インフィニット・ストラトス―失われた未来―   作:レイブラスト

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いいサブタイトルが思いつかなかった……


第37話 人を呪わば穴二つ

「はぁああああああああああっ!!」

 

倉庫では鎧武が剣を振るい、白式フェイクが左腕を変形させたシールドで防ぎつつブレードで突いてくる。一旦後ろに下がることで攻撃を回避すると、左腕のかぎ爪を小型のキャノン砲に変形させ頭を狙う。

 

「これでっ!」

 

荷電粒子砲が白式フェイクの顔面に直撃し、仰け反らせる。だが白式フェイクは特にダメージもない様子で、ブレードを展開・エネルギー刃を発生させた。

 

『零落白夜です、気をつけて下さい』

 

「うん……!」

 

頷きながら鎧武はカッティングブレードに手を掛けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「オラァァァァッ!!」」

 

「てぇいっ!」

 

黒影と黒影トルーパー(数馬)は、タイラントの構えるソニックアローに影松を振り下ろした。

 

「会長や春也君でも無いのに、戦極ドライバーでゲネシスドライバーに勝てるとでも思ってるの!?」

 

「んなもんわからねぇぜ! 機械の性能差じゃなくて、操縦者の技量で勝ち続けた奴はこの世にたくさん居るらしいからな!」

 

「千冬さんとか、やってのけそうだよね……!」

 

「……そりゃあの人ならな……」

 

「戦いの最中だってのに、随分余裕なんだ……ねっ!!」

 

「気張ってばっかじゃ、息詰まっちまうから、な!!」

 

「よっと!!」

 

タイラントの装甲を影松で切りつつ、2人は距離を空ける。一方で黒影トルーパー(ダリル)は、イドゥンにソードブリンガーで影松を下に押さえつけられてしまっていた。

 

「くっ!」

 

「同じ戦極ドライバーでも、質が違うのよ質が!」

 

「……だがテメェ自身の質は最悪みたいだな?」

 

「っ! 言わせておけば、この!」

 

「この程度の挑発で頭に血が昇るぐらいなら、やっぱ大した質じゃないな! そらっ!!」

 

足で影松を蹴っ飛ばしてソードブリンガー共々無理矢理上に向ける。そしてアップルリフレクターで防がれるより前に、イドゥンに突きを放ってダメージを与えた。

 

「ぐぅっ! 調子に乗らないでよね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暮桜フェイクと戦っているデュークは、常に零落白夜を発動させたブレードによる攻撃に肝を冷やしていた。

 

「っと! 容赦が無いったらありゃしない……!」

 

言いながらソニックアローから光矢を連続で発射するが、暮桜フェイクは左手で防いでしまう。

 

「前に戦った量産型と違って、油断が少しもできないね。どうしたものか……」

 

やや焦りを含んだ声を出し、デュークはソニックアローを握り締めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うーん、戦況は互角と言ったところかな。できれば僕が出る幕もなく葬って欲しいところだけど」

 

戦闘を傍観しながらそう呟く武神鎧武だったが、その思惑は外れることになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ソイヤッ! 白式スカッシュ!!』

 

「はぁあああああ……たぁぁっ!!」

 

カッティングブレードを倒して剣を展開・零落白夜を発動させると一気に駆け寄り、白式フェイクの一太刀を避けて柄の部分に飛び乗ると、荷電粒子砲に変形した白式フェイクの左腕を発射寸前に両断し破壊すると自分の左腕を頭部に押し当てた。

 

『出力最大!』

 

「砕け散れぇぇぇえええええええええええええええっ!!」

 

ミシミシと金属が軋む音が白式フェイクの頭から聞こえ、カメラアイが明滅し始める。鎧武は更に左腕に力を込め、ついに頭部を貫通。白式フェイクの機能を停止させた。

 

「よし! 次は……春也!!」

 

戦極ドライバーから白式ロックシードを外し、オレンジロックシードをセットしてオレンジアームズに変わると、大橙丸と無双セイバーを持って武神鎧武に斬りかかった。

 

「くっ! トランスフォーマーをこうも簡単に倒すなんて!」

 

「私達を甘く見ないことね!!」

 

刃を受け止める武神鎧武を睨み付ける鎧武。姉弟の本気のぶつかり合いが今、幕を開けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『レモンエナジースカッシュ!!』

 

手始めにデュークはシーボルコンプレッサーを一回押し込んで暮桜フェイクのAIに干渉、複数の分身が居るように見せかけ自らはソニックアローの弦を引く。

だが暮桜フェイクは分身達には目もくれずに、真っ直ぐ本体目掛けて攻撃を仕掛けた。

 

「千冬を参考にしたAIなら、そう来ると思っていたよ」

 

一切焦ることもなく、デュークはソニックアローを構えた状態の自分を突き抜け飛び上がる。そう、攻撃準備を整えていたのも分身で本体はそれに紛れるようにして隠れていたのである。

 

「コイツで終いだ!」

 

『レモンエナジースパーキング!!』

 

シーボルコンプレッサーを二回押して右足にエネルギーをチャージすると、それを暮桜フェイクの頭部に向けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「このままじゃ埒が明かない。弾、ここは一気に!」

 

「奇遇だな、俺もお前と同じ考えだ!」

 

『『ソイヤッ! マツボックリスカッシュ!!』』

 

黒影と黒影トルーパー(数馬)は共にカッティングブレードを一回倒すとタイラントに向かってジャンプし、影松の切っ先を勢いよく振り下ろした。

 

『ドラゴンフルーツエナジースカッシュ!!』

 

対するタイラントはシーボルコンプレッサーを押し込み、ソニックアローの斬撃を放ち防御を行う。

 

「とっとと決めるぜ!」

 

『ソイヤッ! マツボックリオーレ!!』

 

「そうね!」

 

『カモン! リンゴスパーキング!!』

 

黒影トルーパー(ダリル)とイドゥンもまた、カッティングブレードを倒して互いの得物で同時に突きを放ち、装甲に食い込ませる。

 

「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」」」

 

「「はああああああああああああああ!!」」

 

5人の気合が叫びとなって響き渡る。そして―――

 

 

 

ドガァァァァン!!

 

 

 

「「「うわあああああああああああああああ!?」」」

 

「「きゃあああああああ!?」」

 

互いに強引に押し切ろうとした黒影と黒影トルーパー(数馬)とタイラント、互いの得物を振り抜いて装甲を切り裂いた黒影トルーパー(ダリル)とイドゥンとの間で爆発が生じ、黒影3人は虚達のところへ、タイラントとイドゥンはそこからやや離れたところへ吹き飛ばされた。

 

この時の衝撃で黒影と黒影トルーパー2人の戦極ドライバーはマツボックリロックシードごと破損し、イドゥンはリンゴロックシードこそ無事なものの戦極ドライバーは破壊され、タイラントはゲネシスドライバーが頑丈であった為に破壊は免れたが体力を大幅に消耗していた。

 

「! 貴方達は……!?」

 

「ご、五反田君……なの……!?」

 

「先輩!? 何で先輩がそれを!?」

 

戦極ドライバーを破壊されたことで変身が解け、正体が露見し虚達を驚かせる。だが彼らはそれどころではなかった。

 

「せ、説明は後で。兎に角、今は早く逃げないとまずい!」

 

「えっと、どうやって解けば……」

 

「だぁーっ! 慌てんじゃねぇ!!」

 

美咲とタイラントがダウンしている間に、どうにか虚達を解放しようと3人は試みる。だが武神鎧武はそれを見逃さなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(チッ! 使えない駒共が……人質に逃げられるじゃないか。早急に何とかしたいが、暮桜のTFもピンチだ。まずはこっちからだな)

 

鎧武と戦いながら考えを纏めると、大橙丸で斬りかかる。横に転がられて回避されるがその間に武神鎧武はコマンドを暮桜フェイクに送った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デュークの放ったキックは暮桜フェイクの頭部を捉えた……かに思えたが、寸前に武神鎧武の送ったコマンドで粒子化され空を切った。

 

「何!? ……うわあああああああああ!!」

 

動揺する間もなく、粒子化した暮桜フェイクに身体を拘束され、床や壁等に身体を激しくぶつけられる。最終的に放り捨てられる形で解放されたが、全身打撲でまともに動くことができず、衝撃でゲネシスドライバーがレモンエナジーロックシードごと外れて遠くへと転がった。

 

「ま、まずい……!」

 

冷や汗を大量にかきながら、凌馬はロボットモードに戻った暮桜フェイクを見た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「(あっちは大丈夫だな。次は……)はっ!」

 

「うっ!?」

 

無双セイバーのトリガーを引いて鎧武を威嚇すると、武神鎧武はカッティングブレードを三回操作した。

 

『ブラッドオレンジスパーキング!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぅっ!?」

 

武神鎧武の戦極ドライバーから音声が流れるのと同時に、タイラントのドラゴンフルーツエナジーロックシードがスパークを発し、タイラントを苦しませる。

 

「何だ!? アイツのエナジーロックシードから……何か出てるぞ!」

 

「植物の……蔦、なのか?」

 

困惑する弾達の前でタイラントは蔦状の何かに全身を取り込まれ、悲鳴を上げる間もなく牛に似た白い人型の怪物に姿を変えた。

 

「!? 何あれ! 春也、貴方一体!?」

 

「オ、オーバーロード……! この世界に最初の怪人が誕生してしまったのか……!!」

 

突如現れた怪物に鎧武は驚愕し、凌馬は本来現れる筈の無かった怪人(オーバーロードインベス)の出現に衝撃を受ける。

 

「ゆ、優陽……!? その姿は何!? 一体何が―――」

 

タイラントだった怪物に詰め寄る美咲は、それ以上問いかけることができなかった。怪物が振り抜いた大剣が彼女の首を一撃で跳ね飛ばしたからだ。

 

「自分の仲間を殺した!? あの女、理性が無くなっているとでも言うのかよ!?」

 

「正真正銘の怪物になっちまったみてぇだな! てか、今の光景だと私らもやべぇぞ!!」

 

「そうだ、早く逃げなきゃ!」

 

弾は虚を、数馬は真耶を、ダリルはフォルテを連れて逃げようと走るが、怪物は凄まじいスピードで走り後を追ってくる。

 

「いけない! このままじゃ弾達が!!」

 

「邪魔させると思っているのか! どうせ代わりはいくらでもいるんだし、奴らは殺させて貰うよ! 一夏姉さんの心を折る為にね!!」

 

助けに行こうとした鎧武も武神鎧武に阻止され、いよいよ怪物の大剣が彼らを切り裂こうとした―――正にその時。

 

『ハイーッ! ブドウスカッシュ!!』

 

鳴り響く音声と共に弾丸が大剣に直撃して遠くへ弾き飛ばす。

 

「何!? 今のは!」

 

「ふう、よくわからないけどナイスタイミングみたいね」

 

ブドウ龍砲を構えた龍玄の他、基本形態に戻った各アーマードライダー達が倉庫に集って来たのだ。

 

「助かったぜ鈴!」

 

「弾、アンタ達何で生身なのよ? それにあの怪物、一体何な訳?」

 

「俺達、揃って戦極ドライバーを壊されちまってさ。あの化け物は敵側のゲネシスドライバーのアーマードライダーが、春也が何かやったせいで突然変異を起こしたんだ」

 

「……アイツ、ついに人を化け物に変えやがったのね。いいわ、あの怪物は私達が「その必要はない」えっ?」

 

倉庫に響いた新たな声に全員の視線が発せられた方向―――龍玄達の後ろに集まる。そこには腰に無双セイバーを携え、左手にメロンディフェンダーを持った仮面ライダー斬月の姿があった。

 

「千冬お姉ちゃん……!?」

 

「!? そんな、バカな! あの時、千冬姉さんは殺した筈……!!」

 

「千冬お姉様! いつお目覚めに?」

 

「ついさっきにな。それで看病の為に残ってくれてた束に話を聞いて、ここに駆けつけた次第だ」

 

「大丈夫なんですか? 病み上がりの上、身体も鈍っている筈では……」

 

「心配はいらん。私を誰だと思っている?」

 

その一言だけで全員を納得させると、斬月はタイラントが変貌した怪物へと目を向ける。

 

「……奴が何なのかは不明だが、相手は私に任せてお前達は弾達と凌馬を連れて退避しろ。あの様子だと、おそらく全身を痛めている筈だ」

 

有無を言わせぬ迫力を怪物への殺気と共に出し、ブラーボ達は無言で頷き人数を分けて指示に従う。だがバロンだけは残り斬月の隣に立った。

 

「退避しろと言ったぞ?」

 

「貴女の邪魔はしません。私は一夏さんのサポートをしますので」

 

「あの鎧武に似たアーマードライダー……春也と戦うのか」

 

「恋人として、彼が一夏さんにしたことを許す訳にはいきませんので」

 

「……わかった。そこまで言うなら私は何も言わない。ただ、健闘は祈らせて貰う」

 

「では私も貴女の勝利を祈らせて頂きますわ」

 

言い終えるとバロンと斬月は同時に走り出す。怪物が反応して攻撃しようとするがその前に斬月は行動していた。

 

『ソイヤッ! メロンスカッシュ!!』

 

「行けっ!!」

 

カッティングブレードを倒しメロンディフェンダーを投げつける。怪物に直撃しダメージを与えると同時に注意が一瞬逸れ、バロンの通過を許す。怪物が我に返ったところに、斬月は無双セイバーを引き抜いて頭上から一撃を食らわせ―――

 

「はぁぁぁあああああああああああああああ!!」

 

―――人間で言う心臓に当たる器官がある場所を全力で貫く。数秒悶え苦しんだ後に怪物はダランと力なく倒れた。怪物の屍は人間に戻ることなく、風化して消えていった。

 

「やっぱり凄い……!」

 

凌馬に肩を貸すグリドンがその光景を目の当たりにして驚嘆する。

 

(すまない3人共。後は頼む……)

 

戦闘続行が不可能になったことを不甲斐なく思いながら、凌馬は鎧武、バロン、斬月に後を託した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凌馬を担いで行くグリドン達と擦れ違った斬月は、彼らを追撃しようとしていた暮桜フェイクの前に立ちはだかった。

 

「貴様の相手は私だ。相手にとって不足はないだろう?」

 

挑発的な物言いに応えるかのように、暮桜フェイクは零落白夜を発動させたブレードを振り翳す。相対する斬月は入手したばかりの新しいロックシードを取り出し、しばし見つめた。

 

「もうお前を使うことは無いと思っていたが……偽物に本物の力を示してやるのには必要不可欠だ。だからもう一度力を貸してくれ、暮桜!!」

 

『暮桜!』

 

ロックシードを解錠すると頭上に桜色をしたメカニカルなアームズが出現し徐々に降下する。戦極ドライバーからメロンロックシードを外し代わりにセットしてロックを掛け、すぐにカッティングブレードを倒してロックシードを輪切りにした。

 

『ロック・オン!』

 

『ソイヤッ! 暮桜アームズ! 零・落・白・夜!!』

 

特殊な名乗り音声と共に、メロンアームズが消滅して新たなアームズが被さり上半身に展開して鎧になる。右手には初代雪片を模した剣が握られ、斬月は新たな姿にして自らの原点の力・暮桜アームズに変身した。

 

「さすがに小型化されてはいるが、この感触、忘れはしない。行くぞ……!」

 

『ソイヤッ! 暮桜スカッシュ!!』

 

カッティングブレードを一回倒して零落白夜を発動させると、突撃し暮桜フェイクのブレードと火花を散らせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁあああああああああ!!」

 

「ぐあっ!?」

 

一方鎧武と武神鎧武の戦いでは、到着したバロンが早速武神鎧武にバナスピアーで攻撃を加えて鎧武を援護した。

 

「セシリア!」

 

「私も共に戦いますわ! 構いませんわよね?」

 

「勿論! 凄く心強いよ!」

 

マスクの下で満面の笑みを浮かべて頷くと、大橙丸やバナスピアーを武神鎧武に向けて構える。当の武神鎧武はいきなりの乱入者に驚くも、すぐに冷静さを取り戻す。

 

「セシリアか……! 二対一とは随分なことをするもんだね。ま、一石二鳥になるからいいけど。何せ折角一夏姉さんの心を折ったと思ったら、これ以上とない支えになるんだもの。一夏姉さんの後に消そうと考えてたけど都合がいいや」

 

「相も変わらず、身勝手な理由ですこと。もう私、怒りを通り越して軽蔑しましたわ」

 

「同感だね。自分の都合で私を含めた、大勢の人に迷惑を掛けたんだもの。償いはきっちりして貰うよ!」

 

「やれるものならやってみろ!!」

 

感情のままに突撃してくる武神鎧武に合わせ、鎧武とバロンも走り出す。両者の得物が同時に繰り出されるが、武神鎧武はバナスピアーは無双セイバーで、大橙丸は赤い大橙丸で受け流し攻撃をする。

だが2人は身を反らしたり身体を捻ったりして躱すと、攻撃後の隙を突いて再び各自の武器で突きを放った。

 

「ぐおっ!? くっ、やってくれるじゃないか!」

 

『ブラッドオレンジスカッシュ!!』

 

無双セイバーを腰のホルスターに戻してカッティングブレードを一回倒すと、大橙丸を両手で持ち刃にエネルギーをチャージしていく。

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」

 

勢いよく振るわれた大橙丸から斬撃が放たれて鎧武とバロンを襲う。近くにあった燃料入りのドラム缶にも直撃して爆発が2人を飲み込む。勝利を確信した武神鎧武だったが……。

 

『レモンエナジー!』

 

『マンゴー!』

 

『『ロック・オン!』』

 

『ソイヤッ! ミックス! オレンジアームズ! 花道・オンステージ!! ジンバーレモン! ハハーッ!!』

 

『カモン! マンゴーアームズ! Fight of Hammer!!』

 

「「はぁぁぁぁあああああああああああ!!」」

 

変身音と共に爆煙の中から、ジンバーレモンアームズとマンゴーアームズにチェンジした鎧武とバロンが、ソニックアローとマンゴパニッシャーを構えて走り出てきた。

 

「なっ!? ぐぼあっ……!!」

 

完全に不意を突かれ、2人の重い一撃を食らって怯む。続けざまに鎧武はレモンエナジーロックシードをソニックアローにセットしてから、バロンはそのままカッティングブレードを操作する。

 

『ロック・オン!』

 

『ソイヤッ! オレンジスカッシュ!!』

 

『カモン! マンゴーオーレ!!』

 

鎧武はソニックアローを目一杯引き、バロンはマンゴパニッシャーを勢いよく振り回し始める。

 

「行けえっ!!」

 

『レモンエナジー!!』

 

「はぁああああ……やぁぁぁああああああああ!!」

 

必殺の光矢ソニックボレーと、エネルギー弾パニッシュマッシュが武神鎧武に放たれる。

 

「そうはいくか!」

 

咄嗟に大橙丸と無双セイバーの柄同士を連結させナギナタモードにした武神鎧武は、自分の前でソレをクルクルと回転させ壁をつくる。直後に2人の必殺技が命中。ダメージは軽減させることに成功したが爆煙で視界が悪くなった。

その隙に鎧武はカチドキロックシードを、バロンは戦極ドライバーをゲネシスドライバーと交換してレモンエナジーロックシードを解錠した。

 

『カチドキ!』

 

『レモンエナジー!』

 

『『ロック・オン!』』

 

『ソイヤッ! カチドキアームズ! いざ・出陣! エイエイオー!!』

 

『ソーダ! レモンエナジーアームズ! ファイトパワー! ファイトパワー! ファイファイファイファイファファファファファイト!!』

 

カチドキアームズとレモンエナジーアームズに変身が完了すると一気に武神鎧武に駆け寄り、無双セイバーと火縄大橙DJ銃を合体させた大剣とソニックアローを叩き込んだ。

 

「そりゃあっ!」

 

「せぇいっ!」

 

「がはぁっ……! クソ、一方的にやられてたまるか!!」

 

体勢を立て直した武神鎧武は、無双セイバーナギナタモードで鎧武とバロンに連続して斬りかかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暮桜フェイクの大振りだが的確な攻めに、斬月はパターンを見極める為にしばし防御や回避に徹していた。そして―――

 

「……この位でいいか。はっ!!」

 

頃合いを見計らって高くジャンプし剣を逆手に持ち変え頭上高くに上げる。暮桜フェイクはブレードを横向きにして切り払う構えを作る。

 

(読み通りだな)

 

予測していた攻撃が来たことに内心で呟くと、剣をブレードに叩き付け、鍔迫り合いをする……のではなく、叩き付けた勢いで相手の頭上で一回転し背後へと着地した。

 

「はぁっ!!」

 

素早く振り向いて両足の関節部を攻撃し膝をつかせると、暮桜フェイクに登って首筋の僅かな隙間に左腕を強引に捻込んだ。

 

「終わりだ……!」

 

コードをぶちぶちと何本か引き千切ると、暮桜フェイクのカメラアイが消えて前のめりに倒れ機能を停止させた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方で鎧武は火縄大橙DJ銃を分離させた上でカチドキロックシードを、バロンはソニックアローにバナナロックシードをセットしてロックを掛ける。対する武神鎧武も無双セイバーナギナタモードのソケットに、ブラッドオレンジロックシードを取り付ける。

 

『ロック・オン!!』

 

『ロック・オン!』

 

『ロック・オン! イチ・ジュウ・ヒャク・セン・マン!』

 

「「「はぁぁぁあああああああ……!!」」」

 

鎧武はDJ銃のトリガーに指を掛けつつもう片方の手で銃身を支え、バロンはソニックアローを持った右腕を後ろにして腰を低くし、武神鎧武は無双セイバーを両手持ちにして足を開いて構える。

 

「セイハァァァァァアアアアアアアアアアアアアーッ!!」

 

『カチドキチャージ!!』

 

「フンッ!!」

 

『バナナチャージ!!』

 

「せぇぇええええええええええいっ!!」

 

『ブラッドオレンジチャージ!!』

 

DJ銃の銃口から放たれたエネルギーの奔流とソニックアローを地面に突き立てたことで発生した、バナナを模したエネルギー衝撃波が走り、無双セイバーの斬撃と衝突する。

 

「この程度で……僕が負けてたまるかぁっ!!」

 

エネルギーを押し返そうと力を込める武神鎧武。その姿にバロンは急ぎゲネシスドライバーのシーボルコンプレッサーを、二回連続で押し込んだ。

 

『レモンエナジースパーキング!!』

 

「はぁっ! ……せやぁああああああっ!!」

 

その場でジャンプして放った急降下キック・ギャバリエンドが武神鎧武へと向かって行く。

 

「何!?」

 

驚き対応しようとするも時既に遅く、必殺のキックは武神鎧武の身体をしっかりと捉えていた。同時に防ぐものがなくなったDJ銃等のエネルギーも直撃することになる。

 

「し、しまっ……ぐああああああああああああああああ!!」

 

「これで終わりですわ、織斑春也!!」

 

直後に爆発が起きて、バロンは着地するが武神鎧武は大きく吹き飛ばされる。彼の戦極ドライバーは真っ二つに割れており、変身が解除され唯一無事だったブラッドオレンジロックシードが床に転がった。

 

「勝負ありですわね」

 

「観念しなさい、春也!」

 

「……はっ! 誰がそんなことをするものか!」

 

ブラッドオレンジロックシードを握り締めながら立ち上がると、懐に手を入れてある物を取り出し2人に見せつける。

 

「! そんな……もう一つ持っていたの!?」

 

「その通り! そしてこっちが、僕の本当の切り札と言う訳だ……!」

 

言いながら春也は取り出したソレ―――ゲネシスコアが取り付けられた戦極ドライバーを腰に宛がった。

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