インフィニット・ストラトス―失われた未来―   作:レイブラスト

33 / 45
第32話 大乱闘

『非常事態発生! 非常事態発生! IS学園に居る全ての方はシェルターに避難して下さい!! 繰り返します、IS学園に居る全ての方はシェルターに避難して下さい!!』

 

ようやく発令された避難警報が学園中に響き渡り人々がシェルターへ移動する中、鎧武達は戦う場所を変え、周囲に被害の出にくい開けた屋外で戦闘を継続させていた。

 

「さて……避難勧告が出た以上、戦闘を長引かせるのはまずいわね。一斉攻撃で一気に片付けた方が良いと私は思うけど……貴女はどうなの、楯無ちゃん」

 

「奇遇ね。私も貴女と同意見よ。簪ちゃん、マドカちゃん、遠慮しないで最初から全力でやって頂戴」

 

「言われなくてもそうするつもりだ」

 

「既にロックはできてる。後は発射するだけ」

 

右腕をトラックス01同様の武器に変形させたトラックス02が腕を振り回し攻撃する中、通信を行い攻撃手段を決める。

 

「それじゃ……行くわよ!!」

 

スコールの合図によりゴールデン・ドーンから超高熱火球・ソリッド・フレアが放たれ、直撃すると同時にミステリアス・レイディが既に散布していたナノマシンを含む霧が爆発を起こす。そこへ打鉄弐式のミサイルランチャーとサイレント・ゼフィルスのビットレーザーが襲う。

 

 

 

 

 

 

 

 

同じ頃、トラックス03を取り囲む鈴達も攻撃を仕掛けようと作戦を立てていた。

 

「さっきスコールさんの通信拾って聞いたけど、初っ端から最大火力出して落とさなきゃ周りが危ないわ」

 

「ならまず、私がAICで奴を抑えよう。その間に3人で攻め込んでくれ」

 

「ありったけの火力をぶち込むなら、得意中の得意だよ」

 

「最大火力で、か……あの武装は調整が難しいのだが、何とかやってみるか」

 

「決まったか? では行くぞ!」

 

シュヴァルツェア・レーゲンのAICを発動し、右腕を振り上げた状態のトラックス03を停止させる。

 

「オラオラァァァ! 今日は出血大サービスよ!!」

 

「食らえぇぇぇえええええええええ!!」

 

すかさず甲龍の衝撃砲が背面から、シャルロットが駆るラファール・リヴァイヴ・カスタムⅡは正面から六一口径アサルトカノン・ガルムの二丁撃ち→レイン・オブ・サタデイ→ヴェントと次々と連撃を加える。

次に箒がスライディングしながらトラックス03に接近し、展開装甲を変形させて作ったクロスボウ型ブラスターライフルを斜め前方に向け発射。最後にラウラがレールカノンを放ち攻撃は終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

激しい弾幕と爆風に付近で戦闘していた鎧武達も思わずトラックスの方を見た。

 

「凄い弾幕……あのロボットはどうなったんだろ?」

 

「破壊されているといいのですが……」

 

「バカめ。アレがIS如きの攻撃で易々と破壊される訳がない」

 

嘲笑する斬月・真の通り、煙が晴れた先には無傷のまま佇むトラックス02と03の姿があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スコール達がトラックスに攻撃を叩き込んでいる時、イドゥンはデュークに変身した凌馬に驚きつつも、先ほどと同様に打ち負かされるのがオチだろうと考えてデュークを無視し、シグルドへと歩を進めた。

 

「へへっ……マジで一対一で戦う気かよ……相当舐められているみたいだぜ、プロフェッサー」

 

「無理もないさ。端から見ればデュークは普通のアーマードライダーと何の変わりもないからね」

 

「ふん……」

 

デュークの発言を鼻で笑うと、イドゥンはシグルドに再度刃を向け戦いを始めた。

 

「とはいえ、どう攻略すべきか……」

 

顎に手を当てて考え込むデュークに、トラックスのクローが振り下ろされる。

 

「おっと」

 

バックステップで回避すると、じろりと見つめてくる単眼と目を合わせた。

 

「まずはこれでいくか」

 

小手調べにと、デュークはゲネシスドライバーのシーボルコンプレッサーを右手で持つと、ぐいっと一回押し込んだ。

 

『レモンエナジースカッシュ!!』

 

音声と共に額のゲネティックシグナルと複眼が光り、それと同じくしてトラックスの挙動がまるで複数の敵を相手にしたかのようなものになった。

 

「効きめは十分みたいだね。大分困ってるみたいだ……ふふふ、開発者自ら特別にチューンしたゲネシスドライバーの性能、如何かな?」

 

デュークのゲネシスドライバーには、試験的に様々な機能が搭載されている。その1つが、今使ったハッキング機能だ。これはIS等の機械のセンサーをハックし、無数の仮面ライダーデュークを映し出してあたかも大群に襲われているかのように錯覚させることができるものだ。

 

「そんじゃあ今の内に、コイツのウィークポイントを……」

 

再びゲネティックシグナルと複眼を光らせ、トラックスを隅々まで解析し弱点を探る。

 

「はいはいはいはい……なるほど」

 

ソニックアローを構えて弓を引くと、デュークは右足の関節部を目掛けて穿つ。ピンポイントで節目に突き刺さった光矢は爆発すると同時に関節パーツを破壊し、トラックスに膝をつかせた。

 

「どんなに装甲が堅固でも、負担がかかり易い関節が弱いのは巨大ロボットのお約束だよね」

 

『ロック・オフ!』

 

言いながらレモンエナジーロックシードをゲネシスドライバーから外すと、ソニックアローにセットする。

 

『ロック・オン!』

 

弓を最大まで引くと、持ち手の部分を反時計方向に90度回す。すると弦の部分が延長・湾曲しエネルギーが更にチャージされる。

 

「これでトドメだよ、変形ロボット君」

 

『レモンエナジー!!』

 

手を離し、他の次世代型アーマードライダーのソレより強力なソニックボレーをトラックスの頭部目掛けて二連続で発射。一発目でカメラアイを砕くと二発目が露出した内部に当たり炸裂、頭部を粉々に吹き飛ばした。トラックスは機能不全となり俯せに倒れた。

 

「……必殺技クラスの攻撃はさすがに防げないか。何にせよ、関節部やカメラ部分ならアーマードライダーの武装で十分破壊可能だということが証明された訳だ」

 

「そんなバカな……! アレを1人で破壊するなんて―――ぐっ!?」

 

「どうしたぁ? 動揺してるのが伝わってくるぜおい!」

 

トラックスが一体のみとは言えデューク1人に撃破されたことにイドゥンは取り乱し、ここぞとばかりにシグルドはソニックアローによる格闘戦で畳み掛けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トラックス01をデュークが撃破したのと同時刻。ビークルモードで起動したシボレー・トラックスに跳ね飛ばされた人達を救助していた弾達は、ISの一斉攻撃に対し無傷で済ませたトラックス02と03に軽く戦慄していた。

 

「嘘……ISの武器が効いてない!? どうして!? ISは他の兵器に対して無敵の筈なのに!」

 

「(あのロボット、アーマードライダー並の力を持ってるのか? いやそれよりも)落ち着け蘭! 今は怪我人を運ぶのが先だ!」

 

「そうっスよ! 気持ちはわかるけど、冷静にならないと危険っス!」

 

弾に続いて言ったのは、IS学園の生徒で二年生で唯一の専用機保有者であるフォルテ・サファイアだ。戦闘で発生した音と避難誘導で駆けつけ専用ISを纏って救助を手伝っているのだ。

 

「けどISの武器が効かないとなると、私らにはどうしようもないっスね……」

 

「ああ、残念だがな。兎に角今はこっちを優先しよう」

 

落胆するフォルテに、刀奈を含め2人しかいない三年生での専用機保有者の1人でフォルテの恋人でもあるダリル・ケイシーという少女が声を掛ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方で鈴達はISでは歯が立たないと知ると解除して、戦極ドライバーやゲネシスドライバーを腰に巻く。

 

「今度はソレで戦うのかい? 無駄なことだとは思うけど」

 

「さっきも言った筈よ。やってみなければわからないって! 変身!」

 

「「「「「「変身!」」」」」」

 

『ブドウ!』

 

『マツボックリエナジー!』

 

『ドングリ!』

 

『ピーチエナジー!』

 

『ドリアン!』

 

『シルバー!』

 

『クルミ!』

 

斬月・真の挑発に逆に笑みを浮かべ、鈴、刀奈、簪、マドカ、ラウラ、箒、シャルロットは各々のロックシードを解錠するとドライバーに装填して施錠し、様々なミュージックによる多重奏を響き渡らせる。そしてカッティングブレードを倒して輪切りにしたり、シーボルコンプレッサーを押してカバーを開いたりした。

 

『『『『『『『ロック・オン!』』』』』』』

 

『ハイーッ! ブドウアームズ! 龍・砲・ハッハッハッ!!』

 

『リキッド! マツボックリエナジーアームズ! ソイヤッ! ヨイショッ! ワッショイ!!』

 

『カモン! ドングリアームズ! Never Give up!!』

 

『ソーダ! ピーチエナジーアームズ!!』

 

『ドリアンアームズ! ミスターデンジャラス!!』

 

『ソイヤッ! シルバーアームズ! 白銀・ニューステージ!!』

 

『クルミアームズ! ミスターナックルマン!!』

 

出現したアームズが彼女らの頭に被さって展開、その姿を龍玄、黒影・真、グリドン、マリカ、ブラーボ、冠、ナックルに変えた。

 

「……私もそろそろ、本領発揮といきましょうか」

 

その光景を見ていたスコールも、認証済みの戦極ドライバーを取り出すと腰に当ててセシリアが持っているのと同じバナナロックシードを出して解錠した。

 

『バナナ!』

 

「変身」

 

戦極ドライバーにバナナロックシードを装着、施錠をしてカッティングブレードを倒し輪切りにする。

 

『ロック・オン!』

 

『カモン! バナナアームズ! Knight of Spear!!』

 

バナナアームズが出現後、スコールの頭を覆い隠すと身体を黒と銀のライドウェアに包んで展開。セシリアのバロンのプロトタイプである、仮面ライダーブラックバロン バナナアームズに変身した。

 

「アンタも変身したのか。滅多なことじゃ使わないと言ってたのに」

 

「今がその滅多な時だからよ」

 

「ハッ。言えてる!」

 

マリカと軽口を叩きながらブラックバロンはトラックスを一度見上げ、後ろで端末を操作してトラックスをスキャンしている束に聞いた。

 

「篠ノ之博士。アーマードライダーの武装であのロボットは倒せるかしら?」

 

「正攻法じゃ怯ませることはできても倒すのは無理だね。ただ関節と頭部のカメラアイが比較的装甲が薄いから、そこを狙えば勝ち目はあるよ」

 

「……だそうよ皆」

 

「ようし、そうとわかればやってやるわよ!」

 

龍玄が威勢よく叫んだその時。救助活動を行っている弾達のもとへラファール・リヴァイヴを纏った真耶とその他教師が数人訪れた。

 

「遅くなってすみません!」

 

「お、IS学園の先生だ! いいところに来てくれたぜ!」

 

「山田先生、それに他の先生方も、怪我人を運ぶのを手伝って下さい!」

 

「僕達だけじゃ手が足りないんです!」

 

「わかりました、直ちに―――」

 

「ちょっと待って! あのロボットはどうするの!? 生徒だけに任せておくのは危険すぎるわ!」

 

1人の教師がトラックスと戦う龍玄らのもとへ行こうとする。それを見たダリルは慌てて教師の前に立ちはだかって止めた。

 

「行ったらダメだ! あのロボットにはISの攻撃は通じない!」

 

「!? どういうこと? ISはあらゆる兵器の頂点に立つ存在なのよ。それが―――」

 

「本当なんです。私もこの目で見ました。第3世代型ISの一斉攻撃を、あのロボット達は無傷で防いだんです」

 

真白の説明に真耶達は愕然とした表情になる。ISで破壊できない兵器。そんなものにどうやって対処すればいいと言うのか。

 

「それなら、何故彼女達は戦っているの? ISの攻撃が通じないなら止めた方が」

 

「お嬢様達のIS……いえ、アーマードライダーなら勝てる可能性はあります」

 

虚は信用して貰う為に彼女達の秘密の1つを明かす。アーマードライダーという言葉を初めて聞いた教師達は困惑して顔を見合わせる。すると考え込んでいた真耶が何か決心した表情で他の教師に告げた。

 

「……わかりました。私達も救助活動を手伝います!」

 

「真耶!? 何言ってるのよ、正気!?」

 

「確かにおかしいと思うかもしれません。ですがあの子達なら、きっと何とかできるんじゃないかって、そう信じられるんです」

 

「真耶……わかったわ。みんな、私達も手伝うわよ!」

 

真耶の言葉に心を動かされた教師達がISの機能を駆使し、怪我人の救助活動を手伝い始める。その一方で、トラックス02&03とアーマードライダーとの戦いはついに幕を開けた。

 

 

 

 

 

 

 

まずトラックス02には黒影・真が影松・真を持って突撃を仕掛ける。事前の会話からどこを狙われているか理解しているトラックス02は、即座にロケット弾を発射。

 

「そんな攻撃、生徒会長の私には通用しないわ!」

 

ロケット弾を回避、或いは影松・真で切り捨てながら接近する黒影・真。だが、トラックス02も負けじと右腕のクローを振り下ろした。

 

「くっ!」

 

どうにか影松・真で受け止めるが、防ぐのだけで精一杯でしかもトラックスがじりじりと押していた。

 

「今よ簪ちゃん!」

 

「はあっ!」

 

黒影・真の背後からグリドンがジャンプし、トラックス02の右腕に取り付く。トラックス02は右腕を振り回してグリドンを離そうとするが、彼女は必死でしがみつき肩まで登る。

 

「よし、後は……」

 

『カモン! ドングリスカッシュ!!』

 

「やあああっ!!」

 

カッティングブレードを一回倒すとエネルギーをチャージしたドンカチを右肩の関節部に勢いよく振り下ろした。

関節が火花を上げて壊れ、右腕が力なくだらんと垂れ下がる。トラックス02はグリドンを動く左腕で殴ろうとした―――だが。

 

「行くわよマドカ!」

 

『カモン! バナナスカッシュ!!』

 

「ああ、任せろ!」

 

『ピーチエナジースカッシュ!!』

 

バナスピアーとソニックアローにエネルギーを溜めたブラックバロンとマリカが、トラックス02の足下を走り抜けながらそれぞれ右足と左足の関節を切り裂いた。バランスを崩し膝をつくトラックス02。そこへ―――

 

「そろそろトドメといこうかしら!」

 

黒影・真がトラックス02のカメラアイ目掛けて影松・真を突き立てた。視界すらも封じられたトラックス02は唯一動く左腕を滅茶苦茶に振り回す。

 

『マツボックリエナジースカッシュ!!』

 

続けてシーボルコンプレッサーを二回押し込むと、黒影・真はジャンプして右足でキックを放った。

 

「やぁぁぁあああああああああああっ!!」

 

必殺のキックは影松・真を頭部の奥深くに更に押し込み、トラックス02を完全に機能停止に追い込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃トラックス03側では、手始めに龍玄がブドウ龍砲のレバーを引いて銃口からエネルギー弾を連射していた。ダメージは無いものの、のけぞり鬱陶しそうにするトラックス02だったが。

 

「そこだ、食らうがいい!」

 

『ソイヤッ! シルバースカッシュ!!』

 

カッティングブレードを一回倒した冠が、蒼銀杖を振るって左足の膝関節を攻撃。片足をダメにされたトラックス03はバランスを崩しかけるがどうにか持ち直し、右足を軸に冠へ向きを変えると右腕のクローを勢いよく突き出した。

 

「っ!」

 

「ここは私が!」

 

ドリノコを頭上でクロスさせるように構えながら、ブラーボが冠を押し退け代わりに攻撃を受け止める。

 

「くっ、予想以上に重いな……ならばこれで!」

 

『ドリアンスカッシュ!!』

 

片手になったせいで押し切られないよう一瞬でカッティングブレードを倒すと、頭部のトサカから発生させたエネルギーブレードで右腕を真上に跳ね上げた。

 

『クルミスパーキング!!』

 

「そこだ! はあっ! たあっ!」

 

その隙に、ナックルはカッティングブレードを弾くように三回倒しパンチアクションと共にクルミ状のエネルギー弾を左足の関節目掛けて打ち出す。エネルギー弾の直撃により完全に左足の膝から下が吹き飛び、ついにトラックス03はしゃがみ込んだ。

 

「やるじゃない、シャル!」

 

「これぐらいどうってことないよ。それよりそろそろ片付けよう!」

 

「ええ!」

 

『ハイーッ! ブドウスカッシュ!!』

 

『クルミスカッシュ!!』

 

龍玄とナックルが共に戦極ドライバーのカッティングブレードを一回倒す。直後にロケット弾が飛んでくるがこれをジャンプで躱し、龍玄脚とナックルキックによるダブルライダーキックを放った。

 

「「はぁぁぁあああああああああああああああああああっ!!」」

 

トラックス03はロケット弾で迎撃するが、2人のキックはそれを掻き消しながら突き進む。それでもただではやられまいと左腕でパンチを放つが、空中で身体を捻って避けられ頭部にキックを受ける。そして。

 

バキィィィィンッ!!

 

僅かな拮抗の後、金属が砕ける音と共にトラックス03の頭が粉々になり龍玄とナックルが着地すると同時にズドンと倒れ込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その光景に、真っ先に焦ったのはタイラントであった。

 

「!? そんな……私達の切り札が倒されるなんて!」

 

「隙を見せましたわね……!」

 

驚愕した隙をバロンは狙い、シーボルコンプレッサーを一回押し込みソニックアローの刀身にエネルギーを溜める。

 

『レモンエナジースカッシュ!!』

 

「はぁぁああああっ!!」

 

「うぅっ!」

 

怒濤の連続斬りを受けたタイラントは呻き声を上げて後ずさりする。そこへ追い打ちをかけるべく、バロンは更にシーボルコンプレッサーを二回押し込んだ。

 

『レモンエナジースパーキング!!』

 

「はあっ!」

 

「そうはさせません!」

 

『ドラゴンフルーツエナジースカッシュ!!』

 

空中に飛び上がるバロンに対抗し、シーボルコンプレッサーを一回押し込むタイラント。

 

「はぁぁあああああああああああああああああ!!」

 

バロンのキック技、ギャバリエンドが放たれタイラントのソニックアローと衝突する。バチバチと火花を散らしながら両者は拮抗する。

 

「くっ! やぁぁぁあああああああああ!!」

 

だがバロンは気合と共に力を込め、ソニックアローを弾いてタイラントのボディに直撃させた。

 

「きゃあああああああああああああっ!?」

 

吹き飛ばされ仰向けに倒れたタイラントはドラゴンフルーツエナジーロックシードが外れて変身が解け、優陽の姿に戻ってしまった。

 

「何っ!?」

 

立て続けに起こる不利な出来事に驚く斬月・真だが、これだけでは終わらなかった。

 

「そらそら! どうしたぁ!?」

 

「ぐあっ!?」

 

シグルドとイドゥンが戦闘しながら現れ、その後ろをデュークがついて来ていた。シグルドはソニックアローでアップルリフレクターを弾き飛ばすとすぐに蹴りを放ち、続けてチェリーエナジーロックシードをソニックアローにセットした。

 

『ロック・オン!』

 

「こいつで終いだぜ、会長さんよ……!」

 

『チェリーエナジー!!』

 

引き絞った弓を放し、強化した光矢をイドゥンに発射する。

 

「あああああっ!?」

 

炸裂した勢いで優陽の近くに吹き飛び、リンゴロックシードが外れてこちらも美咲の姿に戻った。

 

「クソッ! こうなったら速攻で撃破する!」

 

『メロンエナジースカッシュ!!』

 

シーボルコンプレッサーを一回押し込むとエネルギーをチャージさせたソニックアローを鎧武に振り下ろした。

 

ガギンッ!

 

「そんなものでやられたりは!」

 

「バカな……!」

 

だが鎧武はカチドキアームズの装甲で受け止めて無力化、武器を無双セイバーから火縄大橙DJ銃に持ち替え側面の円盤を回すと銃口を斬月・真の腹部に押し当て―――

 

「耐えられるものなら耐えてみなさい!」

 

―――トリガーを引き、ゼロ距離で火球を放った。

 

「ぐぁぁぁああああああああああああっ!!」

 

変身こそ解除されなかったものの、ダメージを受け吹き飛ばされた斬月・真は起き上がるだけでも一苦労といった様子であった。

 

「……まだやる気?」

 

火縄大橙DJ銃を構え続ける鎧武の周りに、全アーマードライダーが集結する。多勢に無勢の状況でまともに戦うのは無理と判断した斬月・真は救助活動を行っている真耶達をチラッと見るとため息をついた。

 

「……参ったよ。降参だ」

 

メロンエナジーロックシードのカバーを閉じて変身を解くと、春也は両手を上げる。尚も警戒を続ける鎧武達だが、春也は左腕に取り付けてある端末に小声で囁いた。

 

「……ガルバトロン、スティンガー、起動。付近の女性を適当に連れ去るんだ」

 

命令と共にフレイトライナー・アーゴシーとパガーニ・ウアイラが起動。粒子状に分解するとそれぞれ銀色と赤色のロボット、ガルバトロンとスティンガーに変形した。

 

「!? 何よコイツ等!?」

 

「しまった! 早く逃げるんだ!!」

 

起動に気づいたマリカが呼びかけるが、一部の教師がそれを無視し攻撃を仕掛ける。当然ながら双方共無傷で、しかもガルバトロンが振るった拳が教師の1人に直撃しシールドエネルギーが一気にゼロにされて吹き飛び気絶してしまった。

 

「今更ながらなんつー威力だよコイツ等!」

 

「こうなったら秘密とか言ってる場合じゃない! 早いとこ変身―――うわあっ!?」

 

急ぎ戦極ドライバーを取り出そうとする数馬だったが、彼に向かい走り出したスティンガーに慌てて避ける。その隙にスティンガーは虚とフォルテを、ガルバトロンは真耶と他の教師1人をISごと鷲掴みにしてしまった。

 

「ああ、布仏さん達が捕まっちまった!」

 

「織斑春也、貴様ぁ!!」

 

「おっと動くなよ! 動いたら4人がどうなるか知らないからな」

 

人質を得たことで不利な状況を逆転させた春也。果たして鎧武達に、打つ手はあるのか……

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。