠ノ之束に教えて貰う ・篠ノ之束以上の天才的な頭脳 ・他組織による織斑一夏の抹殺